・・・

和「ひどい目にあったわ・・・」テクテク

純「肝試しなめてました・・・」

純「この悔しさを胸に私達も存分におどかしましょう!」

さわ子「その意気よ!」

澪「(お、和達の声だ)」

和「そういえば誰か忘れてるような気がするのよね」

純「そうですか?」

和「うーん・・・」

純「・・・あ、澪先輩ですよ!」

澪「(さすが純ちゃん!)」

さわ子「あら、出てこなかったの?」

和「さすがに帰ったんじゃないかしら?」

純「ですよねー」

さわ子「きっと怖いって言って真っ先に帰ってるわよ」

澪「(・・・なんだろう。すごく出づらい・・・)」

澪「(・・・だいたい律が悪いんだ。私は井戸で待機だなんて)」

澪「(か弱い女の子を一人にするなんてどうかしてる!)」

和「・・・そういえばこの井戸」

純「あ、スルーした所ですね」

和「もしかしたら・・・澪、いるの?」

澪「(これは罰として明日岩場で思いっきり・・・)」フフフ

さわ子「・・・なんか不気味な笑い声聞こえない?」

純「私も聞こえました・・・。まさか本当に幽霊・・・?」

和「私には聞こえなかったけど?」

和「澪、いるんでしょ。帰るわよ」

澪「・・・和?」スッ

和「やっぱりいた。このまま待ちぼうけになってたわよ」

純「あぁ、澪先輩!さっき変な笑い声聞こえませんでしたか!?」

澪「笑い声?・・・さぁ」

さわ子「・・・なんか不気味ね。早く帰りましょう」

純「本当にお化けだったらシャレにならないですよ・・・」

ガチャ

和「ただいま」

唯「おかえりー」

律「どうだった!?」

純「しばらく肝試しはいいです・・・」

憂「よっぽど怖かったんだね・・・」

さわ子「途中の井戸には近づいちゃダメよ!」

梓「一体何が・・・」

純「どこからか不気味な笑い声が聞こえてね」

さわ子「私達は聞こえたんだけど和ちゃんと澪ちゃんは聞いてないって言うの・・・」

梓憂「」ゾクッ

律「一人だけ聞いたなら気のせいかもしれないけど」

紬「二人聞いてたとなるとちょっと・・・」

梓「うぅ・・・」ギュッ

唯「ち、近づかないどこうね」

憂「う、うん」コクコク

律「次は唯達だな」

唯「その話聞いた後だとちょっと怖いかも」

憂「うぅ・・・」ギュッ

梓「ほ、本当にお化け出たならやめませんか・・・?」

純「それはダメ!梓達も存分に怖がらなきゃ!」

和「きっと先生達の聞き間違えよ。唯も一緒だし大丈夫」ナデナデ

律「さっきと同じで唯達は隣で待機な」

唯「あんまり怖くしないでよー」パタン

律「井戸使えないとなると作戦変えないとな」

澪「私は最初から反対してたからな」

さわ子「あんなに怖がってたら同じのはできないわね・・・」

和「憂にさっきのあれやったらたぶん失神しちゃいますよ・・・」

純「和先輩でさえ数秒意識飛んで増したからねぇ・・・」

紬「さわ子先生、一体何を・・・」

律「気になる・・・」

さわ子「安心して。りっちゃん達にはやってあげるから!」

・・・

唯「憂、怖い?」

憂「・・・うん」

唯「大丈夫。お化け出てもお姉ちゃんが守ってあげるから!」ギュッ

憂「お姉ちゃん・・・」

唯「だから大丈夫」ナデナデ

憂「・・・うん」

律『それじゃあ先に行くからなー』バタン

唯「いってらしゃーい」

・・・

唯「それじゃあ行こうか」

憂「う、うん・・・」

唯「戸締りしってっと」ガチャ

憂「お、お姉ちゃん・・・。あの・・・」モジモジ

唯「ん?・・・ふふっ、いいよ」ギュッ

唯「憂ってこんなに怖がりだったっけ?」

憂「だってぇ・・・」

