~唯・紬ペア~
唯「カギが一緒にあるってことはさぁ」
紬「どっちにしろ、宝を探さなきゃダメってことだと思う」
唯「やっぱり、そうなるよねぇ」
ボーン ボーン ボーン
唯「わひゃっ!?」
紬「な、なに!?」
唯「でっかい時計が動き始めたよっ!」
紬「制限時間が始まったってことなのかしら」
唯「はっ!?」
唯「宝・・・制限時間・・・あの世」ふらっ
紬「唯ちゃん?」
唯「ふふふ」
紬「唯ちゃん、落ち着いて!」
唯「うふふふ」
紬「唯ちゃんがそんなになっちゃったら、わたし!」
唯「あははははっ」
紬「唯ちゃんってばぁ!」
唯「謎はすべて解けたっ!」どーんっ
紬「・・・は?」
唯「いやー、これ一度やってみたかったんだよねぇ」
唯「このシチュエーションぴったりだよぉ」
紬「おびえてたんじゃ・・・ないの?」
唯「おびえてるヒマなんてないじゃん」
唯「それにわたしは、ムギちゃんのナイトなんだしねっ」にこっ
紬「!?」きゅんっ
唯「よし、他の戸棚とかも探してみよぉ!」
紬「う、うん」
唯「どしたの?ムギちゃん」
唯「疲れちゃったぁ?」
紬「ぜ、ぜんぜん大丈夫よ」
唯「じゃあ時間もないことだし、レッツゴー♪」
紬「ご、ごー」
唯「うーん、戸棚にはなにもないねぇ」
紬「この部屋にカギはないのかしら」
唯「こういう時は、犯人の気持ちになって考えてみようっ」
紬「は、犯人?」
唯「はっ!?」
唯「ひらめきました」
唯「わたしのカンでは、この絨毯があやしいんだよっ!」
紬「たしかにこの絨毯、中途半端に敷いてあるかも」
唯「隠れてないで、出て来なさいっ!」
ばっ
唯「!?」
紬「!?」
唯「えっとぉ、なんだろこの赤いシミ」
紬「さ、さぁ」
唯「だ、だめだよねぇ、トマトジュースこぼしちゃ」
紬「違うわ、これはペンキだと思う」
唯「・・・・・・」
紬「・・・・・・」
唯「二人して、もっとましな嘘をつけないものなのかなっ」あぅぅ
紬「なんとなく、ごめんなさい!」
唯「ということで」
唯「見なかったことにしようっ!」
紬「待って、唯ちゃん」
唯「だ、だめぇ?」
紬「というか端っこのこれ、文字じゃない?」
唯「あ、ほんとだぁ」
紬「えっと」
唯・紬「鏡に気をつけろ?」
唯「やっぱり意味あるんだろうねぇ」
紬「うん、いわゆるこれって」
唯「ダイニングメッセージだね、ムギちゃんっ!」
紬「・・・・・・」
唯「・・・・・・」
紬「ダイイングメッセージだよね」
唯「・・・・・・」
紬「・・・・・・」
唯「いまさらながら」
唯「もっと勉強しとけば良かったと思いますっ!」くっ
紬「これから頑張ろう!」
~澪・律ペア~
律「ゲームなんかだと、カギは別の部屋なんだよなー」
澪「カギを掛ける意味がないもんな」
律「探すのめんどくさそー」
澪「探さないと見つからないだろ」
澪「ちゃんとやろうよ」
律「さっきまで現実逃避してたヤツに言われたくねー!」
澪「まったく、夢の中くらい真面目にやれよ」
律「だ、誰か現実への戻し方、教えてください」うぅぅ
律「まあ、でも」
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
澪『あそこ、なんか動いた!』
澪『壁が軋んだぁ!』
澪『床が鳴ったぁ!』
澪『もうやだ!絶対に動かないからな!』
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
律「こうなるよりマシか」はぁ
澪「いま、すっごく失礼な想像された気がするけど?」
律「面倒だけど、隣の部屋から調べるかー」
澪「う、うん」
すらっ
律「ここはなんの部屋だろ?」
澪「和室ってみんな同じ部屋に見えちゃうよな」
律「新聞敷いてあるから、土足でいいよねー」
澪「ほんとだ、どれどれ?」
律「茶色っぽくなってるなー」
澪「昭和4×年だってさ」
律「古っ!」
澪「うーん」
律「どしたー?」
澪「それにしては、さっきの南京錠とかカードとか」
澪「新しい気がしない?」
律「言われてみれば、そうかも」
澪「これって、いたずらなんじゃないかな」
律「いたずらだろうがなんだろうが」
律「閉じ込められたことに代わりないよねー」
澪「そ、そうでした」
律「それこそ忍者屋敷だとさー」
律「こういう掛け軸の後ろに扉あったりするよねー」
澪「映画じゃないんだから」
ぴらっ
澪・律「あったー!!!」がーんっ
律「そしてまた安心の南京錠と」
澪「そしてまた漢字が」
律「この死っていうのは、4って意味なのか?」
澪「だとしたら、悪趣味な当て字だな」
律「イッツ、アメリカンブラックジョーク!」
澪「・・・ここまでアメリカンが似合わない場所もないと思うよ」
律「それにしても探すカギが増えたのかー」
澪「まあ、そうなんだけどさ」
律「ん?」
澪「他にも問題がっ」
律「これ以上、なんだよ」
澪「は、花摘みいきたい」
律「へ?」
澪「お手洗い、いきたいんだよぉ!」
律「えーーーーー!?」
