律「どろけいだろ?」
唯「えっ?」
律「えっ?」
紬「なにそれこわい」
澪「知ってるぞ、警察と泥棒に分かれて鬼ごっこするやつだよな」
律「やろー」
唯「やろー」
梓「練習どうするんですかー」
紬「面白そうね」
律「3対2でどろけいに決定!」
唯「けいどろだよりっちゃん」
紬「でも3対2じゃ半端じゃない?」
唯「和ちゃんを呼ぼうと思いますりっちゃん隊員!」
律「許可するぞ唯隊員」
梓「いいんですか? 澪先輩」
澪「まあ、すぐ飽きるだろ」
梓「だと良いんですが…」
和「どうして私まで参加する事になってるのよ」
唯「まあまあ、そう言わずに」
和「まだ生徒会の仕事があるんだけど」
律「すぐ終わるって」
唯「それに運動した後のティータイムが待ってるよ」
紬「今日は特別に良いのを用意してるわよ」
和「本当に少しだけよ?」
唯「わーい、和ちゃん大好きー」
律「よし、面子も揃った事だし組み分けじゃんけんしようか」
唯「おー」
律「じゃんけーん!」
唯「パー」
律「パー」
澪「グー」
紬「グー」
梓「パー」
和「グー」
律「一発で決まったな」
澪「で、どっちが警察なんだ?」
律「リーダーがじゃんけんして、勝った方が警察な」
澪「分かった」
唯「りっちゃんがリーダーでいいよ」
梓「それでいいです」
紬「こっちは澪ちゃんね」
和「そうね」
律「じゃんけーん!」
律「パー」
澪「チョキ」
和「こっちが警察ね」
さわ子「面白そうな事してるわねー?」
唯「さわちゃん先生!」
さわ子「警察チームはどっちなのかしら?」
澪「私とムギと和ですけど」
さわ子「そう…ちょっと待っててねぇ」
「澪ちゃん…いや和ちゃんの方が似合うかしら」
澪「」
和「嫌な予感しかしないわね」
唯「ドラマ版こち亀ばりの安っぽい警察服だったりして」
律「黒歴史乙」
数分後
さわ子「じゃーん、ミニスカポリスの衣装よ!」
律「なんでそんなもん持ってんだー」
和「予想の斜め上ね」
澪「ミニスカ…ミニスカ…」ガクガク
梓「澪先輩しっかりー!」
唯「澪ちゃんが大変だー」
紬「あらあらうふふ」
さわ子「さあ、澪ちゃん観念して着替えなさい」
澪「」
さわ子「しょうがないわね、着替えさせてあげるわ」
澪「イエ、ジブンデデキマス」
律「お、珍しく素直に従ったな」
さわ子「さて、泥棒諸君は泥棒らしく目出し帽にサングラスね」
梓「いくらなんでもそれはやりすぎです!」
唯「おー、りっちゃん見てー泥棒さんだよー」
律「ぶはは、丸ヒゲ描いたって帽子被れば見えねーよ」
梓「先輩達…」
さわ子「牢屋はここ音楽室ね、学校内なら逃げるのはどこでもOK」
「学校の敷地から出てはダメよ」
唯「さわちゃんが先生みたいなこと言ってる!」
律「いや、先生だから一応」
梓「一応じゃないですー」
さわ子「そろそろ着替え終わる頃かしら」
和「結構ギリギリね」
紬「さっそく写真撮りましょ」
澪「シャシンハヤメテー」
唯「おー、みんなかわいー」
律「ぷくく、似合ってるじゃないか澪」
澪「交替したらお前も着ろよ!」
律「2ゲームもしたら練習の時間無くなるぞ」
澪「今日はけいどろの日だー!!」
梓「澪先輩が壊れた」
さわ子「今から百数えたら警察が動き出します、泥棒はその間に逃げなさい」
全員「はーい」
さわ子「じゃあ、よーいスタート」
こうして警察と泥棒のお互いのプライドを賭けた仁義無き戦いが幕を開けるのだった!!
