………………
シロナ「戻れ!ガブリアス!ふう!お疲れ様!」
律「つえー…」
唯「全然はがたたなかった…」
梓「さすがチャンピオンです…」
シロナ「君もなかなかだったよ。ポケモンを大切に育ててるのが良くわかったわ!」
唯「えへへ…どうも」
シロナ「さて…勝負もすんだ事だし…行こうかな」
唯「行くって…?」
シロナ「母を探しにね…私がこの地方に来た目的は充分達成した」
梓「目的と言うのは…」
シロナ「一つは、母をよく知る人物に出会うこと・・・まさか君たちに出会えるとは思ってなかったけどね」
シロナ「一つはリーグチャンピオンになること。ポケモンリーグには、
代々のチャンピオンしか入ることのできない部屋があるの…最も奥にある、殿堂入りの部屋」
唯「殿堂入りって何ですか?」
シロナ「歴代チャンピオンが名前を刻むこと…チャンピオンの所有ポケモンや個人に関する記録を残すことね」
唯「じ、じゃあ!」
シロナ「うん。母の記録は真っ先に調べた。しっかり残ってたわ。
でも、見れたの基本情報だけで、他にも色々記録されてると思うんだけど…」
律「チャンピオンなのに見れないんですか?」
シロナ「たぶん、リーグ期間終了時の真のチャンピオンしか見れないんじゃないかな…
でも私は考古学とか神話は詳しいけど機械はさっぱりでよくわかんないの」
律「私もパソコンはちょっと…唯と梓は?」
唯「家にあるけど私はいつも…」
律「?」
唯「う、憂にやってもらうから…」グスッ
律「そ、そうか!梓は?」
梓「一応普通には使えますが…」
シロナ「そうなの!?パソコン使える人ってすごいなあ!ちょっと見てくれない?」
梓「あ、でもあくまで普通に使えるってだけで…」
シロナ「いいからいいから!こっちよ!…あ、チャンピオン以外入れないんだっけ?
まあいいか、チャンピオンが許可します!」
梓「ちょ、ちょっと!」
唯「私も行く~!りっちゃん早く!」
律「先に行ってて!…澪」
澪『うん…』
律「私たちは、シロナに当分勝てそうにない…だから」
澪『分かってる…出来ればこの手は使いたくなかったけど、仕方ないよ』
律「ごめんな…頼んだ」
………………
殿堂入りの部屋
梓「暗いですね…」
シロナ「足元、気をつけてね」
ビー!ビー!
梓「なんか警報が鳴ってますが」
唯「どこかで火事でもあったのかな?」
シロナ「それより、この機械なんだけど!」
梓「(それより?)これですか・・・見た目は普通のパソコンと大して変わらないですね」
カタカタ
梓「うーん・・・すいません。やっぱり私じゃわからないです」
シロナ「いいよいいよ。それなら別の方法を使うまでだから」
律「お待たせ!どうだった?」
梓「アクセスは出来なかったです・・・」
シロナ「ねえ。データってどこに保存されてるのかな?」
梓「どこにって・・・たぶんこの本体に入ってるハードディス・・・」
バキバキ!
梓「って、何やってるんですか!?」
シロナ「何って・・・本体を取り外そうとしてるんだけど、よいしょ」
律「そ、そんなことしちゃっていいの?」
シロナ「ダメよ」
律「ダメなのかよ!」
ビイイイイ!ビイイイイ!
梓「警報が強くなってます・・・」
………………
四天王 第一の部屋
ワタル「カンナ!」
カンナ「ええ、私にも連絡は来てるわ。面倒なことになったわね」
シバ「うーはー。殿堂入りの部屋にチャンピオン以外が侵入、
さらに殿堂入り用コンピューターに被害・・・」
ワタル「殿堂入り用のコンピューターは外部のネットーワークから遮断され、
機密情報も多く入っている・・・悪用すればリーグの存続も危うくなる」
カンナ「あの子たちがそんな事するとは思えないけどね・・・」
ワタル「ああ、俺もセンサーの誤作動かなんかだと思っているんだが、
四天王に就任して以来こんなこと無かったからな。キクコはどこかに行ってしまったし」
カンナ「でも、一応リーグの規則通りに対処しないとね」
ワタル「規則では、このような場合四天王はチャンピオンの部屋に踏み込んではいけないことになっている」
シバ「うーはー!?なぜだ!戦うべきでは?」
ワタル「チャンピオン、またはチャンピオンを倒した者がポケモンリーグに敵対行為を働いているとすれば、俺達四天王では勝てないかもしれない・・・という考えからだろう」
シバ「うーはー!なめられたものだ!」
ワタル「俺もそう思う。だが規則は規則・・・破って役員どもに文句を言われるのも面倒だろ? とにかく、戦力が集まるまで戦ってはならないんだ」
シバ「戦力・・・というのは?」
カンナ「もう。少しは規約を頭に入れておきなさいよ・・・」
………………
殿堂入りの部屋
シロナ「うーん・・・」ググググ
シロナ「無理・・・私の力じゃ取り外せない」
唯「手伝うよ!ゴン太!かいりき!」
ゴン太「・・・ごん」
バキバキバキ!バキイ!
