幼女律「オラア!泥爆弾くらえー!」
シュッ、ベチャ
幼女澪「ふぎゃっ!」
子供「めいちゅー!さすがりっちゃん!」
幼女澪「ふ、ふぇええぇぇ……」グスッ
子供「あーあ、泣いちゃった」
幼女律「澪すぐ泣くだもん。嫌になっちゃうよ」
幼女澪「わぁーん!りっちゃんが泥ぶつけたぁ!」ビービー
子供「りっちゃん、今度は泥に石入れて澪に当てようよ」
幼女律「いいなそれwwww」
幼女澪「や、やめてよぅ……」グスッグスッ
ギュッギュ
幼女律「できたぁwwwりっちゃん特性爆弾wwww」
子供「澪、ちゃんとよけてねーwwwww」
幼女澪「やめて……。危ないよ……」ビクビク
幼女律「よーし、いくぞぉ!」
「コラアー!」
ゴツン!
幼女律「あいたーっ!」
「よってたかってイジワルしちゃダメでしょ!」
幼女律「なんだよー、おばさん」
ゴツン!!!!
幼女律「さっきよりいてぇーっ!」
「私はまだ高校生ですー。ほら、制服見ればわかるでしょ?」ヒラヒラ
幼女律「知るかバーカ!高校生だろうが、私にとってはおばさんだよーだ!」
ゴツン!!
幼女律「3発目っ!」
「バカって言う人がバカなんですー。だからりっちゃ…キミがバカなんですー!」
幼女律「なんだこいつ!大人のくせに幼稚園児と言い争いして恥ずかし!バーカバーカ!ぺっぺ!」
「このぉ!」グアッ
幼女律「わー!逃げろー!二度とくんなバーカ!」タタタ
「また……!全く、とんだ悪餓鬼だ……!」
幼女律「おぼえてろー!あははははは」タタタ
子供「おぼえてろー!」タタタ
――――――――――――
――――――――
――――
「大丈夫?み……えーと、お嬢ちゃん」
幼女澪「ぐすっ……」
「汚れ拭いてあげるから、ちょっとじっとしててねー」フキフキ
「んー、完全には綺麗にならないね。お家帰ったらちゃんと洗うんだよ?」
幼女澪「ん……」コクッ
幼女澪「ぐす……お姉ちゃん、誰ー?」
「えっ!?えー……せ、正義の味方だよっ!」
幼女澪「正義の味方ー?」
「そ、そうそう!格好いいでしょ!」
幼女澪「うん、格好いい!」
「ふふ、いい子いい子」ナデナデ
幼女澪「えへへ///」
幼女澪「澪は、
秋山澪って言うの。5歳。よろしくお願いします」ペコリ
「お、えらいねー。ちゃんと挨拶できるんだねー」
幼女澪「えへへ。お姉ちゃんのお名前は?」
「お姉ちゃんのお名前は……せ、正義の味方だよ!」
幼女澪「変な名前」
「ホントだねー。あはは……」
幼女澪「お姉ちゃん可愛い」
「えっ……///」
「ほ、ホントに?」
幼女澪「うん、澪もお姉ちゃんみたいになりたい」
「あはは、もう~!澪ちゃんたらお世辞うまいんだからー///このこのー」ツンツン
幼女澪「あうー」
「照れるな~。澪ちゃんのほっぺプニプニ~。なんちゃって」プニプニ
幼女澪「はうー」
「まあ、澪ちゃんの方が可愛くなるんだけどね。ハア」
幼女澪「?」
「ところで、いつもあの子達にいじめられてるの?」
幼女澪「うん……。澪、泣き虫だから……」
「り……おデコの子は助けてくれないの?」
幼女澪「りっちゃんが一番イジワルしてくるの……」ポロッ
「うーん、じゃあ違う友達と遊んだらいいじゃない!わざわざイジワルする子と一緒にいることないよ」
幼女澪「澪、他に友達いないもん……」グスス
「あちゃー……」
「よーし、じゃあお姉ちゃんが澪ちゃんの新しいお友達になってあげよー」
幼女澪「本当ぉ!?」パアア
「本当。だからもう泣いちゃダメだよ?」
幼女澪「う……。が、頑張る……」
「うふふ、エライエライ」ナデナデ
「あ、そうそう澪ちゃん」
幼女澪「何ー?」
「音楽、好き?」
――――――――――――
「…ちゃん!澪ちゃん!」
澪「はっ…あ、ああ。何?」
紬「どうしたの?ボーっとして」
澪「ん、ちょっと昔のこと思い出してた」
紬「昔のこと?どうして急に?」
澪「わかんない……。なんでだろ……」
ガチャ
律「みんなー!新入部員を連れてきたぞー!」
澪「本当か!?」
紬「歓迎いたしますわ~」
――――――――――――
