唯「……」ゴクリ

律「唯選手、注目の第一球!」

唯「あ!?」

律「おーっと唯選手どこに球を投げているー!?」

梓「それは失投」

唯「あーずーにゃん!」ギュウ

梓「いやー!」

唯「気持ちええのう気持ちええのう」

梓「や、やめてください!」

唯「だって私はこうしたいんだもーん」

梓「自分勝手すぎます!」

澪「こら唯、嫌がってるだろ」

唯「ちぇー」

梓(澪先輩……)ジー

澪「ん?私の顔に何かついてるのか?」

梓「へ!?な、なななんでないでふ!」

澪「?」

梓「えへ、えへへ……」

紬「……」ニコニコ

唯「むぅ……」



その夜

唯「あずにゃん、澪ちゃんのことが好きなのかなー」

唯「私と澪ちゃんを見る時の目、全然違うしなぁ……」

唯「澪ちゃんにとられちゃうのかなぁ」

唯「……」

唯「ギー太に慰めてもらおう。よいしょっと」

唯「ギー太聞いてー、あずにゃんは澪ちゃんのことが好きなんだよー」

ギー太「……」

唯「私はあずにゃんを猫のように可愛がってるのにー」

ギー太「……」

唯「澪ちゃんにとられるぐらいなら、あずにゃんなんて本当に猫になっちゃえばいいのに!」プクー

ギー太「……」

唯「今日はギー太で猫ふんじゃった弾こうっと」

唯「嫉妬の気持ちを込めて弾きます。平沢唯の、猫ふんじゃった」キリッ

唯「猫ふんじゃった♪猫ふんじゃった♪猫ふんじゃーふんじゃーふんじゃった♪」

憂(猫ふんじゃったを歌ってるお姉ちゃんかわいい!)


