~澪・律ペア~

澪「そ、それで、鎧の奥にいけそう?」よろっ

律「む、無理すんなー」

澪「なんか行き止まりっぽいな」がくっ

律「ってことは、これお宝?」

澪「は?」

律「だってわたし達って、お宝探してんだよね?」

澪「・・・・・・」

律「・・・・・・」

澪「それさえ、忘れてた」

律「・・・時間のこと忘れてたの、言えねーじゃん」

澪「あぁぁぁぁぁ!!!」

律「ひいっ!?」

澪「じゃあ、カギもあるはずだよ!」

澪「家宝と一緒って書いてあったじゃないか!」

律「・・・・・・」ちーん

澪「え、あれ?」

律「・・・た、確かに大声はよくない・・・な」がくっ

澪「わ、わたしとしたことが」

律「それでー、カギはあんのかー」よろろっ

澪「無理・・・するなよ?」

律「澪、手のとこ見てみ、手のとこ」

澪「手?」じーっ

律「自分の手じゃねーよ」

澪「!?///」

澪「わ、わかってるよぉ!」

律「それって、もしかしてー」

澪「間違いなく、カギだ!」

澪「こっちは弐のカギだな」

律「こっちは壱だー!」

澪「なんか、一気にゴールが近くなった気がするな!」

律「そんでさー」

澪「ん?」

律「お宝、どうやって持ってく?」

澪「もしかして、この鎧のこと?」

律「うん」

澪「・・・着ていく?」

律「・・・・・・」ふるふる

澪「じゃあ、無理じゃないかな」

律「ちきしょー!」

律「わたし達は、なんのためにー!」あぅぅ

澪「普通に出口のカギのためだけど?」

律「デスヨネー」

澪「そ、それにさ」

律「んー?」

澪「宝は、わたしの目の前に・・・いるし」もじっ

律「!?」

律(もしかして、わたしのことかー!?)

律(い、いまさらながら)

律(澪の書く歌詞が、ああなる訳が)

律(わかっちゃった、気がする)

