12月22日 朝

唯「ふわぁ…ん~寒いぃ」モゾモゾ

憂「おはようお姉ちゃん!
今日も寒いね~」

唯「おはよう~憂…何それ?」

憂「何って…何のこと?」

唯「だから…その頭の上の数字のことだけど…」

憂「数字…?」

唯「もうっ、だからその頭の上に浮かんでる、5747って数字のことだよ!」

憂「数字が浮かんで…?
…ふふ、お姉ちゃんまだ寝惚けてるね。
早く顔を洗って支度しよう?今日で2学期も終りだよ♪」トタトタ

唯「あっ、憂、ちょっとお~」

唯「(な、何あれ…?憂気づいてないのかな?)」

唯「…2920」

おばさん「はい?どうしたの、唯ちゃん?」

唯「えっ?いやなんでもないですっ!おはようございます!
(おばさんにも数字が浮かんでる…)」

唯(それに、おばさんには憂の数字見えてないみたいだし…)トタトタ

憂「お姉ちゃん?」トタトタ

唯(もしかして私にしか見えてないのかな?)

憂「お姉ちゃんっ」

唯「ふぁい!?」ビクッ

憂「も~お姉ちゃんったら、ちゃんと前見て歩かないと危ないよ?」

唯「う、うんごめんね憂。
気をつけ…うわっ!」



憂「どうしたの、お姉ちゃん!?」

唯「す、数字がいっぱい…」

唯(大通りにでたけど…
みんな頭の上に数字が浮かんでる…)


唯(26、731…わっあの人は10195だ…一万超えてるよ…)

唯(これはもしや…某漫画の…寿命が見えるというやつでは!?)

唯(だとすると憂はっ!?)バッ


憂「もぉ、またぼぉってしてる。
今日朝から変だよ?お姉ちゃん」

唯「5747…」

憂「はい…?」

唯「あ…あと15年そこらしか…うわああぁん!!」ダッ

憂「あっ、お姉ちゃんっ!!」

唯(こんな…こんなことって…)タッタッ

唯(こんなことってないよお…)ヒック

唯(なんで…?なんでこんな急に見えるようになったの?
こんな力…いらないのにっ)

――――――――
―――

がっこう!

唯(やっぱりクラスのみんな全員見える…)

唯(どうしよう…どうしよう…)ガタガタ

唯(あっ!!真希ちゃん7だって…
どうしよう…助けてあげなきゃ…でもどうやって切り出せば…)