……
律「さて、どうやって逃げたもんかね」
唯「体育館がいいと思います」
梓「それ以前に3人で行動するんですか?」
律「迂闊に別れると各個撃破されそうなんだよなー、特に唯が最初に捕まりそうだ」
唯「捕まらないよー」プンスカ
律「あいつらの予想を超えないと逃げ切るのは難しいだろうな」
梓「和先輩は聞き込みとかやりそうですよね」
律「校内回ってアリバイ工作でもするか」
梓「いいですね!」
はあっ……はあっ……はあっ……
来る──────、
警察と言う鬼が──────
私達を捕まえに─────
唯「あっ……」
律「唯っ!」
不意に転んだ唯、私は急いで駆け寄り唯を立たせる
唯「りっちゃん……もう……私走れないよ」
律「何言ってんだよ……一緒に逃げるって約束しただろ…?」
唯「ごめんねりっちゃん……いつもいつも…足手まといで」
律「唯…いいんだよ……私は唯が好きだから……」
唯「りっちゃん……」
澪「けいどろぐらいでそこまでリアリティ出さんでいい!」
紬「ぽわわん//」
和「澪なら律の考えそうな事わかるんじゃない?」
澪「うーん、それを言うなら和だって唯の考える事分かるだろ?」
和「そうねぇ、あの子の事だから特に考えずに体育館と言いそうではあるけど」
澪「そして律はそれを却下する」
紬「すごいわね2人とも」
和澪「「腐れ縁だからね」」
和「校内に残っている人なら3人を見かけてるかもしれないわね」
澪「まずは聞き込みからか」
紬「なんだか本当に警察になったみたい」
女子A「目出し帽被った怪しい人が近づいてくるー」ガビーン
女子B「ど、泥棒!?」
女子C「こんな明るい時間から犯行に及ぼうなんて素敵!」ジョワー
律「いやいや、私らだから」ヌギヌギ
唯「いやいや、私らだから」コソコソ
女子B「今度は何してんのよアンタ達」
梓「唯先輩どさくさに紛れて何してるんですかー」
唯「いや泥棒だから盗まないと」
女子C「私のハートを盗んで! その代わり皆には手を出さないで!」
唯「うひひ、お嬢さんのハートは確かに頂きやしたぜ」
女子A「嫌ー、白昼堂々とまぐわってるー」ガビーン
梓「もうやだこのひとたち」
律「…というわけで澪達が来たら体育館に行くのを見たって言っておいて」
女子B「分かったわ」
律「じゃあ頼むな! おい唯行くぞ!」
唯「時間だ、あばよ子猫ちゃん」
女子C「私とは遊びだったのね!? 酷いわ!」
唯「また逢えるさ」
女子C「あたい待ってる!」
女子B「いい加減にしなさい」
梓(ツッコミがベタすぎます女子B先輩)
数分後
和「残っている人を発見したわ」
女子B「あら、澪達じゃないどうしたのその格好?」
澪「これはその…けいどろ用の衣装だ」
女子B「…深くは聞かないわごめん」
澪「謝るな!」
和「ちょっと聞きたいのだけど、唯達見なかったかしら?」
女子B「あの子達なら体育館に行くのを見たわ」
和「そう」
女子C「」ポー
澪「何かあったのか?」
女子B「色々と…」
澪「…じゃ、じゃあ、私達は行くな」
女子B「ええ、頑張って」
紬「さっきの女子Cちゃんから唯ちゃんの匂いがしたわ」
澪「本当か!?」
紬「ええ、間違いないわ、しかも抱き付くだけじゃなくあんなことやそんなことまで!?」
和「紬…」
澪「とにかくさっきの証言はアリバイ工作だとわかった訳だ」
和「私達がそれを信じたとして、体育館に行くのを見届けようとするでしょうね」
澪「律の考えそうな事だな、という事はまだ校舎内の高い場所に居ると見ていいか」
和「そうね、挟み撃ちにしましょう私が上から追い詰めるから澪達はここで捕まえて」
澪「分かった」
紬「…」ポワポワ
澪「ムギ…」
…
律「おっかしいなーそろそろ体育館に走って行っても良い頃なのに」
唯「あずにゃん遅いなー、どこまで見回りにいったんだろ?」
ダダダダダダ
梓「和先輩が上って来ました!」
律「なんだと!? まさかアリバイ工作が失敗したというのか!?」
唯「りっちゃん隊員一大事ですぞ」
梓「とにかく階段に近い教室に隠れましょう」
律「危なくないか?」
梓「和先輩だけだったので、恐らく挟み撃ちにするつもりですよ」
律「下には澪とムギか」
梓「駆け下りれば撒けますよ、私は小回りが利くのでなんとかなります」
律「唯をどうするかだな…」
唯「?」
律(囮にするか? いやダメだ何考えてるんだ私は…)
(ならどうする? 私と梓が両端を通って二人を引き付けて…)
梓「律先輩どうするんですか?」
律「ここは唯の可能性に賭けて見よう」
梓「え?」
律「唯、耳貸せ」
唯「どったのりっちゃん」
律「名案があるんだ」
唯「そんなの無理だよ~」
律「まだ何も言ってないだろ!」
唯「えへへ」
律「いいか、和が廊下の端に行ったら一斉に階段を駆け下りるんだ」ヒソヒソ
唯「イエスマム」ヒソヒソ
梓「イ、イエスマム」ヒソヒソ
和「端まできたわね、そろそろ出てくる頃かしら」
律「今だ、走れ!」
唯「うにゃー」
梓「にゃ、にゃー」
和「出てきたわね! 頼むわよ二人とも…」
澪「上から足音がいくつか聞こえるな」
紬「澪ちゃんの言うとおり上にいたのね」
澪「ああ、後は私達の仕事だ」
紬「頑張りましょう」
ダダダダダダ
唯「駆け下りろ~♪」
梓「にゃー♪にゃー♪にゃー♪」
律「いやっほーう!」
澪「来たな! おとなしくお縄を頂戴しろ!」
紬「あなた達は包囲されているわ!」
律「ところがぎっちょん! 飛べ唯!!」
唯「イエスマム! アイアムカミカゼアタック!」
女子C「その時だった、普段は運動神経が宜しくないはずの唯ちゃんが手摺りに両手を預け滑空したのは! そして天使が舞い降りたのは私が居る階段の踊り場だった! 天使は眩しいばかりの笑顔とサムズアップで観衆に応え、こう言い放った!」
唯「澪ちゃん、今日は縞パンだね!!」
女子C「私は魅了され今再び怪盗ユイに心を奪われた!!」
澪「いやあぁぁぁ」
律「今だ! 降りるぞ梓!」
梓「合点です!」
最終更新:2010年02月25日 18:18