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和「実際、ニートじゃない」

唯「ぐさっ!」

和「あんたさあ、もう本当に働くってことを考えなきゃダメよ。
  いつまでも憂に頼ってばかりじゃいられないでしょう」

唯「いいんだよー、憂ならずっと私の面倒を見てくれるし」

和「あんたねえ……」

唯「私はこのままニート生活を貫くよ!」

和「誇らしげに言うことじゃないわよ。
  ……っと、そろそろ会社に戻らないと」

唯「じゃねー、和ちゃーん」

和「はいはい、またね」


唯は高校卒業後、
願書を出した時点で合格が決まるような
超底辺大学へと進学し、
4回留年した末にお情けで卒業させてもらった。
そんな唯に就職口などあるはずもなく、
もう何年もニート生活を続けていた。

唯「はーあ、まだ5時かー。
  憂が帰ってくるまでにはまだ時間あるなあ」

唯「でも今月のお小遣いももうピンチだし……
  家に帰ってゲームでもしよ」



平沢家。

唯「……」ぴこぴこ

唯「……」ぴこぴこ

唯「……」ぴこぴこ

唯「……」ぴこぴこ

唯「あーもうゲームも飽きたなあ」

唯「ニコニコ動画でも見よー」

唯「……」

唯「……」

唯「……」

唯「……」

唯「憂おそいなあ」

ガチャ
憂「ただいまー……」

唯「あー、憂! もう、遅いじゃん!
  今何時だと思ってんの!?」

憂「えと、9時……
  ごめんね、残業が長引いちゃって」

唯「ほんとにもう、残業なんかしてないで
  さっさと帰ってきてよ!
  こっちはお腹すいてんだから!」

憂「うん……今すぐ作るから、ちょっと待っててね」

唯「早くしてね!
  私、部屋でゲームしてるから、出来たら呼んで!」

憂「うん…………」

唯「……」ぴこぴこ

唯「……」ぴこぴこ

唯「……」ぴこぴこ

唯「おなかすいたなー」

唯「憂ー!! ごはんまだー!?」

憂「ごめーん、もうちょっとだからー!!」

唯「早くしてよー!!」

憂「はーい!!」

唯「まったくもう……」ぴこぴこ

唯「……」ぴこぴこ

唯「……」ぴこぴこ

憂「お姉ちゃーん、ご飯できたよー」


唯「もう、遅いよ!
  私どんだけお腹すいてたと思ってんのさ」

憂「ごめんなさい」

唯「しかもまたスーパーのお惣菜じゃん!
  閉店間際で半額のやつでしょ」

憂「うん……ごめん。
  でもお姉ちゃん、これ好きでしょ?」

唯「好きだけどさあ……
  こう惣菜ばっかりだと嫌になるよ」もぐもぐ

憂「ごめんなさい」

唯「謝れば良いと思ってない?」もぐもぐ

憂「う……そんなことないよ……
  今度からちゃんとご飯作るから……」

唯「頼むよ、もう」もぐもぐ

憂「うん……いただきます」もぐもぐ


唯「そうだ、今日、漫画買いに出かけたらさあ」もぐもぐ

憂「うん」もぐもぐ

唯「和ちゃんに会ってさ」もぐもぐ

憂「へえ」もぐもぐ

唯「いいかげんに働け~って怒られちゃった」もぐもぐ

憂「ふうん」もぐもぐ

唯「働けるわけないじゃんね~、
  この不景気にさー、学歴も資格もない私じゃさー」もぐもぐ

憂「そうだね」もぐもぐ

唯「だからさ、私はずーっとニートやるって言い返してやったんだ」もぐもぐ

憂「そうなんだ」もぐもぐ

唯「うん、憂がいれば私はいつまでもニートでいられるもんね!」もぐもぐ

憂「……うん、お姉ちゃんは私がずっと面倒見て上げるよ」もぐもぐ

唯「わーい、さすが憂だよ!」もぐもぐ


憂「……」

唯「あれ、もう食べないの?」もぐもぐ

憂「なんかお腹痛くなってきた」

唯「あっそう、じゃあ私がもらうよーん」もぐもぐ

憂「うん、いいよ」

唯「あっそうだー、今日ニコニコ動画でねえ」もぐもぐ

憂「うん」

唯「改造マリオの新しいのが出ててねえ、
  これがまた面白かったんだよー」もぐもぐ

憂「へえ」

唯「憂にもあとで見せてあげるね!」もぐもぐ

憂「ありがとう……私、お風呂沸かしてくるね」

唯「へいへーい」もぐもぐ


唯「……」もぐもぐ

唯「……」もぐもぐ

唯「テレビでも見よ」もぐもぐ
ピッ

唯「……」もぐもぐ

唯「……」もぐもぐ

唯「……」

憂「ふう……あ、お姉ちゃん、食べ終わった?」

唯「そんなことよりテレビ見てよ、憂!」

憂「? ニュース……?」

唯「民主党がまたやらかしたんだよ!
  これだから民主党はダメなんだよ! 分かる、憂?」

