~さわ子邸~
梓「ん…」ムク
わいわいがやがや…
梓「…なんだろ?」
目を覚ますと外がやけに騒がしかった。
とりあえず外に出てみる。
梓「わあ~!」
なんと街がハロウィン一色に様変わりしていた。
さっきのリハーサルはこれのためだったのだろう。
町長「みなさん紹介しましょう!
我が街の主役にして、悪夢と恐怖の王!
ジャックスケリントン!」
ボコボコボコ…
ジャック「この僕こそが悪夢と恐怖の王!ジャックスケリントンだ!」キリッ!
わああああああ!!!!!!!!!!!
梓「すごい盛り上がり!今日がハロウィンパーティーだったんだ。」
ジャック「そして今回はスペシャルゲストを呼んできた!
あの有名な、デザイナーさわこさんだあああ!!!!」
さわ子がマスクを被って恐ろしい格好で出てきた。
しかもギターを持っている
さわこ「おまえらが来るのを待っていたあ…
シャラアアアアアアッッッッ!!!!!!
ぎゃあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!
さわこおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!
結婚してくれええええええええええええええええ!!!!!!!!!
梓「せ、先生…なにやってるの…」
~チャララチャララチャーン♪
曲に一区切りついたところでジャックと目が合ってしまった。
ジャック「お!梓ちゃんだ!そしてハロウィンタウンのニューアイドル!!
なかのおおお!!!あずさあああああ!!!!!!」
さわこ「梓ちゃーん!!ステージ登りなさいよ!」
梓「ちょ!そんな呼ばないでください…この格好じゃ…」
さわこ「はやくはやく!」ぐいぐい!
梓「ちょ…恥ずかしいですって…//」
きゃああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!
あずにゃんにゃああああん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
さわこ「ほら!人気じゃない!いくわよ」
梓「は…はいっ!
梓「はあ~楽しかった!」
さわこ「あんなに嫌がってたのにね」
梓「そりゃあんな格好じゃ…」
さわこ「で?梓ちゃんはここを出てっちゃうの?」
梓「はい。やらなきゃいけないことがあるんです。先生は?」
さわこ「私は楽しいからここにいるわ。」
梓「先生らしいですね。では私は行きます。」
さわこ「なにか分からないけどあまり頑張りすぎちゃダメよ。
疲れた時はここへいらっしゃい。ね?」
梓「…ありがとうございます。」
さわこ「着せてみたい衣装がたくさんあるのよ!」
梓「はあ…そうゆうことですか。それじゃ…」
さわこ「いってらっしゃい。」
―トラヴァースタウン―
シュン!
梓「よっと。」
闇夜に浮かぶ淡い光の街トラヴァースタウン。
街の中心以外がほとんどハートレスの住処になっている。
闇の力を手に入れた梓にはそれが手に取るように分かる
ざわざわ…
塀の下にいる4人の女の人たちが狙われていることにすぐ気がついた
どうやら彼女らは気付いていない。
まずマーリンさん探そう。
そだな。
ざわざわ…!
ついに姿を現しハートレス達が彼女らに立ちふさがる。
その数は数匹。すぐさま塀を飛び降りる。
少し闇の力を試してみよう…
闇の力を拳に込める。
腕を振るうとハートレス達を一掃された。
梓「だいじょ―」
あっずにゃーん!!
振り返り安否を確認しようとすると懐かしい声とともに飛びつかれる。
よく見るとその4人組は軽音部の先輩達だった。
みんなと一緒にいられることが少し羨ましく感じた。
でも今は深く関わるわけにはいかない。
あの事を悟られないためにも。
梓「せ、せんぱい!
