律「一人にしてごめんな。和のことも澪と同じくらい私は大切に思ってるよ」

和「ちょ、りりりりつ!///やめてよっ//」

律「なんで?」

和「私にはこういうのは似合わないから!」

律「そうやってまた自分と相手に壁を作るんだ。和の悪い癖だぞ?」

和「律……」

人に抱き締められることがこんなに恥ずかしくてこんなに嬉しくて……思わなかったな。
唯は梓には良く抱きつくけど私にはほとんどそんなことしなかったもんね……

和「ありがとう。」

律「どーいたしまして」ニコ

髪を下ろしている律の姿が唯にだぶり更に照れる和だった

律「さーてバルブハンドル探すか~。私ちょっと下の梯子降りてみるわ」

和「わかった。気を付けてね、律」

もう律は唯の友達だから心配してるんじゃない。私は私の友達、田井中律を心配してるいる

梯子を降りて行く律を見てつくづく思う

和「確かにあれは惚れちゃうわね、澪」

さて、早くバルブハンドルを探して唯達と合流しないと


───────。

梯子を降りながらさっきのことを振り返る。

律「抱きつくのはちょっとやりすぎたかな…。ちょっと唯風にしてみたんだけど」

ま~いっか!仲直りできたし


梯子を降りた先にはスクラップが溜まっている廃水場だった。

律「ん~向こうに道っぽいのもあるけど。そう言えばあっちは唯達が行った方に繋がってるんだっけ。案外待ってたらバルブハンドル持って来てくれるかもしれないな」

そんなのんびりな律を他所に水面がゆらつく……

律「ん?」

廃水の中に何か大きな影が……

律「なんだろ……」

近づいてその影の正体を突き止めようとする律


ガアァァァァ──────




チームうんたん─────

扉に入った私達は、1つの懸案事項を抱えていた。
梓「……道ないですね」
唯「うん…」

一応5mくらい先に道はあり、更に扉もあるがその間の5mの空間に何もないのだ。

唯「やっぱり飛ぶの…かな!」

唯は恐る恐る下を覗いて見るとずーーーと下の方に排水されていく緑色の水が見える。

梓「落ちたら多分一貫の終わりですね…」

唯「じゃあ私達もあっちからいこっか!」

梓「そうですね。行けないものは行けな…ん?」

梓は右のバルブに気付いた。

梓「何だろうこれ…」
梓は少しそれを右に捻ると下から機械音がし床の橋がせり上がって来た。

唯「おぉ!またしてもあずにゃんお手柄だねぇ」

梓「ありがとうございます。このバルブハンドル外せるみたいですど…他にどこかで使うかもしれないから持っておいた方がいいですよね?」

唯「ん?別にいらないよ~バルブなんて~。」

梓「そうですか…じゃあ置いときましょう」


その先を進み扉を開けるとトンネルを連想させるような通路に出た。
道幅も広くまるで何かが通る為に思えた

唯「メダルないね~…」

梓「案外律先輩達が入手してるかもしれませんよ?確かこの先は律先輩達が進んだ下水道管理室に出ますからそこで合流出来るかもしれません」

唯「そうだといいねぇ~」

横に何故かプロパンガスが置いてあることなんか気にもせず奥へ奥へと進む二人

しばらく行くと隣に鉄板の板が閉まっている所にたどり着く。

梓はボタンを押しそれを開けた─────


パァン!パァン!
銃声がする、

道を塞いでいた鉄のプレートがせりあがるとそこにはゴミなどがたくさん溜まっている場所に出た。

唯「りっちゃん?」

律が何やら水面に向かって発砲している

