唯「ミーディアムってなぁに?」

真紅「ドールに力を貸すもののことよ。契約を結べばすぐにミーディアムになれるわ」

唯「でも、その力をケンカに使うんでしょ?」

真紅「アリスゲームよ、唯」

唯「どっちも一緒だよ!そんなこと、手伝いたくないよ・・・!」

真紅「・・・わかったわ」

唯「・・・へ?真紅ちゃん?」

真紅「ムギ、お茶ご馳走様。とても美味しかったわ」

紬「えぇ、喜んでもらえてよかったわ」

真紅「それじゃ、私は行くわ」ストンッ

唯「待って!どこに行くの!?」

真紅「ミーディアムを探すのよ」

唯「・・・!?」

真紅「御免なさいね、でも・・・私にはミーディアムが必要なの」

唯「・・・」

真紅「それじゃ。短い間だったけど、楽しかったわ。ありがとう」クルッ

澪「真紅ちゃん・・・」

律「・・・」

唯「・・・待って!!」

真紅「何かしら?」

唯「みーでぃあむになったら・・・私はアリスゲームから真紅ちゃん達を救えるのかな」

真紅「それは・・・どうかしら。これは私達が望んでしていることだから」

唯「でもでも!ありすげーむをしないでありすになれる方法とか、見つかったら・・・!」

真紅「唯・・・」

唯「だって、嫌だよ!」

唯「私が真紅ちゃんに力を貸さなくても、このままだと真紅ちゃんは誰かと契約を結ぶんでしょ!?」

真紅「そうね」

唯「私が契約を結ばなかったとしても、それじゃ意味ないよ・・・!」

梓「唯先輩・・・」

唯「私・・・真紅ちゃんと契約する」

律「おい!唯!」

真紅「いいの?唯」

唯「いいよ。それで、私が真紅ちゃんを守るもん」

澪「守るって、おい・・・」

唯「真紅ちゃんだけじゃない、真紅ちゃんの姉妹も、みんなで幸せになれる方法探すんだ」

真紅「唯、ありがとう」

唯「契約って、どうすればいいのかな?」

真紅「指輪の誓いを」スッ

唯「うん?」ギュッ

律「ぶっ!」

真紅「違うわ、手を繋ぐんじゃないの、指輪にキスをするのよ」

唯「へ?ごめんね、間違っちゃった///」

律(私って、唯と同レベルなんだなー・・・)

唯「えっと・・・誓ったら、どうなるだっけ?」

真紅「唯にも私とお揃いの指輪をしてもらうことになるわ」

唯「へー、その薔薇の指輪?可愛いね!」

真紅「そう、唯はいい趣味してるわね」クスッ

唯「えへへー、じゃあ真紅ちゃん?」

真紅「何かしら」

唯「もう一度、手出してくれるかな」

真紅「えぇ」スッ

唯「・・・誓うよ」


チュッ


真紅「いい子ね、唯」


キィィィン・・・!


澪「ゆ、指輪が光ってる・・・!」

唯「なに、これ・・・って、私の左手も!」キィィィン・・・!

