唯「ういーおはよー」

憂「お姉ちゃんおはよーまだ7時なのに今日は珍しく自分で起きてきたね」

唯「めざまし7個セットしたからね!」

憂「作戦勝ちだねっ!ご飯すぐ用意するから待ってて」

唯「ご飯なにー?」

憂「ラーメンだよ。どうぞー」

唯「やっぱり朝はラーメンだよね。あったまるよー」

憂「塩ラーメン最高だよね」

唯「以下ラーメ…じゃなくて塩ラーメンおいしいよね」

憂「う、うん」

憂(以下ラーメ…?)

唯「お姉ちゃん将来ラーメン屋台やろうかな?」

憂「お姉ちゃんがやってたら毎日食べに行くよー」

唯「ギターでチャルメラ弾きながらラーメン売って四国行脚するよー」

憂「お姉ちゃんおもしろいね。ほらほら急いで食べるからほっぺにナルトがついちゃってるよ」

唯「ほんと?ちょっと鏡見てくるー」

憂「お姉ちゃん可愛いなぁ」


唯「ういー!ナルトほっぺに2つも付いてるよー!」

憂「とってこなかったんだね」


唯「おもしろいからとりたくない」

憂「あはは。遊んでないでラーメン冷める前に食べようよ」

唯「はっ!そうだね。ラーメンのびちゃうもんね」

憂「ごちそうさま。食べたら丼持ってきてね私洗い物してるから」

唯「まかされよ」


―――――――

憂「さぁ今日は余裕もって登校できるね、お姉ちゃん準備できた?」

唯「ばっちぐーだよ」

玄関のドアを開けると外は眩しいくらい真っ白な雪が積もっていた


唯「ういー雪だるま作ろう!あっ雪合戦もしたいなぁ」

憂「すごーい…昨日まではなんにも積もってなかったのに一晩でこんなに積もったんだ」

唯「雪うめぇ雪うめぇ」

憂「お腹壊すよー。もうすぐ春なのに雪が積もるなんてめずらしいね」

唯「雪が積もってて歩きづらいよー」

憂「ほんとだねー」

唯「でもいつもの道よりちょっと楽しいね」

憂「山登りみたいに自然と触れ合ってる感じがしていいよね」

唯「じゃあ雪山登りは1回で2度おいしいね」

憂「それはどうか分からないけど…夏の山にはまた違った良さがあるからね」


唯「山ってすごいね!将来はラーメン屋台でお金貯めて山買おうっと」

憂「夢は大きい方がいいよね」


―――――――

唯「みんなーおはよおぉぉおお」

律「相変わらずダレてるなー」

唯「雪道で疲れちゃったよー今日はもう何にもしたくないや」

律「おいおい唯まだ朝だぞー」

唯「ムギちゃんは全然疲れてないっぽいね。執事さんに車で送ってもらったとか?」

紬「雪がすごくて車は出せなかったから歩いてきたわよ」

唯「あんな遠くから歩いてきたの!?ムギちゃんは軽音部の永久機関だね」

紬「そんなたいした距離じゃないわよー」

律「もうすぐ私達は3年だな」

唯「早いねーあと1年もしたら卒業かぁ」

律「私達が卒業したら梓1人になるからな。新入生歓迎ライブは気合い入れないとな」

紬「新入部員のために頑張らないとね」


律「でも雪降ったから昼休みは遊ぶぞー!」

唯「賛成!雪遊びしたい!」


紬「私もみんなと雪遊びしたいわ!」

律「じゃ昼休みはご飯食べたら澪達を誘って外に行こうぜー」

唯「お腹空いたよー!」

律「まだ2時間目までしか終わってないぞ」

唯「ムギちゃん今日のお菓子はー?」

紬「今日は試験期間で部活がないから持ってきてないわ」

唯「えーそんなー!」

律「朝も食べてきたんだろ?そんな食べてばっかりだと太るぞー」


唯「太らないからいいもん!そうだほっぺに付けっぱなしだったナルト食べよう」

律「ナルト…」


唯「おいしいよー1個食べる?」

律「遠慮しておきます」

唯「やっとお昼だー」

律「ずっと腹鳴りっぱなしだったな」

唯「やっとお弁当食べられるよー」


律「てか弁当なら早弁すればいいじゃないか、なんでわざわざ我慢してたんだ?」

唯「はっ…!」


律「もしかしてそんなことも思いつかなかったとか?」

唯「いえす」

紬「早くお昼ご飯食べて遊びに行きましょう」

唯「ムギちゃん張り切ってるね」

紬「雪ってほとんど積もらないから遊ぶの楽しみなの」

律「ご飯も食べたし澪を誘いに行くぞー」

唯「和ちゃんもね」


―――――――

澪「この時期に雪なんて降るだけめずらしいのにこんなに積もるなんてほとんどないんじゃないか?」

和「本当よね。テレビでもこの時期に積雪があったのは7年ぶりでこんなに積もったのは過去にないらしいわよ」

澪「やっぱり温暖化での異常気象ってヤツなのかな?」

和「よく分からないけど…暖かくなって雪が降るってのも変よね」

澪「はは、そうだな」

律「みおーっ!」

澪(ああ…さよなら私の平和な昼休み…)

