ブライアン「私はレイプが好きでね、昔事件を起こしてしまったこともあった。だが揉み消すのは簡単だったがね」
澪のシャツのボタンを丁寧に外すブライアン。はらりとはだけ澪の黒いブラジャーが露出する
ブライアン「だがさすがに次起こせば私の身が危ない、だからこんな部屋を作ったのだよ。」
もう澪は話さない、ただ羞恥を必死に耐えている。
ブライアン「警察署の署長になったのもそれが理由だ。ククク……いい体をしている」
ブライアンは舐め回すように澪の体をじっくりと観察している。
澪「私は諦めない……どんな侮辱を受けてもあなたのことを世界に公表してやる」
ブライアン「ここから生きて出られるとでも?ククク…まあいい。それは君次第だ。目を瞑って君の好きな人を思い浮かべながらの方が楽になるだろう。なぁにすぐ終わるさ。私は早漏れでね」
何を言っているかわからない…だが今から私がどんなことをされるかだけ何となくわかる。
でも諦めない、私には大好きな律が、頼れる仲間達が、待っているのだから
───────。
エレベーターが戻って来たときハンクは既に覚悟を決めていた。撃たれてでも奴を殺す、と
ハンク「……行くか」
シェリー「ハンク!」
後ろから追いかけて来たシェリーが心配そうに見つめている。
ハンク「シェリー、お前はここにいろ。澪お姉ちゃんは必ず俺が助け出す。俺が降りてこのエレベーターがもう一度戻って来て、5分経ったら来てくれ。わかったな?」
シェリー「うん…」
ハンク「お前もパパのこと辛いだろうに…それでもこうして澪を心配してくれてありがとな」
シェリー「お姉ちゃんも大事だから…」
ハンク「大丈夫、俺に任せとけ。澪を助けてお前を母さんのところへ必ず連れていってやるからな」
シェリー「うん……」
ハンクはエレベーターで地下へ降りる。恐らく普通にはたどり着けないだろう。
何か役に立つものはないかと自分の持ち物を物色すると爆弾の様な物とそれを爆弾される信管があった
ハンク「これなら例え鍵を閉められていたとしてもドアごと吹き飛ばせるな」
降りていくエレベーターの時間が遠く遠く思えた
地下へついた瞬間ダッシュで辺りを見回しながら走る。
澪は言ってくれたじゃねぇか、俺が前どんな奴でも今の俺を信じるって
守ると決めたきっかけは些細なものだった
だが今は十二分にその理由がある!
ハンク「男なら、自分の言った言葉に責任を持て」
ドアを見つけ爆弾をセットする。鍵がかかっているかなど確かめるまでもないだろう
この火薬の量ならドアを吹き飛ばすだけぐらいだろうと俺ではない自分が知ってる
ハンク「善悪など関係ない、ただ自分が想う気持ちで行動しろ…」
自分は少し離れ信管のスイッチを押す
小規模な爆発でドア吹き飛ばされる。
ハンク「今はこの俺が俺自身でありハンクだ!」
アサルトライフルを構え突撃する
ハンク「澪ぉぉぉぉぉぉ!!!」
───────。
静寂を切り裂きいきなりドアが弾け飛ぶ
ブライアンはびっくりしながら振り向くと爆発の煙の向こうからハンクが突進してきた
ハンク「澪ぉぉぉぉぉぉ!!!」
澪「ハンク!」
やっぱり来てくれた…ハンク。私を信じてくれた…。
ブライアン「何もせずただ突っ込んでくるだけとな!バカが!!死ね!」
ブライアンは直ぐ様ハンクに向かって発砲した。
ハンク「ぐあっ」
それはハンクの左脇腹を貫通する。体から血が流れだす、だがハンクは止まらない
ハンク「うぉぉぉっ」
ハンクはアサルトライフルを手に持ち、ブライアンに向けて……発砲した──────
アサルトライフルから撃ち出された数弾の銃弾はブライアンを撃ち抜き、命を奪うには十分な数だった。