真紅「安心して。すぐに済むわ」

梓「すごい・・・」

紬「指輪へのキス・・・!」

律「こんな状況で反応できるなんてムギは大物だな」

唯「指輪だ・・・なんだか熱いや」

真紅「それもしばらくしたら収まるわ」

唯「そっか」

澪「その指輪、左手の薬指につくんだな・・・///」

唯「なんで澪ちゃん顔赤いの?」

澪「ほ、ほら・・・左手の薬指は結婚指輪はめるところだろ?///」

唯「あー、そっか!じゃあ私と真紅ちゃんって結婚したことになるのかな!」

真紅「まぁ、そんなものかしら。私が力を使いすぎれば唯は倒れちゃうから」

唯「え!?」

真紅「ミーディアムは力を貸す者。私が唯の生命力を使って戦うのよ」

唯「聞いてないよ!?」

真紅「言ったら、契約はしなかったの?」

唯「・・・あはは。それもそうだね。知ってても契約してたから、関係ないね」

真紅「ふふふ、思ったより頼もしいのね?」クスッ

唯「私は決めたらやる女なんだよ!」フンスッ

澪「自分で言うなっ」

律「でも・・・唯は嘘ついてないから、心配しなくていいからな」

真紅「えぇ、もちろんよ。わかってるわ」

唯「へへー、真紅ちゃんとお揃いの指輪ー♪」

澪「・・・」

律「・・・あー、ごめん。やっぱりちょっと心配した方がいいかも」

真紅「私もそんな気がしてきたわ・・・」ハァ・・・

唯「えへへー」ギュー

真紅「ちょっと、苦しいわよっ。先が思いやられるわ・・・」

梓「」

律「おい、どうした梓」

澪「そうだぞ、今まであまり喋ってなかったのにいきなり「」ってされてもわかりにくいぞ?」

梓「」

律「なんだよ、ムギの方を見て固まって」

澪「」

律「おい、澪までどうしt」

律「」

唯「みんなどうしたの?」

真紅「」

唯「真紅ちゃんまでー。ムギちゃんがどうs」

唯「」

紬「?」ニコッ

律「いや、ニコッじゃねーよ」


澪「ムギ・・・えっと、その・・・」

梓「なんていうか、えーと・・・」

唯「ムギちゃん、どうして・・・?」

真紅「貴女、その指輪・・・どうしたの?」

紬「これ?私も昨日契約したの」ウフフ






唯律澪梓真紅「」


真紅「・・・私の他にも、誰かが目覚めたのね・・・?」

紬「えぇ、そうなるわね」

真紅「どの子かしら」

紬「・・・それは言えないわ」クスッ

唯「ムギちゃん!仲良くしないと駄目だよ!」

澪「そうだぞ!隠し事は無しだ!」

紬「ごめんなさい、私・・・口止めされているの・・・」

梓「そんな・・・!」

澪「律からもなんか言ってやれよ」

律「え?あ、あぁ。ムギ?」

紬「何かしら?」

律「ムギは、アリスゲームに参加するその子に、手を貸すのか?」

紬「・・・えぇ。あの子も、それを望んでいるわ」

律「そう、か・・・」

唯「ねぇ、ムギちゃんからもその子に言ってよ。アリスゲーム以外にも、きっと道はあるよって」

紬「それは、私が昨日言ってきかせようとしたわ」

澪「それでも、駄目なのか?」

紬「えぇ・・・」

真紅(アリスゲームにそこまで執着するドール・・・雛苺ではなさそうね)

唯「それでも、もう一回言ってみてよ」

紬「えぇ、わかったわ」

律「なぁ」

真紅「何?」

律「もし、真紅とムギのドールが戦う場合、やっぱり唯とムギは敵同士になるのか?」

真紅「・・・」

律「真紅、私達が何部だかわかるか?」

真紅「部?わからないわ」

律「軽音部だ」

真紅「御免なさい、あまりピンと来ないわ」

律「だから、楽器使って演奏するんだよ」

真紅「貴女達、楽器なんて演奏できたの?」

唯「えへへー、やっぱりそうは見えないかな?」

律「みんなで一つの音を作るんだ。そのためには練習だけじゃなくて、例えばこうやってお茶を飲む時間だって大切にしてる」

真紅「・・・何が言いたいの?」

律「私は軽音部の中で争い事とか、傷つけ合うのとか、そういうことはさせたくない。部長として」

真紅「貴女、部長だったの・・・!?」

律「おい、私今もっと大切なこと言ったぞ」

紬「りっちゃん、それはしょうがないわ」

律「なんだよ、それ。どういうことだよ」

紬「傷つけ合うのはしょうがないっていうことよ」

律「おまっ・・・!何言ってんだよ!」

紬「もちろん、私はみんなと仲良くしたい。でも、一度契約を結んでしまったら後戻りはできないの」

律「じゃ、じゃあなんで」

澪「なんでムギは契約なんて結んだんだよ!!!」

律「澪・・・」

澪「ごめん、我慢できなかった」

紬「なんでって、いきなり手を差し出されて誓いのキスをって言われたから・・・!!」

律「ムギ・・・」

紬「ごめんなさい、我慢できなかった」

梓「そこは我慢して欲しかったです」

唯「じゃあ契約の内容は?事前に聞かされてなかったの?」

紬「えぇ、てっきりお遊びの一種かと思ったの」

真紅「・・・」

唯「確かに、いきなりそんなことされても、意味わからないよね・・・」

真紅(この子の性格を把握した上で、計算して契約を結んだ、ということかしら・・・)

