花をもった一人の少女…一つの墓の前で足を止める
「きれいなお花でしょ…」

それはある夏の出来事・・・

ジャジャ、ジャジャ、ジャーン♪

梓「唯先輩だいぶ上達してるじゃないですかっ」

唯「うん、最近がんばってるからね」

澪「確かにミスもなくなってきたし」

律「やればできるんだな」

紬「ウフフ」

唯「えへへ……はぁ、はぁ…」

紬「唯ちゃん大丈夫?」

唯「あはは…ちょっと無理しすぎたみたい…えへへ」

澪「あんまり無理するなよ、体に悪いぞ」

律「その優しさを私にも…澪ぉぉお」

澪「お前は元気いっぱいだろっ」ゴスッ

澪「あっもうこんな時間だ…」

梓「結局今日もちゃんと練習できませんでしたね…ティータイム1時間もしてたせいで」

律「これが…地球温暖化…ゴクリ」

唯「りっちゃん…」

律「唯…」

唯律「だから音楽室にクーラーを!!」

澪「悪化するわっ」 ゴスッ

唯「ていうか私クーラー苦手なんだよね」

律「そうだったな…」

紬「帰ろっか…」

唯「あずにゃんも帰ろっ」ギュ

梓「え、…はい」

律「おーラブラブだなぁ」

唯「えへへ…あれ、あずにゃん手ぇ繋ぐのいや?」

梓「そんなこと…ないですけど……恥ずかしいです///」

唯「あはは~あずにゃんかわいいなぁ~いいこいいこ」ギュウウ

梓「せんふぁい、ふ…ふるひぃへす」

澪「おいおい、苦しがってるぞ梓」

唯「おぉ、ごめんごめん」

紬「ウヒヒ…」

澪「え?なにか言ったムギ」

紬「い、いえ何も…ウフフ(危ないあぶない)」

唯「あっそうだ今日はおつかい頼まれてたんだった、ごめんあずにゃん」

梓「あ…いえ、大丈夫です///」

唯「みんなバイバイ~」


澪「私たちも帰るか」

律「おう」



――――――――イオンB1

唯「えーっと…玉ねぎ、人参、じゃがいも…あとは……牛乳だっ、牛乳~♪フンフン~♪」

唯「あったあった牛ny…<ドクンッ>…うっ」

唯「(心臓が痛いっ…まただ…)」

唯「うぅ…」

梓「せ、先輩?大丈夫ですか」

唯「えへへ…あずにゃん、平気だよ…」

梓「(でもこんなとこでしゃがみこんで…)胸が痛むんですか?」

唯「あはは…恋かもね」

梓「ふざけないでください…先輩…」

唯「…(あれ、痛みもうないや…今回は早いなぁ)ふぅ~…もう大丈夫だよあずにゃん、心配してくれてありがとう」

梓「病院行ったほうがいいんじゃ…」

唯「だーいじょーぶだってぇ…あずにゃんは買い物?」

梓「ええ、はい」

唯「じゃあ私帰るね、バイバイあずにゃん」

梓「あ…先輩…(なんか変だな)」

唯「うぅ…ほんとに病院行ったほうがいいかな…まぁいっか♪」

……

唯「たっだいまぁ~」

憂「あっおねえちゃんお帰り~おつかいありがとね」

唯「えへへ…今日は私も手伝おっかな」

憂「ありがとう…えへへ…あれ、その紙袋は?」

唯「えへへ…秘密だよぉ~」

憂「え~教えてよぉ…」

唯「そのうちね、そのまえに…」

唯「う~い~あいすぅ~」

憂「もぉ~夕ご飯食べてからね、じゃあ着替えてきて」

唯「がってんです」

唯「で、私はなにすればいい?」

憂「う~ん…じゃあその鍋焦げないようにかき混ぜてくれる?」

唯「は~い」

憂「(お姉ちゃんが手伝ってくれるなんて久しぶりだなぁ)」

唯「今日はカレー?」

憂「そうだよ」

唯「おなか減ったぁ…」

憂「もうすぐできるからね…ほらお姉ちゃんかきまぜないと焦げちゃう」

唯「あわわわわ…ごめん唯」


唯憂「いただきますっ」

唯「うん、今日もおいしいよ憂~」モグモグ

憂「ありがとう…でもお姉ちゃんが手伝ってくれたから格別においしいんだよ」パクパク

唯憂「…えへへ」

唯「そういえばお父さんたち明日帰ってくるんだっけ?」モグモグ

憂「うん明日の朝ね」

唯「今回のお土産は何かなぁ~」モグモグ

唯「パリってイタリアだっけ?」

憂「フランスだよ」

唯「ほぉ~じゃあフランスp…<ドクンッ>…ぐふっ、ゴホッゴホッ」

憂「お姉ちゃん大丈夫?肺に入った?」

唯「(今までよりキツイ…うぅ…)ゴホッゴホッ…ご…」

憂「背中さすってあげるから…ほんとに大丈夫?」

唯「ゴホッ…ふ、ふぅ~大丈夫…ちょっとむせただけ、大丈夫だよ」

憂「ほんとに?」

唯「ごめんごめん…テーブル汚しちゃった…」

憂「拭いとくから、お姉ちゃんは水飲んでゆっくりしてていいよ」

唯「ほんとにごめんね憂…何から何まで」

憂「姉妹なんだから当たり前でしょ…えへへ」


憂「お姉ちゃんお風呂沸いたよ~」

唯「は~い、あっ憂ぃ一緒にはいろっ」

憂「えっ…うん、入ろっ」



―――――――琴吹家

紬「斎藤…モニターは?」

斎藤「全1627ヶ所死角なしですお嬢様」

紬「ウフフ、よくやったわ…さてと…あら、お風呂かしら?それも姉妹揃って…ジュルリ」

