唯「ムギちゃん……私といるの、つまんない?」ヒック

紬「ええっ!? そ、そんなことないわ」

唯「でも、話し掛けても上の空だし」ウルウル

紬「ご、ごめんなさい、考え事をしてたの。お願いだから泣かないで」ナデナデ

唯「うん…」グスッ

紬(びっくりした。いきなり泣き出すなんて……唯ちゃんってこんな子だったかしら?)

唯「だってムギちゃんと2人きりになれて嬉しかったのに、ムギちゃんは違うのかな、って思ったら悲しくなっちゃって…」

紬「えっ!? ど、どういう意味?」

唯「あの、あのね」

紬「え、ええ」


唯「私、ムギちゃんのことが好き///」

紬「えっ!?」


唯「あ、ごめんね。女の子同士でこんなこと…」

紬「そ、そんなこと(むしろどんとこいです)」

唯「ムギちゃんって、お嬢様で可愛くて優しくて、初めは憧れてたんだけど、その内ムギちゃんとキスしたいとか、そんなことばっかり考えるようになっちゃって…」

紬(あれ? 何かしら、これ。え? 違うわよね? 唯ちゃんが私を好きなんじゃなくて、私が唯ちゃんを好きなのよね?)


唯「///」モジモジ

紬(ああ、そうか。これは夢なのね。納得だわ)


むぎゅううううううう

紬「痛い!」


唯「む、ムギちゃん!? 何で自分のほっぺをつねるの?」

紬「そ、そんな……唯ちゃん、これは夢じゃないの!?」

唯「へ? ゆ、夢じゃないと思うけど…」

紬「そんな馬鹿なっ!!」

唯「何で否定されてるのかわかんないんだけど!?」

紬「だって私、唯ちゃんに片思いをしてるのよ!?」

唯「ええっ!?///」

紬「唯ちゃんが軽音部に来たあの日から、なんて可愛くて純粋な女の子なんだろう、ってそれからずっと唯ちゃんと恋人になれたらいいのに、とか、唯ちゃんとキスできたら幸せだろうな、とか、そんなことばかり考えてるのよ?」

唯「嘘……嘘……」ドキドキ

紬「だからこれは夢なの!」

唯「え―――っ!? なんでそんな結論になっちゃうの!? 私たち、両思いってことじゃないの!?」

紬「えっ?」

唯「えっ?」

紬「でも……それじゃあ……私、唯ちゃんにいっぱいえっちなことしちゃうわ……」

唯「私だって、ムギちゃんとえっちなこといっぱいしたいよぉ!///」

紬「ゆ、唯ちゃん……」ドキドキ

唯「ムギちゃん……」ドキドキ


ちゅ…

紬(凄い……唯ちゃんとキスしてる……もう死んでもいい!)

唯(夢みたいだよぉ……ムギちゃんの唇だぁ///)

紬(キスってこんなに幸せになれるものだったのね)

唯(こうやって抱き合ってると、ムギちゃんの髪が手にかかって気持ちいいな)

ちゅ、ちゅ…

紬「んっ(ああ、唯ちゃん、大好き!)」

唯「んっ、んっ(ムギちゃんムギちゃん!)」

ちゅばっ

紬「唯ちゃん……好きよ」ハァハァ

唯「私だって」ハァハァ

紬「…唯ちゃん、知ってる? 今の私は狼なの」

唯「うん、知ってるよ?」

紬「だから、今から唯ちゃんを襲っちゃうわ」ドキドキ

唯「う、うん。わかった…///」

紬「唯ちゃん!」ガバッ

唯「ムギちゃん!(ああ、夢みたいだよ)」

紬(両思いってわかったばかりなのに、こんなことしちゃっていいのかしら?)モフモフ

唯(ムギちゃんとえっちしちゃうんだ……ちょっと怖いけど、頑張らなきゃ)

紬「……」モフモフ

唯「ムギちゃん?」


紬「着ぐるみじゃ、何もできないわ!」ガーン

唯「な、なんだって――――っ!!」ガーン


……………

唯紬「ぷっ」

紬「うふふふふ」

唯「あははは」

紬「ごめんね、唯ちゃん。私、暴走しちゃうとこだったわ」

唯「うん、私たち両思いだもんね! 焦らなくてもいいよね!」

紬「ええ」

唯「でもぉ、その代わりキスはいっぱいしたいなぁ///」

紬「そうね///」

ちゅっ



じご!