唯「入るよ。いい?」

憂「・・・うん」ギュウッ

サクサク

唯「今日のお昼御飯も晩御飯もおいしかったねぇ」

憂「・・・だね」

唯「おうちに帰ったらホットプレート出して二人でお好み焼き焼こうよ」

憂「また食べたいね」

唯「絶対食べるよー。約束だからね」

澪「・・・なんかいい雰囲気だが本当にやるのか?」

律「も、もちろんだぜ・・・」

律「じゃあ作戦開始だ」

唯「でね、他にはー」サクサク

憂「?」クルッ

唯「どうしたの?」

憂「・・・ううん。気のせい・・・だと思う」

憂「誰か後ろにいた気がして」

唯「りっちゃん達かな?ムギちゃん達かな?」

憂「い、行こう」

サクサク

唯憂「・・・」

唯「誰かいるね」

憂「う、うん・・・。足音聞こえる・・・」

唯「・・・ずっとついてくるのかな?」

憂「姿見えないだけなのに、なんか不気味だね・・・」

唯「少し走る?」

憂「え?暗いし危ないよ」

唯「大丈夫大丈夫。もっと強く手を握って」ギュッ

唯「行くよ!」

憂「う、うん!」ダッ

律「うお。唯達走った?」

澪「この足音、そうだろうな」

律「思い切ったなぁ。このままずっとストーキングの予定だったのに」

澪「こっちは懐中電灯ないから走って追いかけるのは無理だな」

唯「・・・はぁはぁ。いなくなったかな?」

憂「・・・うん。たぶん大丈夫」

唯「ふふっ。ならよかったぁ」

憂「くすっ。だね」

唯「走ってるうちに次の仕掛けも通り過ぎちゃったりして」

憂「だといいなぁ」

和「・・・まさか走り抜けるなんて」

純「出る暇なかったですね・・・」

唯「はふぅ。走ったから少し熱いねー」パタパタ

憂「ねー」

唯「帰ったらアイス食べたいなぁ」

紬「うぅ・・・」

唯「・・・ムギちゃん?どうしたの!?」

紬「唯、ちゃん?」

唯「こんなところで座り込んで、どこか痛いの?」

憂「(これも作戦・・・?)」

紬「・・・憂ちゃんも、一緒?」

唯「一緒だよ。だからこっち向いて」

紬「・・・うん」

憂「」ゴクリ

カチッ

紬「ばぁー!」

唯「!!?」

憂「!」ビクッ

唯「びっくりしたー」

紬「ふふっ。懐中電灯で顔を下から照らすっていうのやってみたかったの!」

憂「定番ですよね」

梓「うまくいきました?」

紬「バッチリ!」

唯「あずにゃんも一緒にいたんだ」

紬「一人じゃ怖くてやだって言うから一緒にいたのよねー」

梓「もー、ムギちゃん!」

唯「それじゃあ先に行くね」

紬「うん。がんばって」

・・・

唯「あとは和ちゃん達とさわちゃん先生かぁ」テクテク

憂「出てこないといいけど・・・」

唯「・・・そういえば井戸って見なかったね?この先なのかな」

憂「き、きっと走ったとき通り過ぎたんだよ・・・」

憂「(この先にありませんように・・・)」

・・・

唯「神社見えた。結局誰も出なかったね」

憂「う、うん。でも油断は禁物・・・」

唯「だねっ」

唯「メモ帳は・・・。あった」

唯「平沢唯、憂っと」カキカキ

憂「か、書いたし。帰ろう」

唯「うん」

唯「さわちゃん達どこにいったんだろ?」

ズリ・・・ズリ・・・

憂「!?」

唯「え?」クルッ

唯「なにか、聞こえたよね」

ズリ・・・ズリ・・・

憂「ま、また・・・」

唯「あっちって確かお墓があるってムギちゃんが言ってた気が・・・」

憂「ひっ!」

ズル・・・ズル・・・

憂「ち、近づいてくる・・・」

唯「よーし。また走ろうか」

憂「う、うん!」ギュッ

唯「それっ!」ダッ

・・・