梓「ゾンビでもいるんですかね?」

唯「お~い!りっちゃ~ん」

陽気に手を振る唯に気付いた律。しかしその顔に笑みはなく必死に何かを言っている

律「唯!───ろ!」
唯「遠いから聞こえないよ~!」

律「唯!───げろ!」

律はこう言っている、唯、逃げろと

次の瞬間水面が盛り上がり廃水から巨大なワニが姿を現した

唯「な、なにこれ!」
梓「アリゲーター…なんでこんなところに!先輩逃げましょう!かないっこありません!」

梓は唯の手を引き元来た道を戻る。
しかし久しぶりに来た餌を逃さまいとその後を追いかけてくるアリゲーター
命がけの鬼ごっこが始まった

唯「どうしようあずにゃん!」

梓「どうするも何もあんな大きなワニに勝てるわけないですよ!元来た道を戻ってあの橋をまた戻すんです!そうすればそれ以上追ってこない、あわよくば落ちます!」

唯「なるほど!」

梓「急ぎましょう!」

二人は走って元来た扉へたどり着く、だが

ガチャガチャ

梓「開かない…なんで?!」

『B.O.W.存在を感知しました、 安全の為出入口をロックします』

梓「安全も何も私たちが中にいるのに!」

扉は開かない、武器もない、そして敵は巨大なアリゲーター

誰が見ても唯達に勝算がないのは目に見えていた


奥の曲がり角からアリゲーターが顔を出す、唯達との距離残り20m程か

梓「仕方ない…どこまでやれるかわからないけど私のトランザムで……」

来たときも気になっていたがあの時は確か光は緑だった。そして今は赤……BOWの侵入を拒む出入口……

唯「もしかしてこのプロパンガス……そうだ!あずにゃん手伝って!」

梓「は、はい?」

唯「このプロパンガスを外してワニさんに転がすの!」

梓「そんなことしてどうするんですか?」

唯「まあ見てなさいって!私もあずにゃんに負けてないところ見せないと!」

二人はプロパンガスを外した後それをアリゲーターに向かって転がす。綺麗な円柱の為に曲がることなく綺麗にまっすぐアリゲーターの口の前に転がった。

アリゲーターは余程腹が減っているのかそのプロパンガスを餌さと思い口に運んでいる。

唯「あずにゃん!」

梓「はい!」

さっき拾っておいた石をプロパンガスめがけて左義手で思い切り投げる

すると石はプロパンガスが少しだけ穴をあけ、アリゲーターの口の中で大爆発を起こした

一瞬の轟音だった。アリゲーターの顔から口上部の部分は爆発で吹っ飛び口の下の部分だけが痛々しく残っている。

梓「た……倒した」

唯「何て言うか……あんまり強くないですね!」


アリゲーターを退けた唯達は再び一番奥から廃水を渡り律達と合流を果たしていた。銃声を聞いてか和の姿もそこにあった

唯「りっちゃん和ちゃんヤッホー」

相変わらずのんきな声を出す唯に律は安心したのかふっ……と少し微笑んだ

律「まさかあのデカいワニを倒すなんてな。どんな魔法使ったんだ?」

梓「唯先輩の作戦ですよ。凄かったんですから!」

唯「えっへん」

和「唯がねぇ。ところであなた達バルブハンドル持ってない?ファンの回転を止める為に必要なのよ」

唯「あったけど持って来なかったよ~いらないかなぁって」

律「あほー!」

唯「ほえ?必要だったの?」

和「えぇ。ちなみにメダルはこちらで入手済みよ」

唯「さすが和ちゃんりっちゃんコンビ!抜かりないね!」

律「そっちはありありだけどな……」

梓「こんなこともあろうと思って私が密かに持ってきましたよ。」