憂「えっ私の出番これで終わり?」

憂「……」



翌日の部活

梓「こんにちはー……」ガチャ


唯「あ!あずにゃーん!」

澪「マスク?風邪でもひいたのか?」

梓「いえ……」

律「じゃあ花粉症?」

梓「違います……」

紬「なんでマスクをつけてるの?」

梓「それは……」

唯「隙あり!」バッ


梓「あっ!」

澪「え……?」


梓「……」ミョーン

唯「あずにゃんにネコヒゲが生えてる……」

梓「じ、じろじろ見ないでください!」

律「梓、まだハロウィンの時期じゃないぞ?」

梓「つけひげじゃないですー!」

唯「またまたー」グイ

梓「いたいです!」

澪「そんなばかな」グイグイ

梓「いだだだだだ!」

紬「……本物なのね」

律「梓がネコミミばっかりつけてるからだぞ」

梓「それ関係あるんですか!?」

唯「あずにゃん、猫に戻りつつあるんだね」

梓「戻りつつってなんですか!元から人間です!」

澪「いつからヒゲが生えたんだ?」

梓「今日朝起きたら生えてました」

律「病院には行ったのか?」

梓「こんなの恥ずかしくて行けませんよ……」

唯「でもひげにゃんもかわいいよー」

梓「ひげにゃんて……」

律「ひげにゃん……ぷぷっ」

唯「ほーらおひげナデナデー」

梓「ひゃ……ふぁ」

唯「ナデナデー」サワサワ

梓「やぁん……」

唯「……」ゴクリ

梓「そこは敏感なんだからぁっ……やめてください……んっ」

澪「な、なんていうか……すごくいやらしいぞ」

梓「そんなこといっても……体が反応しちゃうんですよ」

律「ムギ、鼻血鼻血」

紬「……唯ちゃん、梓ちゃんが可愛そうよ」

唯「はーい」

律「説得力ねー」

紬「りっちゃんひどい!」

律「ごめんごめん」

澪「梓、ヒゲの他に変化はある?」

梓「いえ、特には」

律「ま、チャームポイントが増えたと思えばいいじゃん?」

唯「ヒゲがあってもあずにゃんはあずにゃんだよ!」

澪「生活に支障はないしな」

梓「そんな他人事だからって……」

澪「いや、そんなつもりじゃないんだ!それに、かわいいぞ?」

梓「!……澪先輩がそういうなら……いいですけど」

唯「む……」

律「じゃあお茶にしようぜ!」

紬「はーい」

澪「でも梓、何かヒゲについて思い当たることはないのか?」

梓「昨日は特に何もしてないですけど……」

澪「うーん、じゃあ梓以外の人は?昨日の夜に何かした?」

律「私は昨日、弟とモンハンしてたしなー」

紬「私は茶道の勉強を……」

唯「ええと、私も別に……あ」

澪「どした?」

唯「いやー、関係ないと思うんだけど実は昨日……」

律「んー?」


唯「かくかくしかじか」

澪「ふーん……でもそれが原因とは」

紬「それが原因ね」


澪「えぇ!?」


律「そんな漫画みたいなことが」

紬「こまかいことはいいのよ!」

律「は、はい」

澪「で、唯は誰に嫉妬してるんだ?」

唯律紬梓「……」

澪「なんだよ私のことを見て……」

紬「いえ……」

唯「鈍感だねぇ……」

律「ま、澪は昔からそうなんだよなー」

梓「……はぁ」

澪「皆して何だよ!」

律「澪が鈍感なのは置いといて治す方法だな」

紬「唯ちゃんが嫉妬心が無くなればいいと思うの」

唯「えー……そんなの無理だよぉ」

律「唯は梓にゾッコンだからなー」

唯「えへへへ」

梓「そんな、困ります!」

律「誰かさんが梓の気持ちを受け止めてあげれば唯も諦めるんじゃないかー?誰かさんが」

澪「だな」

律「……」



翌日の部活


律「んぁ?」

唯「ほりゃ」ペチ

律「え、何?」

唯「むー、今日のおデコは68点だね」

律「はい」

ガチャ

梓「こんにちは」

律「おいーす」

唯「あーずーにゃん!」ギュウ

梓「昨日やめてって言ったばっかじゃないですかー!」

唯「えーそうだっけー」

梓「もう……」

澪「あれ?なんで手袋してるんだ?」

梓「あ、いえ……冷え性なので」

唯「でもそのままじゃ練習できないよー?私もやったことあるもん」

梓「……わかりました」ヌギヌギ


紬「まぁ……」

律「今度は肉球ですか」


梓「です……」

唯「わーいプニプニー♪」プニプニ

梓「……」

澪「昨日の部活の時はなかったよね?」

梓「また今日の朝起きたらついてました」


唯「プニプニィー」

梓「やめてください!」


唯「あぅ、あずにゃんに怒られた」

梓「そりゃ怒りますよ」

紬「……梓ちゃん」

梓「なんですか?」

紬「髪の毛が逆立ってる……ツインテールごと」

律「あ、本当だ」

澪「ますます猫だな」


唯「スーパーサイヤあずにゃんだね」

律「ははは、クリリンのことかーっ!って言ってみ」


梓「笑い事じゃないですよ!」

律「ごめんごめん。でもこのままじゃどんどん梓が猫に……」

梓「ひぃぃぃ!」

唯「例えあずにゃんが猫になってもあずにゃんだからね!」

紬「……もしかして、梓ちゃんの猫化は唯ちゃんの嫉妬に比例してるのかも」

律「……ていうことは唯の嫉妬心が大きくなるにつれ、梓も猫に近づくってことか?」

紬「たぶん……」

澪「めちゃくちゃだな……」

梓「唯先輩、もう嫉妬しないでください!」

唯「……できるかなぁ」

梓「私が猫になってもいいんですか!」

唯「猫のあずにゃん……いいかもー」

澪「こら唯、梓が可愛そうだろ」

梓(澪先輩が庇ってくれた……)ジー

澪「え、何?」

唯「……」

律「だめじゃこりゃ」

律「可愛そうな梓……猫になって生きていくなんて」

紬「りっちゃん!」

律「わりぃわりぃ」

梓「澪先輩ぃぃぃ」ギュッ

澪「わ……だ、大丈夫だぞ梓」

梓「こわいです……」

澪「律が恐がらせるからだぞ!……よしよし」ナデナデ

梓「ふにゃあ」

律「ごめんなー梓」

唯「むぅぅ……」

紬(あらら……)

紬「お、お茶にしよっか!今日は梓ちゃんが好きなタイヤキよ!」

梓「タイヤキ!」

唯「わーいタイヤキ!私も大好き!」

紬「ふふ、よかった」


唯「おいひぃー」

梓「ひゅいふぇんはいはふぇふひへふ!」

律「日本語で喋れ」


梓「んぐ……唯先輩食べすぎです!」

唯「早いもの勝ち、この世の常でしょ」

律「なんか聞き覚えがあるような」

澪「梓、口の横に餡子がついてるぞ」ゴシゴシ

梓「ん……ありがとうございます」


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最終更新:2010年02月17日 02:32