紬「律ちゃん、私はいつでも大歓迎よ。ちゃんと日本刀も購入しておいたから」
紬「今日も持ってきてるの、ほら」
澪「それは名刀、蜘蛛切!!さすがはムギだな!!」
律「おお、すげー。ムギ、それいくらくらいした?高かったろ?」
紬「確か1200万くらいだったかしら」
唯「(1200万……!?)」
澪「いいなー。私の鬼切は確か1000万くらいだったんだ。私ももっといいのが欲しかったんだけど」
唯「(1000万……!?)」
律「澪は贅沢なんだよ。私の八雲丸なんて500万だぞ!!」
澪「誰のせいだ、誰の」
澪「唯も今後の事を考えて、日本刀を買っておいた方がいいかもな」
唯「う、うん、そうだね……」
律「唯もムギも私のためにそこまで……。ありがとう、二人とも」
紬「大丈夫よ、律ちゃん。私達は友達じゃない」
律「ムギ……」
紬「あっ、そういえば私、もう一本刀を購入してたの」
紬「唯ちゃん、よかったらそれ使ってみない?」
澪「ちなみに何の刀?」
紬「たしか…、大典太光世って言ったかしら」
澪「……!!それってすごいいい刀じゃないか、よかったな唯!!」
唯「え……、うん。ありがとうムギちゃん」
唯「ちなみにその刀っていくらぐらいするの…?」
澪「たしか6000万ぐらいじゃなかったっけ?だよな、ムギ」
紬「ええ、多分そのくらいね」
唯「(ろ、ろ、6000万円……!!??)」
紬「それじゃあ明日持って来るわね」
唯「いやいやいや、いいよムギちゃん!!まだ私には日本刀は早い気がするよ!!!」
唯「(そんなのもらえる訳ないじゃん!!!)」
唯「(6000万円って私の家が2軒はたっちゃうよ!!!)」
紬「そう?じゃあ使いたくなったらいつでも言ってね」
唯「う、うん……。」
澪「それじゃあ、そろそろ練習始めようか。」
律・紬「おーーー!!」
唯「おーー……」
唯「(どうしよう、会話に全然ついていけないよ……)」
唯「(私、これからやっていけるのかな……)」
後日!
紬「はい、お茶どうぞ」
唯「ありがとう、ムギちゃん」
澪「ありがとう、ムギ」
唯「そういえば、律ちゃんは?」
澪「今日はちょっと遅くなるって言ってたな」
唯「そうなんだ……」
澪「ふあ~~~」
唯「澪ちゃん、寝不足?」
澪「うん。昨日の夜、律の奴が私の部屋に手榴弾投げこんで来てさ」
澪「それでその後、近くの公園で朝まで殺し合いしてたんだ」
唯「そ、そうなんだ~。お疲れさま……」
唯「(聞くんじゃなかった……)」
紬「私も律ちゃんと殺し合いしてみたいな~」
澪「律はまだ照れてるんじゃないかな。もう少しすれば唯、ムギの事も殺そうとすると思うよ」
紬「楽しみにしてるわね。ねっ、唯ちゃん?」
唯「う、うん」ビクッ
唯「(あれ…?もしかして私がおかしいのかな……?)」
澪「それにしても律の奴遅いな……。なにやって
紬「澪ちゃん、危ないっ!!!」
唯「!?」
パァン!!!
パリンッ!!
――――ドサッ
銃声のような音と窓ガラスが割れる音がして、澪ちゃんが床に倒れました。
唯「(な、な、な、何が起きたの……!?)」
紬「澪ちゃん、大丈夫?」
澪「いたた~~」ムクッ
どうやら澪ちゃんは無事みたいです。
唯「澪ちゃん、ど、どうしたの!?」
澪「律が私の事を狙撃したみたい……。ほらこれ」
澪ちゃんの手には銃弾がありました。
澪「ムギが言ってくれなきゃ危なかったよ」
唯「大丈夫なの…?」
澪「ああ。弾が私の頭に当たる瞬間に力を込めたし、弾を掴んで貫通しないようにしたから」
澪「それにしても痛かったな~」
澪「律のやつ、少しは手加減しろよ……」
唯「………!!」
唯「(銃で頭を撃たれて、なんで平気なんだろう……?)」
―――バンッ!!
律「やったか!?」
ドアを勢いよく開ける音とともに律ちゃんが音楽室に入ってきました。
澪「残念でした。生きてるよ」
律「何だよ~。今度こそ殺したと思ったのに」
澪「ムギがお前の狙撃に気づいて、私に声をかけてくれたからな」
紬「うふふ、ごめんなさいね、律ちゃん」
律「そっかー。狙撃なら行けると思ったのに」
紬「律ちゃんにも今お茶入れるわね」
律「うん」
唯「(おかしい……!!この人達は絶対におかしい……!!!)」
唯「(正常なのは私……!!私だよ……!!)」
また後日!
