律「多分、ダメだな」

澪「そんな気がする」

澪「さて今日はこの後…」

律「昨日ムギがいなかったし、また梓ンチ行くのは?」

唯「あずにゃんのガレージ!」

紬「行ってみたいな」

梓「はぁ……」

律「練習も出来るし……梓はどう?」

梓「構いませんけど……」

律「よーし、決まり~」



中野家のガレージ


紬「わぁ~すごーい」

澪「なんか悪いな、続けて」

梓「いえ、別に」

紬「空気がひんやりしてる」

唯「ソファーもあるんだよ~」

梓「それはベッドです」

律「じゃあ、今日は5人いるし、合わせてみよう」



唯「きらきら光るー願いごともーぐちゃぐちゃへたる悩みーごともー」
  ジャージャジャージャーン
  ブッブッブッブーーン
  ブッパンッブッパンッブッパンッブッパンッ
  ヒュワワワワワワワワワワ
  ポロロロン ポロロロン




秋の終わり
雪の降る日


唯「しゃ~む~い~」

憂「お姉ちゃん、ほら、ちゃんとマフラー巻いて」

唯「ううぅ、うーいー、寒い~」ブルルッ

憂「急に雪降ってきたもんねー」

唯「そうだ、こうしてマフラーを……」まきまき

憂「わあ」

唯「こうして二人ぐるぐる巻きにすればちょっと暖かいよ」

憂「お姉ちゃん、あったか~い」



音楽室


唯「ううっ! みんなー今日は寒いねー」

澪「そうだなー」

律「慌ててマフラー出したよ」

紬「もう冬なのねー」

唯「あずにゃん、まだ来てないね」

律「学年違うし、時間割も違うし、クラスの付き合いもあるだろ」

唯「ムギちゃん、あったか~いお茶ある?」

紬「うん。でも、梓ちゃんが来てからね」

澪「…………」

律「…………」

紬「…………」

唯「…………手袋のままじゃ、弾けないかぁ」

澪「メールは?」

律「送ったけど、返信来ない……」

紬「お茶も冷えちゃった……」

唯「はうっ! 手袋の糸が弦に絡まった!」

紬「あのう……今日は私、用事あるからもう帰るね」

律「そうなのか?」

紬「うん。ごめんなさい。梓ちゃん来たらよろしくね。それじゃ、お先に……」

澪「…………」

唯「用事ってなんだろう?」

律「仕方ない、今日はかいさーん」

澪「律ー、ちょっとCD買いに行かない?」

律「ああ、ごめん。私も今日はちょっと家で用事が…」

澪「そうなのか。唯は?」

唯「いいよー。付き合うよー」

律「そんじゃなー」



澪「どうしたんだろうな、梓」

唯「家で寝てたりしてね。授業中も、あずにゃんずっと寝てるって憂が言ってたよ」

澪「納得してしまうのが痛いな……」

唯「今日は澪ちゃん、何買うの?」

澪「んー、前に梓に教えてもらったのを……唯は最近好きなバンドとかあるのか?」

唯「J・マスシス! Jで始まるギタリストが好きなんだ~」

澪「ああ、多いもんなーJで始まるヤツ」

唯「ベビーワァイドンウイー♪」

澪「あったあった。何気に最後の一枚だったぞ」

唯「澪ちゃん、これ知ってる? 私好きなんだー」



Teenage Fanclub "The Concept"
(http://www.youtube.com/watch?v=PAMqJP4VvdE)



澪「ああ、いいよなーこれ。いい曲だ」

唯「あ、これあずにゃんちにあったヤツだ。聴いたことないや~」




唯「…………ほへ~」


澪「スピッツは初期が好きだなー」


スピッツ 名前をつけてやる
(http://www.youtube.com/watch?v=eq5ORy16D1c&feature=related)