幼女澪「音楽って?」
「うーんとね、お唄歌ったり、楽器演奏したり」
幼女澪「嫌い……」
「どうして?」
幼女澪「みんなの前に立ってお唄歌うのは嫌……」
「そっかぁ。澪ちゃんは恥ずかしがり屋さんだもんね~」
幼女澪「うん……」
幼女澪「でもでも、一人で歌うのは好き」
「一人で?」
幼女澪「うん、いつもお部屋とかお風呂で歌うの。リコーダーも吹けるよっ」
「そっか。やっぱり澪ちゃんは音楽が好きなんだね」ワシャワシャ
幼女澪「あうー」
「ふふ、ねえ澪ちゃん、私の他にお友達欲しくない?」
幼女澪「友達?」
幼女澪「澪、友達欲しい!イジワルしない友達が欲しい……」
「よし!それじゃあ明日もこの公園に来て!絶対だよ」
幼女澪「う、うん」
「それと、明日ここに来た女の子にこれを渡してあげて」スッ
幼女澪「なぁにこれ?」
「その子に渡せばわかるよっ!じゃあまた今度ね!」タッタッタ
幼女澪「あ!ありがとうごじゃましゅ、お姉ちゃん!」
「ほいほーい!頑張ってねぇ!」タッタッタ
――――――――――――
律「ムギ!お茶の準備だ!」
紬「はい~」
律「ささっ、座って座って!」
唯「あ、あのぅ……はい……」
澪「あ、あれ?」
澪(唯…………?)
律「お、澪も気付いたかー!この子は前に職員室でプリントをばら撒いたトロ……ドジっこちゃんだぜ!」
唯「久しぶりだね、澪ちゃん」ニコッ
律「あれ?二人はもう知り合いか~?」
澪「いや、私も職員室で会っただけだけど……」
澪(この違和感はなんだ……?あの時も感じた、何か……。そしてなぜ私はこの子の名前を知ってるんだ……?)
律「ってぇことは、部員の名前を予習してきたんだな!さすが平沢さん!」
唯「い、いやぁ……それほどでも///」
澪(何か昨日今日会ったばかりじゃないって言うか……。ずっと私達の側にいたような変な感覚……)
律「ま、そんなことよりケーキでも食べて食べて!」
唯「あ、あの!」ガタッ
律「ん?どしたー?」
唯「じ、実は軽音部に入部するのやめさせてくださいって言いに来ました!」
――――――――――――
次の日、公園
キーコキーコ
幼女澪「あのお姉ちゃん、今日ここに来れば新しいお友達ができるっていってたけど……」
幼女澪「初めて会う人とお喋りなんて……できないよ……」ウルッ
幼女澪「ぐすっぐすっ……」
幼女澪「ふえええぇぇえぇ……」ポロポロ
幼女唯「ほっほ……」ヨロヨロ、トテトテ
幼女澪「ぐす……。ん?」
幼女唯「お、おお……」ヨロヨロ、トテトテ
ツル
幼女唯「ふぎゃ!」
ドテーン、バシャアアアア
幼女澪「!?」
ザリガニ「ワシャワシャ」
幼女唯「あー、捕まえたザリガニがー」
幼女唯「よっこらしょっと」ムクッ
幼女唯「とぉ!」ムンズ
ザリガニ「ワシャワシャ」
幼女唯「一匹目~」ポイ
幼女唯「えい!」ムンズ
幼女唯「二匹目~。えへへ」ポイ
幼女澪(ザ、ザリガニがいっぱい……)ガクガクブルブル
幼女澪(あの子がお姉ちゃんの言ってたお友達なのかな……)
幼女澪(自分から話しかけないと……)
幼女澪(頑張れ澪頑張れ澪……)ポロポロ
幼女澪「ふわぁぁあん……。無理だよぉ……」ポロポロ
幼女唯「なんで泣いてるのー?」
幼女澪「わあっ!?」
幼女唯「ザリガニ欲しいの?」
幼女澪「ち、ちが……」
幼女唯「え?何ー?」
幼女澪「欲しく……ない……」ゴニョゴニョ
幼女唯「?」
幼女唯「とにかく一匹あげる。ほい」ポイ
ザリガニ「ワシャワシャ」
幼女澪「」
幼女澪「きゃああああああああ!!!!!」
幼女唯「うおっ」
――――――――――――
律「へ?」ポカーン
唯「私ギターなんて弾けないし、軽音部ってもっと簡単なことやると思ってて……」
澪「そんなの大丈夫だよ!私も少しはギター弾けるし、教えられることは教」
律「そっかぁ。できないならしゃーないな」
澪「え……?」
紬「そうね。無理に引きとめるのも悪いし」
澪「ちょ、ちょっと待てよ……」
唯「本当にごめんなさい……それじゃあ」
澪(な、なんでそんなに簡単に帰しちゃうんだよ)
