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まだ入った事の無い所に行くとき、私はアズを先行させる
ダークシーカーが居る時はなにもせず私のところに戻ってき、居ない時は一吼えする。
匂いと音、目視で判断し私に報告する

躾た末にできる行動

M4を構え薄暗い室内に入っていく、
いつもどおりアズは静かにそれでいて、すばやく行動する

しばらくして奥からワンと一吼え

どうやらいないみたいだな…私は構えたM4を下ろすと、探索を始めた
全くなんでカーテン締め切ってんだ。薄暗いったらありゃせん。

私は窓という窓、全てのカーテンを開き光を入れる
──やっぱり明るいと安心できるな


0分ほどかけ全部屋を軽く探索した私は、その家の二階で
見事お目当ての物を見つけていた。ラッキーだ。
大体いつも最初の家に目当ての物は無く、二件まわってやっと
という感じなのだが

律「よし、ちゃんと点くな」

それを確認すると私は階段を下りようとした、その時窓から声が聞えた。
まぁすぐ誰かはわかったから生存者ではないことは分かっていた

階段を上がってすぐ左側の部屋。その部屋の窓から外をみる。

やっぱり……唯と憂ちゃんだ
歩きながら話している様子だった。

私はしばらく2人の様子を見ていたのだが、少し経ったところで
唯が突然、大声で、そして誰かのモノマネでもしてるのか?
少し低い声にして言った




その辺、付近、周辺には私と、憂ちゃんと、唯しかいないのだが。
いないのだが、とても痛い人に見え、なぜか恥ずかしくなった。

私はすぐ階段を下り、裏口から外に出て塀を乗り越える。

いた…!

あいつ!傍から見たら痛い人だぞ!まぁこれはこれで唯らしいのだけども
てか憂ちゃんもそのノリに乗らないで!

少し離れて見ていたが、耐え切れず私は突っ込む

律「憂ちゃん……お前達、傍から見たら変人奇人だぞ」

憂「あ、律さん。」

憂「あずわん!こっちおいでー」

憂ちゃんがそう言うと、それに反応する様に憂ちゃんに寄っていくが
どうやら、まだよく知らない唯の方が気になるのか、唯の方に方向転換した

唯「うわぁ!く、くすぐったい!そんな所嗅がないで!」

あいつ…なんであんな所を──躾とかないとな……

憂「んー私に懐いてないのかなー、で律さんなぜここに?」

唯とアズが戯れてるのをよそに私と憂ちゃんは話し始める
私は後ろを見ず、およそさっきの家があるであろうあたりを親指で指しながら言う

律「あ、ああ。日課も終わったし、ちょっとそこの家で使えるものを探してたんだよ」

憂「──二週間後出発ですもんね。私も何か手伝いましょうか?」


律「いやいや、そんないいよ。」

憂ちゃんを危険な目になんか合わせられない。確かに私も憂ちゃんも斉藤さんに
多少訓練、つまる所の街での動き方や銃の扱い方を教えてもらったけど

──こういう危険な仕事は私でいい

憂「そうですか…なにか困った事があったら言ってくださいね?」

律「そうするよ憂ちゃん」

本当できた妹だ。それに比べ唯は──すっかり懐いてやがるアズの奴
くそっ…頭が痛くなる。私はどうすればいいんだ。
何時まで、澪の事を……

私はその時なにを思ったか、唯にこう言った

律「唯、今から2人で話さないか?」


PM 03:03 元田中駅周辺 住宅地付近 車内『唯』

な、なんでりっちゃん私の事を
…空気が重い。気まずい。せめてアズでも居ればと思ったが
先程、憂に預けて別れたばっかである
「お前の事が嫌いだ」とかって言われちゃうのかな?
いやだよぅ……

