律「あ、いや、なははは」
澪「律…?」
律「あはは…」
律「………っ(言い訳が思いつかない…!)」
澪「………(ま、まずいとこ見ちゃったな…)」
律「………(無言かよ!頼む何か言ってくれ~!)」
澪「………(あ、律動揺してる……なんだろう、私けっこう冷静だな)」
律「………っ!(ヤバいどうしようどうしようどうしようどうしよう)」
律「~~~っっ!!(どうしようどうしようどうしようどうしよう!まずいまずいまずい!ああああ!!)」
澪「………遅いね、唯と紬」
律「へ!?あ、ああ、そうだ…な(うわあああ絶対澪に気遣われてる!!バレた!!やっぱりバレたんだ!!どうしようどうしよう!!)」
澪「じゃあ先に練習してよっか(私は別に責めないからそんなに辛そうな顔しなくてもいいよ、律)」
律「……そうだな(どうしよう…澪のベース…私が手渡す?今?練習するんだから渡すよな…気まずい…)」
律「あ…っと…(渡すタイミング…こっちから渡した方が自然か?いやまてもう見られたんだら自然とかないだろ…どうしようどうしよう)」
澪「…そうだ、ちょっと別の楽器演奏してみないか?私ドラムやってみたかったんだ(律を安心させてあげないと…泣きそうな顔してるし…ああもう何やってんだよ律はっ)」
律「え?ああ、それなら私は……(えっと…えっと…!)キーボード!キーボードやるよ!」ゴト
澪「よし、やってみよう(やっとベース置いた…声ふるえてるし足もふるえてるしもう見てられない…こっちまで緊張してくるよ)」
ドドンダンシャーン!
律「結構上手いじゃん!(やべー澪のやつ絶対気にしてるよな…気遣ってくれてるのわかるし…でもどうしたらいいんだ)」
澪「へへ、まぁなっ!」ドダンバババシャーン!
律「おー。(会話が言葉が思いつかない…!)」
澪「……(…やれやれ)」
澪「律」
律「ん?(キーボード全然わからん…!どうしよう…!)」
澪「私もこのバチで」
澪「やったことあるよ」
律「……?(?)…………っっ!(うわっ!ヤバいさっきのことだ!ヤバいヤバいうわ私今顔ひきつってる!どうしようどうしよう)」
澪「律、さっきから深刻な顔しすぎ」
律「あ、いや、あはは、だってあれ見られたらさすがの私も…さ」ドクンドクン
澪「でも自分のでやれよな。ベースなんてやりにくいだろ」
律「え?あ、ああ、あれは、澪のベースだったから…(言ってもいいよな!?言う流れだよな!?)」
澪「クスッ、律のへんたーい」
律「いやぁ、ははは…(ダメだ、まだ顔がひきつってる…!)」
澪「律のえっちぃ~(私も結構恥ずかしいんだからはやく打ち解けろ、バカ)」
律「は、ははは、はは……っ……うっ……ふ…うっ…!(やべ、なんか泣けてきた…!顔…ひきつって直らない…どうしよう…!)」
澪「律!?(泣くなよぉ~!)」
律「ひっ…!ひっく…!(涙が止まらない…)」
澪「ああもう~、せっかくの私のボケも台無しだ!(でも泣いてくれたら一気にわだかまりもなくなるかな)」
律「うっ……ボケっ……澪のボケって何…ひっ…!」
澪「もう一回やるの?」
律「……ううん、そんなことしたら澪の優しさを無駄にした私にバチが当たる…(ああ…落ち着いてきた…)」
澪「だろ?私も恥ずかしかったんだぞ(やれやれ…)」
律「……ぅ……(澪優しいなチクショウ!)」ゴシゴシ
澪「……落ち着いてきたとこ悪いんだけどさ、そろそろ唯たち来るんじゃないか?」
律「げっ、それはマズいなっ(落ち着いた…澪ありがと…)」アタフタ
澪「さぁーて、それじゃ自分の楽器に戻りますか!……先の濡れたベースに!(いい空気いい空気!)」
