船長「うむ・・・その後何年かチャンピオンを務めたとは噂で聞いたが、詳しいことはわからん」

唯「そうですか・・・」

船長「いや・・・しかし」

律「・・・!何かあるんですか?」

船長「そういえば紬さんは良く話していたな・・・『私はずっと友達を探してる』と・・・『だから、いつかはこんな船で世界中を旅して友達を見つけたい』と・・・」

梓「ムギ先輩・・・」


船長「さて・・・そろそろ出港じゃ。私が思い出せるのはこのくらいじゃな。役に立ったならいいが」

律「本当にありがとうございます。船長のお陰で手がかりが見つかりました」

船長「そうか・・・もし君たちが紬さんに会えたら、私のことも伝えてくれないか?
   あの時のこと、感謝していると」

唯「はい!絶対伝えますね」

船長「ありがとう。この船がこの港に来るのは一年後になるだろう。その時はまた君たちに会いたいのう」

梓「あ、はい・・・まだいたら・・・ぜひ」

船長「では気を付けて」

唯律梓「ありがとうございました!!」


ブオー!

唯「サントアンヌ号、行っちゃったね」

梓「・・・はい」

律「なんか、喜んでいいのか悲しんでいいのかわからないな・・・」

唯「で、でもでも!みんながこの世界に来ているってことはわかったよ!
  澪ちゃんとムギちゃんはあれだけど・・・」

律「そうだな・・・前向きに行かないとな!」

唯「うん!」

律「ポケモンリーグの初代チャンピオンなら、有名人だよな?あいつに聞いてみよう!」

梓「あ、マサキさん」

律「そう!」

律「今度ばかりはメールなんてまどろっこしいことやってられない!
  通話しよう!」

唯「パソコンで通話なんてできるの?」

律「この世界だってスカイプみたいなやつはきっとあるよ。
  ・・・これでいいかな。よし!」

マサキ『うわ!君らか!何事や?もうサントアンヌ号には行ってきたのか?』

律「行ってきたよ。説明は今度するから、ポケモンリーグの初代チャンピオンの情報教えて!」

マサキ『初代って、セキエイの初代チャンピオンか?』

唯「うん。たぶんそれ」

マサキ『ってことは紬さんのことやな?』

律「やっぱり知ってた!」

梓「そうです!その人は今どこにいるか知ってますか?」

マサキ『あの人は27年前にチャンピオンを退いた後、消息不明になってるな』

律「なんだよ・・・新情報はなしか」

マサキ『な、なんかすまんな。力になれなくて』

唯「気にしないで。やっぱり世界中を旅してるのかなあ・・・
  ねえマサキさん、ほかの地方に行きたいならどうすればいい?」

マサキ『そうやなあ・・・普通外国とかほかの地方に移動するときは身分証明証が必要なんやけど、君らにはそんなもんないしなあ・・・』

律「・・・そうか。あれ?じゃあムギはなんで・・・」

マサキ『ああ、一応ひとつだけ身分証明なしで移動できる方法があるで。普通は無理やけど』

唯「それは何・・・?」

マサキ『ポケモンリーグのチャンピオンになれば、どこの地方でも顔パスで移動できるんや』

梓「!!・・・もしかして、ムギ先輩はだからチャンピオンに?」

マサキ『話の趣旨はようわからんけど、とにかくチャンピオンになればポケモンマスターとも呼ばれ、どこの地方でもいろいろと優遇されるんや。外国でもほとんどの国に国賓として入国できる』

律「なるほど・・・ありがとうマサキ。助かったよ。また何かわかったらよろしく」

ブツッ

律「唯、梓・・・やっと私たちの旅の目的が決まったな」

唯「うん。ロケット団から澪ちゃんを助けて」

梓「ムギ先輩を捜し出すことですね」

律「うん。ロケット団と戦うにはもっと強くならなきゃいけないし、
  ムギを探すならいろんな地方を回らないといけないかもしれない」

唯「その二つを達成するには・・・目指すんだね。チャンピオンを」

梓「本気でロケット団とやりあうならそのくらいの実力目指さないといけないし、
  チャンピオンになればムギ先輩探しも容易になります!」

律「難しいけど・・・やるしかないな!」

梓「はい!」

唯「うん!」

律「よし・・・やるぞーーーー!」

唯「目指せポケモンマスター!」

律・梓「おー!」



クチバシティ・ポケモンジム

律「たのもー!」

唯「りっちゃんいつになく張り切ってるね!」

律「このジムは電気タイプのポケモンが中心に使われてるらしいから、私のサイクロンが活躍できる!」

梓「でしたら今回戦うのは律先輩ですね」

律「おお!任せろ!」

唯「見て!このジムの中ゴミ箱だらけだよ!」

律「おうわ・・・不衛生だなおい」

ジェントルマン「待ちなさい。これは普通のゴミ箱じゃなくてセキュリティのための装置なのだよ」

唯「セキュリティ?」

ジェントルマン「ここのジムリーダー、マチス少佐は用心深いことで有名なのだよ。リーダーに会いたければゴミ箱の中にあるスイッチを探してリーダーの部屋の扉を開けることだ」

律「めんどくさいなー」

ジェントルマン「それに私のようなジムトレーナーも倒さなきゃいけないのだ!行け!ビリリダマ!」

ジェントルマンはビリリダマを繰り出した!

