律「おーい、澪!システムスキャンの結果どうだった?!」
澪「レベル1の空力使いだったよ。ムギは?」
紬「私はレベル1の電撃使いだったわ。りっちゃんは?」
律「あはは!わたしは無能力だったよ!逆にわたしらしいよな!ははは」
律「唯!唯はどうだったんだよ!?」
唯「・・・・・・・」
律「・・・・唯?」
唯「どうしようみんな・・・・・」ワナワナ
唯「わたし・・・・・・・・」フルフル
唯「レベル5らしいんだけど・・・・・」ピラピラ
澪律紬「」
律「お、おもしれぇーじょーだんだなぁーははは」
唯「冗談じゃないよ。みてよこれ。」
澪「どれどれ・・・・・」
能力名:絶対音感<ノイズキャンセラー>
レベル:5
その名の通り絶対音感。あらゆる音を聞き分け、その音がどこから発し、どのような経路をたどって聞こえてくるのかを知覚することが可能。
レベル5ともなると音波・周波数を自在に操り騒音、消音思いのままに操る。
律「・・・・・・・・」
唯「ちょ、ちょっと!りっちゃん!やぶんないでよ!!!」
律「みとめーーーーーん!!!」フンス
律「何がノイズキャンセラーだよ!名前のとおりなら騒音消すだけだろ!?」
澪「律。能力名は能力に直接関係ないよ・・・・第一位の一方通行だって反射だけじゃなくてあっちこっちにベクトル変換できるらしいぞ?」
律「でも、唯が8人目だぜ?!あんな化けものたちとおんなじようなチカラを唯がもってるって?ギャグじゃん。」
唯「さすがにそれは失礼だよ!」ふんす
紬「ねぇ、唯ちゃん。ちょっと能力使ってみて?」
唯「ん~わかった。じゃあ、りっちゃんにだけ、騒音聞かせる」
律「のぞむところだ!」
唯「わっ」ボソッ
律「っっ~~~~~~~~!!!」ギイィィィィン
澪紬「?」
律「ほ・・・・ほんものだな・・・まだ耳鳴りがする」キンキンキン
澪「でも、レベル5になったら、生活がなんか変わってくるのか?」
紬「たしか、奨学金が増えるはずよ。ケタ違いに。」
唯「お菓子買い放題たべほうだいじゃん!!」キラキラ
澪(いい目をしている・・・・)
澪「・・・・そういえば、この能力説明のとおりに能力が使えるのだとしたら、この能力、唯にとっては最高の能力かもしれないぞ??」
唯「たとえば?」
澪「いいか?音の周波数を変えられるってことはだ。自分の出せる声は変えられなくても、出た声を変換して相手に聞かせられるってことだ。」
律「それがどおしたんだよ。」
紬「・・・・・それは確かに、唯ちゃん・・・・いえ、私たちにとって最高の能力ね・・・・」
唯「もったいぶらないで教えてよ~」
澪「簡単にいえば、だ・・・・・唯は能力を使えばどんな低い声にだって変えられるし、どんな高い声にだって変えられる。歌えない曲はない、最高レベルの歌手になれるんだよ!」
唯「??!」
なぜか今回のシステムスキャンでレベル5の8人目になってしまいました。
それからの生活はちょっと変わっちゃって、レベル5を倒そうと喧嘩を振ってくる人たちや、
身代金?目当てに誘拐を企てようと襲ってくる人たちが現れてきました。
でも、能力を使うと、みんな私の声を聞いて耳をふさぎながら白目を剥いて倒れます。
ちょっと爽快。
レベル5になって嬉しかったのは、能力のおかげでバンド活動に幅が出たことと、
不良に絡まれているところを助けてくれた超電磁砲の女の子と仲良くなれたこと。
今日はそれを少しお話しようかな。
平日の放課後。私はレベル5になった後の日常を今までと変わらず呑気に過ごしていた。
男A「じょうちゃんちょっとええかなぁあ?!」
唯「え、あ、な、なんでしょうか・・・・?」(ま、まただよぉ~・・・・)
これで何回目だろう。レベル5になってからというもの、このようにちょっとこわい人たちや、見知らぬ方々にあまりかけられたくない方法で声をかけられることが増えてしまった。
なりたてほやほやのレベル5・・・・それくらいなら倒せるかも?
