唯「ふう、すっきりした。あれ、このポスター剥がれそうにになってる」

唯「直してあげないとね」ピタ 

ペラ

唯「ありゃ、また剥がれちゃったよ」ピタ

ペラ

唯「・・・」ピタ

ペラ

唯「・・・あーもうイライラする!全部はがしちゃえ!!」

ビリビリビリ!!

唯「ん?これは・・・?」

唯「りっちゃん!あずにゃん!」

律「んー?」

梓「どうしたんですか?」

唯「これ!ポスターの裏に謎のスイッチが!」

梓「うわ唯先輩何ポスターはがしてるんですか!怒られますよ!」

律「しかしあからさまに怪しいスイッチだな。書いてあるのは『R』の一文字だけか
  ・・・ん?R?」

唯「ここまで怪しさを醸し出されたら押したくなっちゃうよね・・・?」

梓「駄目に決まってます!勝手にポスターはがした上に勝手にスイッチいじって」

律「いや、押してみよう。もしかしたらロケット団に関係してるかも」

律「見憶えあるだろ?このRの文字」

梓「あ!ロケット団の制服!」

唯「そういえばそんな服着てたっけ」

律「ロケット団とわかってほっとくわけにはいかない。澪を取り戻すためにも」

唯「そうだね!じゃあ押してみよう。ポチっとな」

ポチ

梓「ま、まだ心の準備が」

ウィーン ドン! ガチャン!

唯律梓「!!!」

唯「床が開いて・・・」

律「階段が現れた・・・!」



ゲームコーナー地下 ロケット団アジト

ヴー ヴー ヴー ヴー!

『侵入者警報!侵入者警報!3番秘密階段で不許可の開閉が行われました!』


サカキ「侵入者か・・・面倒だな」

澪「ただいま参りました、サカキ様」

サカキ「来たか。現在の戦力は?」

澪「は!アポロ隊長、ラムダ隊長の部隊はヤマブキシティ、アテナ隊長の部隊はポケモンタワーに全人員が投入されており、
  アジトに残っているのは私の部隊のみです」

サカキ「そうか。ならば侵入者の始末は任せるぞ」

澪「了解しました。失礼します」


ロケット団アジト内部

唯「ね、ねえ。なんか警報が鳴ってるけど」

律「どうせそのうち戦うんだからばれててもいいよ。二人とも、備えとけよ」

梓「は、はい」

ぴーたん「・・・」

梓「ぴーたん・・・なんか最近ぴーたんの様子が変な気がします」

律「梓が新しいポケモンを捕まえたからすねてるんじゃないの?」

あずさん「にゃあ?」

梓「そうなのかな・・・」

唯「ねえ二人とも。足もとのこの矢印はなんだろう?」

律「明らかに怪しいから踏まない方が」

唯「うわー目が回るうううううう!」

梓「唯先輩!」

律「遅かったか・・・」

唯「ふえ~」

律「唯!気をつけろよ」

唯「頭がぐるぐるするよう・・・」


団員「侵入者がいたぞ!」

団員「お前らそこを動くな!」

律「見つかったか・・・」

団員「そこを動くな!」

梓「囲まれてしまいました・・・」

律「ちっ、結構多いな」

団員「侵入者め!覚悟しろ!」

澪「待て」

団員「隊長!」

律「み、澪!」

唯「澪ちゃん!」

梓「先輩!」

澪「監視カメラを見てみたら・・・まさかお前らが映っているとはな」


澪「こいつらは私が始末する。お前らは他に侵入者がいないか捜索しろ」

団員「は!失礼しました!行くぞ!」

ダッダッダ

澪「さてと・・・」

律「澪!私たちの為に人払いしてくれたのか?」

唯「私たちのこと思い出してくれたの?」

澪「お前らのことなど知らないっと言ってるだろ。
  私の質問に答えてもらおうか。その為に団員をどかしたんだ」

律「なんだよ・・」

梓「質問って・・・?」

澪「お前らが何故私の名前を知っているのか・・・教えろ」

律「言っただろ?私たちは軽音部の仲間で!友達だったんだよ!」

澪「私にはそんな記憶はない・・・だが、お月見山でお前たちに会った後
  考えた・・・私の記憶を探ったんだ。そして私には3か月前以前の記憶がないと気づいた」

唯「・・・!じゃあ澪ちゃんは3か月前にこの世界に来たんだね!」

梓「やっぱりショックで記憶を忘れちゃったんですよ!」

澪「この世界・・・?一体お前らは何を言っているんだ・・・私は3か月前、
  野垂れ死にそうなところをにサカキ様に助けられたんだ・・・
  だがなぜそれ以前の記憶がないことをお前達と会うまで気にとめてもいなかったのだろうか・・・」

