キーンコーンカーンコーン……
唯「ふぅ…やっと1日が終わったよぉ~学業は大変だね」
律「1限から7限までずっと同じようにボーッとしてただけに見えたけどな」
唯「はぁ…試験が憂鬱だよぉ……りっちゃんは試験澪ちゃんに教えてもらわないで大丈夫そうなの?」
律「ふん、私は超天才だからな!やればできるから余裕だよ余裕」
紬「りっちゃん本当に大丈夫?」
律「何心配してるんだよムギ。私なら余裕で赤点ぎりぎりくらいはとるって」
紬「でも…もし赤点だったら部活動禁止でしょ?新入生歓迎ライブのために練習しなきゃいけないし」
律「なんだムギー天才りっちゃんを信用してないのかー?私が本気出したらアインシュタインの脳も裸足で逃げ出すぜ!」
唯「脳って足が生えるんだね!テストに出るかもしれないからメモしとこ」
律「いや出ないからね。じゃ私澪と帰るからまた明日なー」
唯「りっちゃん大丈夫かな?」
紬「心配だから澪ちゃんからりっちゃんに勉強教えてあげるようにメールしておくわ」
唯「私もそろそろ帰ろうっと、それにしても」
午後になり再び降り始めた雪が窓の外を真っ白に染めていた
唯「すごい降ってるねーまた雪道歩くの辛いなぁ…帰るのめんどくさいムギちゃんおんぶして送ってー」ムギュー
紬「うふふ、唯ちゃんがほっぺにちゅーしてくれたらおんぶして行ってあげようかな」
唯「本当っ!?じゃあちゅー…」
憂「お姉ちゃん!」
唯「あっ!ういー!」
紬「あらあら憂ちゃんが迎えにきたわね。みんなで歩いて帰りましょ」
唯「えーおんぶーおんぶー」
紬「また次の機会におんぶしてあげるわ」
唯「はーい。ういー帰ろう」
憂「……」
唯「憂?」
憂「あっ…ゴメンゴメン!帰ろっか」
―――――――
唯憂「ただいまー」
唯「って誰もいないんだけどね。あ、そうだ!ういー勉強教えてー和ちゃんが怒って教えてくれなかったんだよぉ」
憂「…嫌だよ、梓ちゃんに教えてもらえば?」
唯「えっ?あずにゃんは1つ下だよー」
憂「私もだよ」
唯「あ、そうだった…ごめんね…」
唯「あー…もう7時かぁ…こんな寒くてもアイス食べたくなる不思議!うーいーアイスー」
憂「飼い犬に命令するみたいに言わないで自分で取りに行ってよ。私部屋で試験勉強するから」
唯「ういーご飯はー?」
憂「自分であるの食べてー」
唯「ご飯ご飯……」
唯「出来てる物ないや…自分で作るのは私料理できないし……食べるの我慢して勉強しようかな」
唯「…お腹空いて勉強集中できないや」
唯(たぶんお腹空いてなくても集中できないけど)
唯「もう寝ちゃおっと。ギー太~一緒に寝よーって冷たい!」
唯「うひゃー雪も降ったし冷えきってるや」
唯「今夜は冷えるし憂と一緒に寝ようかな」
唯「でも行ったら試験勉強の邪魔になるよね」
唯「熊ちゃんのぬいぐるみ抱っこして寝よう」
―――――――
澪「律…試験勉強大丈夫かな…」
サツガイ!サーツガイセヨー!