などと思われているのだと思う。でも、怖いので正直やめてもらいたい・・・・
私はビクつく心を抑えつつ能力を使うため息を思い切り吸い込み・・・・
唯「助けて!!」ギイィィィィィン
思いっきり叫んだ。
いったい私の声はどこまで響くのだろう。
そんな声を間近で聞いたことの男二人組は一体どうなってしまうのだろう。
一人はやはり白眼で気絶している・・・・が、
男B「ふぅ~・・・・いて・・・耳塞いでれば意外に耐えられるもんだな・・・・」
効いてなかった・・・・・もとい聞いてなったが正しいのかな?
それならもう一度・・・と私はさらに息を吸い込む。
目一杯肺に息が溜まったところで最大出力!
??「私の友達になにしてくれとんじゃこらぁあああああ!!!」
しようとしたところで、白くきれいなあしと、短パンが視界に飛び込んできた。
??「みことキィィィィィィック!!!」
ズガン!という効果音が似合いそうなとび蹴りが男Bにクリーンヒット。
顔面から血を噴き出し倒れるB。Aと比べるとどちらかといえばBのほうがひどい有様だった。南無。
??「ねぇ初春さん!大丈夫!変なことされなかった!?」
唯「ういはる?なにそれ?」
??「あれ?・・・・初春さんじゃない?声そっくり・・・・・」
どうやらこの娘はわたしと初春さんという人を間違えていたらしい。
よく見ると常盤台の制服を着ている・・・・お嬢様・・・・・
唯「ういはるさんがだれかはわかんないけど、助けてくれてありがとう。」
??「あ、あぁ。いいのよ!困っている人がいると助けないといられないタチなの!」
??「なにもされてなかったみたいでよかったわ!!」
唯「・・・・あの、名前を聞いてもいいかな?」
御坂「わたし?私は御坂美琴。常盤台中学2年。アンタは?」
唯「わたしは・・・・平沢唯。桜が丘高校2年だよ。」
御坂「?!」
御坂「年上でしたか!?なれなれしくすいませんでしたぁ!!」ペコペコ
唯「い、いいよいいよ!気にしないでよ!わたしそういうのどうでもいいから!」
御坂「あ、じゃあタメ口で良い?敬語はキャラじゃないのよ。」
唯(切り替え早いなぁ・・・)
御坂「しっかし、あんたも、なんでこんな真昼間からあんな男どもに絡まれてんの?」
唯「ケンカ売られちゃってて・・・・」
御坂「え?なんかしたの?ジュースこぼしちゃったとか?!」
唯「うんん?違うの。私、つい最近レベル5になっちゃったから・・・・」
御坂「レベル5ゥ?・・・・もしかして、噂の絶対音感ってアンタなの?」
唯「そうそう。絶対音感だよ。能力は便利だけど、こうケンカ売られてちゃ迷惑なんだよね!」ふんす
唯「こっちの身にもなってほしいよ!!」ぷんぷん
ここ数日を思い出す。む、やっぱりなんか腹が立ってきたよ!ぷんぷん!
御坂(なんか・・・・まともね。レベル5はあの一方通行(糞男)と心理掌握(クソ女)しか会ったことないからわらんないけど・・・・この娘、すごい普通だ。)
御坂「ま、まぁ・・・・なりたてはそんなもんよ。私なんて、今でもケンカ売られることあるもん。」
唯「・・・・・わたしも?」
御坂「あぁ、言ってなかったわね。私もあんたとおんなじレベル5。第3位<超電磁砲>よ」
唯「」
数日前。りっちゃんが興味本位で調べて教えてくれた噂話を思い出す。
~~
いいか、唯。わたし、ちょっと興味本位でレベル5について調べてみたんだ。
そしたらさ、物凄い噂を入手しちまったんだよ!
え?聞きたいかって?まぁ、そう焦るなよ。いいか?
レベル5は全員で7人いる。私が調べることができたのは1位と3位だけ。
2位、4位、5位、7位は能力しかわからなかった。6位に至っては存在するのかどうか怪しいくらい何の情報もなかったが・・・・
1位は問題ない。1位自らが目立って事件を起こした記録はない。ちょっかい出さなければいいだけの話。
しかし、問題は第3位だ。
まず、中学生という圧倒的幼い精神年齢。これが危険。少し挑発しただけでその猛威をふるってくるぞ。
一般人に向けて10億ボルトの電圧かましたり超電磁砲を放ったり・・・・
とりあえず、超電磁砲にはちょっかいだすな!しぬぞ!?