律「澪・・・お前、まさかそのサカキってやつに何かされたんじゃないのか!?」

澪「黙れ!!!」

律「ビクッ」

澪「ロケット団のボス、サカキ様をなんだと思っている!やはりお前らは信用できない・・・!」

唯「澪ちゃん、落ち着いて!」

澪「今からお前らをロケット団の敵として処理する」

梓「いきなりどうしたんですか澪先輩!?」

澪「うるさい・・・3か月前以前のことを考えようとすると頭が痛くなるんだよ!
  さっさとポケモンを構えろ・・・3人まとめて相手にしてやる」

律「く・・・!サイクロン!(澪を何とか倒して話をするしかないのか・・・)」

唯「カメ太!」

梓「ぴーたん!あずさん!」

澪「お前らのポケモンはそれだけか・・・行け!」

澪はピッピをくりだした

ピッピ「ぴっぴ♪」

唯「わあかわいい!」

律「ぶっ・・・はははは!」

澪「な、何がおかしい!」

律「いやー、澪は記憶が無くなってもそういう趣味は変わってないんだって思ったら安心しちゃって」

梓「もっと怖いポケモンを使ってくるのかと」

澪「うるさいうるさい!私のふわ☆ふわを馬鹿にするな!」

律「ふわ☆ふわって・・・まさか名前!?」

唯「可愛い名前だね~」

梓「澪先輩らしいです・・・」

澪「・・・あーもういい!やれ!ふわ☆ふわ!」

ふわ☆ふわ「ぴっぴ♪」


ふわふわの10万ボルト!効果は抜群だ!

カメ太「キュウ!」

唯「カメ太!」

澪「早くも一体戦闘不能だな」

律「サイクロン!!突進だ!」

澪「無駄だ。ふわ☆ふわ、リフレクターを張れ」

ドゴン!

律「くそ!ぜんぜん効かねー!」

澪「冷凍ビーム」

効果は抜群だ!サイクロンは倒れた!


技4つまでとかは無視するかも


梓「あ、ああ・・唯先輩と律先輩が一瞬で・・・!」

澪「外見で油断したな。さて・・・残るはお前の二体だけだ」

梓「う・・・」

律「やめてくれ澪!梓はお前のかわいい後輩だろ!?」

あずさん「にゃー!」

澪「レベルの低いニャースだな・・・ふわ☆ふわ」

ふわ☆ふわ「ぴっぴ♪」

ドカ!

あずさん「にゃあ・・・!」

澪「あとはそのトランセルだけだ」

梓「うう・・・」

ぴーたん「」ブルブルブル

梓「(震えてる・・・)ぴーたん・・・怖いよね。ごめんね、こんな所に連れてきちゃって・・・」

ぴーたん「」ブルブルブルブル

律「様子がおかしいな・・・」

梓「ど、どうしたのぴーたん!?」

ぴーたん「!!!」バリバリバリ

唯「ぴーたんの背中が割れた!」

澪「せ、背中が裂けて・・・!いや怖くない怖くない怖くな」

ぴーたんはバタフリーに進化した!

梓「ぴーたんが・・・蝶々になった」

澪「怖くない怖くな・・・なんだ進化か。ははは!進化したところでお前に勝ち目はない!」

ぴーたん「ぴー!ぴー!」

梓「ぴーたん・・・また私を守ろうとしてくれてるんだね。ありがとう」

ぴーたん「ぴー!」

ぴーたんの念力!

ふわ☆ふわ「ぴっ!」

澪「そんな攻撃じゃあ私のふわ☆ふわは倒せないぞ?こっちには冷凍ビームや10万ボルトがあるのを忘れたのか」

律「(澪はぴーたんの背中が割れたとき怖がってたよな・・・それにポケモンにかわいい名前をつけたり、性格は元の澪のままみたいだ。・・・だったら!)」

澪「ふわ☆ふわ・・・やれ!」


律「うわー!転んで膝すりむいちゃったあ!」

澪「」ビク

律「いて!さらに偶然落ちてたカッターで指切っちゃったあ!血がどばーっと出てきちゃったよ!」

澪「・・・キコエナイ」

唯「(りっちゃん・・・!なるほど!)
  あああ!私も裁縫用の針が目玉に刺さっちゃったあ!痛い!」

律「(それは言いすぎだろ・・・)」

澪「ひっ・・・!み、見えない聞こえない見えない聞こえない・・・」

律「梓!今のうちに!」

梓「はい!ぴーたん!」

ぴーたんの眠り粉!

