憂「う…うぅ…」

猫「にゃ~?」

憂「どうしてこんな事になっちゃったんだろ…」

憂「お姉ちゃん…頭がおかしくなっちゃったのかなあ…」

憂「このまま治らなかったらどうしよう…」ぽろぽろ

猫「にゃ~」ぺろぺろ

憂「え…(涙を舐めてくれてる…)」

猫「にゃ~」

憂「優しいんだね…」




次の日!

憂「よしよし♪」

猫「にゃーん!」

律(何があったんだ…すごく仲良しになってる…)

唯「あずにゃんと憂仲良くなったんだね~」

憂「うん!」

澪「憂ちゃん…いいのか?唯が猫を後輩と思い込んでても…」ヒソヒソ

憂「お姉ちゃんがおかしくなったのは悲しいですけど…」

憂「その罪はこの猫には無いと思ったんです…」

憂「それでお姉ちゃんが幸せなら…このままでもいいかなって…」

唯「あはは~ あずにゃんにゃん♪あずにゃんにゃん♪」

猫「にゃんにゃん♪」



澪「ふふ、私達も同じ意見なんだ」

紬「唯ちゃんが幸せならそれで私達も幸せだもの…」

律「あの笑顔…梓が実在するかしないかなんて些細な問題だと思うぜ」

憂「少なくともお姉ちゃんの中には中野梓が存在するんですよね…」


澪「それじゃ憂ちゃんお世話になりました」

憂「いえいえ、また遊びに来てくださいね」

唯「私はこのままあずにゃんと遊びに行くね~」

憂「うん、夕飯までには帰ってきてね」

律(とりあえず何事とも無くてよかったぜ…)

紬(一時はひやひやしたわ…)

