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唯「今日は憂とデートだ楽しいデート♪」るんるん

唯「どの服着ていこうっかなぁ」

唯「ワンピースもいいなぁ。でもこっちのブラウスもいいなぁ」

唯(あ~う~ん。どっちにしようか迷うううう)じたばた

つるり

唯「うわっ!!!」ごちぃん

唯「むきゅ~」


… … …


唯「あいたたた(滑って転んじゃったよ)」

唯「ってここどこ!私いつ外に出たんだろう」

唯「憂どこにいるの?うーいー!」


―――― 時は慶応2年、幕末の江戸であった


唯「うう風が冷たいよぅ」

唯(なんでこんな丘に?憂はどこ行っちゃったんだろう)

唯「うーいー!うーいー!」

がさがさ「草むら」

唯「ひいっ、だだだだだだだれ?」

侍「むむ。お主何奴」

唯「えええええとぉ何奴っていいますかあのですね」きょどり

唯(あれ、どこかで見たことあるカッコだなぁ。うーんうーん…)

唯「分かったお侍さんだ!」

侍「おなごに侍が務まものか!しかし何だその珍妙な格好は」ぎろり

唯「えっとぉこれは制服っていうんですけど」

侍(せいふく…せいふく…?)

侍「貴様っ謀反を企んでおるのか!」しゃきん

唯「ええー!?」

侍「正直に白状せい!」しゅいん

唯(どどどどうしよう殺されちゃうよ。誰か助けてっ!)

「お侍さん。ちょいとお待ち下さい」

侍「むむむ。ただの町娘か、用がなければ早々に立ち去れぃ」

唯(町娘?どう見ても顔は)

「ちょいと知り合いの染っ子なもので。
 染料を塗りたくっては痛いけな格好をする変わった子なのですわ」

侍「ほぅ。どおりで抜けた顔をしておるはずだ」

唯「りっちゃん!」

律「あれ?何で私の名前知ってるんだ」

唯「りっちゃんはりっちゃんだからだよ。どうしたのその格好」

律「どうしたというか普通の格好なんだけど」

唯「なんか地味だし。ますます色気が下がっちゃうよ」

律(何だコイツ…助けようなんて思うんじゃなかった)

侍「貴様ら拙者を無視するとは何事か、無礼者め!」しゃきゅぃん

唯律「ひいいぃぃ!!」


侍2「おい!怪しげな旅宿を見つけたぞ、早く来い」

侍「なぬっ。命拾いしたな」すたこら

唯「ふあぁ怖かったぁ」

律「全く何でこんな目に」

唯「りっちゃんが助けてくれるなんて見直しちゃった////」ほれり

律「何だその普通なら見捨てたはずだみたいな言い方は」

唯「だっていつもそんな感じじゃん」ぶーぶー

律「はぁ?私はお前に会うの初めてだと思うんだけど」

唯「りっちゃん頭大丈夫?唯だよ、ゆーい」

律(コイツことごとく頭にくるな)


律「いーや知らん。これでも記憶力はいい方なんでな、そんじゃ」

唯「りっぢゃんおいでがないでえぇ。こごは一体どこなのぉ」うるり

律「江戸じゃなきゃどこだって言うんだ」

唯「江戸村はこんなに広くないって知ってるよおぉおぉぉ」うるるり

律「うわっコラ、抱きつくなって」

律(あれっこの擦れる感じ、変な服だと思ってたけどかなり上質な生地だ)

律「…とりあえず私ん家来るか?」

唯「いくいく!でも風邪はうつさないでね」

律「私ん家はかびの家か!ともかく来るんなら付いて来い」

唯「ありがとう流石りっちゃんだよ」

律「まあ乗過ごした船ってやつだよはっはっは」

律(こいつはいい金づるになりそうだぜ)


りつんち!

唯「りっちゃんち違う。りっちゃんちもっと大きい」

律「いいから中に入れ。ただでさえ変な目で見られてるんだから」

唯「まぁいいや。おじゃましまーす」

聡「なんだよねーちゃん。また変な奴拾ってきたのかよ」

律「別にいーだろ減るもんじゃないし」

律(逆に増えるかもしれないぞ)ごにょり

聡(それ本当なのかよ)ごにょり

唯「何の内緒話ししてるの?」

律「いんやーこっちの都合だから気にすんな」

唯(なんかアヤシイ…)

律「ともかく着替えろよ。ここに来るまでに周りの格好見てきたろ」

唯「うーん。でもこれしか持ってないし」

律「心配すんなって私のを貸してやる。それに唯(だっけ)は着物の方が似合うと思うぞ」

唯「りっちゃん…」ごごご

律(もしかしてバレたか!?)

