紬「中の毛!?どこの中!?じれったいわね早く見せて!」ハァハァ

澪「ムギ、のっけからとばし過ぎだ」

唯「なか“のけ”だけに“のっけ”からって?澪ちゃん寒い……」

澪「ち、ちが……!」

唯「それに私は 中野家 って言ったんだよ?」

律「で、梓んちがなんだって?」

唯「私も中野家の一員になりたいの」

澪「なんでだ?どうせなるなら琴吹家のほうがお金持ちだしいいんじゃないか?」

律「へぇ~澪はお金のために養子になれるんだ~」

澪「仮の話だバカ律!」バスッ

律「あうっ、みぞおちクリーンヒット……」

澪「なんだまだ喋れるのか」ガスッゴスッ

律「がっ……くはっ……」

紬「私は今りっちゃんになりたい」


律「」グッタリ

澪「で、なんで唯は中野家の養子になりたいんだ?」

唯「え?私そんなこと言ってないよ?」

澪「でもさっき中野家の一員になりたいって……」

唯「つまりね、私、あずにゃんと結婚したいの!」

紬「結婚初夜について詳しく聞かせて!」ハァハァ

澪「ムギ!」


唯「結婚初夜かぁ……多分最初は二人でベッドに腰かけてるシーンから始まるかなぁ」

澪「ス、ストップ!具体的に絵が思い浮かぶようなこと言わないでくれ!」///

律「なんだ澪照れてんのか?昨夜と一緒でかわいいなぁおい」

澪「バカ律!」ドスッボスッ

律「ちょ……やめ……」

紬「これは『りつみお!』……なるほど、売上高もかなりイきそうね」

唯「ムギちゃんなら自費出版できるよ!」


紬「りっちゃんのオデコと澪ちゃんの長髪って凄くマッチすると思うの」

澪「冷静に分析しないでくれムギ!」

唯「えー、りっちゃんが髪下ろしたら私とよくマッチするよー?」

紬「それはまた違う意味よ。まぁ唯ちゃんが言いたいのは『ゆいりつ!』ってとこかしら……これもなかなかアリね」

唯「えへへー、褒められちゃったー」

律「澪が嫉妬するからやめてやれ」

澪「うるさいっ!このこのっ!」ゲスッザスッ


紬「私がりっちゃんに嫉妬してる件」ハァハァ


唯「じゃあ『みおむぎ!』はどーお?」

澪「断固拒否する!私は律じゃないといやだ!」

紬「このタイミングで告白!?」キュン

唯「自分で言っといてなんだけど、ネオむぎ茶を連想させるから私はヤだなー」

澪「てことは『りつみお!』を認めてくれるんだな!?」

紬「むしろ推奨するわ!」


律「で、唯は梓と結婚したいんだって?」

唯「うん!あずにゃん大好き!」

澪「結婚式には是非呼んでくれよ?」

律「その前に私達の結婚式に呼んでやろうぜ」

澪「いや……結婚するとなると難しい問題が色々……」

紬「心配しなくてもりっちゃんも澪ちゃんのカラダ目当てだと思うわよ」

澪「真実の愛ってどこにあるんだろうな」

唯「私のあずにゃんへの想いは本物だよ?」

律「ギー太と二股かけてるのに?」

紬「むしろ股がってるのはギー太なのに?」

澪「エリザベスかわいいよエリザベス」

律「ドラマーは勝ち組だ!」


唯「ギー太に愛は感じてないもん」

澪「カラダは感じてるくせにな」

紬「6本の弦がからみついて私の体の自由を奪う。初めこそ抵抗していたが、すぐ彼の力には敵わないと悟った」

律「私が諦めたのが伝わったのか、彼は弦の一端をふとももにすべらせてきた。ひやりとした感触が気持ちよくもある」

澪「ちょっとトイレ行ってくる」

紬「トイレ行くのにベースはいらないでしょ?」



ガチャッ
梓「遅くなってすみません!」

唯「だからフレディ・マーキュリーが亡くなったのは音楽シーンに多大な影響を……あっあずにゃんだー!」

律「うぃっす。それと、ジョン・レノンが殺された事実も音楽シーンへの影響を考えるうえでは外せないな」

梓「今日の議題は亡くなった音楽人ですか?」

澪「音楽シーンに大きな影響を与えた人、だ。私が思うに、日本に限った話になるがレベッカも相当なものだろう」

紬「レベッカが挙がるんなら当然ジュディアンドマリーも挙がるわね、でも、世界の話をしましょ?」

梓(みなさんみたいに高尚な先輩達に囲まれて、私は幸せです!)