唯「取れた!」
シロナ「おお、やるね」
律「あーあ・・・」
梓「やっちゃいましたね・・・」
シロナ「さ、それを持って逃げましょう!」
唯「に、逃げる?」
シロナ「ええ、せっかく君たちに出会えて、
殿堂入りのデータが入ったコンピューターも手に入ったんだもの。
リーグ期間が終わるまでのんびりチャンピオンなんてやってられないわ!」
律「なんつー人だ・・・」
唯「なんかかっこいい!」
梓「逃げるのはともかく、機械を強引に取り外して奪って行くのは完全に犯罪ですよね・・・」
シロナ「会いたくないの?母さんに」
唯「確かに!」
律「まあ・・・ムギに会うためだからしょうがないよな?」
梓「私は知りませんからね」
シロナ「じゃ、出ようか!」
四天王 最後の部屋
律「誰もいないな・・・」
ツカツカ
四天王 第二の部屋
唯「ここもいないね~」
ツカツカ
四天王 第一の部屋
梓「やっぱり誰もいないです」
シロナ「外に強いトレーナーの気配を感じるわ・・・」
律「四天王が外で待ち構えてるのかな」
シロナ「とにかく戦いになるかもしれないから構えといてね」
唯「はーい!」
………………
ポケモンリーグ 入口前
ウィーン
ワタル「出て来たな・・・シロナと、君たちか」
唯・律・梓「・・・」
シロナ「お出迎えありがとう」
ワタル「君が抱えてる機械は殿堂入り用のコンピューターだな?」
シロナ「ええ。諸事情により貰って行くことにしたの」
ワタル「分かっていると思うが・・・それにはポケモンリーグの機密情報も入っている。
持って行くのはリーグに対する敵対行為だぞ?チャンピオンの権利も剥奪される」
シロナ「いいよ。どっちにしろもう行くから」
ワタル「どこに?」
シロナ「秘密」
ワタル「君らもシロナの協力者か?」
シロナ「どうする?私と一緒に行く?」
律「ここまで来たら・・・行くしかないでしょ」
唯「もちろん行くよ!」
梓「ムギ先輩に最も近い人物に会えたんですからね」
シロナ「それは私にとってのあなた達も同じよ。
じゃあ決まりね!」
ワタル「・・・とにかく、君らは共犯ってことでいいんだな」
シバ「うーはー!残念だ!」
カンナ「あなた達の目的は何なの?」
唯「私たちはムギュ」グッ
シロナ「唯ちゃん・・・それを話しちゃったら状況がややこしくなるわ」
律「すでに充分ややこしい状況になってる気がするけど・・・」
シロナ「ワタルさん・・・頼んでも道を開けてくれないよね?」
ワタル「当然だ」
シロナ「じゃあ、突破するしかないわね」
ワタル「こちらは3人、そちらは4人だから数で押し切れるとでも?
随分なめられたものだな・・・だが我々の戦力はこれだけではないぞ!」
シロナ「・・・!」
ギュオン!バッサバッサ・・・ズン
ワタル「戻ったかカイリュー」
スタッ!
イブキ「ワタル様!お久しぶりです!」
ワタル「良く来てくれた、イブキ。全員連れてきてくれたな?」
イブキ「はい!ワタル様のご命令とあれば!」
ゾロゾロ
梓「増援!?」
律「1,2・・・8人も!」
唯「誰ですか・・・あの人たちは?」
シロナ「ジョウト地方のジムリーダー達よ・・・勢ぞろいね」
律「じじ、ジムリーダー!?」
シロナ「ええ、私はジョウトのジムバッジを集めてリーグに挑んだから彼らとは一応顔見知りよ」
梓「ジムリーダーまで・・・!」
ワタル「わかるか?君たちの行為はこれほどの非常事態なんだ」
ハヤト「シロナさん。あなたはこのようなことをする人物だとは思っていなかった・・・!」
シロナ「ごめんね。こっちにも事情があるのよ」
ハヤト「その子たちが反乱の協力者か・・・俺はキキョウシティジムリーダー、ハヤトだ」
律「そんな・・・反乱なんてしてるつもりは」
マツバ「自覚がなくても君らの行為は立派な反乱だよ・・・おっと、俺はエンジュシティジムリーダーのマツバ」
ツクシ「あれ?名乗る流れですか?僕はヒワダタウンジムリーダー、ツクシです!」
唯「まだ子供みたいなのにジムリーダーなんだ!すごいね~」
ツクシ「どうも!先日就任したばかりです!」
アカネ「のんきに話してる場合ちゃうでー!ウチはコガネシティジムリーダーのアカネちゃんや!あんたらよく覚えときー」