~回想終了~
唯「命だけは御助けを~~~!!」ガクガクブルブル
御坂「ちょっとどういう意味よ!!」
唯「かくかくしかじか」
御坂「四角いムーブってわけね。」
御坂「まぁ・・・・事実もあるから認めるけど・・・決して『一般人』には能力使ってないわよ?」
唯「ほんと?」ウルウル
御坂「ほんとほんと。むしろそいつ私より強いもん!」
唯「レベル5なの?」
御坂「それが面白いことにレベル0なのよ~。」
唯「ふーん。そんなすごい人もいるんだね。」
御坂「す、すごくなんかないわよ!だってあいつ!ウンタラカンタラ」
ここでスイッチが入ってしまったのか。御坂さんはその『アイツ』について散々と語ってくれた。
『アイツ』の話をしだした御坂さんは今日一番「いい顔」をしていた。
御坂「ウンタラ~~~~カンタラ」
唯「」ニコニコ
御坂「?なに?なんかおかしかった?!」アセッ
唯「ううん?『アイツ』って人の話してる御坂さん乙女みたいな顔してるなぁ~って」ニコニコ
御坂「お、乙女ってっててて!!////そ、そんなん違うわよ!断じて!///」
面白い。どんどん顔が赤くなっていく。かわいい。
唯「ね、ね。もっと続き聞かせてよ『美琴ちゃん』!」
御坂「・・・・しょうがないわね!ちゃんと最後まで聞きなさいよ!『唯』!」
りっちゃんのように活発で明るくて。
澪ちゃんみたいにロマンチストで。
ムギちゃんみたいにお嬢様で。
あずにゃんみたいにしっかり者で恥ずかしがり屋。
そんな人と、友達になりました。
レベル5になって2月ほどたった。ケンカ売られることもなくなってきて、今はとても平和になりました。
梓「おーい。唯先輩!途中までいっしょにかえりましょー!」
唯「うん、いーよ」
能力のおかげでバンドのほうも絶好調!今現在不満は全くない平沢唯16さい!
唯「あずにゃんはなんの能力だったっけ?」
梓「えー、忘れちゃったんですか?」
唯「っていうかモニターの前の人は知らないんだよ。」
梓「な、なにいってるんですか・・・?」
唯「」
唯「で、なんだっけ?」
梓「レベル1の発火能力です・・・・おしっこでそうになるまできばって、ライターレベルですが。」
唯「お、あそこに見えるのは・・・おーい、美琴ちゃん!!」
梓「聞いちゃいない・・・」
唯「そんなごついゴーグル着けてどこ行くの?」
ミサカ「?美琴ちゃんとはお姉様の事でしょうか?とミサカは質問文に質問で返答します。」
唯「!?」
ミサカ説明中
唯「へぇ。妹なんだ?じゃーミサちゃんって呼ぶね!」ギュッ
ミサカ「?!」ドキッ
梓「先輩、あんまり近づいたらダメですよ。先輩はその・・・アレなんですから」
ミサカ「アレとは何ですか?とミサカは尋ねます。」
唯「実は私のAIM拡散力場は異常に効果が強いらしくて、人体にまで影響が出ちゃうんだ。ヒーリング音楽の逆って言えばいいかな?心がたかぶるんだって。」
ミサカ「にわかには信じられませんね」(今身を持って体験しましたが。)
唯「だから、この事を知らない人と一緒にいると・・・襲われちゃったりするんだよねぇ///」チラッ
ミサカ(こ、この人は・・・能力云々より、人として魅力的ですねとミサカは結論づけます。)
御坂「あ、アンタ!勝手にふらふらしないでよ!探したじゃない!・・・ん?唯じゃない。」
唯「美琴ちゃんおいっす~」
御坂「おいっす~・・・じゃなくて!早くいくわよ!今日こそあのクレーンゲームのゲコ太とってやるんだから!」
ミサカ「能力使ってとりましょうよ、とミサカはいい加減毎日付き合わされるのも面倒になってきました。」
御坂「プライドが許さないわ!じゃあ、またね!唯」
唯「ばいばーい」
最終更新:2010年02月15日 01:52