あずさ「なにかうの?おかーさん」

紬「まだ特に決めてないのよねぇ」

紬「何か食べたいものある?」

りつ「ハンバーグ!」

紬「それはこの前食べたじゃない」くすっ

ゆい「うんたん!」

紬「うんたん…何それ?」

ゆい「違うよおかーさん、うんたんじゃなくてグラタン!」

紬「ご、ごめんなさい。聞き間違えちゃった」

紬「でもグラタンは却下です!」

ゆい「しどい!なんでさ!」

紬「だって手間なんだもん」

ゆい「…ききましたりっちゃん?てま、ですってよ?」

りつ「こうやっておやのあいをじゅーぶんにうけられなかったこどもたちはすさんでいくのであった」

紬「な、何よ…というかそんな表現どこで覚えてくるの?」

りつ「ひるどら!」

紬「……ませてるなぁ」

紬「梓ちゃんは何が食べたい?」

あずさ「わたし?え、えーと……」おろおろ

紬「(可愛い)」

あずさ「あの…お、おさかなたべたい」

紬「お魚?」

あずさ「……」こくっ

紬「なるほどお魚…いいかも」

紬「鮮魚コーナー見てみよっか」

あずさ「はいです!」


りつ「おさかな~?なんかじみだな」

ゆい「だよねぇ、じだいはグラタンだよねぇ」

りつ「それはしんないけど」

りつ「あ!あっちでうさぎさんがふうせんくばってる!」

ゆい「ほんとだ!ほしいなぁ…」

りつ「いってみる?」

ゆい「でも、かってにいったらおこられるよ?」

りつ「ぱっといって、ぱっともどればだいじょうぶだよ!」

りつ「ばれなければどうということはない」

ゆい「おぬしもわるよのぉ」

りつ「ゆいほどではありませんよぅ」

りつ ゆい「「ふっふっふ」」

りつ「いっくぞー!」たたたっ

ゆい「おー!」たたたっ



和「あら?あの子達……」

あずさ「おさかながいっぱい……」

紬「そうね、たくさんあるわ~」

紬「(このカレイの切り身安いなぁ、煮つけにしたら美味しそう)」

紬「(こっちは秋刀魚が安い…旬ですものね)」

紬「お魚にしたらしたで迷うわね……」

あずさ「おかーさん」

紬「? なあに?」

あずさ「おさかなってうみにしかいないの?」

紬「いいえ、川とかにもいるわよ」

あずさ「へぇ~…」

紬「どうしてそんなこと聞くの?」

あずさ「わたし、おさかなのことあんまりしらないから」

あずさ「おさかながうごいてるとこもみたことないし……」

紬「そうなの?」

あずさ「はい」

紬「(……それは少し不憫ね)」

紬「(なら…)」

紬「梓ちゃん、今度のお休みに水族館に行きましょうか!」

あずさ「えっ、どうして?」

紬「お魚が動いてる姿、見たくない?」

あずさ「!」

あずさ「みたいです!」

紬「うふふ、二人で行きましょ?」

あずさ「はい!」

あずさ「♪」

紬「(喜んでくれて良かった)」

紬「わっ!鮭がタイムセールで安くなってる!」

紬「やったぁ、ラッキー♪」

紬「今日は鮭のムニエルにしましょう!」

紬「それでいいかな?梓ちゃん、りっちゃん、唯ちゃん」くるっ

あずさ「おっけーです」

「」

「」

紬「あれ?返事の数が二名程足りない……」

紬「あ、あの子達は~!」

和「貴方達何やってるの?」

りつ「お、のどかおばさんじゃん」

ゆい「あのね、ふうせんもらいにいってたんだ」

和「風船?ああ、あそこで配ってるやつね」

和「二人だけで来たの?お母さんは?」

りつ「おかーさんならどっかいった」

ゆい「ひどいよね、かわいいむすめをおいてくなんてさ」

和「…そうなの?」

りつ「そーそー」

和「(……十中八九、この子達の独断行動ね)」

和「仕方無いわ、お母さん来るまで私と一緒に待ってようか」

ゆい「わーい、のどかちゃんといっしょだー」

和「こらこら、ひっつかないの」

ゆい「だってのどかちゃんいいにおいするんだもーん」

りつ「あたしだってくっつくもんねー!」

りつ「ぎゅー」

和「苦しいわよ、もう…」

ゆい「ぎゅー」

和「(……でも可愛いなぁ)」

りつ「なぁなぁ、のどかおばさん」

和「何かしら」

りつ「のどかおばさんはかれしいないの?」

和「……」

和「…いないけど」

ゆい「えー!いないの?こんなにいいにおいするのに?」

和「匂いは関係無いでしょ」

りつ「…のどかおばさんだいじょうぶなの?」

和「何が?」

りつ「そのとしでかれしもいないのはまずいんじゃ……」

和「黙りなさい」

ゆい「(か、かおがこわい…)」ぶるぶる

りつ「(め、めがねひかった!キラッてひかった!)」ぶるぶる

