・・・

紬「着いたね」

梓「・・・着いちゃいましたね」

紬「怖かったら好きなだけ抱きついていいからね・・・って」

梓「」ギューッ

紬「・・・ふふっ」

紬「早く行って帰ろうか」

梓「はいです!」

サクサク

梓「」ブルブル

紬「あずにゃんってそんなに怖いのダメだった?」

梓「だ、だって・・・。普段こんな夜中に外出歩かないし、まして真っ暗な森の中だし・・・」

紬「まぁ・・・」

梓「それにお化けだって・・・」

紬「お化けなんていないから大丈夫。いるのはけいおん部のみんなだけよ」ナデナデ

梓「うぅ・・・」


律「(へっへっへ。来た来たー)」

澪「(にしても律がこんなおどかし方で納得するなんてな)」

律「(・・・まぁ、後輩をいじめてもいい気持ちはしない)」

澪「(いい気持ちにするのは私担当だからな)」

律「()」

紬「それより楽しいこと考えよう。明日は何して遊ぶ?」

梓「明日、明日は・・・」

ガサッ

梓「ひっ!」ビクッ

紬「・・・なにもない?」

梓「な、なんだったんでしょうね・・・」ドキドキ

ガサガサッ

梓「!」ギュッ

シーン

ガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサッ

梓「ひいっ!」

律「(ぷくくくくっ)」

紬「お、落ち着いて。誰かが茂み揺らしてるだけよ」

梓「だ、だって・・・」

ガサガサッ

梓「!」

澪「(・・・なんか楽しくなってきたな)」

律「(喋ってる途中でびくっ!ってするんだよな)」

紬「これ以上はないみたいだし、先に行こう。ねっ」

梓「うぅ・・・」

律「(させるか!)」

ガサガサッ

梓「!」ピタッ

紬「・・・もう」テクテク

澪「(律、ムギがこっちに来た!)」

律「(なに!やりすぎたか・・・)」

紬「・・・あ、やっぱりりっちゃん達だ」

律「いやぁー。バレちゃった」

紬「もう、二人ともやりすぎ」

律「えへへ、ごめんごめん。梓の反応が面白くてさ」

澪「でもそんなにびっくりしなくても・・・」

梓「うぅ・・・」

紬「さ、りっちゃん達の仕業で安心したところで先に行こう」

梓「・・・はいです」ギュッ

律「・・・小さい梓がよけい小さく見える」

澪「だな・・・」

梓「はぁ・・・」

紬「よしよし」ナデナデ

唯「(ムギちゃん達来たね)」

憂「(うん。じゃあこんにゃく作戦開始だね)」

紬「純ちゃん達はゴールの所にいるだろうし、次は唯ちゃん達かな?」

梓「なら安心・・・だよね?」

梓「信じてるよ、憂・・・」

唯「(ゴー!)」

紬「そうだ。いじわるしたりっちゃん達になにか仕返ししようか」

梓「・・・いいですね」

唯「(ほっ。・・・うまく当たらない)」

憂「(・・・結構難しいね)」

梓「ん?」

紬「どうしたの?」

梓「なにか近くを通ったような気が・・・」

紬「んー」キョロキョロ

紬「・・・あ」

紬「・・・これ、こんにゃく?」

梓「あ、ほんとですね」

唯「(しまった!早く戻さないと!)」ササッ

紬「・・・ぷっ」

梓「くすっ」

梓「今こんにゃく戻したの、唯先輩でしょ」

唯「(バレてるー!)」

唯「・・・えへへ。意外と難しいね、これ」

紬「唯ちゃん達はこんにゃくなのね」

唯「一度やってみたかったんだー」

唯「(今だよ、憂!)」キラン

憂「(うん!)」

ペトッ

紬「きゃっ!」ビクッ

梓「!」

紬「わぁ、びっくりした」

憂「ふふっ。油断大敵ですよ」

唯「ナイス憂!」

紬「そっか、憂ちゃんも当然いるわよね」