律「おっーす!おはよう唯!終業式だな!
明日からも部活はするから、学校にはちゃんとくる…」

唯「りっちゃああぁん!!」ガバッ

律「どわぁ!な、なんだよ唯…」

唯「あの、その…
(やっぱ人の寿命が見えるとか、頭おかしいとか思われるよね…)」

律「んー?どうしたんだよ唯、元気ないぞ?」

唯「りっちゃんは…(6325…あと…17年くらい…)
ふえぇん、りっちゃぁん」ダキッ

律「うわっ//急にどうしたんだよ!?
マジで泣いてるのか?」

唯「エグッ、ヒック…どうしよう、どうしたらいいの、私…?」

律「朝から何があったのか知らないけど、悩みごとなら相談にのるぜ!
ほら、言ってみな?」

唯「ふぇ…実は…」


――――――――
―――

律「何ぃ!?寿命が見えるようになったあ!?」

唯「うん…今日の朝起きたら急に見えるようになってたの」

律「そんなSFチックな話…もちろん私は信じてるけど…
(唯の様子、ただごとじゃないもんな…)」

律「そ、それで、私の残りの寿命…はやっぱいいや!
絶対聞きたくねえ!」


唯「ねえ、私どうしたらいいの…?
嫌だよ…大好きな人達の残りの寿命が分かっちゃうなんて…」

律「確かに…私だったら気が狂いそうだ…
何とかして消す方法を一緒に考えようぜ!!」グッ

唯「りっちゃん…ありがとね!」ウルウル

紬「おはよう♪唯ちゃん、りっちゃん」

律「あ、おはようむぎ!
むぎも力貸してくれ」

唯「6375…」


紬「え?」

唯・律「あ」


唯「ああー!」ガクガク

律「聞こえなかった!聞こえなかったぞ私は!!」ブンブン

紬「6375…がどうかしたの?」

律「うわああぁ!むぎ、頼むから今の忘れてくれ!頼むっ!!」

紬「え?え?」

唯「あ…あ…」フラッ

ドサッ

律「あっ!おい唯!」

紬「大丈夫!?唯ちゃん!?」

――――――――
―――

唯「…う、うーん…」

澪「あっ、目を覚ましたな。大丈夫か、唯?」

唯「澪ちゃん…ここは?」

律「保健室だよ。
唯急に倒れるからさ、心配したぞ!」

紬「もう大丈夫よ、安心して唯ちゃん?」

唯「りっちゃん…むぎちゃん…
私…私…こわい…」カタカタカタ

澪「…話は、聞いたよ」

紬「寿命が見えるのね」

唯「う…う、うわああぁん!
やめて、ごめんなさい!
私…私のこと嫌いにならないで!
むぎちゃん、本当にごめんなさい!」ガタガタ

澪「唯、落ち着け!!」

紬「唯ちゃんっ!!」ギュッ


唯「はぁ、はぁ…む、むぎちゃん…?」

紬「落ち着いて、唯ちゃん。
私なら大丈夫。そんなことで唯ちゃんを嫌いになったりしないわ。
だから…大丈夫よ?…大丈夫」ギュゥ

唯「むぎちゃん…」ヒック

澪「私も唯のこと嫌いになんてなりはしない!
一緒に治す方法を考えよう…?」

律「ほらな!みんな唯の味方だ!
…こわがらなくていい。大丈夫だよ、唯」

唯「…グス、ありがとね、みんな…」ニコッ


――――――――
―――

律「さてと…とは言ったものの治し方となると…」

澪「うん…正直分からないな。
急に見え始めたんだろ?」

唯「うん…朝起きたら急に…」

紬「あまり聞きたくないけれど…登校中見た人達はどんな数字が見えたの?」

唯「うーんとね…多すぎてあまりよく覚えてないけど、1000以下の数字が多かったかな。
一万以上の数字もたまにあったけど…」

澪「…なに?」

律「…おいおい、ちょっと待て。
通勤途中の、未来ある若者の残り寿命がみんな3年そこらだって?
それはちょっとおかしくないか?」

唯「はっ!言われてみればそうだよね…」

澪「…唯、私の数字も言ってみてくれないか?」

唯「えっ!?だ、だめだよ!!
ぜ、絶対知ったら絶望しちゃう…」

澪「う、そんな短いのか…
…いいさ、むぎだけ嫌な思いさせたくないし。
それに自分の数字知らないと、解決に協力できないだろ?」

紬「澪ちゃん…」ウル

律「私のも言っていいぜ!
ここまで一緒にやってきたんだ、唯に運命握られたって怖かねぇ!」

唯「澪ちゃん、りっちゃん…ありがと、本当にごめんね」

律「いいさ!口にしづらかったら、ほら、これに書きな!」つ ペンと紙

唯「う、うん、じゃあ書くね…」サラサラ

唯「は、はい…これ」

律「オッケー、澪、せーので見るぞ!」

澪「分かった」

律・澪「せーのっ!」バッ

律「………」

澪「………」


律・澪「………チラッ」

律・澪「あ!」


澪「ふふ」クスクス


律「あはははは!なんだよそれ、びびらせんなよ!
良かったな、唯、むぎ!
もしかしたらその数字、寿命とは関係ないかもしれない!」


唯・紬「ほんとう!?」

律「ああ、それが証拠にほら、私が6325」

澪「私が6198、そしてむぎが6375だ。
80歳前後ならまだしも、私達全員があと17年そこらで、
しかもバラバラに死ぬっていうのは考えにくい」

唯「あ!そっか、そうだよね!」パァァ

唯「そういえば…私達のクラスのほとんどが6000台だったよ!
みんながそんな一斉に死ぬわけないよね!」

紬「あぁ良かったわ♪
…実を言うと、やっぱりちょっぴり怖かったの。
良かったわね、唯ちゃん!」

唯「ううん!私の方こそ、むぎちゃんに怖い思いさせちゃってごめんね。
…私のこと信じてくれて嬉しかったよぉ」ウル

澪「とりあえずここにいても確証は得られない。
外にでてみんなを確かめてみよう!」


一同「おぉー!」


――――――――
―――

ほうかご!

唯「やったあ!寿命じゃない寿命じゃない!」

澪「うん、同学年の子はほとんど6000代だったな」

律「パンデミックでも起きない限り、一斉に死ぬなんてことはないだろうな!」

澪「なにより…」

澪「梓が私達より少ないからな!」

梓「はい!えぇーっと5881ですよね…
私の学年の子も同じような数字でしたし…」

紬「極端に少ない子が何人かいるのは気になるけど…」

澪「それはまだ原因不明だな…」

律「とりあえず肩の荷がおりたな~。
まぁとりあえずゆっくりと原因を考えるとしようぜ!」


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最終更新:2010年02月19日 00:58