梓「(自分にちゃん付ね・・・)」
シジマ「うおお!またシロナと戦えるとはなあ!わしはタンバシティジムリーダーのジジマ!」
シバ「(うーはー・・・こいつ、いい身体してやがる!)」
ヤナギ「わしはチョウジタウンジムリーダーのヤナ、ゲホッ!ゴホンッ!!」
ミカン「だ、大丈夫ですか!あ、あのう・・・私はアサギシティジムリーダーのミカンと申します」
イブキ「私はフスベシティジムリーダーのイブキ!覚悟しなさい反逆者ども!」
ワタル「さて・・・本当に従う気はないんだな?」
唯「う、うん!」
律「・・・おう!」
梓「はい!」
シロナ「ふふ、そういうことだから」
ワタル「良いだろう・・・
君らはこれよりポケモンリーグの敵対者とみなし、我ら四天王とジムリーダーが倒す!」
唯「でも、みんな強そうだよう・・・どうしよう」
律「そりゃジムリーダーだからな」
梓「あ、でもジムリーダーが集まるならもしかして」
ワタル「君らとカントージムリーダーは仲が良いと聞いている。変な気を起こされては困るので彼らは呼ばなかった」
梓「そんなあ・・・」
律「相手は11人・・・どうするの?」
シロナ「ちょーっときついかな・・・」
シロナ「こうなったら私が・・・ん?」
唯「どうしたんですか?」
シロナ「大勢の足音が・・・」
ドドドドドド
ワタル「何だ・・・?」
ドドドドドドドドドドドド
澪「攻撃開始!」
ロケット団員「了解!」
「うおおおおおおおお!」
ドドドドドドドドドドドドドドド!
カンナ「ロケット団!?」
ワタル「しかもこんなに大勢だと!?ヤマブキの戦い以降、活動はなかったと聞いているが・・・!」
澪「ジョウトジムリーダーと四天王たちを食い止めろ!」
「うおおおおおおおおお!」
ワーワーワー
マツバ「くそっ!なんて数だ!ゴースト!」
シジマ「相手が増えてうれしいわい!ニョロボン!迎え撃て!」
ワーワーワー
律「澪!」
梓「澪先輩!」
唯「澪ちゃん!来てくれたんだね!あ、この子返すね!」
澪「ありがとう!お帰り、ばさ☆ばさ」
シロナ「あなたが澪・・・って、ロケット団だったの?」
澪「はは、いろいろと事情がありまして」
団員「あれ、澪隊長の娘さんじゃないか!久しぶりですね!」
律「む、娘!?」
梓「あ、あなたはヤマブキの・・・ロケット4兄弟さん?」
団員「そうそう。いやーあの時は悪かったね。なんか記憶が途中で途切れてるけど」
唯律「ギクッ」
梓「あ、あの・・・実は、私澪先輩の娘じゃ」
他の団員「おお!この人が例の澪隊長の娘さんか!」
他の団員「澪隊長に似てる気がするなー!」
唯「あ、あずにゃんって、澪ちゃんの子供だったの?」
梓「違いますよ!澪先輩否定してください!」
澪「何度も否定したんだけど・・・ロケット団内で完全に噂が広まっちゃって・・・。
もうどうにもならないから否定するのやめたんだよ・・・」
ツクシ「ストライク!シザークロス!」
ワー ギャー
アカネ「ミルタンク、転がるや!・・・ああもうどんだけ集まっとんねんこいつら!」
ワーワー
澪「・・・急いで逃げよう。もう時間がない」
唯「でも、団員さん達が」
澪「頃合いを見て撤退するように指示してある!律、プテラを!シロナさん、飛べますね!?」
シロナ「ええ、トゲチック!」
律「行け!ジョーカー!梓、唯、掴まれ!」
シロナ「3人はきついでしょ?もう一人ならこっちに乗れるよ!」
梓「あ、はい!じゃあ私が!」
澪「ばさ☆ばさ、空を飛ぶ!」
バッサバッサ
澪「ついてきて!」
澪「お前たちもきつくなったらすぐ撤退するんだぞ!」
団員「了解です!親子仲良くしてくださいねー!」
梓「・・・」
澪「と、とにかく隠れ家に案内するから!こっちだ!」
律「澪についてけジョーカー!唯、振り落とされるなよ?」
唯「大丈夫!」
シロナ「トゲチック、今は私だけじゃないからあまり揺らさないでね。
梓ちゃん、大丈夫?」
梓「はい、お構いなく!」
ワーワー ギャーギャー
ワタル「飛んで行っってしまったが・・・こいつらの相手で追えん!」
ハヤト「・・・!」
団員「澪隊長と娘さんの為に!なんとしても食い止めろ!」
「おおおおおおおおおお!」
最終更新:2012年09月26日 23:25