紬「洞窟がくずれるわ!」
唯「じゅうたん!きて!」
ビューン!
唯「おお、きた!アイス持たなきゃ…アイスアイス~…」
アラジン「ジャスミン…」
律「落ち込んでる場合じゃないって!早くのって!」
アラジン「あ、ああ…」
唯「じゅうたん!全速力でギュッイーンって!」
ギュッイーン!!
―アラジンの家―
アラジン「じゃあジャスミンはアグラバーにはいないってことか…」
律「たぶんな」
アラジン「僕も一緒に連れてってくれないか?」
紬「それはできないの。」
アラジン「どーしてだい?」
律「ほらマーリンさんが…なんだっけ?」
唯「か、か…」
澪「干渉でしょ!」
唯「干渉!」
律「それ!」
唯「世界と世界は互いに極力干渉してはならないのです!」
アラジン「そんな…」
唯「大丈夫だよ!私たちが助けるから!」
律「そうそう、あいつらを倒すのも私らの目的の一つだしな。」
ジーニー「アル~!落ち込むなよ!まだ一つ願いが残ってるだろ!?
ほら言ってくれよ!ジャスミンを探してくれってさ!」
アラジン「僕は願う…」
ジーニー「任せろ!」
アラジン「ジーニーを自由の身にしてくれ!」
ジーニー「待ってろジャスミンって、アル!?」
キュイーン!
アラジン「これでいいんだジーニー…
初めて会ったとき約束したろ。最後の願いで自由にしてやるって…
でもよかったら彼女たちの力に―」
ジーニー「ヒャッホー!これでどこに行こうと自由だ!
もう人の言うこと聞かなくていいんだ!
おっとアル!もう俺は誰の言うことも聞かないぜ?」
アラジン「そうだな。おまえは自由だ。」
ジーニー「ただ…親友の頼みってやつはまだ聞いたことがないから
試してみてもいいかもな!」
アラジン「ジーニー…」
ジーニー「なあアル!俺たちは親友だよな!?」
アラジン「ああ親友だ!」
ジーニー「親友の頼みじゃ断れないな!おまえたちの力になってやる!」
律「言っとくけど連れて行けないからな。」
ジーニー「分かってるって!
魔人の俺が見たところおまえたちはまったく魔法を使いこなせてない。
そこで俺が能力を解放してやろうってわけだ!」
律「おーそれはかなり助かるな!」
唯「えー私うれしくない…」
ジーニー「唯は魔法使えないのか?でも大丈夫!
お譲ちゃんたちの中でMPは一番多いからこれで使えるようになるはずさ!」
唯「本当!?」
ジーニー「ああ!じゃいくぜ!」
パチン!
律「おお!」
紬「すごい。」
澪「力が湧いてくる!」
唯「おお!
まったくわかんない…!」
律「サンキューなジーニー!」
唯「いいもん!私にはアイスがあるんだから!!!」
パアア!
澪「扉だ。」
唯「よーし!次の世界へレッツゴー!」
アンセムレポート5
世界に闇が溢れるとその世界の扉は出現する。
ならばキングダムハーツもまた闇に反応して姿を現すはずだ。
ならば私が世界を覆う闇になろう。更なる闇へと進むために。
しかしキングダムハーツへの扉はどのように出現させる?
闇をあふれさせる器がない。
光の心が鍵となるのだろうか。
分からない。
しかし急いで探さなくてはならない。
私が心の全てを知るために
―モンストロ 口内―
唯「う…いたたたたた…」
目を覚ますとどこかの部屋の中にいた。
そして目の前にはおじいさんが立っている
おや…気づいたかね唯ちゃん?