唯「あずにゃんはどう思う?」

梓「私はやっぱり、エルヴィス・プレスリーが世界の音楽シーンを変えたと思いますね」

唯「おぉ~、私もそう思ってたのー」

梓「あとギタリストの意見としては、ジミ・ヘンドリクスも欠かせないです」

澪「ジミヘンなぁ……私はどうも楽器を壊すパフォーマンスが苦手だ」

唯「あ~……それちょっとわかるかも」

紬(そりゃそうでしょうね)ニヤニヤ


♪ユーブガッタメーォ
梓「あれ?憂からメールだ……」

唯「憂?憂なんだって?」

梓「ちょっと教室に来てほしいって……なんだろう」

紬「とりあえず行ってあげたら?」

梓「そうですね……すみません、行ってきます」ガチャッ バタン

唯「あずにゃんかわいいよあずにゃん」

紬「戻って来るなゴキブリ」

澪「憂ちゃんファインプレイ」

律「泥棒猫が去ってスッキリ」


澪「……泥棒猫?」

律「あ、いや、その……」

紬「もしかしてりっちゃん、唯ちゃんのことが好きなの?」

唯「ほぇ!?りっちゃんそうなの!?」

律「バ、バババババカ言え!」

澪「律!私は遊びだったのか!?」


律「それはそうだけど?」

澪「やっぱり?」


律「でもあれだよなぁ、今は隠し通せてるけど私達のキャラもいずれ梓にバレるよなぁ」

澪「私達の関係もな」

律「今夜は寝かさないぞ?」

澪「あ、今日はエリザベスと約束があるから」

唯「じゃありっちゃん、今日は私の家に来る?」

澪「よく考えたらエリザベスとの約束は今日じゃなかった、だから律!」

紬「単純ね」


紬「それより唯ちゃんがかわいそうよね」

唯「なんで?」

律「だって、梓に本性を知られたらどう考えても結婚とか無理だろあれ」

紬「そもそも日本の法律が許さないわ」

唯「じじつこんで充分だよ」

澪「中野家の一員になりたいんじゃなかったのか?」

唯「じじつこんって何?」


律「事実婚も今はある程度法的に認められてきてるんだっけ?」

紬「でも同性婚は日本じゃまだまだ認められてないわよ?」

澪「夫婦としての権利が全く認められてないわけでもないけどな」

紬「なんにせよ、日本より理解が得られてる国はいくつもあるわ」

唯「みんななんでそんなに詳しいの……?」

律「一番知っとくべきは唯なんだぞー」

澪「そんなんでよく結婚とか言ったもんだ」

唯「ひっひどい!知識がなくったっていいじゃん!」


ガチャッ
梓「お待たs」

唯「とにかく、私はあずにゃんと結婚するの!」

紬「」

澪「」

律「」

梓「」
バタン

唯「みんな黙っちゃってどうしたの?」

律「唯、諦めて私と一緒になろう」

澪「そんな……っ!律ぅ……唯のところへいっちゃヤだぁ……」ポロポロ

律「ちょっ、泣くなよ!」

唯「あずにゃんを諦められるわけないよ!なんで急にそんなこと言うのさ!」

紬「そういうところこそが唯ちゃんって感じね」

律(梓が一瞬来たことに気付いてないところもな)