律「ははっ、あ、でもそれ私に拭かせてくれよな。さすがにキツいわ。(いい空気いい空気!)」
澪「はい、お願いします。あははっ(いい空気いい空気!)」
律「…こんなことして、すみませんでした。(いい空気いい空気!)」フキフキ
ガチャ
唯「律っちゃん、澪ちゃん、おいーっす!」
律「あ、おいーっす!(目赤くなってないかな…)」
澪「おいーっす」
唯「~♪(律っちゃんの目が赤い…!何かあったんだ…!)」
澪「…(あ、唯のやつ気づいたな…)」
律「…っ(うわぁ、絶対泣いたこと気づいてる…)」
唯「…(何があったんだろう…)」
澪「(唯に言ってもいい?)」ヒソヒソ
律「(澪~!)」
澪「(はは、言わないよ、私だって恥ずかしいもん)」ヒソヒソ
唯「…(おや…ふたりのようすが…)」
澪「(ま、これは二人だけの秘密だな)」
律「(ありがと、澪…)」
唯「…」
澪「さ、練習練習」
律「練習、練習!」
唯「…」
ガチャ
紬「はー、遅れてすみませんー!」
唯「…紬ちゃんおいーっす(紬ちゃん…君ならこの二人に何があったかわかるのかな!)」
紬「唯ちゃん、おいーっす♪」
律「よっしゃ、全員揃ったところで!」
澪「お茶にしますか!」
律「って練習じゃねーのかいっ!」ビシッ
唯「おお!澪ちゃんがボケた!」
紬「…!」
澪「あははー(なんか頭がフワフワするなー)」
唯「今日の澪ちゃん、なんか不思議な感じー」
律「…み、澪がボケるなんて、こりゃ今日は雨だな!(澪がなんかテンション高いぞ)」
紬「なんだか楽しそうですね♪(澪ちゃん……それと律っちゃんも…)」
律「ほらほら澪さん、練習しますわよ」
澪「あらあら律さん、そのスティックで何の練習をするんですの?」
律「(!?)ドラムでございましょう?(おい、澪!?)」
唯「あははー、今日の澪ちゃん面白ーい!(澪ちゃんが、あの澪ちゃんが!)」
紬「うふふ♪(何の練習…?スティックで…?)」
澪「それじゃ私も練習しますか。…この濡れたベースでっ」
律「っ!?(え!?)」
唯「ふぇ?濡れたベース?(律っちゃん?)」
紬「濡れたベース…?……あ、本当(濡れたベース…?)」
澪「…あっ(あっ…ヤバっ…!)
唯「なんで濡れてるのー?」
紬「どうしたんですか?」
律「…!」ドクンドクン
律「あー!!もうこんな時間!!みんなちゃちゃっと練習しようぜ!!」シャーン!
澪「(!)そ、そうだな、練習しよう!」ボロローン
唯「今日なかなか集合できなかったもんねー(……怪しい)」
紬「ごめんなさい、私が遅れたから…(まさか…ううん、そんなことはさすがに………でも…)」
律「紬のせいじゃないさー。さ、いくぜ、1、2、3、4、1、2、3!」
‐律の部屋‐
律「うはぁぁぁ!」ドサッ
律「なんてことしちまったんだよぉ…!」ドキドキ
律「ああっ!だめだ…死にたい…」ドキドキ
律「澪に見られるとか…ありえないだろ…」ドキドキ
律「なんで足音気づかなかったんだよ…!」ドキドキ
律「あああああもうっ!」バタバタ
律「……」
律「でも澪のやつ、意外と引かなかったな…」
律「ドン引きされると思ったけど…」
律「バチ、だもんな…」
律「……ん?」
律「『私もこのバチで』」
律「……」
律「…マジ?」
‐澪の部屋‐
澪「……」
澪「律がまさかなぁ…」
澪「……」
澪「あんなことするの私だけだと思ってた…」
澪「みんなも同じなんだ…」
澪「なんか安心した…」ドキドキ
澪「……」ドキドキ
澪「……ん…っ…」
澪「…律……っ……」
澪「……っ……」
‐唯の部屋‐
唯「ふぁー、今日も疲れたー」ボフッ
唯「アイス食べよう!」ガバッ
唯「アイスー♪アイスー♪」
‐紬の部屋‐
