紬「けいおんで一番可愛いキャラ決定戦……
  それは、けいおんに登場する人物で誰が一番可愛いかを決める戦いよ」

和「へえ」

紬「というわけで私と勝負よ、和ちゃん」

和「え? 一番可愛いキャラを決めるんなら、唯vs澪とかじゃないの?
  なんで私達が戦うのかしら」

紬「何を勘違いしているの?
  今からやるのは頂上決戦ではなく、最下位決定戦よ」

和「……」

紬「どうあがいても最下位はあなたか私なの。
  これは客観的人気から見て分かることよ」

和「まあ、そうなんでしょうけど……
  でも純ちゃんとかさわ子先生とかもいるじゃない」

紬「あんなモブレベルの脇役や年増オバサンなんて
  可愛いキャラ決定戦に参加することすら許されないわ」

和「ああ、そう」

紬「じゃあ勝負を始めましょう」

和「そうね、最下位になるのは嫌だし……
  やるからには本気で勝たせてもらうわよ」

紬「どんとこいです」


和「で、どうやって戦うのかしら」

紬「お互いのアピールポイントを言い合って、
  相手を言い負かした方の勝ちよ」

和「小学生の口喧嘩みたいになりそうな気がするわ」

紬「私のアピールポイントは……やっぱり眉毛かしら?
  この太い眉毛が、おっとりしたお嬢様の心の深さを表しているのよ。
  沢庵なんて言われることもあるけれど、それはこの眉毛が愛されてる証よね」

和「へえ」

紬「あなたのアピールポイントは何?
  って言っても、メガネしかないだろうけど」

和「そうね、メガネよ」

紬「そのメガネ、私の眉毛の魅力に勝てるかしら」

和「……けいおん第1話、見たかしら」

紬「当然じゃない」

和「へえ。それで何も気づかない?」

紬「どういうこと?」

和「第1話冒頭、唯が中学を卒業した時の写真が映されるわ。
  そこには私の姿も収められている。
  今一度確認してみるといいわ」

紬「……うん、確かにあるわね。これがどうかしたの?」

和「よく見なさい」

紬「はっ……メガネが違う!」

和「そうよ、私は進学するにあたり、中学時代の地味メガネにサヨナラして
  この赤いオシャレメガネを買ったのよ!」

紬「高校デビュー……ね」


和「そうよ、私は生徒会なんてのに入ってるもんだから
  真面目なキャラクターだと思われがちだけど、
  新しい環境にあわせてちょっと可愛いメガネを
  チョイスするくらいには乙女なのよ」

紬「そ、そうか……普段まじめでオシャレなんか興味ない風なのに、
  ちょっと背伸びして高校デビュー……
  そのギャップがたまらないわね……
  それに、メガネだけっていう控えめな感じもまた」

和「私のメガネにはこれだけのドラマが秘められているのよ」

紬「う……負けたわ。
  私の眉毛にそんな深みはない……」

和「うふ、これで最下位は免れたってわけね。
  ちょっと上位を目指してみようかしらね」

紬「分かってると思うけど、上位は強敵よ。
  梓ちゃん、憂ちゃん、唯ちゃん、澪ちゃんの四天王がいるわ」

和「律は?」

紬「すでに私が倒した……いや、厳密に言えば引き分けだったわ」

和「そう。じゃあ次の相手は梓なわけね」


和「梓~、梓~……あれ、どこにいるのかしら」

梓「の、和……さ……っ」

和「うわっ! ど、どうしたの、その怪我」

梓「気、気をつけて……ください……
  私は……もう……がくっ」

和「あ、梓!!
  ……い、いったい誰がこんなことを……
  大体予想はつくけど……」

唯「あ、和ちゃ~ん」

和「唯!?」

唯「和ちゃんは最下位だと思ってたけど、
  ムギちゃんを倒すなんてやるねえ」

和「……」

和「あなた、唯じゃなくて憂ね」

唯「……あちゃー、やっぱり和さんの目はごまかせないか」

和「梓はあなたがやったのね」

憂「そうですよ、お姉ちゃんを優勝させてあげるのに邪魔だったから」

和「唯はどこにいるの?」

憂「ここにはいませんよ。
  私がお姉ちゃんの代わりに優勝するんですよ」

和「……」

憂「私とお姉ちゃんは一心ニ体ですから。
  そうだ、もし和さんが私に勝てれば、
  憂と唯2人に勝ったってことにしてもいいですよ。
  和さんが勝てるとは思えませんけどね」

和「それはどうかしら?」

憂「ふふっ、和さんが勝つには唯と憂の2人を超えなければなりませんよ」

和「余裕よ」


憂「お姉ちゃんの引き立て役でしかない和さんに、
  何が出来るんです?」

和「その言葉、そっくりそのままあなたに返すわ」

憂「私は引き立て役なんかじゃありませんよ。
  そう、私はお姉ちゃんと並び立つ存在なんです。
  お姉ちゃんが私を頼り、私がお姉ちゃんを支える。
  お姉ちゃんが私に笑顔をくれる、私も笑顔で応える……
  そういう関係なんです。
  お姉ちゃんに尽くし、頼られ、愛しあう姿は、
  他の誰にも負けないくらい可愛いじゃないですか」