い、いたいですよ。」
とは言うものの久しぶりに感じる唯の暖かさが嬉しかった。
律「梓!」
紬「心配したのよ」
澪「唯が言ってたことも心配なさそうだな。」
みんなが心配してくれることも嬉しかった。
しかしこれからも心配をかけ続けると思うといたたまれない
律「そういえば憂ちゃんは?」
梓「憂は…まだ眠ってます…」
唯「そっかあ…」
律「てことは憂ちゃんの場所を―」
あまりにも普通に聞いてきたので普通に答えてしまった。
ここにいると全てを喋りかねない。そう思ってすぐに話を切り上げた。
梓「で、でも私が必ず助けて見せます!それじゃ…」
唯の抱擁をほどき闇の中へと消えていった。
―オリンポスコロシアム―
シュン!
梓「よっと。」
力が物を言う世界。
それがオリンポスコロシアム
建物が見えたのでとりあえず近寄ってみる。
すると壁に張り紙があった。
ヘラクレスカップ会場!優勝賞品は英雄の心!
梓「心!?まだ参加できるかな?本部に行ってみよう。」
―本部―
「どうだ?」
「参加者は15名です。毎年これぐらいなんですか?」
「まあまあかな。今年も盛り上がるな。」
ガチャ…
梓「あのー参加希望なんですけど…」
「ダメだ!ダメだ!」
「もう締め切って…」
梓「和さん!」
和「あら軽音部の中野さんじゃない。」
フィル「ほう、和の知り合いか。俺はフィルだ。」
梓「私は梓といいます。」
和「少し安心したわ。私だけ別世界に来たのかと思ってたの。」
梓「そんなことないですよ…地球人全員がどこかしらに飛ばされてますから…」
和「詳しいのね。もう少し聞かせてくれないかしら?」
梓「ええ、分かる範囲でですけど。実は―」
やはりここでも地球の話をすることになる。
心が痛い。なぜなら地球を崩壊させた張本人だから。
和「そう。世界が繋がって…」
梓「空を見ても他の世界が見当たらないのでここはまだ繋がってないと思います。」
和「ふふ、それにしても唯が勇者だなんて笑っちゃうわw」
梓「同感ですw」
和「でもどうして大会に?」
梓「それは…ちょっと言えないです。」
ここまで話しておいて自分に言えないとなると唯に関係しているとすぐに分かった。
梓「お願いします。参加させてください。」
フィル「規則は規則だ!」
和「私からもお願いします。彼女が真剣なのは何か訳あってのことだと思います。」
普段は規則に厳しい和だが今回ばかりは力になろうと頭を下げる。
フィル「うーん…普段規則とかにうるさい和に頼まれるとは…
それだけ信用できるということだろう。特別に参加を許そう。」
梓「2人ともありがとうございます!」
和「もうすぐに始まるわ。選手は外で待機してて。」
梓「分かりました。」
フィル「たくさんの英雄の卵が集まってくれたことを大変うれしく思う!
みんなで英雄を目指し切磋琢磨してほしい!
そして今大会の優勝者には英雄の心と
誰もが尊敬しているであろうヘラクレスと手合わせの機会を与える!
ではみんなの健闘を祈る!」
わああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!
アニキイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!!
出場者の実力はみんな似たり寄ったりではあるが梓はずば抜けていた。
それもそのはず。手にするのは世界最強のキーブレードだから。
当然のように優勝した
フィル「今大会優勝者は中野あずさだああああ!!!!」
わああああああああ!!!!!!!!!!!
パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!!!!
なんか普通に優勝できちゃった…
フィル「ではスペシャルゲストのヘラクレスに登場してもらおう!!!」
わああああああああああ!!!!!!!!!
アニキイイイイイイイイ!!!!!!!!!
向かいの入場口から体格の筋骨隆々の男が出てきた。
ヘラクレス「おめでとうあずさ!」
梓「ありがとうございます。」
フィル「ではさっそく戦ってくれ!ファイッ!!」
ヘラクレス「いくよっ!!」キッ!
穏やかそうに見えたヘラクレスの目つきが一変した。
お互い機を見計らって動き出さない。張りつめた沈黙が続く。
最初に仕掛けたのはヘラクレス。
正面から突っ込んで来た。
剣を持つ者にとってこれほど好都合なことはない。
思いきり振りかぶって渾身の一振り。
シュン!