律「おぉ!さすが梓!」

梓「変動式の床はあの上にも伸びますからね。一応と思って」

唯「よく私に気づかれずそんな大きなものを……!」

梓「梓式収納法です」

和「さて、戻るわよ。」

律「G(ゴキブリ)とご対面か……」

梓「(G……まさか私の同類…いや、どちらかが偽物、偽りのG…それが私か奴らか)」


四人はファンの前で立ち止まる。和がバルブハンドルを右へ回してファンの回転を止めた。

和「さ、行くわよ」

律「和、顔がひきつってるぞ」

和「り、律こそ」

梓「私の邪魔をするなら同類とて容赦はしない……」

唯「?」

和、律、梓、唯の順番でファン内部に進行していく────

和「……いない…わね」

律「…うんいない」

二人とも訝しげに辺りの様子を探る

梓「ファンが回って乾燥したんですね。Gは乾燥を嫌いますから奥へ退避したんでしょう」

律「詳しいな梓…」

梓「それほどでも(勝負を拒むか…それもいい)」


──────。
メダルを入れ奥の扉へと進む4人。

律「そう言えば梓の着てるジャンパーってレオンのか?」

梓「そうですよ。唯先輩を助ける為に病院に行った時に会いました。でもその後病院が爆発して…それに巻き込まれる形で…」

律「そう…か。でもまあレオンなら大丈夫だろ。」

事も無げにそう語る律。彼のことを信頼しているからこその言動だろうと梓は胸を撫で下ろした。自分もそう思っていたからだ

律「でもそのジャンパー凄い気に入ってたのにな!梓好かれてるんじゃないか~?」ニヤニヤ

梓「からかうのはやめてくださいっ//」

律「おっ、赤くなった。脈ありだな」

梓「怒りますよ?!」

律「冗談だって~」


ビービー
その時不意に異音が響いた。律の腰にかけている通信機が鳴ったのだ。

律「おっ、噂をすればレオンからか!」

律は通信機を手に取り口元に持ってくる。

律「はぁいこちら律ぅ」

『初めましてかな、田井中律』

明らかにレオンの声じゃないことに気づき声色を変える律

律「…誰だ」

「アルバート・ウェスカーと言うものだ。君に手紙を送った張本人だよ。そろそろ連絡をしようと思ってね。Gウイルスは見つかったかな?」

律「その前に答えろ…レオンはどうした?」

ウェスカー『クク……彼には退場してもらったよ』

律「ふざけるな!レオンがそう簡単に死ぬわけない!」

声を荒げる律に反応し、前を歩いていた和と唯も止まる。梓は律の横で心配そうにやりとりを伺っていた。

ウェスカー『ふふふ、まあそんなことはどうでもいい。時間があまりないのでね、早く私の元へGウイルスを持って来てくれたまえ。ラクーンタワーの最上階で君達を待っているよ。私が君達の家族を預かっていることを忘れないでくれたまえ』

律「待て!おい!」

しかし無情にも通信は切られ律の耳には鬱陶しい電波音だけが残った。

梓「律先輩……?」

律「依頼人から催促の電話さ。早くGウイルスを入手しないとな…」




チーム死神───────。

澪はブライアンに突き付けられた銃を見ながらも考えに浸っていた。ハンクは確か記憶を失っていると言っていた、ならばブライアン署長の言っていることは本当かもしれない。
だがだからと言ってハンクが自分の、みんなの仇になるのだろうか。違う、そうじゃない、それではただの繰り返しになる。
律だって何かによる影響でおかしくなっていたのは間違いない、そんな律を皆で許しまた共に手をとりあっているではないか