和「そうね。可愛いわね。
  一言で言えば、シスコンってところかしら。
  しかしシスコンであるがゆえに!
  あなたの魅力は平沢唯抜きに存在しえない!」

憂「……っ」

和「唯がいなければ、あなたは何もない空っぽのキャラクターなのよ!」

憂「それはあなたも同じでしょう!」


和「フッ……そうね、私の魅力も唯のおかげで成り立っている点が多々あるわ」

憂「でしょうね。お姉ちゃんがいなかったら、
  その面倒見のいいところとか、お姉ちゃんをクールにあしらうとことか、
  幼なじみ属性なんかもなくなっちゃいますもんね」

和「そうね。でもそれだけ。
  私の根本的なキャラクター性が否定されるわけではないわ」

憂「根本的なキャラクター性……!」

和「ええ。唯がいなかったとしても、
  生徒会の一員であり、澪のクラスメイトであり、
  美人で、年の割に大人びてて、
  それでもちょっとオシャレに憧れてて……
  そういうとこは変わらないわ。
  もしアニメに唯が出ていなくても、
  私は脇役として居続けられるでしょうね」

憂「う……」

和「でもあなたは違う!
  ルックスは唯のコピー、絡みも唯とばかり……
  唯の面倒をみるだけのキャラに終始しているのよ」


和「つまりあなた自身から発せられる魅力は無いに等しい。
  せいぜい家事ができるくらいかしらね」

憂「そ……そんなっ……私は……!」

和「フッ……でも唯と一緒にいるときのあなたは
  本当に輝いているわ……他の誰にも負けないくらい。
  もし、唯と憂の2人組みでの勝負だったら……
  私の惨敗だったわね」

憂「分かりました……負けを認めます。
  でもあなたはお姉ちゃんには勝てない」

和「あら、でもここに唯はいないんじゃ」

憂「だから私がお姉ちゃんの代わりになります」

和「そう……」

唯「さあ和ちゃん! どこからでもかかってきなさいっ!」

和「これは強敵ね……!」


唯「部活やってないだけでニート!?」

和(駄目だわ……唯は存在自体が可愛い……)

唯「うんたん! うんたん!」

和(うううっ……強烈な……破壊力……!!)

唯「うーいーアイスーぅ」ごろごろ

和(いけない……いけないわ、このままでは……)

唯「君を見てるといつもハートドキドキ~」

和(……う……あ……)

唯「けいおん、だいすきー!」

和「かああああああああわいいいいいいいいいいいい!!!!」

唯「ニヤリ」

和「はっ……」


和(い、いけない……目の前にいる唯は憂……
  偽物などに釣られては……
  こっちも可愛いオーラをまとって対抗しよう)ごそごそ

唯「ん? その格好……学園祭の時の」

和「そう、婦警コスプレよ」

唯「ふうん……生真面目な和ちゃんにはピッタリだよね」

和「それだけではないわ。
  コスプレというのはその人に新たな属性を付加してくれる。
  この場合は婦警よ。
  婦警というと何を想像するかしら」

唯「婦警ねえ。要するに警察でしょ? 私は警察は怖いなあ」

和「そうね。警察は規律を守るがゆえ時には怖ささえ感じさせるわ」

唯「でも、怖いなんて可愛いと真逆じゃん。
  マイナスポイントだよ?」

和「そんなことはないわ。
  世の中には意外とマゾヒストが多いのよ」

唯「まぞ?」

和「私のような美人で生真面目な優等生メガネに
  踏まれたい詰られたい逮捕されたいって人がいっぱいいるのよ」

唯「ほう、そのイメージを増長させるのが婦警コスであると?」

和「そうね。私の魅力を記号化し、集約し、増幅させる。
  それが婦警コス」

唯「ふうん……まあ、和ちゃんの婦警コスが魅力的なのは認めるよ。
  でもそんなんじゃ私に勝てはしない!」

和(確かにそうだわ……これ以上どうすれば……
  唯とキャラ性を比較しても優劣を付けるのは難しい……
  やはり唯には勝てないのかしら……!?)

唯「負けを認めた方がいいよ。
  けっきょく和ちゃんは、私がいないと輝けない。
  月でしかないんだから」

和「月……か」ぴっかああああああああ

唯「な、なにこれ……和ちゃんが輝き始めた!」


唯「おーい、和ちゃーん」

憂「お、お姉ちゃん?」

和「本物!?」

憂「そ、そうか……本物のお姉ちゃんの前だから、
  和さんは輝いて……
  でも、なんで私はそのままなの!?」

和「今のあなたは唯だからよ。
  もはや憂であることを捨ててしまったから……
  それ以前に憂は負けを認めているのだけどね」

憂「うっ……くうっ」

和「さあ、負けを認めなさい。
  この輝きの前に、唯とはいえ紛いものの可愛さが通用するのかしら」

憂「む……無理です……
  私の……憂改めお姉ちゃん改め私の負け……」

和「そう、それでいいのよ」

憂「でも流石に展開に無理があるんじゃ」

和「中学時代とメガネの違いを見つけた勢いで書き始めただけだからネタがもうないのよ」


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最終更新:2010年03月14日 02:34