律「で、お前らどうするんだ?」

唯「私は・・・」

真紅「私からは仕掛けないわ。いいわね、唯」

唯「もちろん、ケンカなんてしない方がいいに決まってるよ」

真紅「ケンカじゃないと何度言えば・・・まぁ、いいわ。実はずっと考えていたことがあるの」

唯「何?」

真紅「今は言えない。その時がきたら教えてあげるわ。それをすれば、あるいは・・・」

唯「みんなが幸せになれる?」

真紅「わからないけど、今はそれにかけるしかないわ」

律「ムギは?」

紬「唯ちゃんがミーディアムになるとは思っていなかったから・・・」

律「な、なんだよ?歯切れ悪いな」

紬「さっきも言ったでしょう?手を貸すって約束しちゃったのよ」

唯「でも、また説得してくれるって言ったじゃん!」

紬「もちろん、状況が変わったんだから、改めて説得しようとは思ってる。でも・・・」

真紅「そのドールの意志は変わりそうにないということね?」

紬「えぇ・・・」

律「・・・」

澪「律?」

律「あ、ごめん。なんでもない」

梓「でも、そうすると・・・真紅ちゃんとそのドールの衝突は避けられそうにありませんね?」

唯「私達から仕掛けなくても、ムギちゃんのドールちゃんが襲ってくるっていうこと?」

真紅「唯、心配しないで。きっとなんとかなるわ」

唯「でも・・・」

真紅「私を信じて」

唯「・・・うん、わかった」

律「・・・」

澪「おーい?また考え事か?」

律「あ、あぁ、いや、なんでもない」

梓「明らかに挙動不審ですけど・・・?」

律「なっ、そんなことないって。な?」ギュー

梓「ちょっ!///」

紬「・・・」ギンギン

唯「あれ?珍しいね、りっちゃんがあずにゃんに抱きつくなんて!」

律「梓は可愛いなー」スリスリ

澪(律・・・何があったのかはわからないけど、相当テンパってるな?)

梓「ちょっと、頬擦りしないでください!///」

紬「いいわ、すごくいい」ギンギン

澪「ムギ、見すぎ見すぎ」

真紅「おかしな子達ね」クスクス




?「くっ・・・!」

?「あぁら、やっぱり大したことないのね?」

?「うっうるっさいです!スイドリーム!!」ヒュン・・・!ヒュンヒュン!

?「無駄よ。そんな子供だましで私に勝てるとでも?」サッ

?「こぉんの・・・!」ドゴォ!

?「もうこの植物と遊ぶのも、飽きちゃった」クスッ

?「な、に・・・言ってるです?」

?「ただでさえ雑魚の貴女が、ミーディアムもいない状態で私に勝てるわけないじゃなぁい?」クスクス

?「・・・!!」

?「だ・か・ら、もう終わりにしましょう?」

?「・・・ふざっけんなぁですぅ!!」シュシュシュ!

?「メイメイ!行くわよ!」ヒュン・・・!

?「来やがれです!!」

?「貴女、力の差がわからないのかしら?」

?「ミーディアムがいなくたって・・・お前みたいな出来損ないに負けるわけねーです!」ドドドドォ!

?「出来、損ないですってぇ・・・!!いいわ、ジャンクにしてあげるぅ!!」シュンシュンシュン!

?「!?」

?「私を怒らせた罪は、重いわよぉ?」シュシュシュ!

?「こぉんの、カラスみたいな羽に翠星石がやられてたまるか!です!」

?「言ってなさい!」ヒュー・・・!

?「んなっ!こっち・・・来んなぁ!!ですぅ!!」バコォ!!

?「!?」

?「いったぁ~・・・まさか、如雨露で殴るとは・・・って、あれ?」

?「・・・さすが雑魚ね、逃げ足だけは速いんだから」クスッ

?「まぁいいわ。今度会ったときこそ、ジャンクにしてあげるから・・・」ウフフ




ガチャ


律「ただいま」

金糸雀「おかえりかしら!」

律「金糸雀」

金糸雀「?何かしら?」

律「契約、するぞ」

金糸雀「へ?」

律「手、出してくれ」

金糸雀「ちょっちょっと、いきなりどうしたのよ!?」

律「事情が変わったんだ。・・・金糸雀は、アリスゲームで勝ちたいと思うか?」

金糸雀「当ったり前じゃない!ローゼンメイデン1の頭脳派!金糸雀がアリスゲームを制するのよ!」

律「・・・じゃあ、やっぱり他の子のローザミスティカを奪うのか?」

金糸雀「何、よ・・・。律ったら、どうしたのかしら」

律「・・・真紅ちゃんって、知ってるか?」

金糸雀「真紅!?」

律「今日、学校に来た」

金糸雀「ななななぁんですってー!?」


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最終更新:2010年03月05日 23:55