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ここ数日私達は寝室ではなく遊び部屋で寝る事が多かった
理由としては簡単に言うと安心できるから。外からあいつらの声も聞えない。
遊び疲れたら布団を敷き、お喋りをしながらいつの間にか寝付く

よくある修学旅行中の夜の光景。そんな雰囲気。

唯「痛いー…」
律「唯がいけないんだよー」
唯「ブー」
律「豚か!」

私達はすでに布団を敷き、部屋で寝転がっていた

憂「電気消すよー」

パチッ──真っ暗に沈む部屋。

唯「おやすみー」


そう言うと、憂もりっちゃんも、おやすみ。と返事をしてくる
明日の起床時間は5時。今はもうなんやかんやで9時半。

……寝るか。

「あれ、まさか寝る気かー?唯に憂ちゃん」

ひゃあ!。と思わず叫んでしまった、なぜか一緒に憂も
突然、足の裏をくすぐられたから

唯「りっちゃん!足の裏なんて卑怯!」
憂「そうですよー律さん」

憂も被害者だった。りっちゃんは笑いながら

律「ごめんごめん、じゃあもう本当に寝るな」

再度おやすみと言い合うと、部屋は静寂に包まれた


どこかはわからない。どこかはわからないその場所の
あるステージで私達はライブ演奏をしている。

あれ?そういえば澪ちゃんあずにゃんムギちゃんいつの間に……

それに観客の中に和ちゃんと憂がいる


あ、そうか。これは夢か。

──夢なのか


こっちが現実でいいのに



AM 06:15 琴吹邸内 廊下 『唯』


──ジリリリリリリン

まだあの目覚ましの音が頭に残ってる
いい夢見てたのに……

と言っても最初の目覚ましの音で私は起きなかったらしく
1時間経っても起きない私に痺れを切らした、りっちゃんと憂が
目覚ましの時間を操り鳴らしそれを私の耳元まで……

唯「ヴー」
律「起きないのが悪いんだって、なぁ?憂ちゃん」
憂「そうだよお姉ちゃん。今日は出発の日なのに」

と会話をしながら車庫に向かう
すでに服は着替え、歯も磨いた、準備万端だ


どうやら私が1時間と3分多く寝ている間に、全ての準備を済ました様で
あずにゃんもムギちゃんもすでに特別車の中に運ばれていた
特別車は外見は救急車の黒いバージョン。そんな感じだ

ともあれ、あとの準備と言えば私が車の席に着く事ぐらいで
待たせてしまったことに申し訳ない気持ちだった。

律「唯!ちょっとそこのボタン押して、シャッター開けてくれないかな?」

唯「ほーい」

私はシャッターの横の壁にある小さいボックスの元に走り
それを開く。赤と緑。閉じると開くのボタン。開くのボタンを押すと
シャッターが開く。すると車が動きだし、私の横で憂の運転している車が止まった

憂「斉藤さんの車が車庫から出たら、この鍵をそこに差して左に回して?」

ごく普通の家の鍵等、それらよりは一回り大きい鍵
きっとこれでシャッターが閉まるのだろう。


私は外にでて壁にあるはずの鍵穴を探す
ん?ないなぁ?

斉藤「唯様、壁の一部に外れる部分があります。
溝があるので少し浮いてるでしょう。探してください」

すでに斉藤さんの乗っている車は外に出ていた。
私は再度目を凝らし探す。おお…あったあった

壁の一部がカパッと外れる、中の鍵穴に鍵を差込み回す

唯「あれ?閉まらない…もう一回!また…もう一回!あれ?」

斉藤「唯様それ右向きに回してませんか?」

……見事に右に回していた私だった


ちゃんと左に回してシャッターを閉めた私は小走りで車の運転席に乗る

ガチャバタン

唯「ふっー」
斉藤「では出発しましょう唯様頼みますよ。では憂様先導よろしくお願いします」

『はい』

声が聞えてきて一瞬、何だろう?と思ったが、どうやら無線という物らしい
初めて見た。無線から聞えてきた声と同時に前の車が走り出す。

よしっ!と意気込むと私は、
自分で言うのもおかしいが慣れた手つきで、車を発車させた。
2週間の成果が出てるようで安心した。


AM 06:23 京都 『唯』『律』『憂』『斉藤』『梓』『紬』 東京へ向け出発


ただ前の車について行くという作業。
まぁと言ってはなんだが、やはりどこ通ってもどこに向かっても
荒れ果てた街。京都と変らない様子だった

何時間経ったのだろう…私の時間間隔が正しければ3時間は経ってるな!
と、考えながらデジタル時計を見る。

AM 10:05

9時ぐらいだと思ったんだけどなぁ…おしい

17時までこのまま、走るのかぁ、尻が痛いなぁ
腹が減った──そういえば朝ご飯食べてない!
そう思ったその時

『お姉ちゃん朝食べてないしお腹すいたでしょ?少し休憩しよっか』

なんでわかったの!?