唯「ありがどぉうぅぅ」うりゅり

律「いやぁそんな気にするなって」

律(計画通り)


おきがえ!

唯「なんだかお股がスースーするよ?」

律「その台詞を絶対に外で言うんじゃないぞ」

聡「そういえばねーちゃん団子屋行くんじゃなかったのかよ」

律「やっべ忘れてた!親方にぶん殴られる」

律「ともかく唯のせいで遅れたんだから一緒に来い!」だっしゅ

唯(そんなの滅茶苦茶だよぉ)

律「すんませんすんません。代わりといっちゃなんですがもう一人連れてきましたんで」

親方「また遅刻かァ言い訳はいいから注文とってきやがれ!」かりかり

律「がってんです!」

唯「こわもてですね!」

律「いいから店に出るぞ。注文の取り方くらい分かるよな」

唯「文化祭でやったから何となく分かるよ~」

律「ぶんかさい?歌舞伎の一種か何かか、とにかく行くぞ」

唯「おー…お!?澪ちゃんがいる」

澪「あ、どうも」

唯「澪ちゃんもここで働いてるんだねっ」

澪「あぁ律の知り合いね。今日はよろしく」

唯「着物姿の澪ちゃんも可愛いな~」

澪「そっそんな事いきなり////」てれり

律(私との態度があからさまに違くないか?)

親方「くおらァたれが腐っちまうだろうが。早く注文とってこいやァ!」



おしごと!

唯「みたらし三本に味噌こんにゃくお待たせしました~」

男「へぇ新しい子かい。名前は何ていうんだ」

唯「唯っていいます~」

男「ほう。女郎ならば花魁にまで昇れそうなとろい目をしてよる」ぐへへ

唯(じょろう?おいらん?)

唯「トロイは木馬だって憂が言ってましたよ~」

男「ほほう。馬乗りが好きと申すか、中々大胆な女子だな」ぐひへ

唯「あはは~」

男「ここだけの話、お主がその気なら手を回してやらなくもないが」

唯「回すなら団子をまわしましょうよ~、タレがほとんど落ちちゃってますよ」

男「全くこいつは一本取られた」はっはっは

澪(口達者な人なんだ、後で教えてもらおうかな)

親方(いつになったら俺の作った団子食べて貰えるのかなァ)



親方「いやァ今日はなかなか売れたな。こいつは日当だ」

律「どうもどうも、って私だけ少ないんですけど」

澪「当たり前だろ、遅れるほうが悪い。それで、唯さんは凄い慣れてるんですね」

唯「そんなことないってばぁ。それから敬語じゃなくてもいいよ、さんもいらないから」

澪「じゃあ。ゆいっ////」でれり

律「はいはいはーいそこまでな。今日はもう帰って寝ましょう」むかむか

澪(今日に限って変な律…)

律「あ、そういえば唯ん家ってどこにあるんだ?」

唯「ん~、一応滋賀県なんだけど分かるかな。琵琶湖の辺り」

律「琵琶の湖だと!?もの凄い遠いじゃないか、どうやってここまで来たんだよ」

唯「えっとぉ、服着替えようとしたら滑って転んで丘にいたんだよ」

律(こいつは重症だ…)

澪「とりあえず律が拾ったみたいだから律で面倒見ろよな」

律「へいへい。でも長居は困る、ってあれ唯はどこだ?」

唯「お団子運んでたら食べたくなっちゃった。親方、残ってるの下しい!」



律「で、稼いだ金を全て団子に変えたと」

唯「もうお腹一杯だよぉ」ぽんぽん

律「全くこんな調子でこれからどうするんだ。ただいま~」

聡「おかえり、ってそいつ泊まんのか?」

律「んまぁな。間抜けそうだし問題ないだろ」

唯(りっちゃんのくせに…)

聡「とりあえず朝にでも来てくれって言ってたぞ」

唯「なになに?もしかして明日も団子屋でバイトとか」

律「あー、いやー、大したことじゃないんだ本当に」

律(服をうっぱらいに行くなんて言えねえ)

律「それより腹一杯なら垢でもすってとっとと寝たほうがいいぞ」

唯「シャワー浴びれないなんて悔しい。でも我慢するよ」

律「んじゃ早く脱げ。そんでもっと聡はどっか行け」


ふきふき!