律「じゃあ気を付けて帰ってね~」
唯「うん、ありがとう」
澪(私やムギの時はあんなに引きとめたくせに、なんで)
紬「良かったら、またお菓子を食べにきてね」
唯「わかったぁ。ありがとね~」
澪(ダメだ。待て。違う。帰しちゃダメだ。何かわかんないけど絶対このまま帰しちゃダメだ)
澪「ちょっと待って!」
律「お?どうしたー?澪」
澪「よ、良かったら私達の演奏だけでも聴いて行かないか?」
唯「……」
唯「うん、私も聴きたいな。澪ちゃん達の演奏」
――――――――――――
――――――――――――
――――――――
――――
幼女澪「秋山澪です。5歳です。よろしくお願いします」ペコリ
幼女唯「唯だよー。いつつ!」
幼女澪「わぁー、同い年だ!」
幼女唯「同い年って何~?」
幼女澪「歳が同じってこと」
幼女唯「ふ~ん。あ、蛙だ」
幼女澪「……」
幼女澪「唯ちゃんがお姉ちゃんが言ってたお友達?」
幼女唯「お姉ちゃんて何~?唯は憂のお姉ちゃんだよ~?」
幼女澪「うーん……、あ、そうだ!これお姉ちゃんから渡されたの」スッ
幼女唯「わぁ!カスタネットだぁ!」
幼女澪「カスタネット好きなの?」
幼女唯「うん!唯カスタネット得意だよっ。貸して貸して」
幼女澪「いいよ。はい」スッ
幼女唯「よーし、やるぞぉ」
幼女唯「うんたん♪うんたん♪」パンパン
幼女澪「?」
幼女澪「うんたん♪うんたん♪」パンパン
幼女澪「????」
幼女唯「ふ~、一仕事したなぁ」キリッ
幼女澪「今のなぁに?」
幼女唯「知らないの!?澪ちゃん遅れてるぅ~」
幼女澪「うう……ごめん……」
幼女唯「カスタネット叩く時は、うんたんって言わなきゃダメなんだよ~」
幼女澪「え~、そんなの聞いたことないよ」
幼女唯「嘘だ~!だって幼稚園の先生が言ってたもん」
幼女澪「そっかぁ……こっちの幼稚園では言われなかったなぁ……」
幼女唯「澪ちゃんもやってみて!うんたん!」
幼女澪「やだよぉ……恥ずかしいもん……」
幼女唯「早く早く!」キラキラ
幼女澪「うう……。じゃあうんたんしたらお友達になってくれる……?」
幼女唯「なるなる!だから早く!」
幼女澪「わかったよぅ……。う、うんたん……うんたん……♪」
幼女唯「あはは、澪ちゃんおもしろーい!」
幼女澪(恥ずかしいよぉ……)ポロポロ
幼女唯「じゃあ私達友達だね~。うんたん仲間だね~」
幼女澪「うんたん仲間……」
幼女唯「うんたん仲間になったら、一日一回うんたんしなきゃダメなんだよ~。和ちゃんもやってるよっ!」
幼女澪「頑張る……」
幼女唯「えへへ」
シュッ、ベチャ
幼女唯「ふぎゃーーー!」ドテーン
幼女律「あ、変な奴に当たった」
子供「今日は外れだねー」
――――――――――――
律「どうしたんだよ澪ー。そんなに必死になって」
澪「逆に何でお前はそんなにあっさり引き下がるんだよ!軽音部が廃部するかどうかの瀬戸際なんだろ!」
律「そりゃあ、そうなんだけどさー。平沢さんギターできないって言うし、ムギの時に無理に引きとめたら可哀想って言ったの澪だろ?」
澪「ぐ……、そうだけど……」
紬「それに、他にギターができる子が入部するかもしれないじゃない?ねぇ、りっちゃん?」
律「そそ。慌てない慌てない。一休み一休み」
澪(ダメなんだよ……。自分でもなんだかわからないけど、ギターは唯じゃないきゃダメなんだよ!)
唯「あのぅ……」
澪「あ、ごめん……」
唯「えーっと……。演奏してくれるんじゃ……」
澪「そうだな。いいだろ?律、ムギ」
律「まあ、別にいいけど」
紬「私も、二人がそう言うなら」
澪「平沢さん、私達まだまだ下手っぴなんだ。でも平沢さんのために心を込めて演奏するから……」
唯「うん、見てるよ。澪ちゃん」
――――――――――――
幼女澪「唯ちゃん!」
幼女唯「お、お、おお……」ヨロヨロ
幼女律「誰だあいつ。まあいいや。おりゃ!泥爆弾!」
シュッ、ベチャ
幼女唯「にぎゃっ!」ステーン
最終更新:2010年02月13日 02:41