澪「キャーーーッ!…ってメールだ。ムギか、ええと新入生歓迎ライブの練習のために律に勉強教えてあげてほしいか」
澪「そうだったな赤点とられたら困るんだった…とりあえず電話してみるか」
プルルルル…プルルルル…
律『はいはい、みおーどうしたー?』
澪「もしもし、ちゃんと起きてたな」
律『まだ7時なんだから寝るには早いだろ』
澪「はは、それもそうだな」
律『でなんの用だ?』
澪「今日学校で話した試験勉強のことだけどさ…」
律『あー別に困ってないしやっぱり教えてあげるとかだったら必要ないよ』
澪「えっ?ほかに教えてくれる人でもいるのか?」
律『いないよー私は天才的頭脳の持ち主だから教えてもらう必要もないし勉強も必要ないから』
澪「なっ…バカ律!何言ってるんだよ!もし赤点とったら部活動禁止なんだぞ!」
律『うるさいなぁ…赤点なんてとらないよ!じゃあな』プツッ
澪「切れた…もう知らないからなー!」
澪「なんだよ律のやつ!あぁもうイライラする!なんか食べよう!確かお菓子があったよな」
澪「…そういえば唯は大丈夫なのかな…和は教えてあげなそうな感じだったし」
澪「一応電話してみよう」
プルルルル…プルルルル…プルルルル…
澪(出ないな…まさかもう寝てるとか?そんなわけないよな)
澪「たぶんお風呂とかだな、あとで折り返し電話くるだろう」
澪「はぁ…大丈夫かなぁ…」
―――――――
試験日
律「終わった…」
唯「なにもかも…」
紬「お疲れ様です」
唯「りっちゃんどうだった?」
律「よ、余裕に決まってるだろ!赤点なんてとらないよ」
唯「え~…りっちゃんは私の仲間だと思ったのにぃ…わたし数学のテスト7問くらいしか解けなかったよぉ」
紬「唯ちゃんそれって赤点決定なんじゃないの?」
律(えっ…私も7問しか解けてない…もしかして赤点?)
唯「りっちゃん顔色悪いよ?もしかして本当はテスト悪かったんじゃないの?」
律「あはははは…そんな訳ないない。テスト攻略法を使ったからな」
唯「えぇっ!?攻略法なんてあったの?」
紬「初耳だわ」
律「いいか、○×問題とか選択問題があるだろ?あれを全部○にしたりABCから選べとかなら全部Aにするんだ。こうすれば全問正解はできなくても確実に点がもらえるんだぜ!」
唯「うはーりっちゃん博士天才過ぎるよ!」
―――――――
律「というわけでテストは完璧だったぜ」
澪「どこがだよ!その微妙な攻略法使ってもほかの問題ができてなきゃ赤点だろ!」
唯「澪ちゃんまだ結果は出てないし」
澪「唯はその結果が出る前から赤点決定じゃないか!」
唯「うっ…重く反省しております……」
紬「まあまあお茶とお菓子でリラックスしましょう」
唯「あぁ、久しぶりのムギちゃんのお茶とお菓子…このために生きてるよねぇ」
澪(あぁ…このバカ2人どうしよう…)
梓「それで練習はしないんですか?」
律「今日はテスト終わりで集中力切れてるから休みでいいよぉ~」
唯「明日から休みだし明日からやればいいよぉ~」
律「そうだ!テストも終わったし明日みんなで遊びに行こうぜー!」
唯「いいね!私も行きたーい!」
紬「あっ!私ちょうど行ってみたい所があるの」
梓「ちょ、ちょって待って下さい!練習するんじゃないんですか!?」
律「明後日も休みだし明後日やればいいだろ」
梓「もう黙々とお菓子食べてないで澪先輩からもなんとか言ってあげてくださいよ」
澪「んー…別にいいんじゃないか、息抜きも必要だし」
梓「そうですか…」
律「梓は狐みたいだな、虎の威を借る狐。残念ながら澪は牙もない食っちゃ寝の豚さんみたいな虎だけどな」
澪「むっ…」
梓「ま、まぁ澪先輩も賛成なら仕方ないです」
唯「明日はお出かけに決まりだね!」
梓「ちゃんと明後日は練習するって約束ですよっ!」
律「それでムギの行きたいとこってのはどこなんだ?」
紬「あの駅前に新しくできたデパートなんだけど、なんていうところだったかしら?」
