梓「違いますよ、ここは……こう……」

唯「こ、こう……?」

――ジャカジャカ

梓「そうそう、出来たじゃないですか」

唯「やったー」

唯「あずにゃんのおかげだよ、ありがとー」

――ぎゅっ

梓「い、いちいち抱きつかないで下さいよ……もう」ドキドキ

唯「ごめんね、今日は部活ないのに、私の練習に付き合ってもらっちゃって……」

梓「こんなことでいいなら、いつでも付き合ってあげますけど……///」ボソッ

唯「……ん、何か言った?」

梓「い、いえ、何でも……」ドキドキ

梓(音楽室で唯先輩と二人っきり……)ドキドキ

――そそっ

唯「そういえばあずにゃんって手すごい綺麗だねー」

梓「え、そ、そうですか」ドキッ

梓(先輩……近いです……)ドキドキ

唯「いいなー、私もこんな綺麗だったら……」

――ふにふに

梓(もうダメ……私の理性がもたない……)ドキドキ

――ぎゅっ

梓「先輩……」ドキドキ

唯「あ、あずにゃん、え?」

唯「そっかー、よしよし」

――なでなで

梓「先輩……」ドキドキ

唯「あずにゃんは、まだ一年生だもんね、いつでも甘えてきていいんだよー」

梓「……え、違っ」ドキッ

梓「あ、あの、私はそういう意味で抱きついた訳では……」ドキドキ

唯「……?」

――がちゃ

律「おーっす、やっとるかねー」

梓「……!!」

唯「わー、みんな来てくれたんだー」

律「お、おい梓、何で唯に膝枕してもらってんだよ!」

梓「い、いや、これは別に……」

紬「……え?」ドキッ

紬(唯ちゃんの膝枕……一年付き合いの長い私でさえしてもらったことないのに……)

唯「うん、練習みてもらってるんだから、お礼にって思って……」

律「な、な……」

律「よし、唯、ここからは私が教えるよ!」

紬「……ギターなら私に聞いてくれれば良かったのに……」

澪(……こいつらギター弾けたっけか?)

――

梓「ここのパートはこうやって……」

唯「……こ、こう?」

律(……梓のやつ、近すぎないか?)ムッ

紬「唯ちゃん、お茶が入ったわよー」

唯「やったー」

律「よーし、じゃあ私は練習しながらケーキ食べさせてあげよう」

――かちゃかちゃ

律「ほい、唯、あーん」

唯「あーん♪」

紬「ほら、口にクリーム付いてるわよ」

――ふきふき

澪(……何ていうお姫様状態……)

梓「ちょっと先輩方、いいかげんにして下さい」

律「……ん?」

梓「大体、食べながら練習なんて出来るはずないじゃないですか!」

唯「そっかー、じゃあちょっとだけ休憩してケーキ食べちゃおっか」

梓「い、いえ、そういうことを言ってるのではなくて……」

梓「れ、練習の邪魔を……しないで欲しいんです」

紬「……え?」

梓「せっかく唯先輩がやる気になってるのに、こんな水を差すようなことして……」

律「いや、私たちは、唯を元気づけようと……」

梓「もう出て行ってください、そしたら、その……」

梓「唯先輩と二人っきりで……練習しますから///」ボソッ

澪「……ん?」

律(何だ?今チラっと本音が……)

梓「大体、律先輩は無神経なんですよ、唯先輩のこと全然考えてないし……」

律「なんだとー」

言い争っている二人

――

紬「……」ドキドキ

紬(唯ちゃんが口をつけたフォーク……)ドキドキ

――さささっ

紬(これは大事に持ち帰らないと……)ドキドキ

澪「……ん?」

澪(ムギのやつ、何をこそこそと……)

――

澪「よし、今日はこの辺にしよっか」

梓「お疲れ様でした」

唯「みんな、今日はありがとー」

律「い、いやいや……」ドキドキ

紬「お礼なんて、別に……」

紬(膝枕だけで……)ドキドキ

律「よし、帰ろうぜ、唯ー!」

――ぎゅっ

唯の手を引っ張る律

梓・紬「……!!」

唯「わ、わわっ、急に引っ張らないてよ、律っちゃん」

律「あー、ごめんごめん!」

――ぎゅうっ

梓「な……な……」

梓「ちょ、ちょっと待って下さい、唯先輩は私と一緒に帰るんです」

律「何だよ、約束でもしたのかよー」

梓「え、ええ、まぁ……」ドキドキ

律「……!!」

唯「さっき二人で練習中にね、今日は一緒に帰ろうって話をしてて……」

律「何だよ、梓はこの前も唯と帰っただろー」

律「なあ唯、今日は私と帰ろうよ」

紬「そんなこと言ったら、私が唯ちゃんと帰ったのは19日前が最後なのに……」

唯「え、えっと……」

――ぎゅうぅぅ

梓「ちょっと、律先輩、さりげなく唯先輩の手を握らないで下さいよ」

律「い、いいだろこのくらい、ほら、行こうぜ唯!」

唯を引っ張っていく律

唯「わ、わわっ」

――ぎゅっ

唯のもう片方の手をつかむ梓

梓「ずるいですよ、またそうやって強引に……」

律「おい、放せよ、梓!」

梓「嫌です……約束……したんだもん」

紬「じゃ、じゃあ間をとってここは私と……」ドキドキ

唯(何でいつも帰りになるとみんなケンカするんだろう……)