律(澪より全然綺麗な肌してる…)じろり

唯「りっちゃんどうかした?」

律「いいいや何でもないんだ。そこまで大きくもないなーってな」

唯「後ろからじゃちゃんと見えないでしょ!」

律「まぁそうなんだが。さっきまで澪といたからつい、な」

唯「ふーん。ここでも二人は仲いいんだ」

律「そこそこだな。聡がまた拾ってきたのかって言ったのは澪なんだよ」

律「お侍さんに青姦されそうになってたのを助けたんだ。それ以来あんな関係」

唯「そっかぁ。やっぱりこっちのりっちゃんも澪ちゃんが大好きなんだね」

律「だだだだいすきとか言うな!奥まで拭いてやろうかこのぅ」てれり

唯「そっ、そこは自分でできるからぁ////」あふぅ

――――障子――――

聡(いいぞねえちゃん。もっと色んな女拾ってこい!)しゅこり



よくあさ!

唯「ふあぁよく寝た」

唯(でもやっぱりベッドじゃないと慣れない)

聡「五つ時まで起きないなんて信じられねえ」

唯「よく寝る子は育つって言うんだよ」

聡(いいや、ねえちゃんと大差なかったぞ)

唯「そんでりっちゃんはどこ?」

律「ただいまーっと。おう唯、やっと起きたのか」

唯「なんか今日はご機嫌だね。いい事あったの?」

律「まあなー。それより町を案内してやるよ、しばらく余裕もできたし」

唯「えっ本当!りっちゃんありがと~」

律「そんじゃ早速江戸の町に繰り出すぜ」



律「ここが歌舞伎座だな。といっても馬鹿みたいに高いから入れないが」

唯「へ~。初代の海老蔵さんがいるのかなぁ」


律「ここが吉原だな。唯が団子屋で言われてた女郎が働く場所だ」

唯「なんか牢屋みたいのが見える。怖いとこなのかなぁ」


律「ここが奉行所だな。悪いことしたらここに連れてこられるんだぞ」

唯「門番のお兄さんが睨んでる。早く他行こうよ~」

律「そうだなぁ。後見るところといえば」

唯「あっ和ちゃん!」

律「へ、今奉行所から出てきた子か?おいおい、関わると危ないんじゃないか」

唯「和ちゃ~ん。私だよ~」

和「あら久しぶりね。こんなところまでどうしたの?」

律(本当に知り合いだ!まずい逃げよう)だっしゅ


唯「どうってわけじゃないけど。観光とかかな」

和(かんこう、って何かしら?)

和「よく分からないけど。ええと、ごめんなさい名前が思い出せなくて」

唯「ゆい、だよ~。和ちゃんは私のこと分かってくれるんだね」

和「似てるようで違う名前だったような気が」

唯「それで和ちゃんは奉行所で何してきたの?」

和「父が勤めているから弁当をね。前に教えたと思ったけど」

唯(前に?この時代で会ってたのかな)

和「まぁ私も名前忘れてしまっていたし。お互い様かしら」

唯「ねぇ和ちゃんあのさ」

和「ごめんなさい、あまり立ち話してる余裕はないの。家に仕事がたくさんあるから」

唯「そっかぁ。大変なんだね」

和「分かったわ。それじゃあまた」たたたぁ

唯「…ってあれ、りっちゃんがいない!」


律「ここにいるぞ」ひょこり

唯「なんで隠れる必要があるの?」

律「そりゃあ、もし罪人だったら大変なことになるだろうが」

唯「んとね。お父さんが仕事してるからお弁当持っていたんだって」

律「おいおい、役人さんの娘だったのかよ。随分と凄い人と知り合いなんだな」

唯「まぁね~」てへり

律(一体こいつは何者なんだ)

唯「これで和ちゃんにも会えたでしょ。てことはムギちゃんとあずにゃんもいるのかな」

律「よく分からんが人探しっていうことだな。どんな奴だ?」

唯「ムギちゃんはキーボードであずにゃんがギターやってるんだ~」

律「…そのだな。私にも分かる喩えをしてくれ、頼むから」

唯「ギターは私もやってるんだけど。こうやってジャカジャーンって」

律「それは三味線だよな。また偉い繋がりを持ってるもんだ」

唯「そういえば似てるね。んじゃあずにゃんを探しにいこ~!」


律「さて三味線の名家を訪ねてはみたのだが」

唯「見事に追い返されちゃったね」しょぼり

律「まぁ普通に考えて取り合ってくれるはずないよな」

唯「お侍さんほどじゃないけど怖かったね」

律「会えないんじゃ仕様がないな。そのむぎってのを先に探してみるか」

唯「むぅ。建物からは確かにあずにゃんの臭いがするのに」くくんか

律「その言葉さっきの人の前で言わなくて本当によかったと思ってるわ、今」

唯「しょうがないかぁ」

律「そうだな諦めて」

唯「出てくるまで待とう!」


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最終更新:2010年03月02日 01:47