最初に静寂を切ったのはりっちゃんだった。

律「唯さ…その、澪達をやった時どんな気持ちだった?」

まだ準備の整っていない心に突然、針が刺さった。そんな感じの質問
そんなの憶えてるはずないじゃん……

唯「ごめんね、りっちゃん。その…憶えてない」

律「やっぱり、そうだよな」

そうりっちゃんは返事をすると、車のエンジンをかけゆっくりと走らせ始めた


走り出してからは、またエンジン音だけが聞える静寂ができてしまった。
そして、やはりそれを最初に切るのもりっちゃんだった。

律「わざとじゃないんだよな──澪達を襲った事」

唯「わざと!?そんな事しないよ!」

わざと。そう言った。そんなことをするわけ無い
自分のちゃんとした意識があれば絶対しなかった!
私はそのまま勢いでつい言ってしまった

唯「悲しいのはりっちゃんだけじゃないの!同じように私も和ちゃんを失い
澪ちゃんを失ったの……しかも襲ったのは私なの……私耐えられないよ」


──『律』


そうだった。そうであった
唯も失ったんだ大切な人を。同じ苦痛を感じている
でも澪や和を殺したのは唯で、でも唯じゃなくて
行き場のない怒りを発散するため私は唯にきつく当たった

律「私わからな゛いんだよ゛ぅ…澪が死んだ事が許せなぐで…」

唯「だから、澪ちゃんや和ちゃんのためにも、ウィルス倒して一緒に救世主になろ!」

ふざけてるのか、と一瞬思ったが──こいつはあの唯なのだ。
唯らしいな…フッ少し笑い私は涙を拭った

律「ちょっとスッキリしたよ。そうだなウィルス倒そう!
それと……きつく当たってごめんな…」

唯「謝らないで!謝らないといけないのは私だから」

フッ…唯ありがとうな。唯が戻ってきて
もう戻らないあの頃に一歩近づいた…そんな気がするよ


斉藤「おかえりなさいませ。唯様、律様」

ただいまー。と、唯と一緒に言う私
すると待っていたのか憂ちゃんも現れて

憂「お姉ちゃんに律さん、おかえり」
律「ただいま。憂ちゃん!今日の晩飯はなにかな?」
憂「お姉ちゃんが帰ってきたのを祝して今夜は豪勢にしましたよ」
律「しゃあ!楽しみですなー唯隊員!」
唯「そうですね!りっちゃん隊長!」

皆で笑いながら、他愛もない会話を交わす
その光景はもうどこでも見るような家族みたいで
斉藤さんも私達の様子をみて、微笑んでいた

唯は私達にとって救世主だったのかもしれない
この家に、活気が、明るさが、光が戻っていた

あれから私達は何事も無く日々を過ごす
さながらあの頃に戻ったかのような、そんな日常の日々

りっちゃんはその間やっぱり食糧集めやらなにやら
憂は生存者探しに家事をこなしていた。

私、平沢唯はというと、ここ一週間斉藤さんの訓練を受けていた訳で
街での動き方、車の運転の仕方、ダークシーカーへの対処の方法、傷の応急処置の仕方など
およそ緊急事態になった時に使えそうな事を教えてもらった。
まぁその中で一番驚いたのは──銃。

私はりっちゃんが使ってるような大きい銃は持たせてもらえず
映画などで一番よく見るであろう、ハンドガンを使う事になった

誰もいない静かな街を利用しての射撃練習。
こんなの本当だったら許されないだろう、すぐに刑務所行きだ
そもそも銃を所持してるだけで重罪
なんで琴吹家にそんな銃があるのかは聞かないことにして

1週間たった頃の事、あるー室。その部屋に私達は集まっていた


斉藤「では、話を始めましょう」

ここはどうやら会議室のようなそんな場所なのだろう
私達用に三つ椅子が並べており、前の壁一面にはスクリーンかけてあるのだろう
パソコンの画面が鮮明に写っており、びっくりした。

斉藤「今日ここに集まっていただいたのは他でもない1週間後の事についてです。
この計画の上で一番危惧しているのは、ダークシーカーズの襲撃です。
その対策と言ってはなんですが私達は昼間も夜間もノンストップで走ります」

ここで二つ疑問が出来た。

唯「え、どうやって?私達いつ眠るんですか?」

斉藤「交代で運転するんですよ。昼間は憂様と唯様に
危険な夜間は私と律様が」

そうか。交代で運転なんて思いつかなかったってええええええ

唯「私そこまで運転うまくないですし!まだあまりわからないです!」

斉藤「大丈夫ですよ。昼間の間ですから特にスピードも出さずゆっくり行きます」

……これは困った。


まぁそれはみんなのためにもしょうがないとして
もうひとつの疑問。

唯「でも、道が車で塞がってたりして、そんなスムーズに行くんですか?」

律「大丈夫だよ唯。てか憂ちゃんから聞いたろ?衛星の話。
もう安全にスムーズにいける道はわかってるんだ。上から撮ってるしな
そうですよね?斉藤さん」

斉藤「その通りです律様」

そう言うと斉藤さんがパソコンを操作したのか、
スクリーンの画面が衛星写真に変った。写真にある赤い線。これが通る道だろう
何枚も撮ってあるのか、2秒間隔ほどで次の写真に変る