ならここで記憶のない前のハンクを恨んだ所で何になると言うのか。

澪はようやく口を開いた

澪「ハンク、私は知ってる。あなたが今まで私の為に頑張ってくれたこと」

ハンク「!!」

澪「だから前のあなたがどうであろうと私は今のあなたを信じたい」

ハンク「澪……だが俺は…」

ブライアン「はっは!泣ける話だな!だが少し気づくのが遅かった様だ!」

ブライアンはハンクに銃を向けつつ澪に近寄って、腕を取る

澪「何をっ」

ブライアン「動くなよ?私は本気だ、このデザートイーグルならどこに当たっても致命傷になる。仲間を失いたくなければ動かぬことだ」

せめて死ぬ前に楽しんでおかねばな


ハンク「くっ…貴様!」

ブライアンは澪を人質に取りながらボタンを押す。すると部屋の壁がずれて奥へ道が出来た。

ブライアン「仲間を助けたければ妙な動きはしないことだ。なぁに心配するな、澪を殺しはしない」

澪「くっ……」

そのまま奥へ消えていく澪とブライアン

ハンク「待て!澪に変なことしてみろ……てめぇ地獄の底まで追いかけてでも殺してやるからな」

ブライアン「はっはっは!死神気取りかたかが工作員が!」

そのまま後退りし後ろにあるエレベーターのスイッチを押す

澪とブライアンはそれに乗り込む

ハンク「やらせるか!」

ハンクが乗り込もうとするとすかさずブライアンは発砲した。

ハンク「くっ……」

足元に飛んだ銃弾はハンクをそこへ釘付けにするには十分の威力だった。

その隙にブライアンはエレベーターのボタンを押し地下へ降りる

澪「ハンク!!」

ハンク「澪!!!」

ハンクは澪の声の余韻だけが残った通路でただ降りていくエレベーターを見つめているしかなかった……。

ハンク「くそったれぇ!!!」

自分の情けなさをただ痛感するハンク─────

澪「私をどこへ連れていくつもり?」

後ろから銃を突きつけられている為に身動きが取れない。ブライアンの目はもはや正気ではなく血走っている。
今の彼なら妙なことをすれば容赦なく引金を引くだろう。

ブライアン「なぁに私の特別室さ」

エレベーターはしばらく降りると止まり、扉が開いた。

外は中世を思わすような黒煉瓦の壁に覆われており間間に灯火が灯っている。

しばらく歩くと薄暗い部屋に出た。中は異臭が漂っており部屋の真ん中には木の机がある。それはただの机ではなく隅に拘束具の様なものが取り付けられていた。

他にもホルマリン漬けされた何かや吊るされた鼠の死体など澪の常軌を逸した部屋だった。

ブライアン「そこへ寝ろ」

ブライアンは澪を真ん中の机に寝るよう銃を突き付け指示する。

澪「…………」

今はただ従うしかないとそこに寝る澪

ブライアンは銃を突き付けながら1つ1つ拘束具を澪に取り付けて行く

全部取り付けた後満足げな表情をし、入って来た扉の鍵を固く閉めた。

ブライアン「ふふふ、これで二人きりだな澪」

澪「私の名前を軽々しく呼ぶな、変態」

こんな状態でも澪は気を強く持っている。もう二年前の彼女ではない

ブライアン「そんな格好で強がって何になる?大人しく私の言うことを聞けば命は助けてやるさ」

ブライアンは澪の顎を撫でるように触る

澪「あなたは可哀想な人ね」

怖がりもせず綺麗な瞳でまっすぐにブライアンを見る澪

澪「こんな形でしか人を思えないなんて。自分の自由にならなければこうして無理に束縛する。あの女性もそうだったんだろ?」

ブライアン「黙れ」

ブライアンの平手打ちが澪の頬を強く叩き乾いた音がする。

ブライアン「小娘風情が私に偉そうな口を叩くな」

澪「最低ね、ほんとに…吐き気がする」


ブライアン「ふん、命乞いでもすればまだ可愛げがあったものを。私が楽しんだ後貴様は殺すことにしたよ」

澪「…………」

澪はそっぽを向き目を瞑る、もうお前の顔など見たくないと言わんばかりに

ブライアン「どこまでも舐めた女だ」

ブライアンは服の上から澪の立派な膨らみを撫でる

澪「っ……」

声を圧し殺す澪。ここで屈してしまってはさっきまでの虚勢の意味がない。

ブライアン「どうだ?少しは私に従う気になったか?」

澪「誰がっ!」

ブライアン「残念だ」

ブライアンは更に強く澪の胸を揉み始めた


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最終更新:2010年05月20日 20:08