――ぐいぐい

律「おい、放せよ、梓……」

梓「嫌……です……」

唯を引っ張り合う律と梓

唯「い、痛い……痛いよ……二人とも……」

紬「ほら、二人とも落ち着いて」←棒読み

止める振りをして、唯の胸を触ろうとする紬

澪「……」

澪「いい加減にしろ!」

一同「……!!」ビクッ

澪「……唯が嫌がってるだろ」

梓「……あ」

澪「みんなの気持ちは分かるけど……もう少し唯のことも考えてやりなよ」

律「う……」

澪「もう唯は一人で帰ること、いい?」

唯「……?う、うん、分かった……」

律・梓・紬(仕方ないか……)

澪「……でも、一人じゃやっぱり心配だな」ブツブツ

澪「……仕方ない、今日の帰りは私も付いてくか」ブツブツ

澪「……うん、これは仕方ないよな、女の子一人じゃやっぱり……」ブツブツ

澪「ゆ、唯、待って、私もついてくよ、一緒に帰ろう!」ドキドキ

唯「……?う、うん!」

律・梓・紬「……」

――ガチャ

澪「今日は帰りに……私の家……こない?」ドキドキ

唯「え、いいのー?」←何も考えてない

――

音楽室に取り残される三人

律・梓・紬「……」

――がちゃっ

律「いやいやいや、ちょっと待て、澪!」


――たたたっ

走って澪を追いかける三人

――

澪「最近肌寒くなってきたね、唯」ドキドキ

――ぴとっ

唯「そ、そう……かな?」

唯(何でだろう……みんなよくくっついてくるけど……)

唯(やっぱり、高校生にもなると、このくらいのコミュニケーションは普通なのかな……)

――たたたっ

律「ちょ、ちょっと待て、澪!」

澪「……!!」

澪「り、律、何で……」

澪「梓、ムギまで……」

梓「ずるいですよ、なんで澪先輩が唯先輩と帰るんですか!」

澪「いや、私は唯が心配で……」

澪「なあ、唯、私は別に何もしてないよな」

唯「うん、これから澪ちゃんの家に遊びに行くだけだよ」

律・梓・紬「……!!」

律(汚っ、もうそこまで話を進めてたとは……)

紬「唯ちゃん……私の家には来てくれた事ないのに……」

律「だったら、私の家いこうぜ、唯!」

唯「え、え?」

梓「ちょっと、ずるいですよ、律先輩」

澪「そうだぞ、大体、唯は今日私の家に来る予定なのに……」

――言い合いをする4人


唯(みんな、そんなに今日暇だったんだ……)

唯(遊びたいんだったら、言ってくれればいいのに……)

唯「だったらさ、みんな今日私の家に遊びに来ない?」

紬・梓・澪・律「……!!」

――

唯「着いた……っと」

澪(唯の家……)ドキドキ

律(久しぶりだな……唯の家……)ドキドキ

梓(唯先輩がいつも過ごしている空間に……私が……)ドキドキ

紬(……下着とか干してないかしら……)ドキドキ

唯「あれ、かぎ鍵……どこいったかな……」

――がちゃ

唯「ただいまー」

――たたたっ

憂「お帰り、お姉ちゃん」ドキドキ

憂「んー……」ドキドキ

――ちゅっ

紬・梓・澪・律「……!!」

梓「憂……一体なにを……」

憂「……!!」ビクッ

律「な、な……」

憂「み、皆さん……いらしてたんですね」

澪「こ、これは一体……」

唯「あ、これはね、憂に教わったんだけど……」

唯「確か、妹と一日に3回ちゅーすると音感が良くなるとか何とか……」

憂「……」

梓「……」

律「う……憂ちゃん……」

憂「……ス、スリッパ用意しないと……」オロオロ

紬(憂ちゃん……侮れないわね……)

律(し、しかしさすが唯だな……それを信じるとは……)


――

梓(唯先輩の部屋……)ドキドキ

――ガチャ

憂「どうぞ、お菓子です、こんなものしかないですけど……」

澪「あ、ありがと……」

憂(お姉ちゃんに何かあったら大変だし、ちゃんと見張ってないと……)

唯「よーし、何して遊ぼっか」

澪(な、何して……?)ドキドキ

律「そうだな、じゃあ、王様ゲ……」

紬「唯ちゃんの下着で神経衰弱……とかどうかしら」

梓「……!!」

律(わ、私より上を行くとは……)

唯「……え、え、私の……?」

律(ムギ……良くやった……)ドキドキ

梓(唯先輩の……下着……)ドキドキ

憂「だめー、絶対ダメー!!」

律(……憂ちゃん?)

憂「ダ、ダメですよ、そんなのおかしいですよ!」

澪「そ、そうだな、さすがにそれはやりすぎだと……」

律(くそっ、澪のやつまたいい子ぶりやがって……)

律(こうなったら私が賛成するしか……)

律(……いや、しかしこれで賛成したら唯の私に対する好感度が……)

律(……くっ、仕方ない……)

律「そ、そうだな、さすがにそれは変だよな」

唯「なーんだ、こないだ買ったすっごく可愛いの見せたかったのに……」

律「……!!」

律(ア、アリだったのか……なんてこった……)

律(くそっ……くそぉっ……)

唯「じゃあ何しよっかー」

憂(お姉ちゃんは……お姉ちゃんだけは守らないと……)


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最終更新:2010年02月25日 20:36