紬「濡れたベース…」
紬「スティックで練習…」
紬「濡れたベース…」
紬「スティックで練習…」
紬「濡れたベース…」
紬「濡れた…スティック…練習」
紬「濡れた………はっ!」
律「なぁ澪」
澪「ん、何?」
律「唯も紬もまだ来てないしさ…やらないか?」
澪「ばっ…馬鹿言うな!部室で何言ってんだ…」
律「ん、何をするかまだ言ってないんだけど?」
澪「なっ…!」
律「おやおや、澪ちゃんは何をすると思ったのかなー?」
澪「…律のいじわるっ!」
律「そっかぁ、澪ちゃんはいじわるしてほしいのかぁ」
澪「ちょ…律…?」
律「ほほう、今日は青と白のしましまですか」ピラ
澪「こらぁっ!」
律「つんつん」
澪「ひゃっ!」
律「毎度おなじみ、
秋山澪専用スティックです」ツンツン
澪「おい、やめろ律っ…んっ」
律「うほっ!澪はいい音色を奏でますなぁ」ツンツン
澪「何言って…んっ…律っ…やめ…あんっ」
律「あんっ、て…なんだ、感じてるのか?こんな場所で」
澪「だ、だって…律が変なことするから…」
律「まあ澪専用スティックだしなぁ…そうだ」
澪「な、なに」
律「せっかくの部室なんだし、スティック意外でもやってみようぜ!」
澪「…は?」
律「まずはベースから」
澪「ベースって…お前…」
律「澪のベースを……澪の大事なベースに当てて…っと」クニ
澪「ふぁっ!り、律っ!」
律「そんでもって弦を弾くと…」ボーン
澪「んくぅっ!?」ビクン
律「おほっ!これは意外とイけそうだな!?」ボーン
澪「んあっ!律っ、待って、それダメ…!」
律「重低音~」ボボボーン
澪「んんっ!!」ビクビクッ
澪「はぁ…はぁ…はぁ…!」ビクビク
律「あららー、こんなに濡らしちゃってー」
澪「はぁ…はぁ…っ…お前がやったんだろっ…!」
律「ベースまでヌルヌルだぞ。澪のえっち」
澪「だからそれはお前が…!」
ガチャ
唯「おいーっす」
律「!」
澪「!」
紬「なーんて事だったりして!」ドキドキ
‐律の部屋‐
律「『私もこのバチでやったことあるよ』」
律「……それって、澪も部室で一人…」
律「いいや待て、あれは私をかばって言った嘘ってこともある!むしろそっちが濃厚だ!」
律「………でも…」
律「私のアレをみたのにあんまり驚いてなかったし…」
律「………」
律「電話して聞いてみるか…?」
律「って何考えてんだ私、今日のことはなかったことにしなきゃだめだろ」
律「私のために、そして澪のためにも」
律「………」
律「あああああ!」バタバタ
‐澪の部屋‐
澪「…私のベースで……律が………んっ……」
澪「………それって!」
澪「律は私のこと!!」
澪「そ、そうだよね!私だって律のスティックで…!」
澪「……っ!どうしよう!嬉しいっ!」キャー!
澪「はー、明日が楽しみだなぁ」
‐唯の部屋‐
唯「ガリガリ君」
唯「ガリガリさん」
唯「ガリガリ先生」
唯「ガリガリの君」
唯「ガリ・ガリ」
唯「……」
唯「やっぱガリガリ君が一番しっくりくるね!」シャリシャリ
‐紬の部屋‐
紬「濡れたベースにスティックで練習…」
紬「そうよ…今日の二人はおかしかったもの…」
紬「絶対にナニかあるわ…!」
紬「……うん!そうと決まれば明日は一番早くに部室に行って」
紬「ロッカーに隠れて二人を観察しましょう!」
紬「…ふふっ、明日が楽しみ♪」
‐次の日の放課後‐
律「お疲れしたー」
律「……掃除が終わってしまった…」
律「今日は唯は小テストの赤点で補習…」
律「紬も何か遅れるらしいし…」
律「今行くと澪と二人きり…」
律「……」
律「…考えてもしかたない」
律「行くか」
最終更新:2010年01月14日 20:38