まぁ別に超能力者だったわけでもなんでもなく、ただの勘だったらしいのだけど
私と憂は適当に見つけた公園の前の道、ど真ん中に車を止め、
公園でベンチに座って食事取っていた。斉藤さんとりっちゃんは寝ている。
──夜のドライブに備えるためかな

唯「ういーおいしいよ!このおにぎり!」
憂「えへへそうかなー?お姉ちゃん寝てたからね、咄嗟に作って
あとで食べようかなって」

全て予想通り、すごいな憂は
するといきなり憂が、あ。と何か思い出したような声を出し車に戻った。
なんだろう?しばらく待つと何かを手に持ち戻ってきた

憂「はい!」

差し出されたのは、クッション

憂「お尻痛いでしょ?使って?」

お尻が痛いって何でわかったの!?


それも例の如く、勘だったようなのだけど
所変わって車内。ご飯を食べ終えた私と憂は車に戻り
また憂は地図どおりに進み、私はそれについて行くという作業を再開していた

再開して数時間

『おーい!唯!がんばってるかー?』

突然無線から声。りっちゃんだ。私はスタンドに立てかけてある無線をもつ

さっき…斉藤さんはこのボタンを押しながら喋ってた
私も斉藤さんを真似する様に同じ動作をし

唯「はい!りっちゃん隊長は大丈夫ですか?」

『おお!無線の使い方わかったのか!こちらは大丈夫だ唯隊員!』

むぅ無線の使い方をわからないと思ってたか……いや実際わからなかったけど
りっちゃんの癖にぃ


ピピピピピピピピピピピピピピピピピ

りっちゃんとの無線を終わらせたリラックスしてる私を驚かせた突然の機械音
私はなにが音を鳴らしてるのか探したが、どうやら斉藤さんのようだった。

胸ポケットから携帯を取り出し、恐らくアラームだろう
それを止め言った

斉藤「12時半ですね。お昼にしましょう」

おお!待ちくたびれたお昼!
さっき食ったばっかりだろう、と言われるかもしれないが
そこまで食べなかったし、もうとっくに消化しきってるのか空腹だった

斉藤「お昼にしますので、そこのコンビニの前に車を止めましょう」

無線に向かい喋る斉藤さん。数秒経って返事が返ってきた

『はい、わかりました』


車は2台ですね


コンビニの前に車を止め、私達は閉ざされた自動ドアの前に立っていた
ミニュストップ。店内は商品棚が倒れていたりと散乱としている

律「うーん、閉まってるなー」

斉藤「ですね。ちょっとまっててください」

斉藤さんはそう言うと、自動ドアの少しの隙間に指をかけ、腕に力をいれた
ゆっくりと開いていくドア。まさか力ずくで開くとは……

開くとまずはアズが店内に入って行った
数秒経って、ワン!と一吼え聞えてきた

律「よーし!お菓子さがすぞ!」

お菓子ですと!?

唯「私もお供します!隊長!」
律「着いて来い!唯隊員!」

お菓子の誘惑はすさまじいものだ

うまい棒、ポテチ、するめイカ。持てるだけ持って車に詰め込んだ後
憂と斉藤さんがコンビニ内にあったお客用のテーブルと椅子を外に持ち出し
適当に食事する空間を作ったみたいで、私達はそこで食事した。

水筒のコップに紅茶を注ぐ
そしてお昼用に作ったであろう、サンドイッチ

サンドイッチを口に頬張り、紅茶をすする
……はぁ、落ち着くなぁ

みんながとてもリラックスして落ち着いてる中、
最初に席を立ったのは、やはり斉藤さんだった。

斉藤「では一時半になったらここを出発しましょう
私は車の中で睡眠を取らしてもらいます」

夜に備えての睡眠

唯「りっちゃんは寝なくて大丈夫なの?」


律「昨日の夜、寝ちゃったからな。あまり眠くないんだ、夜が不安だけどなー」

唯「居眠り運転しないでよぉ?りっちゃん」

私がそう言うとなにか考えたような顔をして

律「そうだなー眠くなっちゃたら困るしな。うん。私も寝とくよ」

そう言いながら、手持ちのサンドイッチを一気に口に入れると
車の方に戻っていった。

そして私と憂はその後も少し食事。
というかティータイムを過ごし、時間は1時20分

憂「お姉ちゃんじゃあ少し早いけど行こうか」
唯「うん、そうだね」

カップにある紅茶を飲み干し、蓋を閉め水筒を持つ
サンドイッチの入っていたプラスチック製のゴミを
今は回収する業者もいないコンビニ前のゴミ箱に捨て
机、椅子はそのままにして私と憂も車に戻る事にした。