律「澪!雪だぞ!うぃんたーふぉーるだぜ!」

唯「和ちゃーん!雪祭だよー!いっつすもーかーにばる!」

和「スノーカーニバルね。いつもいつもあんた達は騒がしいわね、雪祭って外で遊ぶつもりなの?」

唯「そうだよ!せっかく雪降ったんだから遊ばなきゃ!ねっ澪ちゃん」

澪「私はこんな寒い日に外に出たくない!だから遊ばない!和もそうだろ?」


和「楽しそうじゃない私は参加するわ」

澪「あっ参加するんだ」


澪(じゃあ私1人ぼっちなるじゃないか…)

律「澪は行かないんだよなー」

澪「やっぱり私も行こうかなーなんて」

律「あれ?さっきは寒いから行かないって言わなかったっけ?和が行くって言って寂しいのかなー?」

澪「そうじゃなくて最近ちょっと太ったから外で体を動かすのもいいなーってさ!」

紬「澪ちゃんも?やっぱり冬は太るわよね」

澪「だ、だよなー!ほら律早くいくぞ!」

律「さっきまであんなに嫌そうにしてたくせに仕切るなよ」

紬「梓ちゃん達も誘わないと」

澪「そうだな、せっかくだからみんなで遊びたいしな」

律「梓の教室はここだったな、うおりゃあっ!」ドーン

思い切り開けられたドアの音に教室中の視線が集まる

唯「あずにゃーん!うーいー!みんなで血祭りしよー!」

紬「最初にやられたい方は前に出てください」

澪「バカ律!ドアくらい静かに開けろ!唯は恐いボケをするな!あとムギも悪ノリしない!」

和「澪も大変ね」

梓「皆さん揃ってなにかあったんですか?」

憂「みんなで何かするの?」

唯「あのね憂…実はね…私達これから雪遊びをするんだ」

憂「えっ!?雪…遊び……お姉ちゃんそれ本気で言ってるの…?」

唯「うん。もう決めたことだから…取り消すつもりはないよ。もう7年前のような後悔はしたくないから」

憂「お姉ちゃん………私もやるよ!私も雪遊びやる!お姉ちゃん達だけにそんな危険なことをまかせられないよ!」

唯「…う、憂!自分の言ってることの意味が分かってるの!?雪で遊ぶってことだよ!?」

憂「分かってるよ。私お姉ちゃんの妹だもん!楽しい時も悲しい時も死ぬ時だって私達はいつも一緒だよ!」

唯「そうだね…私がバカだったよ……」

憂「もう私に黙って1人で危ないことしようなんて思わないでね」

唯「うん!じゃあ行こう!私の背中は憂にまかせたよ!」

憂「了解だよ!お姉ちゃん」

梓「なにその小芝居」

梓「それより行くんなら早く行きましょうよ」

澪「梓行くのか?」

梓「はい?皆さん行くんなら行きますよ」

澪(梓が行かないっていうと思って一緒に残るつもりだったのに…)