斉藤「この数ヶ月間ほど、ずっと衛星からの写真を見て、車等で道が塞がっておらず
比較的夜間にダークシーカーズの出現が少ない道を探しておりました
そしてこの道がそれです。」


斉藤「先程、いつ眠ると質問されましたが、おそらくそこまで時間は掛からないものですよ
    昼間は進みながらも休憩する事の方が多いでしょうし、夜間に一気に進みますから
    明朝に出発して結構遠回りする事も考えて丸一日程でしょうかね」

斉藤「車に関しては律様のいつも使ってらっしゃる、あのハマーに律様と憂様が乗り
    先導して貰います。特別車に私と唯様が乗りついていきます。

──特別車。恐らくムギちゃん、あずにゃんを乗せるための

斉藤「律様、憂様はこの地図を憶えてください。地図も渡しておきますますので
    あとは、うまく行くことを祈るしかないですね」

比較的安全な道を丸一日24時間。それでも何が起こるかはわからない──祈るしかない

斉藤「では話は終わりにしましょう──1週間後がんばりましょう」


作戦会議の終わった、私は今、屋敷の奥の方の部屋。
つまり外にまで明かりも音も漏れない部屋
その部屋で憂とりっちゃんとで大富豪をして遊んでいる中、聞いた。

唯「ねぇー憂にりっちゃん。東京まで無事に行けると思う?」

そう聞くと、りっちゃんが茶化すように

律「なんだー?唯。恐いのかー?」

唯「こ、恐くないよ!不安なだけだよ!」

律「似たようなもんだってー、はい!八切りの3枚エース!あがりー」

唯「ぬぬ……」

私はこれで連続5回目の大貧民だった


何気なく連続5回目の大富豪になっている憂にジョーカーを渡しながら言った

唯「憂は不安じゃないのー?」

憂「ん?少し不安だよ?行く途中襲われたらなんて考えると恐いよねー
でも、行かないといけないからしょうがないよ」

律「そうだよ。無事に行けるか、じゃなくて絶対に無事に着かないといけないんだよ
そんな不安を感じなくても大丈夫だって斉藤さんの計画だぞ?」

確かに斉藤さんはなにからなにまで見透かしている様な感じだし、準備も万端だ

律「それにアズが常に警戒してくれるしな、大丈夫だって!」

りっちゃんが隣で寝ているアズを見ながらそう言った

そうだね。きっとうまくいく。
ってウッソ!これはすごいコンボ!