ブライアンはそのまま倒れ込み、死んだ────。
人はこんなにも呆気なく死ぬのだ────
ハンク「はあ…はあ…」
ハンクは出来れば殺したくはなかったのだ。故にブライアンが撃って来るまで自分からは撃たずにいた。
誰の命であれそれを奪う行為を澪に見せたくなかったからだ
澪「ハンクっ……」
澪は我慢していた涙を溢れさせた。それはハンクに会えた嬉しさからか、それとも命を奪った愚かしい行為に大しての哀れみか
ハンクは腹を抱えながら澪の拘束具を解いた
ハンク「遅くなってすまない……」
澪の格好を見て遅かったのではないかと嫌悪するハンク
澪「大丈夫…なくなるものじゃないから。それにちょっと触られただけ。それよりハンク、傷の治療を!」
ハンク「あぁ…頼む」
そういうとぐったりと地面に倒れ込むハンク。それほどに重傷だった。
澪はシャツのボタンを素早く止めると自分の荷物から止血剤や包帯などを取り出す
澪「こんな無茶して…」
傷口を見た澪が呟く
ハンク「それでも守りたかったんだ。澪を」
澪はありがとうと呟き治療に専念しだした
ハンク「人を…殺しちまったんだな、俺」
澪「…うん」
ハンク「軽蔑するか?」
澪「……うん。」
ハンク「そうか…そうだよな。いくらなんでも殺したら駄目だよな…。澪ならそう言うと思ったよ。駄目なことは駄目と言える奴だからなお前は」
澪「…確かに人を殺めてしまったあなたは最低だけれど……。でも…それは私の為でしょう…?」
ハンク「…どうかな。自分の為でもあったかもしれない」
澪「そう…。でもね…最低だけど…私にとっては最高の人だ、ハンク」
ハンク「光栄だな……」
澪「これからこの罪を、二人で背負って行こうか、ハンク」
ハンク「……あぁ」
人を殺した罪は、どんな理由があれど決して消えない
償うことでそれはいくらか軽くなるのだろうか
澪の治療が終わる頃には止血もでき、なんとか一命をとりとめたハンク。
シェリー「澪!ハンク!」
5分が経ち降りて来たのだろうシェリーが二人の元へ駆け寄る
ハンクはこの5分を永遠と感じられるぐらい長いと感じていた
澪「シェリーにも心配かけたな。もう大丈夫だから……」
シェリー「うん…っ」
泣きながら澪に抱きつくシェリー
澪が落ち着いた声で切り出した
澪「地下へ行って律達と合流しよう。そこの梯子から下水道へ繋がってそうだし。研究室ならもっとハンクの治療が出来るはずだから。ハンク……立てるか?」
ハンク「あぁ…。これぐらいの傷何ともねぇさ…」
そう強がって立ち上がる
澪はその肩を持つ
ハンク「澪……」
澪「言っただろ…二人で背負って行こうって。シェリーもそれでいい?」
シェリー「私は澪について行く…!」
澪「ありがとうシェリー。」
急がなければならない、でないとハンクは死んでしまうと気づいての澪の判断だった
梯子を降りてしばらく道なりに歩くとやはり道は下水道へと繋がっていた。ブライアンほどの男が自分の部屋に脱出路を作らないとは思えない、澪の読みは当たった形となった。
三人濡れるのもお構いなしで先を急ぐ。水位はそれほどないのが効をそうしたのか素早く移動出来た。
時々現れるゾンビを澪のデザートイーグルで排除する。きっとあのファイルにあった地下へ逃げた人達だろう、RPDの制服を着ていたゾンビが多かった。
そして律達が言っていた研究室へ続く場所、工場へ足を踏み入れたのだった。
Gチーム、うんたんチーム───────。
四人は工場へ行く電車に乗り込んでいた。
もうしばらく寝ていない為、ここで各々睡眠を貪っている。
5分ほどでついてしまったが久しぶりの休息には変わりなかった。誰もまだ休もうなどとは口にしない。時間がないことは皆わかっていたのだ
