2話「唯頭巾ちゃん」

澪「おーい、唯~」

唯「ほーい。って、澪ちゃん!? 澪ちゃんがお母さん役なの?」

澪「うん、そうだぞ」

唯「ふぇー、てっきり憂がやるのかと思ってたよー」

律「私もいるよーん」

唯「りっちゃん!」

律「ちなみに私はお父さん役だぞー」

唯「えぇ~、『赤頭巾ちゃん』にお父さんって出てきたっけ?」

律「こうでもしないと私の出番がなくなるんだよ!」

唯「わかったよ! お父さんがりっちゃんでお母さんが澪ちゃんなんだね!」

律「そうそう、私がお母さん役じゃなくて、澪がお母さん役だ」

唯「なるほどねー」ジー

澪「な、何?」

律「そうそう、わかるだろ?」ジー

唯「うぅ~」ジー

律「な? ムカつくよなー」ジー

澪「な、何で2人して私の胸を凝視するんだぁ!?」

律「うるせー!! 立派なモン付けてるからって威張んじゃねー!!」

唯「そうだー! しぼめしぼめー!」

律「しぼめしぼめー!」

ごんっ

唯「」

律「うぅ~、何で私だけ~?」

澪「うるさいっ、馬鹿律!!///」

唯(!! ここはムギちゃんの『まぁまぁまぁ…』がないと収拾がつかない! ここは私がムギちゃんの代わりに!)

唯「も~ひとこえ~~」

澪「?」

律「何言ってんだ、唯?」

唯「…間違っちった…」

……………

澪「唯、お婆さんの所へお裾分けを持って行ってくれないか?」

唯「え~、めんどくさ~~い」

澪「…唯?」

唯「ひぃっ!? 持って行くであります、サー!」ビシッ

澪「よろしくね」

律「自分で食べちゃ駄目だぞー」

唯「ほ~い、行ってきま~~~す!」ダダッ

澪「ふぅ、まったく」

律「2人きりになっちゃったな」

澪「え? ああ、そうだけど」

律「せっかく夫婦なんだ、こっちはこっちでしっぽり盛りあがろうぜー!」モニュ

澪「きゃああああああああっ!! どこを触ってるんだ!?///」

ごんっ!


窓の外「///」ハァハァ…


律「いーじゃんさー、夫婦なんだしー」

澪「役ってだけだろぉ!」


窓の外「りっちゃんと澪ちゃんが夫婦…」ハァハァ


律「いいからちゅーしましょ、澪ちゅわん」ンー

澪「いい加減にしろ!」

ごんっ!


窓の外「澪ちゃん、駄目よ。自分に素直になって…」ハァハァ


律澪「……………」

がちゃ

律「ムギ、何やってんの?」

紬「あらあらあらあら/// 私に構わず続けて」

澪「何を!?」

律「って言うか、ムギは狼役かー」

狼の着ぐるみを着てけもの耳を付けた紬「そうなの。似合うかしら?」シャランラー

澪「いや、唯、もう行っちゃったんだけど…?」


紬「ええ、知ってるわ。でも私には、ここで2人の夫婦生活を見守ると言う大役が!」


澪「しないから! あれは律の悪ふざけだから!」

律「んもう、澪ちゃんってば照れちゃってー」

紬「やっぱり!!///」ドキドキ

澪「いい加減にしろ―――――――――――――――!!」



紬「追い出されちゃった…」

紬「仕方がないから、唯ちゃんの後を追いましょう」

紬「えーと、私はこれから赤ず、じゃなくて唯頭巾ちゃんを襲って食べるのね」

紬「……唯ちゃんを食べる……」


―――――紬の脳内―――――

唯「いやあ、ムギちゃん、何するの?」

紬「うふふ、その通り、ナニをするのよ」

唯「いやっ、怖いよぉ!」

紬「怖くなんてないわ。とっても気持ちいいことなの」

唯「そうなの? ムギちゃん、優しくしてくれる?」

紬「もちろんよ。だって私、唯ちゃんが大好きなんだもの」

唯「えへへ、照れちゃうよぉ///」

紬「可愛い」チュッ

唯「ん……ムギちゃん、唯を美味しく食べてね」

――――――――――――――


紬「唯ちゃん……」ダラダラ

紬「はっ!」

紬「狼の着ぐるみに赤いブチが出来てしまったわ…」



そのころ!