律「それじゃお邪魔しました~」

猫「にゃ~」

憂「バイバイ梓ちゃん♪」



澪「良かったな憂ちゃんが梓と仲良くなって」

唯「うん♪私も嬉しいよ~」

猫「にゃー」

律「梓の奴も嬉しそうだな」

紬「今回のお泊り会はいい方向に転んだわね~」


唯「あ、私とあずにゃんはこれから二人で町に遊びに行くからここでお別れだね」

猫「にゃ~」

律「まったくホントお前ら二人はラブラブだな~」

澪「私達はこのまま帰るから、憂ちゃんによろしくな」

紬「楽しかったわー♪」

唯「うん、それじゃーね皆!」


唯「あずにゃんも皆と仲良くなれてよかったね…」

猫「にゃあ~?」

唯「だって最初はあずにゃん皆から猫みたいって馬鹿にされてたもんね」

唯「でもなんだかんだで皆あずにゃんと友達になったし…よかったぁ~」

猫「にゃ~」

唯「私もあずにゃん大好きだよ~たった一人の大事な後輩だもん♪」

猫「にゃ~」

唯「あずにゃんみたいな後輩が出来て私は幸せだよ~」


唯「ふふ、今日はあずにゃんの大好きなタイヤキを奢ってあげるよー」

猫「にゃ~♥ 」



唯「!?」

猫「にゃあ~?」

唯「あ…頭が…」ガクガク

唯「頭が割れるように痛い…」ドサッ

猫「にゃあー!!」


……

憂「今日の晩御飯は何にしようかなー…」

ガサガサガサガサ

憂「あれ…何の音だろう」

猫「にゃーにゃー!」

憂「あれ?梓ちゃん?」

猫「にゃーにゃー!!」

憂「お姉ちゃんと一緒に出かけたはずなのに…は!」

憂「お姉ちゃんに何かあったの!?」

猫「にゃー!」



唯「あぁ…ぁ…」

憂「お姉ちゃん!!」

猫「にゃあ!」

梓ちゃんに連れられて人通りの無い道の真ん中で苦しむお姉ちゃんを見つけました

すぐさま私は携帯で救急車を呼んでお姉ちゃんを病院に送りました

憂「お姉ちゃん…大丈夫かな…」

憂「こののまま死んじゃったら…どうしよう…うぅ…」

猫「にゃあ…」



……

手術中のランプが消灯し、中からお医者様が出てきました

憂「お姉ちゃん!!」

猫「にゃあー!」

憂「お姉ちゃんは…おねえちゃんは大丈夫ですか!?」

私は緊張で舌がもつれながらもお医者様に尋ねてみました
梓ちゃんもすごく心配しています

医者「一命は取り留めました…」

その一言で凄く安心しました

憂「良かった…うぅ…本当に良かった…」

医者「しかし…」

憂「え…」

医者「このままでは長くありません…」


憂「脳血腫…?」

医者「はい、唯さんの頭の中には血の塊が出来てしまっているのです…」

医者「いままでになにか幻覚や幻聴…そういったものを感じていたという素振りはありませんでしたか…」

憂「あ…」

猫「にゃあ…」

医者「あったとすればそれは脳血腫の仕業でしょう…」


医者「あのままではが血腫どんどん大きくなって命に関わります…」

憂「それじゃあ…手術でその血腫を取り除いてください!!」

憂「お金はいくらでも出しますから…」

医者「それは無理なのです…」

憂「どうしてですか…」


医者「血腫は脳低と呼ばれる場所に出来ていまして…」

医者「手術がとても難しい場所なんです」

医者「下手に手術すると副作用で生命維持系が麻痺をする可能性がとても高いのです…」

憂「そんな…」



病室

唯「うーいー…」

そこには包帯で頭がぐるぐる巻きになったお姉ちゃんが横たわっていました

憂「どうしたの、お姉ちゃん」

唯「ごめんね憂ー心配かけちゃって…」

憂「ううん、大丈夫だよー」

唯「あずにゃんはいる?」

猫「にゃー…」

唯「あずにゃんごめんね…鯛焼き奢ってあげられなかったね…」

猫「にゃーにゃー…」

憂「もう!お姉ちゃんったら!今はそんな事よりも早く病気を治して」

唯「うん、私もはやく病気を治して部活したいよ~」

猫「にゃあ~」

唯「あずにゃんとギターの練習もしたいしね~」

憂「大丈夫だよ…すぐによくなるよ…」



病室の前


憂「うっうぅ…あんなに元気そうなのに…お姉ちゃん…」

律「憂ちゃん!」

澪「唯が倒れたんだって!?」

紬「大丈夫なの?」

憂「皆さん…」

猫「にゃあ…」

律「そんな…唯の奴そんな爆弾を頭に抱え込んでいやがったのか…」

澪「こんなことならもっと早く病院で検査を受けさせればよかった…」

憂「皆さんのせんじゃありませんよ…」

猫「にゃー…」


紬「あっあの…!」

律「どうしたムギ?」

紬「琴吹家のコネできっと凄いお医者様を紹介できると思うの…」

紬「だから憂ちゃん…唯ちゃんは大丈夫よ!」

憂「紬さん…」

澪「でもそんなお医者様ならすごくお金がかかるんじゃ…」

憂「私…一生かけてでもお金を払います!」

紬「憂ちゃん…」

澪「わ…私も…ベースを売ってでもお金を作るよ!」

律「あぁ…唯が助かるんなら私だって何でもしてやるよ!」

猫「にゃ~!」

憂(いい友達を持ったね…お姉ちゃん)

憂「皆さん…本当にありがとうございます!」

憂「お姉ちゃん!凄いお医者さんが来るよ~」

憂「お姉ちゃんの事きっと治してくれるよ」

唯「ほぇ~」

猫「にゃ~」

憂「治ったら梓ちゃんの鯛焼き買ってあげようね!」

唯「うん!手術頑張るよ」




翌日、ムギちゃんの紹介でなんだか怖いお医者様が来ました!