澪「な、なんだよぉ」

律「い、いや、なんでも」たらたら

律「澪、次からもう少しだけさ」

律「優しくドラム叩いてやるからな」

澪「なんの話?」

律「ま、まあいいじゃん」

律「壱のカギ開けに、台所いこーぜー」

澪「気になるなぁ」

律「いいから、いいから」

澪「えー?」

律「勝手口に戻ったわけだがー」

澪「うん」

律「なんか、すっごく懐かしい気がする」

澪「いろいろあったからな」

澪「律がわたしを置いてったり」

澪「律がわたしを置いてったり」

澪「律がわたしを置いてったり」

律「真顔で言うのは、やめろー」あぅぅ

澪「き、キスもしたり」

律「はにかむのも、やめろー」あぅぅ

律「どうすりゃいいんだよ!」

澪「どうすりゃって」

律「いつもの澪でいいんだってー」

澪「いつものって、この状況で?」

律「そ、そりゃそうかー」

律「まあ、ここ出るまでだ、出るまで」

澪「出るまで・・・か」

律「なんだ?」

澪「・・・戻らないよな」

律「なにがー?」

澪「キスする前の、いつものわたし達に」

澪「戻っちゃったりしないよな」

律「・・・澪」

律「あのさ、澪」

澪「な、なに?」

律「好きって言ったり、キスしたりしたじゃん」

澪「うん」

律「それをなかったことにしてさー」

律「いつも通りに振る舞うとか」

律「わたしが、そんなに器用に見えんのかー!?」

澪「み、見えないけど」

律「わたしが不器用で、よかったなー」わーん

澪「そ、そんなつもりで言ったんじゃないのにっ」



~唯・紬ペア~

グルルルルル

紬「どう考えても、犬の鳴き声よね」

唯「曲がり角の先に、いるのかなぁ」

紬「どうする?唯ちゃん」

唯「戻っても、しょうがないもんね」

紬「それじゃあ」

唯「うん」

唯「いくっきゃないっ!」

唯「ムギちゃんは」

唯「後ろの扉開けて、待っててくれるかな」

紬「わ、わたしが見にいくから」

唯「ちっちっちー」

唯「こう見えてもわたし」

唯「ワンコの扱い、得意なんですっ」ふふん

紬「それ・・・相手が飼い犬の場合よね」

唯「とにかく、扉で待っててよ」

唯「なんかあったら、逃げ込むからっ」

紬「唯ちゃん、無茶はしないでね」

唯「わかってるってぇ」

唯「ワンコだって、ちっちゃいのに違いないし」

ガルルルルル

唯「・・・たぶん」

紬「ちょ、ちょっと説得力ないかも」

唯「わたしも、そう思うっ」あぅぅ

唯「ムギちゃん、いいかな?」

紬「う、うん、いつでもどうぞ」

唯「そんじゃあ」

唯「ぬき足、さし足、しのび足っと」こそっ

紬「・・・・・・」どきどき

唯「ワンコとご対面っ!」

ばっ かちっ

唯「へ?かちっ?」

ぐわわっ

唯「ぎゃーーーーー!!!」

紬「唯ちゃん!?」

唯「は、離れろ、こんにゃろーっ!」

唯「こんなにふわふわのくせにっ!」

ふにっ

唯「って、ふわふわ?」

ふにふにっ

唯「・・・ぬいぐるみじゃんっ」がくっ

ぎゅんっ どこーんっ

唯「はぇ?」

紬「唯ちゃんから、離れなさい!!!」

唯「な、なんか飛んできたぁ!?」

紬「大丈夫!?唯ちゃん!」

唯「あ、うん」

紬「ケガはない!?」

唯「えと、大丈夫」

唯「だって、ぬいぐるみだから」

紬「え?」

唯「ほ、ほら、ぬいぐるみ」

紬「・・・・・・」

唯「ものすごい勢いで、サンダルが飛んできたけど」

紬「ご、ごめんなさい!」

紬「ほ、本物かと思ったから」

唯(てゆか、どうしたらサンダルがこんな勢いでっ?)

唯(こっ、これから絶対に)

唯(ムギちゃん怒らすのはやめよう)

唯「この仕掛けで、ぬいぐるみ飛んだんだぁ」

紬「なにか驚かすのが趣味なのかしら」

唯「かちっていったのは、なんだろ」

紬「ちょうど角のあたり?」

唯「うん、その辺かなぁ」

紬「あ、これって」

唯「なんかあった?」

紬「センサーかな」

紬「ほら、家の警備とかに使う」

唯「それはまさしく」

唯「ん"ー、セ○ムしてますかっ」きりっ

紬「あー、なんかテレビで見たことあるかも」

唯「あのおじさん、誰なんだろうね」

紬「ナイスミドルって感じよね」 ←もちろん2人とも野球オンチ 

紬「そういえば」

紬「向こうにも、同じのがあると思うわ」

唯「さっき、言ってたねぇ」

紬「それが鳴き声のスイッチだと思う」

唯「なるほどぉ」

唯「なんかムギちゃん、冴えてるかも」

唯「RPGだったら、女賢者だねっ」

紬「そんなのあるんだ」

紬「じゃあ、唯ちゃんだったら?」

唯「うーん、わたしかぁ」

*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*

唯『敵だよっ、律ちゃんっ!』

律『よーし、ぼこぼこにしてやれー!』

唯『がってんだっ!』

澪『うぉい!補助魔法かけるから待てよ!』

律『そんなの待ってらんねー』

唯『出たとこ勝負だよ、澪ちゃんっ』

ぎゅうぅぅぅんっ どこーんっ

唯『へ?』

紬『覚えたての魔法、使ってみたのー』にこっ

律『て、敵が跡形もないじゃんっ!』

*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*

唯「む、ムギちゃん、レベル高すぎっ!」

紬「は?」

唯「ご、ごめん、こっちの話」

紬「あ、でも」

紬「唯ちゃんは、ナイトだったよね」

唯(こんな、おバカなナイトだったら)

唯(間違いなく、パーティ全滅するけどねっ)

