―平沢家、朝
チュンチュン
唯(…ん…朝かぁ)パチッ
唯(あれ?真っ暗…)
唯(…)グイグイ
唯(体が動かない…)
唯「むーっ、んむっ」モゴモゴ
唯(口も開かないよ…)
唯(…なんで?)
ガチャッ
唯(!…誰か来た)
憂「おはよう、お姉ちゃん」
唯(…憂?)
唯「もがもが」
憂「ちょっと待ってね」
バリバリ
唯「ぷはっ」
唯「憂?」
憂「…」
唯「これってどういうこと?」
憂「…」
唯(あれ?)
唯「憂?いるの?」
唯「憂ー?どこー?」
ドサッ
唯(?なにか乗っかった)
憂「ここだよ、お姉ちゃん」
唯「憂?なんで乗っかってるの?」
憂「…」
唯「どうかしたの?」
憂「…お姉ちゃんが悪いんだからね」
―スッ
唯「ひゃっ!?」
―スルスル
唯「さ、寒いよ憂。下着脱がさないでよぉ」
憂「寒いの?じゃあ暖めてあげるね」ペロッ
唯「ひゃん!?」ビクッ
唯「う、憂…」フルフル
憂「なに?」ピチャピチャ
唯「な…んで…こんな…ぁん…事するの…?」
憂「…」ピタッ
憂「お姉ちゃんさ」
唯「…うん」
憂「最近ずーっと部活行ってるよね?」
唯「うん、学校祭もうすぐだし…」
憂「学校祭が近づく前は?」
唯「…ずっと部活…行ってた」
憂「学校が休みの日は?」
唯「…部活…」
憂「私がどんな気持ちで家に居たかわかる?」
唯「…でも」
憂「うん。わかってるよ。部活が楽しいんだよね?」
唯「ごめんね、憂…」
憂「でもさぁ…お姉ちゃんちゃんと練習してる?」
唯「し、してるよ!」
憂「昨日の部活は?」
唯「ち…ちゃんと練習したよ」
憂「…」
憂「なんで嘘付くの?」
唯「う、嘘じゃないよ!」
憂「15分練習するのがちゃんと練習したって事なの?」
唯(!)
憂「後はずっとお喋りしてたよね?」
唯「な、なんで…」
憂「梓ちゃんに4回も抱き着いてたよね?」
唯「…」
憂「律さんとじゃれあってたよね。2回」
憂「一昨日は23分練習。梓ちゃんに抱き着くこと6回」
憂「さらにその前の日は―」
唯「わ、わかった!もうわかったよ!」
憂「そう?」
唯「今度からちゃんと練習もして、早く帰るから…」
憂「いいの。それだけなら平気。でもね」
唯「…何?」
憂「昨日のは許せなかった」
唯「昨日?」
憂「お姉ちゃん…覚えてないの?」
唯「う、うーん…」
唯(昨日、昨日は…)
―前日、放課後音楽室
ガチャッ
唯「おいーす」
律「おーっす唯ー」
紬「はい♪唯ちゃん」コトッ
唯「ムギちゃん、ありがとー」
澪「後は梓か…」ズズー
律「まだくるなよー梓、まだくるなよー」
唯「えーっ、早くあずにゃん来ないとあずにゃん分が無くなっちゃうよー」
律「でもごろごろ分が補給出来るぞー」グデー
唯「おおー」パァァ
澪「練習はどうしたんだよ…」
―1年教室
憂「…で?梓ちゃん、話しって?」
梓「うん…あのね」
憂「うん」
梓「憂は…憂は女の子同士の恋愛ってどう思う?」
憂「…」
憂「本人同士が納得してるなら全然良いと思う…かな」
―音楽室
紬「全然ありね」キリッ
澪「?…どうした、ムギ」
唯「ムギちゃん?」
紬「なんか聞かれた気がして…」
……
梓「…ありがとう憂、決心付いたよ」
憂「…なんの?」
梓「それはまだ言えないけど…後で必ず教えるから」
憂「うん。わかった。じゃあ部活頑張ってね、梓ちゃん」
梓「じゃあねー憂ー」タッタッタ
憂(澪さんに告白するのかな?)
憂(それともお姉ちゃんに…?)