唯「お婆ちゃんちに~、おっつかいだ~♪」

唯「……………」

唯「お婆ちゃん役は誰だろ?」

唯「まあ、いいや!」

唯「お婆ちゃんちに~、おっつかいだ~♪」

紬「唯ちゃ~~~~~ん!(ああ、唯ちゃんの赤頭巾姿可愛い! こっちに来て正解ね!)」

唯「おぉ~、ムギちゃん!」

紬「うふふ、やっと追いついたわ」

唯「ムギちゃん、可愛い!」

紬「そ、そうかしら?///」

唯「それ、犬?」

紬「……違うわ」

唯「じゃ、クイズだね! えーと、狐とは色が違うしなー。尻尾の形が猫とは違うし……狸!?」

紬「唯ちゃん、『赤頭巾ちゃん』に出てくるものを思い出して。狼よ」

唯「なーんだー。可愛いから狼とは思わなかったよ!」

紬「ゆ、唯ちゃん……///」

唯「で、私に何か用?」

紬「唯ちゃんはどこに行くところなの?」

唯「お婆ちゃんちにお届けものをするんだー」

紬「そうなの、偉いわね」

唯「えへへへー///」

紬「(唯ちゃん、可愛い///)なら、向こうのお花畑に寄って、お婆さんにお花もプレゼントしたら、もっと喜ばれるんじゃないかしら?」

唯「おぉー、さすがムギちゃん、冴えてるね!」

紬「うふふふ(確か、赤頭巾ちゃんがお花を摘んでる間に狼はお婆さんを襲って、お婆さんに成りすますんだったわね)」

唯「じゃ、ムギちゃん。一緒に行こう?」

紬「えっ!? わ、私はちょっと…」

唯「駄目?」ウルウル

紬「いえ、一緒に行くわ」キリッ

唯「わーい、ムギちゃんとお花摘みだー!」

紬「うふふ///」



そのころ!

律「……ムギは行ったみたいだな」

澪「そうだな」

律「今度こそ2人きりだ」チュッ

澪「ね、ねぇ。明るいトコじゃヤダ…///」

律「しょーがないなー、この恥ずかしがり屋めー」

澪「ご、ごめんね、律…」シュン

律「ふふっ、澪のそう言うトコも好きだよ」チュッ

澪「ん……ん……えへ、私も律が大好き///」


律(コンチクショー、何でえっちのときは素直になるんだよー。私を萌え殺す気か!!///)



おはなばたけ!

唯「花冠できたー!」

紬「まぁ、上手にできたわね。お婆さんもきっと喜ぶわ」

唯「違うんだー、これはムギちゃんへのプレゼント!」

紬「えっ!?」

唯「はい、これ」ノセノセ

紬「ゆ、唯ちゃん……///」

唯「似合うよ、ムギちゃん! 凄く可愛いよ!」

紬「うふふ、ありがとう(唯ちゃんの方が何倍も可愛いけど、ね///)」

紬「はっ!!」キュピーン!

唯「どうしたの、ムギちゃん」

紬「い、今、乙女電波を受信したの」ソワソワ

唯「何、それ?」

紬(今、澪ちゃんとりっちゃんがとんでもないことになってる気がする…)

唯「ムギちゃん?」

紬(戻るべきか……)

唯「ムギちゃんってばぁ」

紬(戻らざるべきか……)

唯「ムギちゃん、返事してよぅ」

紬(どうしよう、決められない)オロオロ

唯「……………」

紬(ああ、百合の神様、私はどうしたら…?)

唯「」グスッ

紬「えっ!?」


最終更新:2010年02月15日 02:30