もたもたしていては人質の命が危ない
律「唯、この電車じゃ外に出れないのか?」
唯「この電車はあくまであそこから工場へ向かう為だけのものだから…」
律「そうか」
四人は電車を出ると更に奥へ向かう
この先の工場から更に地下へ降りた所が研究所となっている
狭い通路に久しぶりのゾンビが登場する。
各々が戦闘体勢に入る中律が梓の肩を叩いた。
律「梓、武器がないんだろ?これを使ってくれ」
律は一本のナイフを取り出した
律「レオンが私にくれたナイフだ。梓の身体能力ならこれでもしばらく戦えるだろ。他に何か武装が入るまでの繋ぎにしてくれ」
梓「はい、ありがとうございます律先輩」
レオンさん…。
律「心配するな、レオンは必ず生きてる」
そう力強く言うと律はゾンビ達との戦闘を開始した。
梓「今は…ただ行くだけです…!」
梓もそれに続いた。迷っている時間などもうない
だがもう彼女ら相手にゾンビでは役不足過ぎた。二年前初めてそれを見たときは恐怖に戦き(おののき)、必死になっていた。
だが、今はもう違う。
和「私が切り込む!律、援護して!」
律「はいよ!」
群がるゾンビを切り裂いて道を作る和
和の後ろから迫るゾンビなどを正確に狙い撃つ律
唯「りっちゃん後ろからも!」
挟み撃ちになる形でゾンビが迫り来るも、「私に任せてください!」と梓
梓は舞う様にナイフをふるいゾンビの首を跳ねて行く。
唯「私も援護するよ!ゴッォォォド~ラムゥゥゥ~」
しかしゾンビには何の反応もない
唯「効くのと効かないのがあるのかなぁ」
そうしている内に和の刀が鞘に収まる音がした。数にして20のゾンビは僅か2分ほどで全滅した。
和「行きましょう」
そうしてまた四人は歩きだし、工場へと歩を進めた。
────────。
底が見えないほどの大きな空洞の前に四人は来ていた。穴の四方にレールがついてるのを見るとリフトが下がった後の様だ。
唯「うわ~凄いね~底が見えないや」
律「唯~あんまりはしゃいでると落ちるぞ~?」
梓「この下が研究所なんですよね?どうやって行くんですか?」
和「多分リフトをまた上に来させる装置がさっきの部屋にあった鍵穴付きのパネルだと思うわ。だからその鍵を探しましょ」
梓「さっき通って来た道には鍵はなかったから他の場所にあるんですかね…」
唯「お~い、穴の内側にドアがあるよ~」
律「とりあえずそこへ行ってみるか」
空洞の内側に階段がついており、 四人はそこを慎重に降りながら扉へ進む。
中は金網の様な地面になっており、その下には剥き出しになった機械が乱列している。
更に奥へ進むとモニターの様なものが何個かあり、そこの下に鍵はあった
梓「案外あっさり見つかりましたね。」
和「多分ここがリフトの管理所なんでしょうね。モニターにさっき私達がいた場所も映ってるわ」
唯「あっ!こいつあずにゃんをいじめたやつだ!」
モニターに映っているタイラントを見て指差す唯
梓「ほんとだ…これどこですかね…」
律「さあ?」
和「でもこのタイラントがいる足場って私達が今いる足場にそっくりね。網目上になってるし…」
モニターのタイラントは両腕を組んだまま降り下ろし、カメラを破壊した
そこにはただノイズ音だけ響く
唯「ほえ?」
梓「さっきのって私達が通った道じゃ…」
律「そんなわけ…ない…だ…ろ?」
律は静かに地面にうつ伏せになって寝ている。
梓「何やってるんですか…律先輩?」
律「死んだフリ……」
和「呆れた…」
唯「もしかしてさっきのがここに来るの?!」
和「そうよ、一本道だったからまず間違いなくね…」