紬「こちらです」

?「今回のクランケ(患者)は君かね」

唯「ほぇ!は…はい…」

助手「あなた!らっきーなよのさ!ちぇんちぇいに見てもらえるんらかや」

憂「(子供…?)お、お姉ちゃんをよろしくお願いします!」

律「唯、よかったな!これで退院できるぞ」

紬「また皆で部活しましょうね」

澪「頑張れよ!」

唯「うん…皆ありがとう!」


?「おっと、まだ手術代の話が終わってないぜ」

唯(5000円ぐらいかな?…)


憂「おいくらなんですか…」

?「とても難しいオペなんだ」

?「2500万円…払っていただきたい」

憂「2500万円!?」

唯「ギー太が100人買えるよ…」

憂「その話ならもう結論が出てきます!」

澪「私達その子の友達なんですけど、みんなでお金を出し合うって決めたんです!」

律「2500万円なんて払ってやらぁー!」

唯「みんな…本当にごめんね…ありがとう!」ウルウル

?「よし…わかった、依頼を受けよう」


猫「にゃあにゃあ…」

唯「ふふふ…あずにゃん、心配しないで~」


?「それじゃ早速オペを行おう」

紬「ここのお医者様には私の方から話は済ませたわ」

律「唯、頑張れよ!」

澪(勢いで金は払うって言っちゃったけど…正直きついな…)


2500万円は安くない…安くないのである

いくら紬といえどそんなホイホイ出せるような金額ではない

しかし、皆は唯の回復を願っていた

金銭の事など二の次だったのである

憂(お姉ちゃん…)

律(ぜったい治せよ…唯)

紬(がんばって…)

猫「にゃあ…」

澪(うぅ…どうしよう…)



手術室

医者「いくらなんでもこんな手術上手くいくはず無い…」

?「黙ってみてろ、エコーで血腫の位置を確認」


猫「にゃあ~にゃあ~」


医者「外から猫の声が…よっぽどこの患者の事が心配なんだな…」

?「脳ベラ、よし…こいつを切除するぞ」

医者「すごく…ミクロ単位で切り取ってる…!」ごくりっ


澪「なあ律…お金の事なんだけど…」

律「あぁ!皆でバイトでもなんでもして用意しようぜ!」

澪(律ってこんな聖人君子だったっけ…もっといい加減な奴じゃなかったか…)

澪「なあ紬…2500万円なんだけどなんとかなりそうなの?」

紬「なんとかお父様と相談して…できるだけの事はします…」

澪「ほ…」

紬「でも…いまうちも経営難で簡単には用意できないかもしれないの…」

澪「」


……

憂「お姉ちゃん…」

猫「にゃあ…」ガリガリ


ガチャッ

?「…」

憂「!」


憂「お姉ちゃんは!?」

猫「にゃあー!」

?「…」

?「手術は成功した」

憂「あ…ぁ…良かった…本当に良かった…」ぽろぽろ

紬「良かったわぁ…」

憂「ありがとうございます…本当にありがとうございます…!」

律「良かった…唯にはこれからもギターを弾いてもらわなくちゃ困るからな…」


?「ただ…一部記憶に混乱があるかもしれない」

憂「混乱ですか?」

?「ああ…でも一過性のものだ、たいした事は無いだろう…」

澪「あの…お金の話なんですけど…」

?「2500万だったな…きっちり払ってもらうぜ」



憂「ごめんなさい…今はこれだけしか用意できなくて…」

私は親が私の将来のために用意してくれた300万を渡しました

?「…」

律「私も近いうちにドラムを売って金にしますから!」

紬「私もキーボード売ります…」

澪「うぅ…ベースも売るよぉ…」

?「お前さんがた…バンドやってんのか?」

律「え…はい、手術してもらった唯がギターで放課後ティータイムというバンドやってます…」

?「そうか…なら…」

?「残りの2200万は演奏で払ってもらおうかね」


一同「「!!」」


律「まじかよ!?」

?「当然だろう?お前達にとって平沢さんとやらのギターは2500万円以上の価値があったって事だ」

?「そんな奴らの演奏はさらに価値があると思うがね」

憂「おじさん…」

律「うっ…うぅ…ありがとう…優しいおじさん…」

紬「みかけと違ってとても優しい方だったのね…」

澪「え?演奏だけでいいの?私唯のためによろこんで金払おうと思ってたんだけど?」


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最終更新:2010年02月10日 01:38