唯「ふお!どなたですか!?」
ゼペット「わしはゼペットじゃよ。」
唯「あれ?ここは家の中だよね?…そういえばみんなは!?」
ゼペット「みんなそこで寝ておるよ。おまえさんが目を覚ますのを待っとるうちに
寝てしまったよ。よほど疲れてたんじゃな。」
唯「よかった!えっと、じゃあここはどこかな?」
ゼペット「ここはモンストロという巨大なクジラの中じゃよ。
わしらは飲まれてから長いんじゃ。
だから家を建てて生活しながら出る方法を考えておるんじゃ。」
唯「わしら?」
ゼペット「そう、彼がピノキオ。」
唯「へ?だれもいないよ?」
ゼペット「おや、また勝手に体の奥に行ったな。あれほど言っておいたのに…」
唯「うーん…みんなが起きるまで暇だし、ピノキオ君探してくるね。」
ゼペット「お―ありがたい。気をつけてね。」
―モンストロ 喉内―
唯「どこにいるのかな…」
こそこそ…
喉の方に進んでいくとすぐにその少年は見つかった。
唯「みーつけた!迷子になっちゃうといけないからおうちにかえろ?」
さらに少年の後ろから少女が出てきた。
梓「大丈夫ですよ。これからは私がこの子の面倒を見ますから。」
唯「あ…あずにゃん!」
梓「ほら、いこ!」
ピノキオ「うん!」
唯「ま、待ってあずにゃん!」
梓「ピノキオ君、先に行ってて。」
ピノキオ「わかった!」
梓を残してピノキオはさらに奥へと進んでいった。
唯「なんでこんなことするの!?これじゃ…まるで誘拐だよ…」
梓「心を持った人形なんてめったにないですから…
心を失くした人を復活させる方法が分かるかもしれない。」
唯「憂のこと…?」
梓「先輩には…関係のないことです…」
唯「こんな風に助けたって憂は喜ばないよ…」
梓「し、しつこいですよ…」
唯「あずにゃんは何を隠してるの?悪い子になったようには見えないし…
それにすごく不安な顔してるよ…悩み事があるなら話してみて、ね?
梓「先輩に…先輩に何が分かるんですかっ!」
唯「なんでも分かるよ…だってあずにゃんのこと大好きだもん。」
梓「…」
唯「でも何に悩んでるかはやっぱり話してくれないとわかんないかな。」
ぐす…
唯「ぎゅ…」
梓「私にも…私にも分かんないです…私がどうしたいのか……怖いんです…」
唯「大丈夫だよ…あずにゃん。」
梓「でも…やっぱり先輩には話せない……ごめんなさい…」
唯「そっか…無理に聞こうとしてごめんね。
私に答えられるか分かんないけど整理がついたら話してね。」
梓「はい…せんぱい…(でも…その時にはもう…)」
わああああ!!!!
唯「ピノキオくん!?」
梓「…い、行きましょう…」ゴシゴシ
奥に進むと2本の長い触手を持つ怪物がいた。
ピノキオは牢屋状の怪物の腹部に閉じ込められている。
キシャアアア…
唯「あいつのおなかにピノキオくんが閉じ込められてる!」
梓「…倒せますか?」
唯「倒せるよ!
私とあずにゃんなら!」
梓「…そうですね。先輩は前線であの長い腕に気をつけて戦ってください!」
唯「わかった!」
唯「やあああ!!」ザシュザシュ!!
グウウ…キシャアア!!
相手を切りつけることに夢中になり周りが全く見えていない。
2本の触手は唯に襲いかかる。
ブオブオン!!
しかしそんなことには目もくれない。
梓「イカズチよ!」
バチバチイ!!!
梓の剣から走る電撃が2本の触手を弾き飛ばす。
クワアア…
梓「先輩には絶対触れさせませんよ!」
唯「さすがあずにゃんだね!」
もはや怪物がやられるのも時間の問題だった。
梓の電撃は完璧に攻撃を防ぎきる。梓を信じる唯の攻撃は勢いを緩めることはない。
ザシュ!!
シュワア…
そして圧倒的な力に怪物は消え去った。
ピノキオ「ありがとう!!お姉ちゃんたちすごいね!」
唯「でしょー!やったねあずにゃん!」
梓「ええ…そう…でずね…」
唯「あ、あずにゃん…?また行っちゃうの?」
梓「う…ごめんなざい…」ポロポロ
唯「…あずにゃんがどこに行ったって何をしたってあずにゃんの先輩だから!