ふわ☆ふわ「ぴっぴ・・・」スヤスヤ

澪「見えない聞こえない見えない聞こえない・・・あれ?ふわ☆ふわ」

ふわ☆ふわ「」

律「お前が怖がってるうちにぴーたんが倒したぞ」

澪「な・・・!」

唯「ふふふ・・・」

澪「お、お前ら寄るな!こっち来るな!」

律「確保ー!」ガバッ

澪「は な せ!!」

律「へへーん。もう離さないもんねー!」ガシ

唯「澪ちゃん、私達と一緒にここから逃げよう?」

梓「澪先輩、お願いです一緒に来てください!」

澪「ふざけるな!私はロケット団だ!」ジタバタ

律「あーもう暴れるなよ!・・・あ、さっき切った指からまた血が出てきちゃった!ほら」

澪「ひい!」

律「ほらほら!見て見て!」

澪「ひいい!」

梓「さすが律先輩・・・扱いがうまいですね」

律「ほれほれ!」

澪「ひいっ!やめ、やめろ」

唯「もういいんじゃないのりっちゃん?」

律「ほーらほーら!」

澪「うっ・・・やめろって言ってるだろ馬鹿律!」

ゴチン!

律「いて!」

澪「はあ、はあ・・・」

唯「今・・・!」

梓「馬鹿律って・・・」

澪「(手が勝手に動いた・・・)」

律「いてて・・・やっぱり澪のパンチは効くなあ」

澪「(この殴り心地・・・すごく懐かしい感じがする・・・)」

澪「・・・り・・・つ?」

律「!!そうだよ!私のこと思い出した!?」

唯「澪ちゃん!」

梓「先輩!」

澪「ゆい・・・あず・・・さ・・・?」

律「澪!思い出したんだな・・・?」

澪「・・・わ、私は・・・ロケット団の・・・うわああああ!」フラッ

律「・・・!!どうした・・・しっかりしろ澪!」

サカキ「そこまでだ」

梓「誰ですか!?」

サカキ「私はロケット団のボス。サカキだ。部下から離れてもらおうか」

律「お前・・・澪に何したんだ!」

サカキ「人聞きの悪いことを言うな。私はこの子を助け、立派なトレーナーに育てあげたのだ」

唯「じゃあなんで澪ちゃんはこんなに苦しんでるの!?」

サカキ「お前達が知る必要はない。ここで私に倒されるのだからな」

サカキはニドキングを繰り出した!

ニドキング「グルル・・・」ゴゴゴゴゴ

律「(すごい威圧感・・・間違いなく今まで戦った誰よりも強い・・・!)」

澪「・・・逃げろ」ボソ

律「澪!」

澪「ヒソ(周りに聞こえないように話せ。お前たちのことを完全に思い出したわけじゃないが・・・私の敵ではないことは直感できる・・・だからこそ言うがサカキさまの力は絶大だ。 お前たちは逃げるべきだ)」

律「(澪も一緒じゃないと!)」

澪「(それは無理だ・・・逃げる方法は一つだけ。私にはもう一体ポケモンが残っているから、私がサカキさまを止めている間にお前のサイホーンのあなをほるで脱出しろ。私のポケットにげんきのかけらが入っている。それを逃げる寸前にサイホーンに使え)」

律「(やだよ!澪が一緒じゃないと!それにお前がそんなことしたら)」

澪「(わがままを言うな・・・時間がない。すぐ始めるぞ、これがげんきのかけらだ)」

律「(な、ちょっと)」

澪「サカキ様!今回はこいつらを見逃してはもらえませんか」

サカキ「何を言っている?できるわけがないだろう」

澪「・・・そうですよね!今だ!」

律「くそっ・・・サイクロン!げんきのかけらだ!」

サイクロン「ガオ!」

律「唯!梓!サイクロンに掴まれ!」

唯・梓「え?え?」ガシ


サカキ「逃げる気か!?ニドキング!」

ニドキング「グルル!」

澪「ニドキングを止めろ!ばさ☆ばさ!」

澪はゴルバットを繰り出した!

サカキ「・・・何のつもりだ?」

澪「申し訳ありませんサカキ様。後で然るべき罰は受けます」

サカキ「何のつもりだと聞いている!」

澪「早く行け!馬鹿律!」

律「澪・・・ちくしょおおお!サイクロン!あなをほる!」

………………

タマムシシティ 地上

律「地上だ・・・」

梓「律先輩!なんで澪先輩を置いて来たんですか!」

唯「あずにゃん!」

律「ごめん・・・」

梓「せっかく・・・澪先輩が元に戻りそうだったのに・・・」

律「本当にごめん・・・でも・・・澪の気持ちを無駄にしたくなかったんだよっ・・・」ポロポロ

唯「りっちゃんは悪くないよ!」

梓「・・・すいません、勝手なこと言って」

唯「りっちゃん、いつも泣かないけど・・・りっちゃんも私たちの前で泣いていいんだよ?」

律「ゆい・・・うええええん!」ガバッ

唯「よしよし・・・」ナデナデ


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最終更新:2012年09月26日 22:09