唯「ってゆーか!」

唯「姫があんな魔法使うの、反則じゃん!」

紬「だから、なんの話!?」



~澪・律ペア~

律「とにかく!」

律「戻ることもないし、忘れることもないー」

澪「そ、そっか」

律「それに、ファーストキスだしな」

澪「う、うん///」

律「澪、責任取って」

澪「え?」

澪「せ、責任ってどうやって」

律「・・・・・・」

澪「・・・・・・」どきどき

律「・・・澪」

澪「は、はい!?」

律「パフェのこと、忘れてくれませんか?」にこっ

澪「わたしのドキドキ、返せよ!」

澪「こうなったら、パフェの第一歩だ」

澪「この南京錠、開けよう」

がちゃんっ

律「・・・サイフのカギが開けられた気分だー」

澪「なにか?」

律「な、なんでもー」

澪「この扉は、外に通じてるのかな」

律「普通、勝手口の先って外じゃないの?」

澪「そうなんだけど」

澪「もう1個カギがあるのが気になるんだよ」

律「な、なるほど」

ぎぃぃっ

律「ろ、廊下でしたー」

澪「ずいぶん、長い廊下だな」

律「先が見えないけど、なんだあれ?」

澪「な、なにかあるの?」

律「よく見えないなー」

律「近付いてみっかー」

澪「大丈夫なのか!?」

律「なんか、こういう時ってさー」

律「ちゃんと見えない方が怖くね?」

澪「そ、それはそうだけど」

澪「ひひ、人の形に見えない?」

律「また、鎧かー?」

澪「着物に・・・見えるような」

律「ほんとだ」

律「大きさは子供っぽいなー」

澪「ざ、座敷わらしとかっ!?」ひぃっ

律(いままでからして)

律(どう考えても人形なんだけど)

澪「ここって、実は妖怪屋敷とかっ!?」

律(こーゆー時に正しいのは)

律(澪のメルヘンな反応なのか)

律(それとも、なんか変に冷静なわたしかー)

律「どっちにしろ」

澪「え?」

律「女子としては、ダメな気がするー」がくっ

澪「な、なにがだめ!?」

律「わ、忘れてくれ」

澪「は?」

律「ま、あれどうせ人形っしょー」

律「怖がることないって」

澪「に、人形?」

澪「言われてみれば、動かないけど」

律「ほらみろ、いままでのだな・・・」

「よう・・・こそ・・・お嬢様・・・方」

澪「・・・・・・」

律「・・・・・・」

澪「う、動かないけど、しゃべったよ」

律「そそ、そだねー」

律「ど、どうせ録音だってー」

澪「でもいま、お嬢様方って」

律「それがなんだ?」

澪「・・・・・・」

律「・・・・・・」

律「ああ、見えてるってことか!」ぽんっ

澪「ってことかじゃないよっ!」

律「まあ、そうだねー」

澪「ど、どうすんだ?」

律「逃げろー!」

ぐいっ

澪「ちょぉぉぉぉぉ!?」

澪「って律、なんで残る!?」

律「澪はそっち隠れてろって」

律「ちょっくら調べてみるわー」

澪「あ、危ないだろ!」

律「大丈夫、大丈夫ー」

律「もしもの時はさ」

澪「も、もしも?」

律「屍を拾って、骨を越えてゆけい!」きりっ

澪「なんか、ごっちゃになってる!?」

「わたし・・・人形に閉じ込め・・・られた」

「お前達の・・・体・・・欲しい」

澪「ほらぁ!妖怪とかだよそれっ!」ひぃぃっ

律「ふふん、甘いな、澪君」

澪「澪君?」

律「いま、この廊下にはわたししかいない」

澪「そ、それが?」

律「なのにっ」

律「こいつは、お前達と言った」

律「これが、どういうことかわかるかね?」ふっ

澪「・・・わたしの声が聞こえるからじゃないの?」

律「・・・・・・」

澪「・・・・・・」

律「あれ?」

澪「あれ、じゃないだろっ!」がーんっ


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最終更新:2012年10月01日 00:29