梓「はぁ。当たらなくてよかった・・・」

唯「結構難しいんだよ。・・・よっ」

梓「こっち狙わないでください!」サッ

唯「えへへ。それじゃあ戻るねー」

憂「がんばってね」

・・・

さわ子「そろそろ私の出番かしら?」

さわ子「にしてもこの井戸、底は見えるけど深いわね」

さわ子「落ちたら一人じゃ上がれないかも」

さわ子「ではスタンバイ!」

フラッ

さわ子「・・・おっと、ちょっと飲みすぎたかし・・・ら?」

ドサッ

紬「・・・」ジーッ

梓「どうしたんです?」

紬「う、ううん。先に行きましょう」

紬「(井戸に誰かいるかと思ったけど、誰もいないみたいね)」

紬「(よかった)」

さわ子「」チーン

・・・

梓「・・・とうとうゴールですね」

和「(きたわよ)」

純「(はーい)」

純「(くくくっ。ゴールで安心したところに最大の絶望を!)」

紬「あずにゃん書く?」

梓「い、いえ。任せます・・・」

純「(なっ!梓の腕を掴む予定だったのに!)」

紬「ふんふーん」カキカキ

純「(こうなったらそのまま飛び出して梓を襲おう!)」

紬「これで終わり。帰ろうか」

梓「はい」

純「ゔあぁー!」ザッ

紬「きゃっ!」ビクッ

梓「ひぃ!」

純「あ゙ーずーざー・・・」

梓「こ、こっちこないでー!」ボコッ

純「痛っ!」

梓「あ」

純「・・・梓、痛い」シクシク

紬「だ、大丈夫?」

純「梓がぶったー!」

梓「じゅ、純が悪いんでしょ!」

純「いくら驚いたからって殴るの反則ー!」

梓「私ばっか追いかけるからでしょー!」

和「こら、喧嘩やめなさい」

純「うぅー・・・」

梓「・・・悪かったって」

紬「さ、さぁ。みんな終わったし帰ろう」

和「えぇ。早くお風呂に入って寝ましょう」

・・・

さわ子「」パチッ

さわ子「あいたたた・・・。転んじゃった」

さわ子「・・・ん?ここどこ?」

さわ子「もしかして、井戸に落ちた・・・?」

さわ子「だ、誰かいないー?」

さわ子「ムギちゃーん!梓ちゃーん!」

シーン

さわ子「そ、そんな・・・」

さわ子「みんなもう帰っちゃったの?」

さわ子「そうだ、携帯!・・・電池切れてる」

さわ子「うぅ・・・」シクシク


紬「でね、りっちゃんたら」

和「ふふっ。あとで仕返ししないとね」

梓「明日は律先輩だけお昼抜きです!」

シクシク

純「ん?なにか言いましたか?」

梓「どうしたの?」

シクシクシク

紬梓和純「」

紬「・・・今、女の人の泣き声が」

梓「きききき、気のせいですよ・・・」

和「今度は私にも聞こえたわ・・・」

純「まさか最後の最後で本物が・・・」

梓「気のせいですって、早く帰りましょう・・・」ガクブル

紬「お、落ち着いて」

和「そうね。長居する理由はないし、さっさと戻りましょう」

純「同意です!」

・・・

紬「ただいまー」

律「おっ、おかえり」

澪「結構遅かったな」

和「途中でちょっと一悶着あってね・・・」

憂「さっきのこんにゃく煮たんですよ。よかったら食べませんか?」

唯「こんにゃくはヘルシーだから夜に食べてもいいんだよー」

梓「わぁ。食べますー」

澪「うん。おいしい」モグモグ

律「こんにゃくだけでも結構イけるな」

純「大根とたまごとちくわもほしいなぁー」

唯「おでん食べたいねぇー」

憂「・・・あれ?そういえばさわ子先生は?」

紬「え?私達は神社で会わなかったからここにずっといたんだとばかり」

律「へ?ノリノリで井戸で待機するって言ってたぞ」

紬梓「えっ?」