澪「律……」ハァハァ

律「澪、可愛かったぞ」ハァハァ

澪「んもう///」

律「ふふ(ヤベェ、何でこいつこんなに可愛いんだ!)」ナデナデ

澪「ん……こうしてさ、えっちした後、裸で抱き合ってるのって気持ちいいな」

律「イッた後は敏感になってるもんな」ナデナデ

澪「そうじゃなくてさ、律をもっと近くに感じるんだ///」

律「澪…(コノヤロー、可愛過ぎだろー!!)」

ちゅっ

澪「ん…(律……これ以上ないってぐらい、律のことが好きなつもりなのに、キスのたびにもっと好きになってる気がする……)」

律「ん…(へへーん、こんな可愛い子が私だけのものだもんねー!)」



そのころ!

てくてく…

唯「ムギちゃん」

紬「ええ、ん~」

ちゅっ

唯「えへへ///」

紬「///」

てくてく…

紬「唯ちゃん」

唯「らじゃ! ん~」

ちゅっ

紬「うふふ///」

唯「えへへ///」

てくてく…

唯「ム~ギちゃん」

紬「ええ、ん~」

ちゅっ

唯「でへへへぇ~///」

紬「うふふ///」

てく…

紬「ああっ!?」

唯「ムギちゃん、どうしたの?」

紬「もう夕方だわ! いつの間にこんなに時間が経ったのかしら?」オロオロ

唯「ほえ!? ほ、本当だ!」オロオロ

紬「ほら、あそこにお花畑が見えるもの、そんなに長い距離は歩いてないわ。一体どうしたのかしら?」

唯「も、もしかして魔法使いのしわざかなぁ?」

紬「わからないけど…(でも『赤頭巾ちゃん』に魔法使いって出てきたかしら?)」

唯「とにかく急いでお婆ちゃんちに行かないと夜になっちゃう!」

紬「そうね、急ぎましょう」

てくてく…

唯「ムギちゃん」

紬「はい。ん~」

ちゅっ

……………
……………

唯「結局、お婆ちゃんちに来るのに、夜までかかっちゃったね」

紬「本当に不思議ね…(やっぱり魔法使いのしわざなのかしら…?)」

唯「まぁ、いいや。お婆ちゃあ~~~ん」ガチャ

さわ子「遅いわよ!!」

紬「まぁ」

唯「さわちゃんがお婆ちゃんだったんだー!」

さわ子「私はまだ若いのに!! どぉ~~してお婆さん役なのよぉ~~~~!!」シクシク

唯「わ、私たちに言われましてもぉ~」

紬「まぁまぁまぁまぁまぁまぁ。先生、唯ちゃんがお菓子を持ってきてくれましたから」

さわ子「いただきます!」

唯紬「ほっ」

さわ子「それはそうと、2人とも遅かったわね」ムグムグ

唯「なんか知らないけど、今日は時間が経つのが早いんだ~」

紬「ええ、びっくりしました」

さわ子「だから狼や赤頭巾ちゃんより先に、猟師が来ちゃったじゃない」


唯「猟師?」


憂「お姉ちゃん♪」

唯「あ、憂」

紬「憂ちゃん、こんばんは」

憂「もう、お姉ちゃん、遅いよぉ~」

唯「えへへ、ごめんね」

憂「でも良かったよ、狼も一緒に連れてきてくれて……」

がしゃこん!

紬「え…?」

憂「うふ。うふふふふふふ」ユラァ

唯「ういー、危ないよ! ムギちゃんに銃を向けないで!」

紬「ああ……あ…」ガクブル

憂「何言ってるの、お姉ちゃん。お姉ちゃんを襲った狼を退治するのが私の役目なんだよ?」オブツハショウドクダー!

唯紬「ひょえええええええええええええええええ!!!!」



唯頭巾ちゃん―fin―



最終更新:2010年02月15日 02:31