澪「律ぅ……戻ってきてくれぇ……」グスン


律「あーもぉうるさい!」ペシッ

澪「おい律、今私のことを叩いたのか?」


律「へ?あ、あぁ……すまん……」

澪「ふざけるなぁっ!!召使が主人に手をあげるとはどういうことだっ!!」ボカッ

律「がはっ……も、申し訳ありませんご主人様!」

澪「それで済むと思ってるのか?あ?」ドカッバカッ

律「あん……あぁっ……」

唯「いつもそんなプレイをしてるんだね」


紬「羨ましいわりっちゃん」ハァハァ


唯「ムギちゃんってばほんとマゾヒストだよねー」

紬「そんな褒められると照れるわね……唯ちゃんはSとMどっちなの?」

唯「私?ん~……と……」

唯「えっと……そうだなぁ……うーん……」

唯「あぁっと……そしたら……だから……うへへ」ニタァ

紬(あの笑い方、何を考えてるのかしら)ドキドキ

唯「ムギちゃん!私Lがいい!」

紬「マックのポテトじゃないのよ?」

唯「ありがちなボケにありがちにツッコんでくれてありがとー」

紬「なんだわざとだったの……で、どうなの?」

唯「それはねー……」チラッ


澪「四つん這いになってお尻を蹴られる気分はどうだ?」ズカッザカッ

律「はぅ……いっ……」


唯「こっちの声なんて聞こえてないだろうけど……。ムギちゃんお耳貸して?」

紬「なぁに?私だけに教えてくれるのかしら」

唯「うん、あのね?」ヒソヒソ

紬(唯ちゃんの吐息が!)ハァハァ


唯「ムギちゃんのこと、りっちゃん以上にめちゃめちゃにしてあげようか?」ボソッ

紬「!?」ゾクゾクッ


唯「あずにゃん以外には遠慮しないよ?」ボソボソ

紬「あ、あぁ……」ゾワゾワ

唯「忘れられない夜にしてア・ゲ・ル♪」ボソリ

紬「今は昼間よ?」


唯「てへー、失敗失敗」

紬「詰めが甘いわね」

澪「さて、次はムギの番だ」ボソッ

紬「!!」ビクンビクン

唯「おぉ~さすが澪ちゃん」

澪「ちょろいもんよ」

律「CV.若本規夫@酎」

澪「」ゴカッ

律「あふっ……」


唯「ねーねー、あずにゃんはSとMどっちだと思うー?」

紬「G」

澪「KY」

律「KKK」

唯「えっと……SかM……」

紬「G」

澪「O」

律「K」

唯「I」

唯「ずっと気になってたんだけど、みんなあずにゃんのこと嫌いなの……?」

律「おいムギ、このお茶美味しいなぁ!」

澪「このクッキーとよく合うよ!」

紬「ふふ、ありがとう」

律「よっし、おかわりちょーだい!」

紬「はいはい。唯ちゃんもいる?」

唯「うん!おかわり欲しい!」

唯「澪ちゃんはさ、新しいベース欲しいなぁって思ったことないの?」

澪「ん~今のところはないな。けどプレベに興味が湧いたら欲しくなるかも」

律「予想外に真面目な回答だったな」

澪「」バキャッ

律「んっ……」

紬「唯ちゃんは新しいギター欲しいの?」

唯「ストラトのほうが尖ってるなぁって思って……」

紬「あの尖りを……」ハァハァ


澪「しかしそれだと唯は梓含めて三股になるわけだが」

唯「さっきも言ったけどギー太に愛は感じてないし、きっと新しいギターにも感じないよ」

紬「ふとももの内側を伝う彼の弦先は少しずつ、しかし着実に私の私たるべき箇所へ近付いてくる」

律「もはやあらがう気は毛頭ない、そう考えると弦先の遅さがもどかしくもあった」

澪「あぁんエリザベスうううぅぅぅ!」

唯「澪ちゃん……ヒいちゃうなぁ」


澪「ゆ、唯だってギー太とこんなことやそんなことやってるんだろ?」

唯「してないもん、私がやってるのはあんなことだけだもん」

紬「二人ともいんなことやへんなことやってるんでしょ?」

澪「びんなことやかんなことならまぁ」

唯「なんなこととかしないの?」

律「だぁーっ!何やってんのかさっぱりわからんわ!」

澪「なんだ律、知りたいのか?」

律「へっ?い、いや別に」

紬「それより私はりっちゃんのほうが気になるわ」

澪「ドラマーは勝ち組とか言ってたよな」

唯「ドラムセットは持って帰れないから……」

律「わーわー聞こえなーい!」

澪「スティック!」ドキャッ

律「はぁんっ……」


唯「そういえばあずにゃん遅いね?」

律(あーそういや一瞬来たのに気付いてないんだっけ)

唯「憂と何の話してるんだろ」

律「何か糞真面目な話じゃねーの?梓のことだし」

紬「あるいは……」ハァハァ

澪「ムギ、それはないと思うぞ」

紬「ゴキブ……梓ちゃんは今日はもう来ないと思うわよ」

唯「え?なんで?」

律「まぁ来ないだろうなぁ」

唯「りっちゃんまで!ねぇなんで?」

澪「お、女の勘ってやつだ、なぁ律とムギ?」

唯「三人分の勘かぁ、じゃあきっと正しいんだろうね」

律「そこで納得できる唯はさすがとしか」


唯「じゃあ今日は練習なしだねー」

澪「いや練習はするぞ、というかそろそろ始めないか?」

律「えー今日はもう疲れちったよ」

澪「まだなんもしてないだろ!」グキャッ

律「ひゃっ……」

紬「りっちゃんが疲れてるのも当たり前よね」


澪「よし、みんな準備はできたか?」

唯「おー」

律「腕上がんね……」

紬「ねぇ澪ちゃん」

澪「ん?ムギはまだ準備に時間がかかるのか?」

紬「いえ……澪ちゃんこそ早く演奏する体勢に……」

澪「私は準備万端だ!」

紬「ベースに股がってるけど何の準備なのかしら」


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最終更新:2010年02月06日 01:55