梓「この道幅じゃ戦うのも逃げるのも難しい…どうしますか?」
律「死んだフリ……」
和「隠れる場所もないし…戦うしかないわね」
和はそう言いながら刀を抜いた。この狭さだと居合い切りをするスペースもないからだ
道幅の広さは唯が手を広げると壁と壁が触れる程しかなかった。
故にあのタイラントが来れば完璧に道は塞がってしまうだろう。
カツン、カツン、と歩いて来る音がする。
和「律が弾幕でタイラントを怯ませている内に私が奴の足の健を切るわ」
これは二年前和が対タイラント戦で見せた作戦だった。再生能力が備わっているとは言え基本人間に近いBOWであるタイラントの弱点とも言える
5mほど先の曲がり角からゆっくりタイラントが現れる。
律「うりゃっ」
と同時に律は乱射を開始した。
さすがのタイラントも2丁のマグナムによる連射は効いているのか歩く速度が鈍くなる
そこへすかさず和が低い姿勢で走り込み足を一閃、しかし和に嫌な手応えが残るだけでタイラントは倒れない
和「まさか…!」
タイラントの切れたズボンからサッカーのレガースの様な鉄のプレートが覗いている。
和「あっちも二年前とは違うってことね……」
タイラントも黙ってやられるわけにはいかないとばかりに拳を繰り出し和を牽制する。
その拳を鮮やかに避けながらも次の手を模索する和
そうして和がタイラントを引き付けている時だった。
二人は何か役に立つものはないかと辺りを物色している最中に何かを見つける
唯「あずにゃん、これなにかなぁ」
唯が足元にある木箱の様なものを見て言った
梓「何ですかね、武器かもしれませんから開けてみますか?」
唯「うんうん」
箱の中には何やらバラバラの部品が入っておりその上に説明書の様なものが添えてあった。
唯「すぱぁくしょっと?」
梓「電気を放出する武器みたいですね。組み立ててみましょうか」
唯「うん!」
律「(緊張感ねぇなぁ…)」
1分後、
梓「出来た!思ったより簡単に組み立てられましたね」
唯「さああずにゃん!これであの巨人を倒すんだ!」
梓「わかりました!」
律「何やら知らない内に物騒なもの持ってんな」
梓「下がってください律さん!チャージ開始!」
先に二つの電極がついておりそこの間からバチバチと言う音をたてながら電力が溜まっていく
梓「和さん!伏せてください!」
和「えっ?」
タイラントの攻撃を避けていた和が梓の姿を見て一瞬で判断し、地面に低く伏せた
梓「発射ぁ!」
────────。
四人は上がって来る筈のリフトの前に座り込んで待っていた。
律「私は現代科学の恐ろしさを垣間見たよ」
和「私もよ…。未だに静電気のせいで後ろ髪が逆立ってるわ」
唯「私達はとんでもない兵器を見つけてしまったかもしれない…なんて」
梓「……」
これらは全て梓が背中に背負っているスパークショットの話だった。
限界まで溜め込んだ電気は電撃と化し、一撃でタイラントを黒焦げにしたのだ。
いくら装甲を厚くしても人間近い故にタイラントは電気に弱いんじゃないか、と梓は考えていた。
梓「(対タイラント兵器……か)」
───────。
上がって来たリフトに乗り込み、とうとう研究所降り立った四人
律「ここが研究所…」
和「長かったわね…」
梓「はい…」
唯「うん…」
律「っと感激してる場合じゃなかった!早くGウイルスを探さないと!」
和「ここからはチームで別れましょ。その為にチーム分けをしたわけだしね。唯達は脱出路を確保して。Gウイルスを入手したらそっちに向かうから」
唯「あいやいさー」
梓「わかりました」
律、和は正面の扉へ
唯、梓は右側手の扉へ
最後の捜索が始まった
最終更新:2010年05月20日 20:13