澪「唯はさぁー」

澪「なーにー?」

澪「将来プロになりたいとか考たりする?」

唯「澪ちゃん、なりたいの?」

澪「いや、ただ聞いてみただけで、私は別に……」

唯「私もなんにも考えてないや。いいんじゃない、それでさー」

澪「そっかー」




某ファーストフード店


先輩「いい? 失敗してもきびきび次の行動をすること。
   あなたがオロオロしたからって、お客さん待たせられないのよ」

紬「はい……」

先輩「じゃ、休憩入って」

紬「はい……失礼します……」

紬「(バイト始めてちょっと経ったけど、まだ失敗も多い)」

紬「(また先輩に怒られちゃったし、きっと私のこと嫌いだろうな……)」

紬「(皆にはまだ言えない……恥ずかしいとこ見せたくない……)」

紬「(なんでバイト始めちゃったんだろ……)」

紬「(…………)」

紬「ダメダメ! 悪いふうに考えちゃ! もっと仕事ができるように考えなきゃ!」

紬「うん! 休憩終わり!」




よくじつ!

唯「あずにゃん、今日も来ないね……」

律「さすがに心配だな」

唯「憂もメール返ってこないって」

紬「どうしたのかな……」

澪「ちょっと、梓ンチ行ってみるか」


紬「ごめんなさい、今日もこの後、ちょっと用があるの……」

唯「今日、親が久しぶりに帰って来て、出かけるんだ」

律「そっかー。じゃ、二人で行ってくるよ」

澪「…………」



律「なーんか、最近集まり悪いなー」

澪「そうだな……」

律「今日も寒いなー。このヤロッ」

澪「そうだなー」

澪「(卒業したら、こういう風にあんまり皆とも会えなくて、バンドも解散したりして……)」



中野家

澪「チャイムは鳴らしたけど」

律「へんじがない。ただのあきやのようだ」

澪「そんなわけあるか。どっかに出かけいて、それでいないのかな?」

律「うーん……あ! ガレージは? よくいるって言ってたじゃん」

澪「あ、そっか」


ガレージ

律「おーい、梓ー、いるー?」ノックノック

澪「……反応がない。ただの……」

律「…………」ジッ

澪「な、なんだよっ」

律「いやーなんでもないですよー」

澪「くそう」

律「お、開いてる。無用心だな。おーい、梓ー? 入っちゃうよー」

澪「電気ついてる」

律「寝てるぞあいつ。なんだやっぱいるんじゃ~ん」

澪「おい、学校サボってずっと寝てたのか?」

梓「…………」

澪「メールも返さないし、心配させるなよ」

梓「…………はぁー……ぅー」

律「いつにもましてボンヤリしてるな」

梓「…………」

澪「なんか変だな……うわっ! 顔熱い!」

律「風邪か!?」

梓「……か……ぜ?」

律「これ、けっこう高いんじゃない?」

梓「……昨日からなんだか……ボーッとしてて……さっきから体が重いんです……」

律「上に半袖シャツ一枚しか着てないじゃん!」

梓「さむい……」ぎゅ

澪「お…………」

律「こんな寒いとこいたら当たり前だよ、もう」

梓「ふにゃ……」

澪「家の人達はいないのか?」

梓「……今日は……出かけてます……」

澪「病院連れてった方がいいよな」

律「そうだな。起きれそう?」

梓「……どこかに、行くんですか?」

律「うん、病院」

梓「あの……もうすぐ、テレ東の夕方アニメが始まるんで……1時間待ってください」

澪律「バカか!!」



某ファーストフード店

紬「ありがとうございました!」

先輩「そうそう。今みたいに他の人と協力してスムーズにね」

紬「はい」

先輩「それじゃ、お先に上がりまーす。お疲れさまー」

紬「お疲れ様でした!」

紬「いらっしゃいませ」

おばあさん「ええとね、コーヒーひとつちょうだい」

紬「はい、かしこまりました。ご注文は以上でよろしいですか?」

おばあさん「ええとね……」

紬「ただいまポテトが100円になっておりますが、こちらはいかがですか?」

おばあさん「ああ、お芋ね。じゃ、それひとつちょうだい」

紬「はい、ありがとうございます!
  お持ちいたしますので、お掛けになってお待ちください」

紬「お待たせいたしました。コーヒーとポテトになります」

おばあさん「はい、お姉ちゃん、ありがとう」

紬「(あっ……)」

紬「は、はい! ありがとうございます! ごゆっくりどうぞ」

紬「(うれしいな……)」

おばあさん「お姉ちゃん、かわいいねえ」

紬「えっ///」


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最終更新:2010年02月19日 23:53