唯「新しくできたの?あっ、デパート舞乃海だね」
紬「そう、それよ唯ちゃん」
澪「そういえばあったな、思ったより大きい所じゃなかったけど」
紬「いろいろな技が売ってる異色のデパートって聞いたから行ってみたくて」
唯「すごい楽しそうなところだね」
梓「どちらかというと変な所っぽい気がしますよ」
律「明日は昼に駅前に集合なー」
紬「はーい」
唯「あずにゃん楽しみだね」
梓「別に…テストの息抜きに行くだけですから、明後日は絶対の絶対に練習ですからね!」
澪「なんか美味しい物でも食べに行きたいな」
紬「じゃあうちの会社がやってるいい場所探しておくわ」
澪「本当かムギ!ありがとう」
律「澪も乗り気だな。じゃ明日は遅れるなよー」
―――――――
次の日
唯「みんなーおまたせー」
律「よし、これでみんな揃ったな」
澪「やっぱり唯が最後か」
梓「でも唯先輩にしては珍しく遅れなかったですね、憂に起こしてもらったんでしょうが」
唯「ちっち…あまいね、あずにゃん私はしっかり自分の力で起きてきたよー目覚まし時計7個セットしてね」
梓「それ目覚まし時計の力ですね」
紬「うふふ、目覚まし時計でも憂ちゃんの力を借りずに頑張ったじゃない」
唯「いやー力を借りなかったっていうか憂に少し避けられてる感じがするんだよね…」
梓「憂が唯先輩をですか?それはないですよー」
唯「やっぱり?気のせいなのかなぁ」
紬「いい天気になってよかったわ」
澪「まだ積もった雪は残ってるけどな」
紬「空気は春なのに雪があるってなんか変な感じよね」
唯「雪だるま溶けちゃわないかなぁ~」
紬「昨日見たら7体とも元気そうだったから大丈夫よ」
澪「あ、技のデパート舞乃海ここじゃないか」
唯「そうだねーなんか異国の戦士みたいな人達がたくさん出入りしてるよ」
律「早く入ってみようぜー!」
梓「なんか私達って場違いじゃないですか?」
澪「ひいぃっ…!怖い人達ばっかりだー」
唯「あの金髪オールバックの人は確実に2、3人はやっちゃってるよね」
律「あっちにいる人とかいかにもモンスター狩ってますみたいなデカイ剣持ってるしな」
唯「なんかお巡りさんきて話しかけられてるしね…あっ!連れていかれた!」
梓「銃刀法違犯でしょうね…」
澪「………」
紬「みんなーこっちにいろいろ置いてあるわよ」
律「はは…ムギは楽しそうだな」
梓「技って本なんですね、やっぱり中身は買わなきゃ見れないです」
唯「猫騙しとかあずにゃんに効きそうだよね」
律「いやそれ猫に使う技じゃないから」
唯「りっちゃん!試験で高得点とる技っていうのがあるよ!」
律「本当だ!買ってこようぜ!」
梓「そんな都合のいい技があるものなんですか…」
律「なんだコレ!中身はただの参考書じゃないか!騙されたー!」
梓「そんなもんだろうと思いました。近道なんてないんですから」
澪「技のデパートっていうか、ただの書店だな」
律「そんなこと言う梓もギターが上手くなる技とか買おうとしてるじゃないか」
梓「ギターやってるんだからいいじゃないですか、律先輩もドラムの技とか買ったらどうですか?」
律「ふん、私はすでに超絶テクをマスターした天才ドラマーだからな…サバンナで言う百獣の王ライオンだ。技なんか必要はないもんね」
梓「そうならいいんですけどね……」
唯「ムギちゃんは何買ったの?」
紬「美味しいお茶を入れる技と五輪書よ」
唯「明日のティータイムが楽しみになってきたよ!」
梓「ちゃんと練習もしますよ」
唯「分かってるよー」
澪「次はご飯でも食べに行かないか?」
紬「そうね、いい場所を用意してるわ」
澪「何を食べに行くんだ?」
紬「お寿司よ」
澪「寿司っ!いいなー」
律(ムギの行きつけの寿司屋…高級な匂いがプンプンするぜ)
澪(高級店だろうな…昨日の夜あらゆる料理店の作法を予習してきた甲斐があったな)
紬「うふふ…ここでーす」
律(ち…力ッパ寿司…!?)