和「その話題は以後、厳禁よ」

和「つまり駄目ってこと。分かった?」

りつ「はい…」

ゆい「のどかちゃんおっかない…」



あずさ「! いたよおかーさん」

紬「…やっと見つけた!」


紬「りっちゃん!唯ちゃん!」たたたっ

ゆい「おかーさんだ」

りつ「……やべっ」

紬「どこほっつき歩いてると思ったらこんなトコに…」

和「久しぶりねムギ」

紬「……和ちゃん?」

和「二ヶ月ぶりくらいかしら?」

紬「和ちゃ~ん!!」

和「むぎゅっ!苦し……」

紬「久しぶり~!!」

和「ま、待って…息が出来な…離れ…」

あずさ「はわわ…//」

りつ「お~…だいたん」

紬「おっと」

紬「いつこっちに戻って来たの?」

和「けほっ…昨日からよ。たまたまお休みを貰えてね」

和「せっかくだからみんなの顔を見ようと帰省したの」

紬「そうなんだ~!会えて嬉しいわ」

和「私もよ」

和「(それにしてもこの一家はすぐに人に抱きつくわね…なんかの呪いでもあるのかしら)」

和「貴方達はお買い物?」

紬「ええ、晩ご飯のおかずを買いに」

紬「…でも、フラッといなくなっちゃった子がいたせいで殆ど買い物出来ませんでした」

りつ ゆい「「ギクッ」」

紬「貴方達は何をやっていたのかな?」

りつ「えっと…えっと…じぶんさがし?」

ゆい「べつにふうせんなんかにつられてはなれたわけじゃないよ?あはは……」

りつ「ば、ばかゆい!なにほんとうのこといってんだよ!」

ゆい「ついこのくちが…てゆーか、りっちゃんこそじぶんさがしってなにさ!?ばかじゃないの!?」

りつ「なんだと!?ばかっていったほうがばかなんだぞー!」

ゆい「さいしょにばかっていったのはりっちゃんじゃん!」

ゆい りつ「「ギャーギャー」」

あずさ「りつおねーちゃん…ゆいおねーちゃん…!」おろおろ

紬「よーく分かりました」

紬「二人は晩ご飯のお野菜たっぷりの刑+デコピンです」

りつ ゆい「「えっ」」

紬「分かったわね?」にこっ

ゆい「はひ…」

りつ「てんはわれらをみはなした…」

あずさ「……ぷっ」

和「自業自得ね」

和「さ、無事にお母さんに発見されたことだし、私もう行くわ」

紬「え…せっかく会えたんだから、家でお茶でも…」

和「ごめんなさい、他に周らなきゃいけない所があるの」

和「お茶はまたの機会にね」

紬「そう…」しょぼーん

和「またね、ムギ、唯、律、梓」

ゆい「またね、のどかちゃーん!」

りつ「ばいばーい!」

あずさ「ば、ばいばい……」

紬「美味しいお茶、買っておくから~」

和「ふふっ」ひらひら

和「あ、そうだ律」

りつ「なに?」

和「これからは気をつけて貰いたいんだけど…」

和「『のどかおばさん』じゃなくて『のどかおねーさん』だから」

和「…分かった?」

りつ「はいっ!」びくっ

りつ「(またメガネひかった……!)」ぶるぶる

和「それじゃ」すたすた


紬「……」

紬「私達も帰ろっか?」

あずさ「はい!」

ゆい「かえる!」

りつ「おー!」


「きょうのばんごはんはなににしたの?」

「鮭が安かったから、ムニエルにしようかなって」

「おー、なんかさけびたくなるひびきだな。むにえる!」

「うふふ、なにそれ」


琴吹家は今日も平和です



みお「おかーさんおそいな……」

みお「なにやってるんだろう」

みお「……」

みお「……さびしい」

みお「そうだ、ういちゃんとあそぼう」

みお「ういちゃん!」

しーん

みお「ういちゃん!」

みお「…あれ?」

たったった…

みお「ういちゃん?」

たったった…

みお「ういちゃん!」

たったった…

みお「う~い~ちゃ~ん~」

しーん

みお「いない……」

みお「どうしよお……」

ピンポーン

みお「!」びくっ

みお「…だれかきた」

みお「はーい…」とてとて

みお「(……まった!)」ぴたっ

みお「…もししらないひとだったらどうしよう」

みお「しかもわるいひとだったら…」


不審者『ふはは、確かめもせずにドアを開けるとはうっかりさんめ!』

不審者『お前は可愛いから誘拐しちゃうぞー!』

みお『きゃー!わたしかわいいからゆうかいされるー!』


みお「なんてことに……!」

ピンポーン

みお「!」びくっ


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最終更新:2012年10月02日 12:20