私たちは…心で繋がってる。だから大丈夫だよ。」
梓「はい…」ポロポロ
唯「だからまた会えるよ!約束する!」
その言葉に梓は流れる涙を拭い、まっすぐ唯を見つめた。もう目に迷いはない。
梓「先輩のおかげで…決心がつきました…」
唯「えっへん!先輩だからね!!」
梓「へへ…ありがとうございます…また会いましょう。」
唯「うん。またね。」
そして振り返ることなく闇の中に消えていった
唯「…私たちもかえろっか。」
ピノキオ「お姉ちゃん大丈夫?」
唯「大丈夫だよ…ありがとう。」
ゼペットの家に帰ると唯はあの少しの間の梓のことをたくさん話した。
唯「それであずにゃんと2人でこーんなでっかいやつ倒したんだよ。」
律「おお!すげえな!」
唯「でね!電気が相手の腕にバァチバチイ!ってすごかったんだよ!」
澪「へー梓は電気の魔法が得意なんだな!」
唯「でね、忍者みたいにスゥって!消えたんだ…
それで…あずにゃん…また…まだいなぐなぢゃっだぁ…」ポロポロ
できるだけ明るくふるまおうとしていた。
一番泣きたいはずなのは梓はずだから、自分は泣いてはいけないと。
しかし我慢していた涙が一気に溢れ出た。
紬「ゆいちゃん…」
唯「でもわだし…泣がなかったんだよ…あずにゃんはずごぐ不安ながおじでだから…
そのあずにゃんが決めだんだがら絶対泣いちゃいげないっで…泣がなかったんだよ…」ポロポロ
紬「ゆいちゃん…えらいわ。」
澪「それでこそ先輩だな。」
律「よし!行こう!」
澪「律…少しは考えろよ。」
律「あいつは帰ったら一年間猫耳メイドでお茶係の刑だ!
梓の猫耳は可愛いぞ!」
澪「どうしたんだよ…」
律「梓が頑張ってるのに唯がここで立ち止まってちゃダメだろ。
だから…世界を元に戻してさ、早くみんなで帰ろう。な、ゆい?」
唯は溢れ出る涙を拭った。
さっきまで泣きじゃくっていた顔が晴れやかになる。
唯「…うん!あずにゃんの猫耳可愛いもんね!」
澪「やっぱり律らしいよ。」
紬「じゃあ、いこっか!」
唯「よーし!レッツゴー!!」
アンセムレポート6
闇の力で世界中を渡っていると面白い世界を見つけた。
魔法を捨て科学に特化した文明。
そこにはまるで心と体が対になったような姉妹がいる。
彼女もまた私と同じ特別なハートレス。
いや、彼女は完全な心も体も取り戻している。
さらに心には鍵が見える。
もしかしたら私以上の存在かもしれない。
しかしそれ以上に興味深いのはその妹だ。
姉が解き放った闇なき体に芽生えた心。
まさに光そのもの。
いつかその謎も解き明かしてやろう。
ふとここで一つの疑問が浮かんだ。
私の体もまた、彼女のようにどこかで生きているのだろうか?
しかし私がここに存在する以上、それは存在するものとは言えない。
ならばこう呼ぼう。
存在しないものと。
―ホロウバスティオン―
唯「とうちゃーく」
とても大きな城の目の前に降り立った。
外にいても強大な魔力を感じる。
間違いなく敵の領内。
律「」いよいよか。
澪「そうだな。」
律「ビビるなよ?」
律「そりゃ安心だ。」
紬「入りましょう。」
唯「うん!」
今一度答えを聞こう
梓「キングダムハーツで憂の心を手に入れて見せる…
私がハートレスとなって!」
よかろう
ならばさらなる闇へ進め
梓「さらなる闇へ…」
ガチャン!
唯「あずにゃん!」
城の中へ入ると奥の扉の前に梓の姿が見えた。
しかし唯たちの姿を見て奥へと行ってしまう。
唯はすかさず飛び出した。
仲間もすぐに追いかけようとするが魔女が現れ3人の行く手を阻む。
律「おまえがマレフィセントか!」
マレフィセント「そうさ。お前たちは通さないよ。」
澪「唯と梓をどうするつもりだ!」
マレフィセント「あの二人を使って光の心を…さらにはキングダムハーツを呼び起こすのさ!」
澪「二人はどうなる…」
マレフィセント「消えるだろうね。まあ片方はすでに手遅れだと…」
紬「二人は消させない!」
ズキューン!
紬の怒りの一発が開戦の合図となった。
律も澪も襲いかかる。
すべての攻撃が直撃する。
しかしそれは幻影。
魔女は後ろにいた。
マレフィセント「どこを見てるんだい?」
魔女が腕を振り下ろす。
それと同時に無数の流星が降り注いだ。
逃げる余地はない。
澪「ブリザガウォール!」
ガキン!
ズドドドドドドドドドン!!!!!!!!
すかさず澪が分厚い氷のドームを作り出し流星を防いだ。
マレフィセント「なかなかやるようだね。しかし守っているだけでは勝てないよ」
律「親切にどーも。だったらこれでどうだ!ファイガバーン!」
氷の要塞を包むように炎が部屋中を覆い尽くす。
律「逃げ場はね―」
マレフィセント「あるじゃないか。」
律「なに…!」
魔女は気づかぬうちに3人の中心に立っていた。
最終更新:2010年03月03日 01:03