律「そんなこと言ってホントは梓が1番雪で遊びたがってそうだよな」

梓「そんな律先輩みたいに子供じゃないですよ」

和「賑やかね、毎日こんななの?」

紬「はい。とっても楽しいですよ」


―――――――

澪「思ったより外は寒くないな」

和「そうね、これだと雪もすぐに溶けそうね」

律「雪だるまを作ろう!」

澪「ものすごいベタな遊びだな」

紬「すごく楽しそう!」

律「各自雪だるま作って1番を決めるからなー」

唯「これだけ雪があれば大きいのが作れるね」

和「頭を乗せるんだからちゃんと計算して作りなさいよ」

唯「あっ!あずにゃんの雪だるま小さくて可愛いね」

梓「そ、そうですか。私力ないから大きいの作れなくてちっちゃくなっちゃいました」

憂「お姉ちゃん私の雪だるまも見てお姉ちゃんと同じ大きさ……」

唯「あーっ!あずにゃんの雪だるまネコミミついてるんだ!可愛い!」

梓「ありがとうございます」

唯「あずにゃんは音楽だけじゃなくて芸術の才能もあるんだね!すごい」だきっ

梓「えへへ…」

紬「いいわねぇ…」

憂「お姉ちゃん…梓ちゃんばっかり…」

律「梓のに比べて澪のは大きいな…やっぱり手が大きいから雪だるまも大きくなるんだな。食べ過ぎて太った豚みたいだな、あははは」

澪「律の雪だるまは歪んで変な形だな!それに枯れ葉なんかたくさん付けて汚いぞ」

律「澪にはこの美的センスは分かりませんよー!孔雀みたいで綺麗だろー!」

和「律は装飾にこだわらないでまず雪だるま自体を綺麗な形に作るべきよ」

律「和の雪だるまは形は綺麗だけど装飾がなにもなくて地味だな」

澪「確かに地味だな」

和「うるさいわね、基礎が大事なのよ!」

憂「お姉ちゃん私の雪だるまも……」

唯「ムギちゃんすごーい!もう雪だるまっていう次元じゃないや!」

紬「こうゆうのは得意なの」


唯「それ美術の教科書で見たことあるよ。なんだっけ?サグラダファミリアだっけ?」

紬「ミロのヴィーナスよ」


唯「ミロって飲み物あったよね。緑のパッケージの」

梓「ムギ先輩のはもう遊びってレベルじゃないですね、1つの芸術です」

憂「あはは…すごいですね」


梓「あっ、唯先輩その石いいですね。雪だるまの口にちょうど良さそうなんでよかったらくれませんか?」

唯「これ?うーん……あずにゃん可愛いからあげちゃうよ」

梓「ありがとうございます!あっ、澪先輩の石は雪だるまの目にちょうど良さそうです」

澪(えっ!?これ使おうと思ったんだけど…でも唯はあげてるし私もあげなきゃ嫌われるかな…)

澪「しょうがないなぁ…梓にあげるよ」

梓「あはっ、ありがとうございます!」

憂(梓ちゃんお姉ちゃんに澪さんにと…欲張りな…)

唯「あー雪だるまの体作るだけで疲れたー!頭作るのめんどくさいー!」

和「体で張り切り過ぎよ、そのままじゃただの雪玉よ」

唯「はぁ…もう体の上にてきとーに雪乗せればいいや」

和「すごくバランス悪いわね。制作者の性格がよく出た雪だるまね」

唯「あとは頭にバケツを被せてほうきを手にして完成!」

和「コラッ!学校物を使っちゃダメでしょ」

唯「は、はいっ!……怒られた」

和「ちゃんと分かればいいのよ」なでなで

唯「えへへー」

和「もう、その顔見るとなんか許せちゃうのよね」

紬「うふふ…これもいいわぁ」

律「澪の雪だるまはさらに大きくなったな」

澪「形を整えるために雪つけてたらかなり大きくなってしまった」

律「ホントに食べ過ぎて脂肪がついて太ったみたいだな」


澪「うるさい」ゴツン!

律「痛い!」


紬「あらあら」

律「みんな雪だるまできたな!」

澪「いろんな雪だるまが出来たけど1番出来がいいのは……言うまでもないか」

律「あぁ…私の雪だるまが文句なしの1番だな」

澪「は?それはないだろう」

梓「どう考えてもムギ先輩が1番だと思うんですが」

律「何言ってるんだよ。私のが1番いいだろ」

澪「どんな目で見たらそうなるんだ」

梓「とりあえずレーシック行きましょうか?」

和「メガネ貸すわよ?」

律「どんな目で見ても私のが1番だって!ムギのが1番だとしてもこれはもう雪だるまというジャンルから外れてるからダメだ!」

梓「ムギ先輩のを除いても律先輩のより出来がいい雪だるまなんてたくさんありますよ」

律「どこがだよーどう見ても考えても私のが1番だよ!」

和「子供みたいね」

紬「まあまあみんなよくできてますよ。もうすぐお昼休みも終わりますし戻りましょう」

梓「そうですね。なんかすごい疲れました」


唯「雪うめぇ」

憂「食べちゃダメだってー」


唯「あずにゃんの雪だるま食べたくなっちゃうくらい可愛かったねー」

梓「食べないでください」

紬「私も梓ちゃん食べちゃいたいわ」

梓「ムギ先輩卑猥です」

澪「お昼食べたばっかりなのにお腹空いた…何か食べたいな」

梓「このタイミングで言われると恐いです」

唯「あずにゃんの耳………」はむっ

梓「ひいぃっ!いきなり何するんですか!?」

唯「うはっ可愛かったからつい」

憂「………」


律「みおー今日学校終わったら暇か?」

澪「んー…今日はとくに予定はないけど試験勉強はするつもり」

律「ならちょうどよかった!試験の~…」

澪「ヤダ」

律「えーっ!そんなこと言わずに頼むよぉ…澪様この通り!お願いします!」

澪「この通りって頭下げるくらいしないのか!直立で言われてもさっぱり教えたい気にならないぞ!」

律「へへ…澪ちゃんあのことばらされたくなかったらおとなしく教えろよ」

澪「別に言われて困ること知られてないからな」

律「ちぇっ…澪のケチ」

和「普段からちゃんとしないのがいけないのよ」

唯「……あの~和ちゃん大変申し上げにくいのですが…試験勉強の方を…」

和「ダメよ」

唯「あぁ~ん!やっぱりそうなるのね」

和「たまには自分で頑張りなさい」

唯「和ちゃ~んお願いだよう」

和「ダメって言ってるでしょ!」

唯「うっ…」


唯「和ちゃん…その少しだけでも…」

和「ダメ!たまには人に頼らないで自分の力で頑張りなさい!」

律「和そんなに大声で言わなくても…」

和「律!あなたもよ!澪に頼ってないで自分で勉強するようにしなさい!」

律「わ、わかったよ」

和「澪。授業始まるし早く教室に戻りましょ」

澪「う、うん…」

律「なんだよ和のヤツ」

唯「和ちゃんすごく怒ってたね…角と牙が生えて炎をはいてるみたいに見えたよ…」


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最終更新:2010年02月17日 00:22