~澪部屋~
律「なんだ急に?」
澪「だから、律はちょっと男っぽすぎるんだよ!」
律「な…!失礼な!」
澪「だって語尾に『だぜ』とかつけるし」
律「…」
澪「スカートなのに平気であぐらかくし」
律「…」
澪「人のものとか平気で食べちゃうし」
律「…」
澪「しかもお行儀悪いし」
律「…」
澪「今こうしてるときもパンツ一枚だし」
律「シクシク…」
澪「あれ?」
律「いくらなんでも言い過ぎだー!馬鹿澪ー!」(ポカポカ)
澪「うわっ!痛い痛い!」
律「私を中年の親父みたいにいいやがって」
澪「でも事実だろ?今だって『いいやがって』なんて言葉使ってたし」
律「うっ… うぅぅぅ…』
澪「律はせっかく可愛いんだからもったいないだろ?」
律「私なんて可愛くないよ!」
澪「何言ってんだ?十分可愛いけど…」
律「そんな訳無いだろ!」
澪「自分をそんなに嫌うなって。律は可愛いよ!」
澪「まぁ律がどう思ってるか知らないけど…律は女の子らしくしたほうが今よりもっと可愛いくなるんじゃないかな?」
律「……………」
律「なんだよ女の子らしさって…」
澪「たとえば…話し方を変えてみたりとか」
律「ふむふむ」
澪「仕草に気を使ってみたりとか」
律「う~ん」
澪「ようは細かいことの積み重ねだな」
律「やってみるか…」
澪「とりあえず人の名前呼ぶときは『ちゃん』とかつけたほうが良いんじゃない?」
律「じゃあ澪は澪ちゃんか」
澪「あっ//」(ドキドキ)
律「澪ちゃん?どうしたの?」
澪「えっ?なんでもない!」
律「へんな澪ちゃん(クスクス)」
澪「ははは…」
律「澪ちゃん?」
澪「なぁに律?」
律「私の髪型ってどうかな…?」
澪「へ?似合ってるよ…とっても」
律「ホント?でも私もっと女の子らしい髪型してみたいの…」
澪「そ、そっかえ~と…」
律「ドキドキ」
澪「前髪短めにしてポニーテールとかどう?」
律「ポニーテールなんてしたことないなぁ…」
澪「でも似合うと思うよ!可愛いよ絶対!」
律「ホント?澪ちゃんが言うなら間違いないね!(ニッコリ)」
澪「そ、そうそう」(ドキドキ)
律「澪ちゃん!」
澪「へ?」
律「ありがとう♪」
澪「///(キュン)」
律「あとね、澪ちゃん?」
澪「ん?」
律「私のこと『りっちゃん』って詠んで?」
澪「え//」
律「ね?」
澪「う、うん。わかったよりっちゃん//」
律「えへへ♪うれしい!(ニッコリ)」
~翌日登校~
律「(髪型変えて気分一心!)」(テクテク)
生徒達「ざわ…ざわ…」
律「?」
生徒A「あんなに可愛い娘いたっけ?」
生徒B「脚細ーい!うなじとか超綺麗だし!」
~教室~
生徒「ざわ…ざわ…」
先生「はい皆静にしろ!出席取るぞ~」
先生「生徒A~」
生徒A「はーい」
先生「…………田井中~」
律「はい」
先生「出席っと……ん?」
先生「おまえホントに田井中か?」
律「な、何言ってるんですか?そうですよ!」
先生「見違えたなぁ~」
律「はぁ…」
先生「恋愛はほどほどにしろよ~。はい次ー」
律「はっ!?」
生徒「クスクス」
律「……」
~昼休み~
律「モグモグ」
唯「りっちゃん!」
紬「何があったの!?ねぇ!?」
律「ど、どうしたの急に?」
唯「りっちゃん!恋なの?恋のせいなの?」
紬「りっちゃんの馬鹿ぁ…」(シクシク)
律「唯ちゃんたちは何を言ってるの?私恋なんてしてないよ(ニッコリ)」
唯「え//?(唯…ちゃん?」(キュン)
紬「でもりっちゃんが急に髪型かえるなんて!何かあったに違いないわよ(シクシク)」
律「ムギちゃん?私ホントになにもないよ?」
紬「ムギちゃん//?」(キュン)
律「心配しないで大丈夫だから!ご飯食べよ?ねっ♪(ニッコリ)」
唯紬「キュン」
~放課後~
律「二人とも掃除でしょ?私先に行くね♪」
紬唯「は~い」(メロメロ)
~音楽室~
(ガチャリ)
律「こんにちわ~」
(シーン)
律「誰もいない」
律「はやく皆来ないかな…」
ガチャリ
梓「こんにちわ~」
律「あっ!梓ちゃん」
梓「え?」
律「ど、どうしたの?」
梓「あの…ここ軽音部の部室なんですけど……」
律「え?知ってるけど…」
梓「だったら…その…そろそろ部活始まるんで出ていってもらわないと困るというか…あっ!もしかして入部希望とかですか?」
律「ん?ん?何言ってるの梓ちゃん?」
梓「ていうかどうしてあたしの名前を…?」
律「はい?」
梓「え?」
梓「…(どうしよう変な人かも…でも年上みたいだしキツくは言えないし…)」
律「?(何をモジモジしてるんだろ?)」
ガチャリ
律梓「!!」
澪「おーす!」
梓「澪先輩!この人が…」
澪「あれぇ?まだりっちゃんと梓だけか?」
律「唯と紬は掃除なんだ♪」
澪「ふ~ん、そっか」
梓「あ、あのぉ…」
