唯「あずにゃんそっくりだねー」ナデナデ
梓(小)「……」
唯「なんで部室にいるんだろ?迷い込んだのかな?」ナデナデ
梓(小)「……にはっ」ニカッ
唯「あ、笑った」ナデナデ
梓(小)「……もっと頭ナデナデして」
ガラッ
律「うーす」
唯「あ、りっちゃん!あのね……あれ?」
律「どした?」
唯「今あずにゃんに似た小さな子が……あれ?どこいったんだろ?」
ガラッ
梓「お疲れ様でーす」
梓「ミニあずにゃん?」
唯「そう、ミニあずにゃん!」
梓「私にそっくりなんですか?」
唯「そうだよ!サイズはあずにゃんよりも小さいけど!」
澪「近所の子が迷い込んだんじゃないのか?」
唯「う~ん?でもあずにゃんに本当にそっくりだったんだよ」
梓「気のせいじゃないですか?」
律「そんな事よりお菓子……」
澪「練習!」
律「へいへい、分かりましたよ~っと」
澪「律……私達はティータイム部じゃないぞ?」
律「それでも悔い無し!」
澪「悔いろ!」
梓「じゃあアンプをセットしますね……あれ?」
唯「どったの?あずにゃん?」
梓「何か小指に痣があるんです……何だろ?これ」
紬「あらあら、しゃぶれば治るわよ、ちょっと貸し
梓「結構です」サッ
律「よーし!じゃあいくぞー!」カンカンカンカン
ジャーン!
梓「痛ッ!?」
唯「あずにゃんどうしたの!?」
梓「いえ……何か小指に痛みが……」
澪「大丈夫か?病院行ったほうがいいんじゃないか?」
梓「いえ、もう痛くないですから……」
梓(小)「……」ジーッ
唯「あ!ミニあずにゃんだ!」
律「……どこに?」
唯「どこにって……あれれ~!?今入り口に立ってたんだよ~」
……
唯「……って事があったんだよ今日!」
憂「へー……お姉ちゃん、変な薬とかやってないよね?」
唯「ういまで……お姉ちゃんは悲しいよ……」シクシク
憂「はいはい、泣き真似はもういいから、先にお風呂入るねー」
トタトタ バタン
唯「も~、なんで誰も信用してくれないんだろ?」
梓(小)「……」ジーッ
唯「あれ!?ミニあずにゃん!?」
梓(小)「……」
唯「ういー!!ミニあずにゃん出たー!!」
憂『お姉ちゃんうるさい!近所迷惑!』
梓(小)「……だっこ」
唯「見れば見るほどあずにゃんそっくりだよー」マジマジ
梓(小)「だっこ♪だっこ♪」
唯「サイズも小さいけどあずにゃんの触角も再現してるし」フサフサ
梓(小)「えへへ~♪」
唯「何より頬っぺたの張りが違うよ!くぅ~!」
プニプニ
梓(小)「……いい」
唯「ん?」
梓(小)「頬っぺた触られるの……いい」
唯「よ~し!もっとプニプニしちゃうぞ~!」
プニプニプニプニプニプニプニプニヌププニプニプニプニプニ
梓(小)「もっと!もっと!」
ガチャ
憂「お姉ちゃん、次お風呂入……何やってるの?お姉ちゃん?」
唯「何って……ミニあずにゃんの頬っぺたプニプニしまくってるんだよー!」
スカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカ
憂「何も無い空間に、高橋名人の16連射してどうすんの?お姉ちゃん……」
唯「おぅおー!?あれ!?」
憂「お姉ちゃん……疲れてるんだよ、紬さんに返さなきゃいけないギターの借金の所為で」
唯「違うよ!ミニあずにゃんはいるんだよ!」
憂「今日はもう寝たほうがいいよ、お姉ちゃん……」
ガチャ バタン
唯「……んも~、居るのに~」
唯「zzZZZ」
その日、私は夢を見た。
あずにゃんが泣いている夢だった。
起きた時寝汗がひどく、枕元には心配そうな憂がいた。
……
憂「お姉ちゃん……大丈夫?今日学校休んだ方がいいんじゃない?」
唯「大丈夫だってー、ういは心配性だなー」
憂「じゃあ先に行くね」
唯「やばいよー!家でのんびりしてたら遅刻しちゃいそうだよー!」
ドドドドドドドドド!