カキン!
かきん?
ヘラクレス「素手だからって油断しちゃダメだ!」
鋼鉄と化した筋肉に傷一つつかない。
すかさず梓の腹に拳が入る。
ドス!
梓「うぐう…!」
しかしすぐに体勢を立て直す。
危機は最大の好機である
梓「だったらしびれろー!」
バチイ!
零距離からの電撃。
これにはさすがのヘラクレスも怯む
ヘラクレス「うぐぐ…」
梓「いまだ!」
不応期となり、筋肉が緩んだその瞬間を狙って斬りかかる。
ザシュ!
ヘラクレス「う…!今のはちょっと痛かったな。
合格だ。攻撃が効かないと分かった時の対応がすごくよかったよ」
梓「ありがとうございます。」
ヘラクレス「危ない!」
梓「へ?」
突然ヘラクレスが梓の後ろ側へ走り仁王立ちする。
ボオオオン!!!!!
大きな爆発音と煙で何が起きたか分からない。
ただヘラクレスは無事ではないということだけは分かる。
梓「ヘラクレスさん!」
バタ…
わああああああああ!!!!!!!!!!
ヘラクレスうううううううう!!!!!!!
突然の爆発とヘラクレスが倒れたことに会場がどよめく。
ボワン!
煙とともに炎の髪を持つ男がリングに上がってきた。
ハデス「俺がいないからって油断しちゃダメじゃないか。」
フィル「ハデス!貴様何しに来た!」
ハデス「あんまり英雄気取りが増えちゃうとこっちとしても大変なのよ。
だから今日は俺様直々に英雄の卵を割りに来てやったってわけ。名案だろ?」
うわあああああああ!!!!!!!!!!!!
にげろおおおおおおおお!!!!!!!!!!
こっちでは言わずと知れた悪人だということが会場の反応で分かった。
フィル「みんな落ち着けえ!梓!ヘラクレスを運ぶぞ!」
梓「私が時間を稼ぎますから行ってください!」
フィル「かなうはずがない!」
梓「やってみなきゃ分かんないですよ!」
フィル「みんなが逃げたらおまえも逃げてこいよ!」
梓「分かりました。」
ハデス「おおーでたでた英雄気取りが…俺はそうゆうのがだいっきらいなんだ!くらえ!」
ボシュウ!
不意にハデスの指先から火球が放たれる。
梓「イカズチよ!」バチバチイ!
ボオオン!
雷でうまく防いだはいいが煙に視界を奪われ相手を見失った。
後ろだよ。
梓「やあああ!」
振り向きざまに鍵を振りぬく
ブン!
しかし背後には何もなく鋭く空を切る。
ハデス「あ、間違えた。今後ろだ。」
ボオオン!!!
梓「うう!!!!」ジュワ…
ハデス「素直すぎるのもどうかと思うよ?」
梓「うるさいです!」
相手が見えないこととその巧妙な攻めに平静を失う。
もはや相手の思うつぼ。
ボンボンボンボオオオン!!!!
ジュワアア…!
ハデス「さあ焼け散れ…!」
梓「こんなとこで…死ぬわけにはいかない…」
しゅわああ…
梓の体から闇が溢れだし力を取り戻す。
闇の力は使えば使うほど心が闇に染まっていく。
ハデス「英雄の卵のくせして闇の力を使うのか」
梓「使いたくなかったですけど…仕方ないです…」
シュン…
梓が一瞬にして闇に消える。
ハデス「どこだ…」
ザシュ!ビリリ…
そして挑戦的にもハデスの目の前から現れ切りかかる。
武器には雷の力が宿されている。
ハデスは怯んで動けず負の連鎖に填る。
ハデス「ググ…クソ…ヤ…ロ…」
梓「まだいきますよ。」
ザシュザシュザシュザシュ!!!!!
ハデス「ぐあああああ!!!」
そして天に鍵をかざす。
梓「黒雷よ!!!」パチパチ…
ドシャアアアン!!
最終更新:2010年03月03日 01:16