さわ子「ふふっ。このくらいで勘弁してあげるわ」



バタン

唯憂「はーはー」

律「お、早かったじゃん」

澪「・・・なんで息切らしてるんだ?」

唯「走って、きたんだよ・・・」

憂「う、うん・・・」

紬「二人とも汗すごい。タオルとお水持ってくるね」

唯「ありがとー・・・」ペタン

・・・

唯「扇風機気持ちいいー」

ガチャ

さわ子「置いていくなんてひどいじゃない」

律「さわちゃんおかえりー」

憂「・・・やっぱりアレはさわ子先生ですか?」

さわ子「アレ?なんのこと?」

憂「え・・・」

さわ子「(ふふっ)」

憂「じ、神社の近くで変な音出しておどかそうとしましたよね・・・」

唯「うんうん。ズルズルとかなにか引きずる音聞こえたね」

さわ子「あら、私は知らないわー(棒)」

憂「そんな・・・。じゃあ・・・」ブルブル

和「もう、つまらない嘘言って憂を怖がらせないでください」

さわ子「えー。怖がらせるから肝試しなんじゃなーい」

唯「やっぱりさわちゃん先生だったね」ナデナデ

憂「うぅ・・・」

梓「仕返しに明日の朝ごはんはさわ子先生抜きとか」

さわ子「そ、それは勘弁!」

紬「じゃあ次はりっちゃん達」

律「お、おう・・・」

さわ子「唯ちゃん達で手を抜いた分張り切るわよー!」

純「さっきおどかせなかった分がんばります!」

澪「しなくていいです!」

律「じゃなー」バタン

さわ子「さて。私は純ちゃん達にやったアレをパワーアップやるけどみんなはどうしようか」

純「あれをパワーアップ・・・」ガクブル

さわ子「具体的にはメイクするんだけどね」

和「・・・きっとその方が怖いですね」

唯「ムギちゃんが懐中電灯でやったのもメイクすればもっと怖くなるんじゃないかなー」

さわ子「そうねー。あとは井戸使えればやりたいネタ一つあるんだけど」

憂「わ、私は遠慮します・・・」

梓「右に同じです」

さわ子「井戸で貞子やりたいのよねぇ。梓ちゃん、どう?」

純「あぁー。長い黒髪だしピッタリですね」

梓「絶対いやです!」

さわ子「ぶーぶー」

梓「先生がやればいいじゃないですか。髪長いし名前も似てるし!」

和「(名前が似てるのは重要なのかしら?)」

さわ子「う・・・。でもあそこお化けでるし・・・」

梓「そんな場所に教え子を行かせようとしたんですか・・・」

さわ子「わ、わかったわよ!私がやればいいんでしょ!」

唯「さわちゃんがんばって!」

純「じゃあ神社でのアレを別の誰かがやらないとですね」

さわ子「そうねぇ。ムギちゃん達にもやりたいからムギちゃん達以外ね」

紬梓「・・・」

和「・・・がんばって」

さわ子「和ちゃんやってみる?」

和「私ですか?・・・いいですけど、メイクはしませんよ?」

さわ子「メイクは必須よー」

和「じゃあやりません」

さわ子「じゃあ純ちゃん。簡単なメイクしかしないからさぁー」

純「・・・そういうことなら」

唯「私達はなにしようかー」

憂「う、うーん・・・」

さわ子「唯ちゃんか憂ちゃんはムギちゃんのパワーアップかなぁ」

唯「じゃあわたしやりたーい!」

さわ子「そうだ。距離を置いて唯ちゃんと憂ちゃんで同じように驚かすのはどうかしら」

唯「それはダメー。憂と一緒にいるもん」

唯「ねっ」

憂「お姉ちゃん・・・」

紬「私達も別の場所はダメです!」

梓「はいです!」

さわ子「まったく。しょうがないわねぇ」

和「ふふっ」


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最終更新:2013年04月19日 19:51