唯「ほい!ほい!ほーい!」

2×3枚、7×4枚革命、8切り、3×2枚、そして最後に4×1枚

6回目にしてやっと大富豪になれた私だった


そしてまた無事に日々が過ぎていって、出発前日。

私はあの日から一層、車の運転技術の向上に精を出していた
まぁさすがに前日は車に荷物を詰め込むなど色々と準備をして一日を過ごした

唯「りっちゃん!これで全部かな?」

車庫内で私はりっちゃんに確認するように言った

律「えーっと、ガソリンに食糧。各種武器にetc...
  ああ、大丈夫みたいだな!唯のギー太も乗せてあるし」

唯「やっと終わりかー」

疲れた身体を伸ばしながら、ふと時計を見た
時間は5時を回っていた

唯「そろそろ戻らないと!りっちゃん」

律「もう5時かー今日のご飯はなんだろなっと」

屋敷に通じる道側から鍵を閉め、私達は車庫を後にした


ただいまー。と言っても今の時間は憂は厨房に
斉藤さんはある準備をしているため返事を返してくれる人はいなかった
私達はそのまま憂の所に行くことにした

迷路のような屋敷。だいぶ慣れてきたが、まだ全部屋を把握している訳じゃなかった
特によく行く場所、食堂、厨房、寝室、奥の遊び部屋、だけはきっちり把握していた

数分経って厨房につく。
香しい匂いに

律「涎が止まりませんのぅ!唯隊員!」

唯「そうでございますね!りっちゃん隊長!」

憂「もうちょっとまっててねー」

この匂い──嫌いな人はいないといわれているあの料理
そう、今日はカレーのようだった


律「憂ちゃんカレーはおいしいなー」
唯「そうですなー」

憂「えへへ、でも肉がなくて入ってないんだ…ごめんねー」

そういえば肉が無い事に今気づいた…けど充分おいしいよ
甘口だしね!辛いの苦手なんだよねー

律「甘いけど美味しいなー」
唯「ちがうよ!甘いから美味しいんだよ!」
律「なんだと!?中辛こそ至高だ!」

私達がそんなくだらない会話をしていると
すでに斉藤さんは完食したようで

斉藤「ごちそう様でした。憂様とてもおいしかったですよ。
──では、私は少しやる事がありますので」

そう言って食堂を出て行った。


多分、ムギちゃんあずにゃんに関する色々な準備をしに研究室に行ったのだろう

律「さぁ私達も早く食って、風呂入って寝ようか」
唯「うん。そうだね」

私達は食べるペースを早めると、もう残りも少なかったためか、数分で平らげた。
おかわりする事無く、ごちそうさま。お粗末様でした。このいつも通りの会話

私とりっちゃんは、たまにはと言って憂の皿洗いを手伝う
カレーは少し残っていたけど、捨てた。多分戻ってくるかはわからないから

明日からまた日常が変るかも知れない。
その事をみんな薄々思っていた。

律「……よし片付いたな。風呂はいるか!」
憂「はい」
唯「うん!」

私達は風呂場に向かった


唯「ふぅ……」

衛星なんか飛ばしてるんだから、これぐらい風呂場が広くてもおかしくない
とは、思うけどいくらなんでも広すぎるよ──と二週間ほど前もこんな事を思った
3人でそれを占拠しているというのも、やはりどこか心苦しい。

実際この大浴場を使ったのは2回目。1回目は私を祝しての時
かなり水を使う事になるから、そう何回もできないんだー
と憂が言っていたのを思い出した。

そういえばりっちゃんはどこなのだろう
どうせまた潜って──

「やぁ!」

ザバーンと波を発声させお湯の中から襲来してきたのは、りっちゃん

唯「もう…そんな事で驚かないよー」

二週間前にやられたばっかりだ。

律「それにしても憂ちゃん、胸でかいよなー」

憂の胸をまじまじと見ながら言うりっちゃん

憂「え、ええ!?そそんなことないですよ!」

と、胸を隠しながら赤面する憂
でも確かに大きいんだよね。多分、私よりも……

律「私も分けてほしいなー」

とかって言いながらまた泳ぎに行っちゃった。
私はふと聞きたいけど聞けなかった事を聞いた。今なら大丈夫、そんな気がしたから

唯「ねぇ憂……お父さんとお母さんはどうなっちゃったの?」
憂「うーんとお父さんはわからない。東京にいたから、お母さんは感染しちゃって──」

憂の口をそこで止めた。もう、いいよ。と
それだけ聞けば、その先は聞かずともどうなったかはわかったから


憂「だ、大丈夫?お姉ちゃんに律さん」

私達は風呂場から上がり、これまたとても広い洗面所に居た

唯「りっちゃんふらふらー」
律「唯こそふらふらしてるぞー」
唯「りっちゃん泳いだりなんかするからー」
律「唯なんて浸かってただけなのに逆上せてるぞー」

ハハハと笑いながら私とりっちゃんは憂の持ってきてくれた扇風機に当たっていた
Tシャツの隙間から入る風が気持ちよくもあり心地よくもある。

風に当たり始めて数分。やっと熱が冷めてきた……
どうやらもうとっくにりっちゃんは冷めてたようだった


律「おーい唯そろそろいいんじゃないか?」
唯「えーもうちょっとー」
律「それ、もう10回以上聞いてるぞ」
唯「えーもうちょっとー」

……

律「でぇい!」

唯「いでっ!」

後ろから頭にチョップを受けてしまった


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最終更新:2010年02月25日 12:51