憂「うん、2ちゃんねるで言ってたんでしょ」

唯「そうだよ、マスコミより2ちゃんねるのほうが正しいんだから」


憂「ネットもいいけど、ほどほどにね……
  じゃあ食器洗うから……」

唯「その前にー」

憂「? その前に?」

唯「デザートだよ、食後のデザート!!
  買ってきたんでしょ!?」

憂「あっ……ごめん、買うの忘れちゃった……」

唯「えーっ、なんでー?
  もう、ほんと役立たずだな~、憂は」

憂「ごめんなさい」

唯「じゃあ、ん」

憂「?」

唯「私が自分で買ってくるから、お金ちょうだい」

憂「あ、うん……」

唯「ほらはやくー」

憂「うん……500円でいいかな」

唯「えー!? 500円ー!?」

憂「でも食後のデザートなら、これくらいで充分で……」

唯「確かにね、500円なら買えるよ、
  コンビニでアイスとかケーキとかさ。
  でもさ、それは憂が行った場合」

憂「? 意味が……」

唯「今の場合は私が買いに行くんだよ?
  憂が買うの忘れたせいで、私が行くはめになったんだよ?
  そこに憂は責任を感じない?」

憂「感じるよ」

唯「じゃあ、そのぶんお金を多くちょうだい、って言ってんの」

憂「うん……じゃあ1000円でいいかな」

唯「1000円かー……まあいいや、これで許してあげる」

憂「うん、ごめんねお姉ちゃん」

唯「じゃー行ってきまーす」
ガチャ

憂「行ってらっしゃい」

唯「……」てくてく

唯「……」てくてく

唯「……」てくてく

唯「……」てくてく

唯「せっかーいでえー
  いっちーばんおっひめえさっまー♪」てくてく

唯「そおいーうあつかーいー
  こころーえーてーよねー♪」てくてく

唯「さぶいなー……」てくてく



コンビニ。

澪「いらっしゃいませー……お、唯か」

唯「ちょりーっす」

澪「久しぶりだな」

唯「そういえばしばらく会ってなかったね。
  コンビニのバイトはどう?」

澪「やる前は不安だったけど、今はもう大丈夫だよ」

唯「へえー」

澪「唯はバイトとかしないのか」

唯「えー、だるいじゃーん」

澪「そんなことないぞー、働くのって楽しいぞ」

唯「おお、元ヒッキーのくせに労働が楽しいとな」


澪は高校卒業後、
願書を出すことさえ畏れ多いような
超エリート大学へと進学し、
4回生の時に人間関係につまずいて
引きこもりになってしまった。
ずっと引きこもり生活を続けていたが、
数年前からコンビニのバイトをはじめていた。

唯「これとこれとこれ、くださいな」

澪「アイスばっかりだな、この寒いのに」

唯「寒いときに食べるから美味しいんだよ」

澪「おまえ、ぜんぜん変わってないなー……
  えーと、3点で470円になります」

唯「はいはい」

澪「1000円お預かりいたします。
  530円のお返しです、ありがとうございましたー」

唯「うーん、すっかりレジ打ちが板についちゃって」

澪「ははは、こやつめ」


平沢家。

唯「ただいまんこ!」

憂「お姉ちゃん、そんな下品な言葉を大声で言わないで」

唯「いーじゃん別に、2ちゃんでは普通だよ」

憂「2ちゃんの普通はリアルの非常識だよ」

唯「ほほう、憂も2ちゃんに詳しくなったね」

憂「お姉ちゃんの言動を見てれば分かるよ」

唯「まーいいや、アイス食べよーっと」

憂「3つも買ったの? お腹壊すよ」

唯「全部一度に食べるわけないじゃん、
  また憂が買い忘れてくるかも知れないから、
  そのときのために置いとくんだよ」

憂「あ……そう」

憂「私、お風呂はいるね」

唯「ダメだよ! なんで憂が一番風呂なのさ」

憂「え」

唯「私がお姉ちゃんなんだから、私が先なの!
  憂は後から!」

憂「あ、うん……」

唯「まったくもう、身分ってのをわきまえてよね」

憂「ごめんなさい」

唯「分かればいいんだけどさあ……まったく」
ガチャ

憂「……お姉ちゃんって無駄に長風呂な上に
  後が汚いから嫌なんだよね……」

ガチャ
唯「なんかいったー?」

憂「なんでもないよ」



2時間後。

唯「ふぃーいいお湯だったあー」

憂「あ、やっと上がった……じゃあ私はいるね」

唯「ふいふーい……
  あ、もうこんな時間じゃん。
  アニメ始まっちゃうよ」
ピッ

唯「……」

唯「……」

唯「アイス食べながらみよ」

唯「……」もぐもぐ

唯「……」もぐもぐ

ピリリリリリ

唯「!?」


2
最終更新:2010年03月02日 01:04