澪(ランチタイムは94円の庶民的な寿司屋…だと…)
紬「うちの会社が経営しててサービスしてくれるっていうから食べ放題よー」
唯「ムギちゃん!ここって回る?お寿司回る?」
紬「ぐるぐる回るわよ唯ちゃん。わたし前から回るお寿司屋さんに行ってみたかったの」
梓「澪先輩、律先輩どうしたんですか?ボーッして…」
唯「すごいお寿司回ってるよーお寿司屋さんの鈴鹿サーキットやぁ~」
梓「あはは、唯先輩おもしろいですね」
澪律(笑えない…)
紬「あの赤いのはフェラーリね」
唯「ピットインしまーす」パクッ
紬「あっ、私もピットインしまーす」パクッ
唯「おいしーね」
紬「うんっ!」
律「幸せそうに食ってくれるな…こうなりゃやけ食いだー!」
澪「バカみたいに食べ過ぎるなよ」
梓「律先輩が物凄い勢いで食べてる…喉に詰まらせないように気をつけて下さい」
唯「サーモンうめぇサーモンうめぇ」
律「キャベツうめぇキャベツうめぇ」
紬「お茶…お茶…」
唯「あ、ムギちゃん湯飲み貸してーここからお湯が出るんだよー。はいお茶」
紬「ふふ、唯ちゃんにお茶入れてもらうの初めてね、ありがとう」
唯「のーぷろぶれむだよムギちゃん」
梓「お茶っと…」
唯「じー…」
梓「何ずっと見てるんですか?私は自分で入れられますよ」
唯「いいから続けて!じー…」
梓(…?何をずっと見てるのかな?)
唯「じー…」
梓「に゙ゃっ!あっつい!」
唯「やっぱりあずにゃんは猫舌だねっ!」
梓「もう…それでじゅっと見てたんれすか!?」
―――――――
ありがとうございましたー
紬「ご馳走様でした」
唯「ごっつぁんでした」
澪「美味しかったなぁ」
律「うぇ…食べ過ぎた…」
澪「バカみたいに食べるからだよ、もどすなよ律」
律「リバースしそうになったら口で受け止めて澪…」
澪「絶対嫌だ」
梓「気持ち悪いこと言わないでくださいよ」
紬「次はどこに行きましょうか?」
梓「行く所なかったら楽器店行きませんか?一応軽音部ですし」
紬「そうしましょうか」
唯「行きたい行きたい!」
澪「レフティフェアまだやってるかな?」
梓「去年の秋の話ですからどうでしょうか?」
律「私は座れる所に行きたい…」
澪「戻したらパンチラ以上に恥ずかしいぞ」
律「うるへー……」
澪「レフティフェアもうやってないな…」
梓「そうですね」
店員「いらっしゃいませ紬お嬢様」
紬「どうもこんにちは」
店員「今日はどのようなご用件で?」
紬「少し近くに遊びに来てたので寄ったんです」
梓(あっ!そうだ!)
梓「ムギ先輩ちょっといいですか?」
紬「どうしたの?梓ちゃん」
梓「新入生歓迎ライブの話なんですが…ここムギ先輩の会社の経営してる楽器店ですしいい機材を安く譲ってもらえたりできないですか?」
紬「できないことはないけど…それは…」
梓「機材だけじゃなくて照明とかステージにいろいろな仕掛けをしたりムギ先輩ならできるんじゃないですか!?」
紬「でも…」
最終更新:2010年02月17日 00:23