紬「井戸も一応見たけど誰もいなかったわよ?」

和「・・・そういえば帰りに女の人の泣き声聞こえたわよね?」

梓「あぁ・・・。忘れてたのに・・・」

純「あれって確か井戸のあった辺・・・」

紬「まさか!?」

澪「えっと、話が見えないんだが」

紬「さわ子先生がまだ井戸にいるのかも!」

唯律「な、なんだってー!!!」

和「とりあえず先生の携帯に電話」

梓「繋がらないです!」

唯「これはみんなでさわちゃん先生捜索隊を結成するしかないね!」

律「まったくもう。世話の焼ける」

梓「またあそこに行くのか・・・」

紬「ここでお留守番する?」

梓「うぅ・・・、行きます!」

律「懐中電灯持ったな?じゃあ出発!」

・・・

唯「さわちゃーん」ガサガサ

律「どこだー?」

澪「井戸はもっと先だぞ」

律「まだ井戸にいるとは限らないし」

和「その辺で寝てる可能性も捨てきれないわ」

梓「さすがにそれはないんじゃ・・・」

紬「さわ子先生ー」

『せんせー』

さわ子「・・・はっ!」

さわ子「も、もしかして助けが!」

『さわ子先生ー』

さわ子「こ、ここよー!井戸に落ちちゃったのー!」

唯「お、さわちゃんの声聞こえた!」

梓「やっぱり井戸に・・・」

律「うお、この中にいたのかー」

さわ子「転んだ拍子に落ちちゃったのよー・・・」

紬「怪我はないですかー?」

さわ子「それは大丈夫みたい。ちょっと擦りむいただけー」

和「でもどうやって助ける?結構深いわよ」

唯「脚立をこの中に入れる!」

澪「さすがに入らないんじゃないか?」

律「ロープかなにか垂らして引き上げるしかないんじゃないか?」

紬「それしかなさそうね」

紬「それじゃあロープ持ってくるね。あずにゃん、付いてきて」

梓「はいです!」タタタッ

唯「今ムギちゃん達がロープ持ってくるからもう少し待ってねー」

さわ子「面目ない・・・」

和「すぐ見つかったからよかったものの。警察沙汰になるところでしたよ」

さわ子「お説教はあとで聞きますー・・・」シクシク

純「この泣き声。やっぱりあれはさわ子先生だったのか」

梓「持ってきましたー」

澪「よし。今ロープ垂らしますよー」

唯「自力で上がれそう?」

さわ子「壁がしっかりしてるし大丈夫よ」

憂「それなら私達が引き上げるより近くの木に縛ったほうがよさそうですね」

和「私達が引き上げると壁で擦りむきそうだしね」

律「よし。木に縛ったぞー」ギュッ

唯「さわちゃんがんばってー」


さわ子「よっ」ギュッ

澪「とりあえず一安心だな」

梓「まったくもう」

紬「無事でよかったぁ」

憂「もう少しです」

さわ子「はひー、はひー・・・」

律「さわちゃんファイトー!」

さわ子「・・・もう、無理」

和「結局引き上げることになるのね・・・」

唯「今引っ張るからもう少しがんばってー!」

律「世話の焼ける・・・。じゃあ引っ張るぞー」

澪「やれやれ」

律澪「せーの!」グッ

さわ子「おっとっと」

和「ムギ、左腕お願い」

紬「うん!」

紬「先生、失礼しますね」グッ

憂「和ちゃん達も落ちないように気をつけてください」

和紬「せーの!」グイッ

さわ子「ふあー。無事生還ー」

梓「無事生還ー。じゃないです!」

唯「さわちゃん無事でよかったねー」

さわ子「泥だらけで気持ち悪い・・・」

律「うし。みんな無事だし帰って風呂入るか!」


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最終更新:2013年08月27日 23:38