憂「そうだよ、もう6時だよ」
唯「あーそう、じゃあそろそろ寝よっかなー……
ふぁああ~あ……」
憂「…………」
唯「おやちゅみ~」
憂「……今日、米澤さん連れてくるから。
3人で話をしよう」
唯「へいへーい」
ガチャ
唯「まーったく、憂は口うるさいなあ」
唯「夕方まで寝るかあ」
唯「……ぐう」
…
……
………
…………
……………
梓「……」てくてく
唯「あ、あずにゃんだ」
梓「……」てくてく
唯「あずにゃーん、おーい」
梓「……」てくてく
唯「聞こえてないのかなー」
梓「……」てくてく
「先生、おはよー」
「おはよーございまーす」
唯「先生?」
梓「あ、おはよう、みんな」
「先生、今日リコーダーのテストですよねー」
梓「そうだよー」
「うへえー、全然練習してねえよー」
「俺昨日2時間くらいリコーダー吹いたわ」
「先生ー、採点甘めにしてくださいねー」
梓「だめだめ、きっちり点つけるからね」
「先生厳しいよー」
「朝休みのうちに練習しようぜ~」
「そうだなー」
梓「そうそう、練習すればきっと結果はついてくるから。
頑張りなさい」
「はーい」
「いこうぜー」
「先生~、また2時間目に会おうねー」
梓「はーい、頑張ってね」
梓は高校卒業後、
地元の大学へと進学し、
教職課程に進んで音楽教師になった。
今は非常勤ながらも小学校に勤めている。
梓「はい、じゃあ今日の授業はリコーダーのテストをしますよ」
「えー」
「ぶーぶー」
「練習してないよー」
「どんとこいです」
梓「ほら、うだうだ言わないのー。
じゃあまずみんなで軽く練習するよ」
「はーい」
梓「ピアノに続いて吹いてね、いくよー」
「ピーピピープピピー」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
律「ふああーっとな」
唯「あ、りっちゃん?」
律「おーい、起きろ起きろ。遅刻すっぞおー」
唯「りっちゃーん、おーい……」
律「ほらー、いつまで布団にしがみついてんだ~」
「んーまだねむいよー」
「ママー、たっくんがおもらししてるー」
「あー……ママー……」
律「だーもう、まったく……
ほら、2人は早く朝ご飯たべてこい、
たっくんはこっちに」
唯「……」
「ママー、私のお箸ないー」
律「えー、自分でとってくれー」
「はーい……あ」
ガラガラガシャーン
「ふぇえ……」
「あーゆうちゃんがお箸ひっくり返したあー」
律「だあああ、もう、仕事増やさないでくれよおー」
「ごめんなさいママ」
「やーい怒られたー」
律「いいから早くご飯食べろっての」
律は高校卒業後、
入試を受けた時点で合格が決まるような
底辺大学へと進学し、
サークルにバイトにと青春を謳歌した挙句
はじめてできた彼氏の子を妊娠してしまい、
そのまま大学を辞めて結婚という流れになった。
今では3児の母だ。
律「もー、お母さんだって仕事いかなきゃならないんだからさー、
せめて朝くらいはおとなしくしてくれよー」
「仕事やめればいいじゃん」
律「馬鹿、仕事もしない人間が生きていけるほど
社会は甘くねえんだよ」
「俺も仕事してないよ」
律「子供は勉強が仕事だろ。
ほら、早く学校行く準備して、ほらほら」
「はーい」
「ママ、髪の毛くくって~」
律「はいはい、ちょっと待っててねー」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
紬「……」てくてく
唯「あ、ムギちゃん……」
紬「……」てくてく
唯「どこ行くんだろ」
紬「…………」
ガチャ
「はっ、しゃ、社長!」
「おはようございます!」
「おはようございます!」
「おはようございます社長!」
紬「おはよう。今日の会議の資料、ちゃんと揃ってる?」
「はい、ここに」
紬は高校卒業後、
ヨーロッパの大学へと留学、
経営学を叩き込まれて日本に戻り、
今は年商100億の会社を営んでいる。
紬「対外向けのプレゼンは?」
「あっ、もうすぐ出来上がるところです!」
紬「もうすぐですって?