唯「うわーモンスターボールみたい!」

梓「ずいぶん適当なデザインのポケモンですね」

ジェントルマン「このビリリダマを甘く見ては困る。実力を目に刻むといい・・・あれ?
        サイホーンはどこだ?」

サイホーンの穴を掘る攻撃!効果は抜群だ!ビリリダマは倒れた!

ジェントルマン「何いいいい!」

律「ポケモンを出した瞬間から勝負は始まってるんだよ!」

マチス「オー!ユーとっても勇ましいねー!」

律「なんだ?おっさんが出てきたぞ?」

ジェントルマン「マチス少佐!」

唯「この人がリーダー?」

梓「ゴミ箱いじってないのに勝手に出てきちゃいましたよ」

マチス「ユーのベリーナイスなポケモンバトル見てたらミーもいてもたってもいられなくなってカムヒアーしちゃいましたヨー」

律「それはどうもー」

唯「この世界にも外人さんっているんだね」

梓「外国はあるらしいですからね・・・こんなストレートな外人がいるとは思いませんでしたが」

マチス「ユーすごく素質あるヨ!でも勝つのはミーのストロンゲストなエレクトリックポケモンデース!」

律「私だって来たからには負けないよん!行け!サイクロン!」

マチス「ゴー!ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカー♪」

唯「おお!何これかわいい!」

梓「図体に似合わずこんな可愛いポケモンを!」

マチス「ユーのポケモンの数は?」

律「こいつだけだよ」

マチス「オーケー!ではこのピカチュウと1対1デスネー!」

サイクロン「ガオー」

ピカチュウ「ピッカア♪」

律「電気技は効かないってわかってるからどんどん行くぞ!サイクロン穴を掘る!」

マチス「今のうちにピカチュウ!影分身ネー!」

律「今だ!」

サイクロンの穴を掘る!しかしサイクロンの攻撃は外れた!

律「げ!」

マチス「オーケーオーケー!さらに影分身!」

律「くそ!穴掘ってる間に何回も分身されちゃったか。とっしんだ!」

サイクロンのとっしん!しかしサイクロンの攻撃は外れた!

マチス「今さらもう遅いデスネー!」

律「だけど・・・そっちだって攻撃手段ないだろ!」

マチス「HAHAHA!エレクトリックポケモンが電気技しか使わないと?」

律「え?」

マチス「アイアンテール!」

ピカチュウ「ピカ!」

効果は抜群だ!

律「なにー!」

サイクロン「ギャウ・・・!」

律「くそお!サイクロンとっしん!」

サイクロンの攻撃は外れた!

マチス「ハッハー!ミーに挑戦するにはまだ早かったデスネー!
    ピカチュウ!アイアンテール!」

ドゴオン!

………………

ポケモンセンター

ピンピンピロリン♪

律「うう・・・ごめんなサイクロン」

唯「りっちゃん。元気だしなよ」

梓「律先輩とサイクロンはよく戦いましたよ」

律「ありがとう・・・でも勝ちたかったなあ」


梓「ま、まあジムリーダーなんて普通は勝てませんよ」

唯「そうだよ!私は勝ったことあるけどあの人が弱すぎただけだよ!」

律「そうだよな・・・ジムリーダーは強いもんだよな!タケシが弱いだけで!」

唯「うん。気を取り直して次の目的地に出発しよ?」

梓「クチバから東に進めばセキチクシティへの道に出るんでしたね」

律「よーし!出発!」

………………

カビゴン「ZZZ」

律「・・・通れねえ」

梓「気持ちよさように眠ってますね」

唯「見てみて!蹴ってもびくともしない!」ドカ!ドカ!