腹を一杯に満たしてから
運転を再開し、さらに数時間。相変わらず斉藤さん隣で寝ている

今現在…ここは何処なんだろう。高速道路を今走っているが
全く何処だかなんて気にしてなかった。

ふと前の車を見ていると、アズが窓から顔を出している
涼んでいるのかな、風が気持ちよさそうだ。

私はボーっしながら運転をしていると
前の車のバックライトが点滅し始めた。右に曲がるというか、高速を下りるようだ

高速を下りると当たり前に一般道路なのだが、
ふと目に入った標識に地名が書いてあった

どうやら富山県のいるようだった


県名はわかっても、それが日本地図のどこにあるかはわからなかった
結構遠回りをするって言っていたしなぁ

時間は4時近くになっていた。──空がオレンジ色に染まっていく時間帯
またもや高速に入っていく車。空を見ながらも運転してしばらく

ピピピピピピピピピピピピピピピピピピ

またあの機械音。次はそんなの驚きも慌てもしない
その音で斉藤さんが起きる前に、私が斉藤さんの肩を揺する

唯「斉藤さーん」

斉藤「ん……4時半ですか……」

斉藤さんは起きると無線で

斉藤「ガソリンを補充しますので、少し進んだ所にあるサービスエリアに
止まってください」

『はい、わかりました』

唯「疲れたね、ういー」
憂「そうだねー」

私と憂は駐車場のあの石。まぁ名称は分からないのだが
そのちょっとした段差に座りながら空を見ていた

りっちゃんと斉藤さんは車に積んであるガソリンの入っている
ポリタンクを取り出し車にガソリンを補充していた。

唯「アズー眠いの?」

私と憂の座っている間に入るようにアズが眠そうにかがんでいる
クゥーンと返事をしてくれたのか鳴いている

唯「かわいいなーアズー」

そう言いながら私はアズの頭を身体を撫で回した


私と憂がアズと戯れてから、しばらくすると

斉藤「ガソリンの補充終わりました。今から運転手交代です
律様と唯様はハマーに、私と憂様は特別車でお願いします
──それと念のため武器を持っておいてください」

そう言うと斉藤さんは私達を連れハマーの後部扉を開き、武器を取り出す

斉藤「どうぞ、憂様唯様はハンドガン律様はあのM4を私はまぁ適当にショットガンでも」

斉藤さんは各々に武器を渡し終えると、出発しましょう。
と言って車に戻っていった。私達も車に乗り込むことにした

時間は17時

──ダークシーカーの活動時間まで、あとちょっとと迫っていた。


『では律様先導よろしくお願いします』

無線から斉藤さんの声が流れる。今は先導する側の車に乗っているのかぁ
後部座席に居るアズに話し掛ける

唯「アズーよろしくねー」

ワン。と返事をくれる

律「じゃあ、行くか!」
唯「おー!」

その掛け声と同時に車がゆっくりと発車する
そう、最初はゆっくり──だが次第にスピードは上がっていき

唯「りっちゃん?す、少し早くない?」
律「そんな事無いって、大丈夫大丈夫」

速度は時速100km。私には未知のスピードだった

唯「りっちゃんガム食べるー?」
律「お!気が効くな!貰おう!」

私はガムの包み紙を取り、りっちゃんの口に運ぶ

律「これで眠気もすっとぶな」

もう子供なら眠る時間。私達が交代して走り始めて約5時間
つまり夜の10時。まだ運のいい事にダークシーカーズとは遭遇していなかった

そういえばさー。と話を切り出すりっちゃん

律「眠気で思い出したけどさ、朝見てた夢ってなんだ?」

言っても良いものなのだろうか。少し迷ったが言うことにした


唯「えっとね…みんなでライブしてる夢」
律「そうかー。いい夢だなそりゃあ、私も見たかったなー」

意外と普通の反応だった。

律「学園祭ライブ楽しかったよな」
唯「うん…楽しかった…」

今となって卒業する事は叶わなくなった、母校。桜が丘高校。
私は京都に居た時一度運転練習で通ったが、外見はなにも変らず残っていた。
中に入ってみようとしたが叶わず、斉藤さんに中は危ないと言われてしまったのを思い出していた

そんなことを考えていると、私が眠そうに見えたのか
りっちゃんが微小気味に言った

律「唯。眠いんだろ?安全運転してるから寝てな。起きた頃には着いてるよ」

まぁ、確かに眠い。起きた頃にはもう東京。
私は厚意に甘えて眠る事にした


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最終更新:2010年02月25日 12:52