憂(いや、そんな訳ないよね)
憂(とりあえず急いで帰ろう)
―音楽室
唯「はぁー」
律「ふぅー」
澪「練習しないのか?」
律「えー…まだ梓来てないしー」
唯「しー」
律「もう少し休もうぜー」
唯「ぜー」
澪「学校祭近いんだから練習しなきゃ駄目だろ!」
律「なんとかなるってー」
唯「てー」
紬「あらあら(唯ちゃんかわいい)」
ガチャッ
梓「すいません。遅れました」
律「早いぞー梓、くつろげないだろ」
澪「いい加減にしろ!」バキッ
律「あでっ」
唯「あずにゃぁぁぁん」ダキッ
梓「わっ///」
唯「あずにゃん分あずにゃん分」ギュウ
梓「ちょ…唯先輩…//」
紬「うふふ(百合分百合分)」
―平沢家
憂「はい早速一回抱き着いた…と」
憂(ふふ。わざわざカメラなんか仕掛けなくても)ジー
憂(望遠鏡使えばリスクは少ないもんね)
憂(会話は口の動きでわかるしね)
憂(あっ、また抱き着いた…)
―音楽室
澪「梓も来たことだし、今日こそたくさん練習するぞー」
律「じゃあやりますか」
唯「頑張るぞー」ダキッ
梓「し、しつこいですよ!」
紬(今日はいい日だわ)
~♪~~♪~~~♪~
―平沢家
憂(あぁ…練習してるお姉ちゃんかわいいよぉ)
憂(お姉ちゃん家で一生懸命練習してるけど…)
憂(家だと楽しめないからなぁ)
憂(あ、失敗して澪さんに怒られてる!)
憂(怒られてるお姉ちゃんもかわいい…)
憂(お姉ちゃん…お姉ちゃん…)
憂「ん…んん…あん…」モゾモゾ
……
律「いやー、練習したな!」
唯「うん。疲れたー」
梓「…え?」
澪「まだ2回しかやってないだろ…」
律「じゃあ次はごろごろ時間、ということで。ムギー紅茶ー」
紬「ちょっと待ってね、律ちゃん」
澪「おい律!聞いてるのか!?」
梓「紬先輩、出さなくていいですよ!」
唯「えー…休もうよーあずにゃーん」ダキッ
梓「だ、抱き着いたって駄目です!//」
唯「じゃあほお擦りしよう」グリグリ
梓「///」ボーッ
澪「梓、顔真っ赤だぞ」
澪「…で結局こうなるのか」ズズー
律「まぁまぁ、いいじゃん」ズズー
梓「よくないです!」
律「まだ顔赤いぞ?」ニヤニヤ
梓「う、うるさいです!」
唯「照れてるあずにゃんかわいいー」ダキッ
紬「今日は唯ちゃん積極的ね」ハァハァ
梓「///」カァァ
律「あっ、また赤くなった」
澪「こんな調子でいいのだろうか…」
律「んじゃあ時間も時間だし、今日は解散!」
澪「明日こそたくさん練習するからな!」
梓「あの…唯先輩!」
唯「なに?あずにゃん」
梓「ちょっと話したい事があるので、残ってもらえませんか?」
唯「いいよー」
律「じゃあムギ、澪、先に帰ろうぜー」
紬「ごめんなさい、私今日は用事があって迎えが来てるの。一緒に帰れないの…」シュン
澪「用事があるなら仕方ないな」
律「んじゃ行くぞ、澪ー」
澪「あぁ。(あれ?律と二人っきり…?)」
澪(律と二人…律二人…)
律「おーい澪?行くぞー」スッ
澪「あ!うん…(か、顔が近い//)」
ガチャッ
紬「またね、唯ちゃん、梓ちゃん」
唯「ムギちゃんばいばーい」
梓「紬先輩、また明日です」
バタン
唯「それであずにゃん、話しって?」
梓「あ、はい…あのですね…」
紬(一体何の話しかしら?楽しみだわ)
紬(期待せざるを得ないわね)
―平沢家
憂「はぁ…はぁ…」ビクッビクッ
憂「びちゃびちゃになっちゃった…」
憂(あれ?お姉ちゃんと梓ちゃんだけ残ってる…)
憂(…まさか)
憂(いや…そんな訳無い、そんな訳無い)
憂(もしそうだとしても私が居るもん)
憂(お姉ちゃんは断るよね)
憂(大丈夫…大丈夫…)
……
梓「あの…その…」
唯「あずにゃん?」
梓「唯先輩…私、唯先輩の事が好きなんです!」
紬(キマシタワー!)
紬(私の予想以上の展開だわ!)ハァハァ
…
憂「…」プルプル
憂「は?」
憂「はぁ?」
憂「はぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!?」
……
唯「私もあずにゃんのこと好きだよ?」
梓「そうじゃなくて…私は…恋愛対象として唯先輩が好きなんです!」カァァ
唯「んーと…じゃあ私と付き合って、デートしたりしたいってこと?」
梓「は、はい…///」
紬(ドキドキ)ツー
紬(あ、鼻血が…)フキフキ
唯「いいよ!」
紬(!)ブハッ
梓「…え!?」
唯「付き合おっか!あずにゃん♪」ダキッ
梓「ゆ、唯先輩…」ウルウル
紬(…)ピクピク
…
憂「」
憂「」
憂「」
憂「…」スクッ
憂「…」
憂「ふ…ふふ…」
憂「…」
憂「お姉ちゃん…」
憂「お姉ちゃん早く帰ってこないかなぁ…」
最終更新:2010年02月21日 00:37