梓「ちょっと唯先輩!」

律「うーん・・・こうなるとルートを変えるしかないよなあ」

梓「で、でも他のルートって」

律「イワヤマトンネルを抜けるしかない・・・!」

梓「でも、確かイワヤマトンネルはフラッシュという技を使わないと暗くてとても進めないとか」

律「そうだなー。でも私たちのポケモンたちじゃ覚えられなそうだな」

唯「こうなったら!」

梓「こうなったら?」

唯「フラッシュを覚えたポケモンを捕まえるしかないね!」

律「唯にしてはもっともな意見だな」

唯「えへへー」

律「とりあえずハナダシティに戻りながらポケモンを探すか」

………………

5番道路(ハナダの南の道路)草むら

ガサガサ

梓「良く考えたら、私たちがポケモン捕まえようとするなんて初めてですよね」

律「そういやそうだなー」

唯「久しぶりに私の空のモンスターボールの出番が来たね!」

ガサガサ バッ!

梓「何か出た!」

ニャース「にゃ~」

梓「ねこ!?」

唯「うわーかわいい!」

律「頭に小判ついてるぞ!」

ニャース「にゃ~」

唯「この子捕まえようよ!あずにゃんみたい!」

梓「そうですかあ?」

ニャース「にゃ~」クンクン

律「梓の匂い嗅いでるぞ!」

梓「な、なに?」

ニャース「にゃあ」スリスリ

唯「あずにゃんに懐いてる!きっと同じ匂いがするんだよ!」

梓「私はポケモンじゃないです!

唯「私も欲しかったけどあずにゃんが捕まえた方がいいね♪はいモンスターボール!」

梓「どうもです。ほいっ」ポイ

律「なんだ、やっぱり梓も捕まえたかったんじゃん」

梓「そ、そんなこと!あ、捕まったみたいです」

律「敵意がないからかあっさり捕まったな」

唯「君の名前はあずにゃん3号だよ!いいね?」

あずにゃん3号「にゃー♪」

梓「あー!勝手に名前付けないでください!」

律「新しく仲間が増えたのはいいとして、フラッシュを覚えたポケモンも探さないとな」

唯「りっちゃん待って!あずにゃん3号のおでこ!」

律「ん?おでこの小判がどうした?」

キラーン!!

律「うおっまぶしっ!」

梓「すごい小判の輝きです!」

唯「りっちゃんを超えるおでこの輝きを出すなんて!この子はフラッシュを覚えてたんだよ!」

律「なんだってー!」

………………

イワヤマトンネル

唯「暗いよー怖いよーりっちゃん」ガシッ

梓「・・・」ギュ

律「二人ともくっつきすぎだよ。歩きづらい」

唯「だって怖いんだもん」

律「しょうがないなー」

唯「あず3号とりっちゃんのデコの輝きをもってしても完全には明るくならないんだね」

あずにゃん3号「にゃー」

律「まあ歩けるだけいだろ。フラッシュ使う前は本当に真っ暗だったんだから」

梓「あ!光が!あれ出口じゃないですか?」

唯「本当だ!あずさん良く頑張ったね!」

梓「あずさん?」

唯「あずにゃん3号を略してあずさんだよ~」

律「・・・なんかおばさんみたいだな」

………………

イワヤマトンネル出口

唯「地上だー!」

律「あー空気がうめえ」

梓「すごく長く感じました・・・」



シオンタウン

ヒュー・・・

梓「なんか怖い・・・」

律「陰気っていうか何というか・・・独特な雰囲気の街だな」

唯「あの高い塔はなんだろう?」

梓「あれはきっとポケモンタワーです。カントーで一番高い建物らしいですよ」

唯「あずにゃん詳しいね~」

律「唯も前のポケモンセンターで話聞いてたろ?」」

唯「そうだっけ?」

律「まったくもう・・・とにかくポケセンいこうぜ」

………………

シオンタウン ポケモンセンター

律「すばらしい情報を入手しましたぞ!」

唯「何ですと!?りっちゃん隊員!」

律「なんとこの町の西にも地下通路があって、タマムシシティに抜けられるのです!」

唯「さすがはりっちゃん隊員!」

梓「タマムシシティはカントー1の娯楽街・・・でしたよね」

唯「うん!前に博士に言われたんだ~」

梓「遊びに行くわけじゃないんですからね?」

唯「わかってるよ~」



タマムシシティ

律「うおおおお!賑やかな町だなー!」

唯「建物がいっぱいだよ!大都会だね!」

梓「元の世界にはこのレベルの町はたくさんあったけど・・・でもすごいです」

唯「あ、りっちゃん!ゲーセンだ!ゲーセンがあるよ!」

律「おお!行くか!」

梓「先輩!」

律「息抜きも必要だって!ちょっと遊んだらジムとかにも行くからさー!」

梓「むー、少しだけですよ・・・?」

………………

ゲームコーナー

受付「申し訳ありません、コインケースがないとコインをお売りすることはできません」

律「えー!」

唯「そんなあ・・」

梓「残念でしたね。出ましょうか」

唯「あ、私ちょっとトイレ行ってくるよ」


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最終更新:2012年09月26日 22:08