紬「RECっと」

斎藤「……」



―――――――平沢家

唯「憂おっぱいおっきいよね」

憂「そ、そんなことないよ…お姉ちゃんはきれいだよね」

唯「えへへ…そうかなぁ」ムニュ

憂「ん…もう、おねえちゃんのエッチ」

唯「アハハ、反応が可愛いなぁ…えいっ」モミモミ

憂「ちょ…うぅ…んはっ…おねえ…ん…ちゃん」

憂「も、もー仕返しするからね」プニプニ

唯「アハハっく…くすぐったいよ憂~」



――――――――琴吹家

紬「ハァハァ…いいわ…すごく…イイ!ジュルリ」

斎藤「…」



―――――――平沢家

唯「いやぁ~1時間も入ってしまった」

憂「も~お姉ちゃんがいじわるするからぁ…」

唯「だって可愛いんだもん」ギュウウ

憂「お姉ちゃん暑いよぉ」

唯「あっそうだ憂、アイス食べよっ」

憂「うんっ」

唯「いやぁ~お風呂の後はアイスが格別においしいよぉ~」

憂「えへへ…おいしいね」

唯「うぃ~ちゅーしよっか」

憂「っ…お、おねぇちゃん?」

唯「駄目…かな?」

憂「駄目じゃないけど…そんないきなり…?」

唯「いいじゃん、ね?うー」ちゅ

憂「ん…ぷはぁ…」

唯「うんん…なんか甘いんだねキスって」

憂「そ、それはアイス食べた後だからだよ」

唯「へぇ~じゃあ本当はどんな味がするんだろう…」

憂「そ、それは…初恋の…あじ、かな…えへへ」

唯「初恋かぁ…」

唯「あっもぉこんな時間だ…そろそろ寝よっか」

憂「そうだね、おやすみぃ~」

唯「憂ぃ?」

憂「どうしたのお姉ちゃん」

唯「大好きだよっ…えへへ」

憂「私も大好きだよ…えへへ」

唯「あっそうだギターの練習しなきゃ…えへへ、またうまくなってみんなに褒めてもらいたいなッ♪」

憂「…お姉ちゃん頑張ってるなぁ……楽しんだろうな軽音部」

その後、憂が眠りに就くまで唯のギー太の音が止むことはなかった


ブロロロロロロキキー…ガチャ

唯母「たっだいま~」

唯父「コラッ唯たちが起きちゃうだろ?」

唯母「そうだね…じゃあ唯たちの顔でも…」

ガチャ

唯母「ウフフ…唯またあんなに布団蹴っ飛ばして…」

唯「うぅ…うぅ…」

唯母「もぉ…唯tt…唯っ!!大丈夫?唯っ!!」

唯父「どうした」

唯母「唯が…胸押えて苦しそうなの」

唯「うぅ…おか…あ…さん」

唯母「すぐ救急車呼ぶからね」

唯父「大丈夫か唯、しっかりしろ唯ぃぃいい」


――――――ピーポーピーポー

唯「うぅ…」

唯母「唯!しっかり…」


憂「う……うぅ…もうこんな時間か…」

ガチャン

憂「あれ…お父さんたち帰ってきたの…かな」ムニャムニャ



――――――ピーポーピーポー

憂「あれ…誰もいない…お姉ちゃんの部屋かな」

憂「あれ…お姉ちゃん?どこいったんだろう」



【手術中】

唯母「なんてこと…」

唯父「どうして…どうしてこんな…神様…」


憂「もーみんなして…あっメールだ…お母さんから…」

『唯が病院に病院』

憂「おねえちゃんが…病院…?なんで…もしかして」


回想中
唯「ほぉ~じゃあフランスp……ぐふっ、ゴホッゴホッ」

憂「お姉ちゃん大丈夫?肺に入った?」

唯「(ゴホッゴホッ…ご…」

憂「背中さすってあげるから…ほんとに大丈夫?」

唯「ゴホッ…ふ、ふぅ~大丈夫…ちょっとむせただけ、大丈夫だよ」



憂「お姉ちゃん…馬鹿だ…私のばかっ…どうして気づいてあげられないの…」

憂「おねえちゃん待っててすぐいくからね」

憂は玄関を飛び出すとスウェット姿のまま鍵も閉めずに玄関を飛び出した
憂は走った、足が千切れそうになりながらも懸命に走った
そしてなだれ込むように病院に入って行った


憂「お母さんっ!!」

唯母「憂…走ってきたの?」

憂「だって…だって…お姉ちゃんが…うえぇぇぇん」

憂はそれまで我慢し続けた涙を流した…それは憂の意思すら受け付けず流れ続けた
唯母はただただ憂を抱いて頭をなでるしかなかった

唯母「大丈夫よ…唯は強い子だから」

憂「私が…グスン、ちゃんとしてれば…お姉ちゃんは」

唯母「大丈夫…大丈夫だからね、憂…」

唯母も涙を必死にこらえながら憂を慰めた
そして憂が泣きやむと今度は唯母が泣き始めた

憂「お母さん…」

唯母「どうして唯が…神様は…むごい…むごすぎるわ…うわぁぁあああ」

唯父「ほら…お前まで泣くと唯が…唯が…」

手術が始まって3時間…
【手術中】のランプは消え、担当医が出てきた

憂「せ、先生お姉ちゃんは?大丈夫なんですか」

医師「大丈夫です、命に別条はありません…しかし今はまだ…安静が必要です」


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最終更新:2010年01月22日 15:10