唯「あ、猫だ……ほれほれー」
ぬこ「ニャー」
唯「こんな事してる場合じゃないよー!」
ドドドドドドドドド!
ドゴン!ドテッ!
唯「あいた~、いつつつ……すいませんでした!」
ギンコ「……ちょっと、君に話があるんだが」
唯「急いでるんで失礼しまーす!」
ズドドドドドドドドド!
ギンコ「……やれやれ」
ギンコ「……かなり浸食されてるな……まだ手遅れじゃないようだが……」
唯「あー、今日の朝は本当に疲れたよー」
梓「また寝坊ですか?」
唯「あずにゃん、またなんてそんなー、照れるなー」
澪「照れるな!誉めてない!」
唯「あれ?あずにゃん?」
梓「?なんですか?」
唯「小指の痣、広がってない?」
梓「え……?ほんとだ……」
紬「だから私がしゃぶ
梓「だから結構です」ササッ
律「本当に大丈夫か?一度病院に行ったほうがいいんじゃないか?昨日の澪の話じゃないけど」
梓「いえ……ほんとに大丈夫ですか……ら……?」
梓(小)「……」
梓「え?」
梓(小)「……のに」ボソッ
梓「あ……あ……?」ガタガタ
唯「あずにゃん?」
梓「あ、あそこ……あそこ……」ガタガタ
梓(小)「……居なくなってしまえばいいのに」
梓「……」ガタガタ
梓(小)「!?」
ガラッ
ギンコ「間に合ったようだな」
ギンコ「……実に驚きだ……ここまで形を成してるとはな」
梓「……あれ?消えた……?」
ギンコ「消えたように見えるだけだ、実際は
さわ子「こっちです!」
ガラッ
国家の犬「貴様!何をしている!」
さわ子「この人が不審者です!」
国家の犬「分かりました!貴様!こっちに来い!」
ズルズル
ギンコ「ちょ……ま……」
国家の犬「現行犯逮捕!」
ギンコ「俺は蟲……」
ギンコ、高校無断侵入で逮捕される。
ドタバタドタバタ
律「……なんだったんだ?」
梓「……私?あれは私?」
唯「あずにゃん、見たの?ミニあずにゃん、略してみにあず!」
梓「……はい」コクン
澪「私達には何にも見えなかったぞ?なぁ律」
律「確かに何にも見えなかったな」
紬「……妖精さん?」
……
唯「……って事がまたあってさー!」
憂「もういいから」
唯「もういいからじゃないよ!」バンッ!
憂「お姉ちゃんテーブル叩かないでよ」
唯「う~!もういい!先にお風呂入る!」
ドタドタ
憂「……はぁ」
シャァァアアアア!
唯「~~~~♪♪」
唯「あ~~、やっぱりお風呂最高だなー」
梓(小)「……最高」
唯「うわぉ!?」ビクッ!
唯「ミニあず!?……なんで服着たままお風呂入ってるのさ!?」
『お姉ちゃん!だからうるさい!』
唯「早く脱がせないと……」アセアセ
スルスル
梓(小)「……裸」
唯「ふぃ~」
梓(小)「……気持ちいい……」
ペタッ
唯「ミニあずが背中に貼りついたよ……」
梓(小)「体温……気持ちいい」
唯「とりあえず湯船に入れなきゃ、風邪引いちゃうよね?」
チャポン
梓(小)「あったかい!あったかい!」
唯「あれ……お湯が緑色になっていくよ?」
梓(小)「?」
唯「バスクリン!?バスクリン内蔵!?」
唯「これは凄い機能だよー!さっそく入ってみよう!」
梓(小)「早く!早く!」
梓(小)「……早く一緒になろうよ」
ガラッ!