唯「今日は律ちゃんはまだ来てないんだね……」
澪「先生に呼び出されたらしい。何をやってんだか……」
唯「(このまま来ないで欲しいな……)」
唯「今日のお茶、美味しそうだね!」
澪「うん、香りもいいし」
紬「茶葉を変えてみたの。たまにはいいかなって思って」
唯「それじゃ、いただきま~
澪「待てっ!!唯!!!」
唯「」ビクゥッ
唯「な、何…?澪ちゃん……」
澪「ちょっとそのカップ貸して」
唯「う、うん……」
澪ちゃんは私のカップを受け取ると、窓に向かって歩いて行きました。
唯「……?」
澪「唯、ちょっとこっち来てみて」
そして、澪ちゃんは窓を開けて、お茶を窓から外に捨ててしまいました。
唯「澪ちゃん…!なにを…?」
澪「唯、下を見てみろ」
唯「……?」ヒョイッ
唯「………!!」
唯「(草木が、どんどん枯れてってる……!!!)」
澪「危なかったな……。飲んでたら死ぬとこだったよ」
唯「あわ、あわわわわ……!!!」
澪「ムギ!これからはカップは使う前に洗っておくようにしてくれ」
澪「使った後と使う前の2回。多分カップ、もしくはポットに毒が塗られていたんだろう」
澪「ポットを洗うのも忘れずに」
紬「わ、分かったわ…」
澪「あと、お茶っ葉も毎日変えた方がいいな」
紬「これから気をつけなきゃね」
澪「いよいよ始まったな……」
唯「いよいよって何が……?」
澪「カップ、またはポットに毒が塗られていた」
澪「そしてカップは誰がどれを使うか分からない」
澪「つまり、私以外の人間が死ぬかもしれなかった」
澪「現に今、唯は毒入りのお茶を飲むところだったろ?」
澪「……律が、私だけじゃなく、唯とムギも殺そうとしてるって事だよ」
唯・紬「!?」
澪「二人とも、これからは常に命を狙われてると思って気をつけてくれ」
紬「分かったわ。……楽しみね」
唯「(律ちゃんの事、国で保護とかしてくれないかな……)」
それからは大変でした。
登校中に看板が落ちてきたり、信号無視した車が突っ込んできたり、靴の中にサソリを入れられたりしました。
授業中に催眠ガスが私の教室に流され、ガスマスクをした澪ちゃんが助けに来てくれた事もありました。
夜は律ちゃんは大抵、澪ちゃんかムギちゃんの家を襲撃しているらしく、私の家には来なかったのが唯一の救いでした。
私は、なんとか生き延びる事が出来ていました。
唯「今日は何も起きないみたいだね……」
唯「学校に行くのに、こんなに神経を使うなんて、人生初だよ……」
律「おーっす、唯!!」
唯「」ビクゥッ
唯「り、り、律ちゃん…!!お、お、お、おはよう!!」
律「どうしたんだよ、そんなに驚いて」
唯「い、いきなり声をかけられたから、ちょっとびっくりしちゃっただけだよ…!!」
律ちゃんは手に拳銃を持っていました。
律「そうかー。唯は可愛いな~、このこの」
唯「痛いよ、律ちゃん~」
唯「(大丈夫……!今日はちゃんと防弾チョッキ着てるし……)」
前に一度、音楽室で律ちゃんが私に向けて銃を撃ったことがありました。
その時は澪ちゃんが刀で弾きかえしてくれたからよかったものの、澪ちゃんがいなかったら私は完全に死んでいました。
その日から私は防弾チョッキを毎日かかさず着る事にしたのです。
唯「律ちゃん、その手に持ってる銃は何に使うの……?」
律「これ?さっき澪と一緒に登校してる時にぶっぱなしたんだけど、澪に弾を全部切り落とされちゃってさー」
律「澪にはもう銃は通用しないみたいで」
律「弾を斬るなんて、本当に人間なのか、あいつは」
唯「(律ちゃんがそれを言うの……!?)」
唯「じゃあ、その銃の中に弾はもう入ってないの?」
律「うん、全部澪に向かって撃ったからなー」
唯「(嬉しい……!!私今、すごく嬉しいよ律ちゃん……!!!)」
唯「澪ちゃんと一緒に来たんじゃないの…?」
律「澪は忘れ物を取りに家に一回帰ったよ」
律「だから私は寂しく一人で登校ってわけ」
唯「そうなんだ~……」
唯「(澪ちゃん、早く来て……!!お願いだから……!!)」
放課後!
律「合宿をしよう!」
唯・澪・紬「合宿?」
律「そう、合宿!」
唯「合宿ってなんの…?」
律「バンドの強化合宿だよ!!朝から晩までみっちりと練習しようぜ!!」
律「夏休みが明けたら学園祭があるからな!!」
澪「合宿って言ったってどこでやるんだ?」
澪「私、富士の樹海はもう嫌だからな」
律「今回はバンドの合宿だから、そんなところには行く訳ないだろ!!」
唯「(樹海……!?)」
唯「(今、会話に変な言葉が入ってた気がするけど、これには突っ込んじゃ駄目だよね……)」
唯「(よし、聞いてない、聞いてない。スルー、スルー)」
紬「澪ちゃん、富士の樹海って?」
唯「………!!」
唯「(ムギちゃんのばかーー!!)」
澪「中学3年の時の夏休みに、律から逃げてたら富士の樹海に迷いこんじゃって」
澪「それで2週間ずっと、樹海で律と殺し合いだよ」
澪「あの時は大変だったなー。何せ一日の睡眠時間が5分だったから」
澪「それに夏なのに、樹海がものすごく寒くて」
紬「そんな事があったのね~。ふふ、面白そう」
唯「(1ミリも面白さを感じない……)」
澪「合宿っていってもスタジオ付きの旅館とかあるの?」
唯「私、お金無いよ?(というか合宿なんてしたくない…!!)」
律「うっ……」
律「ム…ムギ、別荘持ってたりしない…?」
紬「ありますよ?」
唯「(どんだけーー!?)」
律「よし、じゃあそこに行こう!!決まりだな!!」
唯「(合宿かぁ……)」
唯「(やっぱり、私も行かないといけないよね……)」
唯「(うう…、行きたくないよぉ~~)」
合宿の夜!
律「気持ちい~」
澪「まさか露天風呂まであるとは……」
唯「(今日一日は何も無かったからよかった……)」
唯「(やっぱり、合宿だから律ちゃんも私達を殺そうとはしないよね……)」
唯「(ふぅ……、久しぶりにゆっくりできるよ~)」
最終更新:2010年02月20日 00:29