今朝までにやっておきなさいと言ったでしょう!!
何をぐずぐずしていたの!!」
「申し訳ありません!」
紬「謝って済むことですか!
わが社は能なしに払う給料は一銭もないのですよ!
いえ、わが社だけではありません。
この世界において、働かない人間は死するのみです。
分かっているのですか!」
「はい、重々承知しております!」
紬「ならばさっさと仕上げてしまいなさい!」
「は、はい!」
唯「……ムギちゃん、変わったなあ……」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
和「ふっ……ううーん……」
唯「あ、和ちゃん……」
和「疲れたあー……」
「お疲れ、真鍋さん」
「いやあー、君が来てくれて助かったよ」
「そうですね、真鍋さんがいなかったらどうなってたか」
和「いえいえ、たいしたことは……
じゃあ、持ち場に戻りますね」
「ああ、ありがとう」
和「……」
「あ、真鍋さん! ちょっといいかしら」
和「はい、なんです?」
「この資料なんだけど……」
和「あ、それならこっちのデータと……
あとはこれもあると良いんじゃないかと」
「あ、そうね、ありがとう。
いやー助かるわー」
和「いえいえ」
和は高校卒業後、
願書を出すことさえ許されないような
超スーパーエリート大学にトップの成績で入学し、
トップの成績で卒業したあと
国内でもトップの企業に就職、
職場内でもトップの人材として日々活躍している。
「真鍋さん!」
和「あ……藤東さん」
「今夜、暇かな……良かったら」
和「ええ、いいですよ。お誘いいただけるなんて、久々ですね」
「はは、どうにも仕事の都合がつかなくて」
和「ふふ、お互い忙しい身ですから、仕方ありませんね」
「そうですね……あの、じゃあ今夜、いつものところで」
和「はい、分かりました」
「あと、それから……今日は、大事な話もありますので」
和「えっ……」
「そ、それじゃ」
和「…………ふふ、まさかね……」
唯「……」
唯「和ちゃんも彼氏いるのか……」
唯「そりゃそうだよね、普通に生きてたら彼氏くらい……」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
唯「……あれ、ここはコンビニ……」
澪「いらっしゃいませー!」
唯「澪ちゃん……」
澪「2点で630円になりまーす!
こちら温めますか?」
「いや、いいよ」
澪「はい、ありがとうございまーす。
また起こし下さいませ~」
「秋山さん」
澪「あ、店長」
「よく働いてくれてありがとうね。
感謝してるよ」
澪「いえそんな、私なんて……」
「いやいや、謙遜することないって。
2年前、ビクビクしながら面接にやってきて、
話してる途中に泣き出したときはどうなるかと思ったけど」
澪「も、もう、そんな昔のことはいいじゃないですかっ」
「でも今は立派に働いてくれて良かったよ。
秋山さんはどうだい、働いてみて」
澪「え、はい……私、ずっとひきこもってて、
人前に出るのが怖かったんですけど……
でも、今はもう大丈夫です。
将来はどうなるかわかんないですけど、
今はこのバイトでお金貯めて、
親に恩返ししようかなって」
「そうか、えらいね」
澪「いえ、親にはずっと迷惑ばっかりかけてきましたから……
それくらいしないと」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
唯「私は……」
唯「……」
……………
…………
………
……
…
唯「はっ」
唯「夢か……」
唯「今……5時か」
唯「寝すぎた……」
唯「……」
唯「頭痛い……」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
唯「変な夢だったな……」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
ガチャ
憂「ただいまー」
唯「う、憂?」
憂「今日は無理言って定時で帰らせてもらったよ」
唯「あ、そうなんだ」
憂「で、こっちが私の彼氏の……」
最終更新:2010年03月02日 01:06