ギンコ「待て!!そのお湯に入るな!」
唯←裸
梓(小)←裸
ギンコ←勃起
ギンコ(勃起)「お前まで蟲になってしまうぞ!」
梓(小)「……」シュルン
唯「あっ!?ミニあずが排水溝に吸い込まれた!」
ギンコ(勃起)「無駄だ、あれは人じゃない、蟲だ」
唯「蟲……?」
ギンコ(勃起)「あぁ、蟲というのは
憂「バットフルスイング!!」
チンコーン!
ギンコ(破壊)「ぐはぁ!?」
憂「お姉ちゃん大丈夫!?変な事されなかった!?」
ギンコ(出血)「ま……待て、話を聞いてくれ!」
憂「変態!死ね!」
グォン!グォン!
ギンコ「うぉっ!?あぶねっ!?……じゃあな!」
ドドド!ガシャーン!
憂「お姉ちゃんちょっと待ってて!警察呼ぶから!」
唯「あ……うん」
唯「ミニあず……」
『お前まで蟲になってしまうぞ!!』
唯「……」
チャプ
私は、緑色に変色したお湯に指を浸してみた。
唯「!?」ドクン!
DQN1『やーい!ゴキブリゴキブリー!』
梓(小)『ひっく……!ゴキブリじゃ……ひっく!ないもん!』
DQN2『触角といいゴキブリだろー!ゴキブリー!カサカサしてみろよ!』
梓(小)『ひぐっ!もうやめてよー……うわぁぁあああん!』ポロポロ
DQN1『よし!泣いたぞ!今だ!氷殺ジェット噴射!!』
唯「!?」ハッ!
ギンコ「大丈夫か?記憶の奔流に飲まれかけたな」ポタポタ
唯「あれ?今の……?」
ギンコ「忌まわしい思い出は時として蟲を呼ぶ……あっ!?血が足りない……クラクラする……」ポタポタ
唯「忌まわしい思い出?あずにゃんの?」
ギンコ「人の思いや記憶に寄生する蟲だ」
憂「また戻ってきた!!!あれです!今まさにお姉ちゃんをバックから攻めようとしてる男です!」
国家の犬「貴様ー!またかー!!」
ギンコ、再逮捕
……
さわ子「……というわけで、昨日の変質者が徘徊してる可能性もあるので、みんな気を付けてね」
律「うぃーす」
唯「……」
梓「……」
唯「ねぇあずにゃん?」
梓「?はい?」
唯「あずにゃんって昔いじめられっ子だったの?」
梓「!?」ドキッ!
唯「ゴキブリって言われてたの?」
梓「そ、そんな事ないです!」
唯「いや~、でもゴキブリって……」
梓「ゴキブリって言わないでください!」ダンッ!
律「お、おい梓……」
唯「ご、ごめんねあずにゃん……」
梓(小)「……」
ギンコ「古い記憶、思いは時と共に消えると考えがちだが、実際はそうじゃない、記憶の海の底に淀んでいるだけだ」
ギンコ「そしてその淀みに寄生し、形を得る」
ギンコ「今はまだ小さいが、あるきっかけで蟲はどんどん成長していく、宿主よりも成長したその時……」
国家の犬「精神鑑定の準備するか……」
澪「じゃ、じゃあ練習しようか!」
唯「そ、そうだねー!」
梓「……ね?」ボソッ
唯「え?」
梓「ゆ、唯先輩は私の事嫌いですか?嫌いじゃないですよね!?」
唯「え?え?」
梓「嫌いになるような事を私してないですよね!?」
ガシッ!
唯「痛ッ!あずにゃん痛いッ!」
梓(小)「……」ムクムク
梓(中)「……」
パッ
梓「あ!……す、すいません!」
唯「ううん、大丈夫だよ」
唯「ちょっとトイレに行ってくるねー」
パタン
梓「……」
The・トイレ個室内
シャー……
唯「ふぃー……なんでこうオシッコって気持ちが落ち着くんだろ……」
梓(中)「……唯先輩?」
唯「うわぁぁああ!?」ビクッ
ピシャ!
唯「うわっ!オシッコが場外ホームラン!」
梓(中)「嫌いになってください、唯先輩、私の事嫌いになってください」
ギンコ「陰陽思想って知ってるか?」
国家の犬「知らん!死ね!」
最終更新:2010年02月05日 01:41