~唯・紬ペア~
唯「うーん、鏡はこの部屋にないねぇ」
紬「カギもなさそうだし、他にいく?」
唯「だねぇ、長くいたいとこじゃないし」
がちゃ ばたん
紬「あ、あのね唯ちゃん」
唯「どしたのー?」
紬「腕組んでていいかなっ?」
唯「あー、怖くなっちゃったんでしょぉ」にやりっ
紬「いえ、あのっ、安心するから」
ぎゅっ
唯「これで怖くないよねっ♪」
紬「う、うん///」
唯「どしたのムギちゃん、顔赤いよ?」
紬「ちょ、ちょっと恥ずかしくて」
唯「ほぇ?」
唯「さっきも腕組んだじゃん」
紬「さっきとは心構えが違うの!」
唯「そ、そうなんだ」
紬「むー!」
唯「な、なに?」
紬「わたしばっかりドキドキして、ずるい!」
唯「はぇ?ど、どゆこと?」
紬「だ、抱き着いたら少しはドキドキするのかな」
唯「へ?」
紬「唯ちゃん、抱き着くね!」
唯「えぇぇぇぇぇ!?」
紬「イヤなの?」じーっ
唯「あの、イヤとかじゃなくてぇ」
紬「梓ちゃんには自分から抱き着くくせにー!」
唯「あ、あれは、あずにゃんだから」
唯「って、理由になってないけど」あぅぅ
紬「ずるい!」
唯「前に、ムギちゃんにも抱き着いた気がぁ」
紬「いまがいいのー!」
唯(ど、どぉしよぉ)
唯(ムギちゃんが子供になっちゃったっ!)がーんっ
唯「ここ、こういうのって」
唯「意識すると、すっごい恥ずかしいんだよぉ」
紬「大丈夫だよ、わたししかいないもん!」
唯(それが余計に恥ずかしいんじゃん!)がーんっ
唯(で、でも、あれだよね)
唯(ムギちゃん、怖さを紛らわせたいんだよねっ)
唯「わかったよ、ムギちゃんっ!」
紬「ほんと?」
唯「い、いくよっ!」
紬「は、はいっ」びくっ
唯「って、ムギちゃんっ!?」
唯(ななな、なんで目を閉じるのっ!?)
唯(しかも、微妙に上向き加減だしっ!)
唯(そ、その唇が開き気味なのは)
唯(なにを意味するのぉぉぉぉぉ!?)あぅぅ
紬「ゆ、唯ちゃあん」
唯「はっ!?」
唯(ムギちゃん、そんなに震えて)
唯(そこまで怖かったなんてっ)
紬(ま、まだかな) ←ハグの期待で震えてる
唯「む、ムギちゃん」
唯「きき、キスすれば、怖いのなくなるのかなぁ?」
紬(え、キス?)
唯「ごめんねぇ」
唯「そんなに怖がってるの気づいてあげられなくて」
紬(なんで?どうしてキスが出てくるの?)
唯「ムギちゃん相手なら」
唯「は、恥ずかしくなんかないよっ」
紬(そういえば、わたしなんで目を閉じたんだっけ)
紬(これって、キスを待ってるみたいになってる!?)がーんっ
~澪・律ペア~
律「じゃ、じゃあトイレ探すかー」
澪「う、うん」
律「いや、待てよ?」
澪「ななな、なにっ!?」
律「こういう屋敷の場合って」
律「かわやって言うんじゃなかったっけー?」
澪「なんでこんな時だけ、細かいんだよぉ!」
律「なんだよー」
律「そんなに切羽詰まってんのかよー」ぶーっ
澪「り、律ぅ」もじっ
律「まじだー!」がーんっ
律「か、かわやとかって、端っこにあるイメージじゃん?」
律「侍の人とか端っこに歩いてくよーな」
澪「時代劇とか、こういう時にためになるんだな!」
澪「これから、ちゃんと見ような!」
律「い、いや、こんな状況2度とごめんだし」
律「あったー!」
澪「ほんとに端っこだったな」
律「ほら、ここで待ってるから行って来いよ」
澪「う、うん」
律「どしたー?」
澪「ちゃ、ちゃんと目と耳を手で塞いでてね」もじっ
律「・・・わたしの手は何本ある設定なんだよ」
ぱたん
律(それでも一応耳塞いで、目をつむっとくかー)
律(名前が律だけに、律義だってか)はっはっは
律「・・・・・・」
律(誰か、この虚しさをなんとかしろー)あぅぅ
がちゃ ぱたん
澪「お、終わった」もじもじ
律「そ、そか」
澪「電気つくし、ウォシュレットだから助かったよ」
律「そりゃ、良かったじゃん」
澪「・・・・・・」
律「・・・・・・」
律「って、えぇぇぇぇぇ!?」
律「な、なんでトイレだけ電気つくんだ!?」
澪「さ、さあ」
律「おかしいと思わなかったんかい!」
澪「だって、余裕なかったから」
律「いや、普通気付くって」
澪「あぅ」
律「まあ、こういう時はあれだな」
澪「なに!?」
律「わたしもトイレー!」
澪「・・・行ってこい」
律「すげー、ほんとにウォシュレットだったー」
澪「改めて見ると、すごい違和感がっ」
律「さっきの新聞、何年だったっけ」
澪「昭和4×年かな」
律「ウォシュレットってその時期は?」
澪「影も形もないと思うよ」
律「ですよねー」
澪「他の部屋は生活感まるでないのに」
澪「なんでお手洗いだけ」
律「誰か来てるってことだよなー」
律「良かったー、助けてもらえるかもしれねー」
澪「1時間以内に?」
律「へ?」
澪「あのカード忘れてないよな?」
律「・・・・・・」
澪「・・・・・・」
律「すっかり忘れてました」
澪「やっぱりか」
最終更新:2012年10月01日 00:14