澪「あぁ梓、どうした?」
梓「あのぉ…律先輩なんて来てなくないですか?」
澪「はぁ?何言ってるんだ梓は?ここにいるじゃないか?」
梓「はい?どこに?」
澪「目の前にいるだろう?今話してたじゃないか」
梓「え…?」(チラッ)
律「?」
律「はーい」(ピシッ)
梓「え…」
梓「ええぇぇー」
梓「えええええぇー!!」
梓「ここ、こ、こ、この方がりりりり、律先輩なんですか?」
澪「そうだよ、髪型変えたからわからなかったのか?」
梓「そんな馬鹿な…」
律「私は正真正銘!田井中律だよ?」
梓「か、変わりすぎですーー!!!」
梓「大体急に言葉使いも髪型も身なりまで変わってたらわかるわけ無いです!!」
律「そんなに熱くならないで梓ちゃん…」
梓「大体なんですか梓ちゃんって!いつもは呼び捨てじゃないですか!!急にそんな風になられたらガミガミガミガミ!」
ガチャリ
唯「おいっす」
紬「遅くなりました~♪」
梓「ガミガミガミガミガミガミガミガミ!」
律「シュン…(ウルウル)」
梓「はっ………」
律「んぐっ…ん…うぅぅ(ウルウル)」
澪「あ、梓!いくらなんでも言い過ぎだ!大体律はなにも悪いことしてないだろ!」
梓「ご、ごめんなさい…」
唯紬「な、何があったの?」
梓「わ、私…カクカクシカジカで律先輩だなんて思わなくて…でも律先輩だったから混乱して…」
唯「そっか~なるほど~」
紬「確かにりっちゃん変わったものね」
律「もう良いよ梓ちゃん?私もちゃんと説明すればよかったね」
梓「本当にごめんなさい…」
律「良いんだよ梓ちゃん」
梓「律先輩?」
律「ん?」
梓「やっぱり私は梓って呼んでください?でないとなんだか背中がくすぐったいような感じがして…その…」
律「わかったよ梓!」
梓「やっぱりそっちのほうがしっくり来ます(ニコッ)」
紬「さぁ皆集まったしお茶にしよっか♪」
唯「いぇ~い」
澪「練習もな!」
梓「そうです!」
唯「はぁ~い…」
カチャカチャ
紬「皆お待たせ♪」
唯「わぁーい」
梓「悔しいですけど…」
澪「おいしそう…」
律「いただこっか?」
唯「おいしー(パクパク)」
澪「最高///(モグモグ)」
梓「悔しいですけどおいしいです(モグモグ)」
律「…(チョビチョビ…パク)」
唯「りっちゃんやけに静かだね?」
紬「食べ方もおしとやかだし…」
律「そうかな?ま、女の子だし」
澪「(正直ここまで変わるとは思わなかった…)」
梓「なんか怖いです…」
~演奏~
ジャーン
律「~♪」
唯澪梓紬「…………」
唯「(なにかが違うような…)」
澪「(完璧にあいすぎる…)」
紬「(良い演奏なんだけど…)」
梓「(なんかおかしいです…)」
澪「ま、まぁ今日はここまでにしないか?」
梓「そ、そうですね!」
律「よーし、じゃあ帰ろうか」
唯「お腹減った~…」
紬「ふふふ♪」
~帰り道~
澪「じゃあ私と律はこっちだから」
唯「じゃあね~」
紬「さよなら♪」
律「またあした~」
(テクテク)
澪「一日終えてみてどう?」
律「うん、なんか新鮮で良い感じ♪」
澪「そっか、疲れなかった?」
律「すぐになれちゃった(ニコッ)」
澪「なんかその調子だと…」
律「ん?何?」
澪「律…男の子にモテちゃいそうだなって…」
律「そんなことないって♪」
澪「そんなことあるよ!律って男の子に人気あるんだぞ!それがさらに可愛くなっちゃったから益々…」
律「そ、そうなの?」
澪「そうだよ…」
律「そんなこといったら澪ちゃんだってモテるじゃん?」
澪「そんなわけないだろ!それに私は好きな人いるもん!」
律「そ、そうなの?」
澪「あ…」
律「え~?誰!?まさか私の弟とか?」
澪「そんな訳無いだろ何言ってんだ(真顔)」
律「ごめんごめん…で、誰なの?」
澪「い、言わない」
律「どして?私達親友でしょ?」
澪「だ、だからなおさら言えない」
律「な、なんだよそれ!?私にすら言えないの?酷いよ澪ちゃん!もう良いっ!」(ダッ)
澪「律っ!」
律「うぅぅ…ぇ~ん」(タッタッタ)
~律家~
律「……」
律「澪のばか…」
律「誰のためにおしとやかにしてたと思ってんだ…」
律「何のために…私は…」
律「もっと澪に好かれたかった…」
律「もう…こんな話し方やめた…」
律「私には女の子らしくすることなんて無理なんだ」
律「髪型なんて…変えなきゃよかった…ポニテなんておかしいし…」
~澪部屋~
澪「律のやつ怒ってたけど…本人に言えるわけ無いだろ…」
澪「はぁ…どうしよう…律に会いづらいな…」
澪「でも…いずれは律にもばれるんだし…」
澪「かるい感じで言ってみて反応見てみようかな…」
澪「明日まで引きずるの嫌だし電話して見よう」
プルルルル
澪「うぅ…緊張する…」
最終更新:2010年01月02日 21:29