律「こんにちわ…って秋山さん?」

澪「どうしたの田井中さん」

律「いや、私と同じ高校だったんだね」

澪「そうだよ。あと同じクラスだよ」

律「そうなんだ。まぁよろしくね」

澪「こちらこそよろしく」

澪「しかし良く考えてみると、私達って小中高全部一緒だよね」

律「そうだっけ…?」

澪「そうだよ」

律「そっか。忘れててごめん…」

澪「いいよ。気にしないで」

律「うん。ありがとう」

律「秋山さーん!」

澪「田井中さん?どうしたの?」

律「秋山さんは部活決めた?」

澪「決めたよ。文芸部に行こうと思ってるんだ」

律「あ…そうなんだ」

澪「田井中さんは?」

律「軽音部に行こうと思ってるよ」

澪「…そうなんだ」

律「え!?廃部した!?」

さわ子「正確には廃部寸前ね」

律「そんな~、どうしよう…」

さわ子「今月中までに4人入部すれば廃部にならないわよ」

律「4人ですか…」

さわ子「そうよ」

律「………」

律「…誰も来ない」

律「…やっぱり廃部なのかな?」

がちゃっ

紬「あのー入部したいんですけど…」

紬「私は琴吹紬です。よろしくお願いします」

律「私は田井中律です。よろしく!」

紬「はい♪よろしくお願いします律さん」

律「よろしく紬さん」

律「…実はね、この部4人以上入部しないと廃部になるんだ」

紬「まぁ…ならあと二人ですか」

律「うん、誰か入部してくれるといいんだけど…」

がちゃっ

唯「こんにちわー!入部したいんですけど」

律「…え?」

唯「…?あ、申し遅れました。私は平沢唯です。よろしくお願いします」

律「…あ、ええと、私は田井中律です。って本当に入部希望?」

唯「そうだよ~?」

律「今日一日で2人も集まるなんて…どうなってんだ?」

紬「私は琴吹紬です。よろしくね唯さん」

唯「よろしくです紬さん♪」

律「…なぁ二人とも。どうしてこの部に入部しようと思ったんだ?」

唯「どうしてって…演奏したいからだよ」

紬「そういう律さんはどうして?」

律「え?私は…どうしてだっけ?」

律「………」

唯「…律さん?」

紬「……実はね唯さん。この部は今月中にあと1人入部しないと廃部になっちゃうの」

唯「…えっ!?そんなぁ…」

紬「まだ時間があるからきっと見付かるわ…」

唯「…そうだよね♪」

律「………」


―数日後

律「…期限まであと一週間か」

唯「本当に見付かるのかな…?」

紬「…きっと見つかるわ」

唯「……そうだ!友達を誘ってみるよ!」


―次の日

がちゃっ

和「こんにちわ」

唯「和ちゃん!」

律「この人が唯の友達?」

唯「そうだよ。真鍋和ちゃんっていうんだ。来てくれてありがとう和ちゃん♪」

和「いいのよ、唯の頼みなんだもの。早速ですが入部させてください」

律「えっ!?いいのかよそんな簡単に決めて!?」

和「いいの、特にやりたいことがあるわけでもないし」

紬「やったぁ♪これで廃部は免れたわね」

律「…そうだな」

律「…ていうかみんな楽器できるのか?」

唯「私はギターが弾けるよ」

紬「私はピアノを少々…」

和「…私は何もできないわ」

律「…なら和さん、この機会にベースやってみないか?」

和「…そうね。やってみようかしら」

律「よし!これで部としてやっていけそうだぞ!」


―次の日

和「ベースにも色々種類があるのね。迷うわ…」

律「自分の気にいったのを買えばいいよ」

和「そうね…なら値段も手ごろだしこれに…」


澪「あ、まって!それは私も目をつけてて…」

律「あれ?秋山さん?」

澪「律…」

律「律…?」

澪「あっ!ごめん田井中さん…」

律「いや呼び捨てでもいいよ。そのかわり私も澪って…」

律「…澪?」

唯「どうしたのりっちゃん?知り合い?」

律「………」

唯「りっちゃん?」

律「え…?あ、ああごめん。ぼーっとしてた」

澪「田井中さん、この方達は?」

律「こいつらは同じ軽音部の部員だよ」

唯「平沢唯です。よろしくね♪」

紬「琴吹紬です。よろしくお願いします」

和「真鍋和です。どうぞよろしく」

澪「…私は秋山澪です」

和「よろしくね秋山さん。それとあのベース…あなたに譲るわ」

澪「いいんですか?」

和「えぇ、他にもほしいのはあるし」

澪「ありがとう和さん」

律「秋山さんってベース弾けたんだ」

澪「……うん」

律「なら軽音部に入部してほしかったな~なんて…」

澪「………」

律「あはは…」

澪「…ごめんなさい」

律「い、いいよ全然!気にしないで!」

澪「………」

澪「それじゃ私はそろそろ…皆さん、さようなら」

唯「またね~」

紬「もしよかったら音楽室に遊びに来てください。お茶を御馳走しますよ」

和「今度ベース教えてね」

律「…またな。秋山さん」

澪「…さようなら、田井中さん」

律「………」


……

澪「………」

澪「……律」ぐすっ



―別の日

紬「みんな、合宿をしましょう♪」

律「お!いいねぇ!」

和「どこでやるの?」

紬「私の別荘よ。海の近くにあるの♪」

律「なんと!新しい水着買わなきゃ!」

唯「わーい!楽しみ!」

和「まったく…遊びに行く訳じゃないのよ?」

紬「いっぱい遊びましょうね♪」

和「…ムギまで。…まあいいか」


―別荘

律「うおー!でけー!」

唯「すごいねりっちゃん!」

律「ああ!早速着替えて遊びに行こうぜ!」

和「何言ってるの。まずは練習よ」

紬「まぁまぁ…練習は夜からでも遅くないわよ?」

唯「そうだよ和ちゃん!早く遊びに行こう!」

和「全くあなた達は…」

律「いやー遊んだな…」

唯「疲れた~もう寝ようよぉ」

和「何言ってるの!まだ…」

律「花火してないだろ!」

和「…え?いや、練習…」

唯「そうだねりっちゃん!大事なことを忘れてたよ!」

律「もうまったく唯は!しっかりしろよ~」

唯律「あははははは!」

和「………」

紬「まぁまぁ…花火が終わってから練習しましょう?」

律「…よし。唯ー!準備できたぞー!」

紬「こっちもいいわよー!」

唯「オッケー!」

和「…一体何が始まるの?」

律「見てたらわかるよ」


ズドーーーン!!!

唯「それじゃ次の曲、いっくぜ~!」

和「……すごい。綺麗…」

紬「……ええ、すごく…」

ドーーーン!!!

唯「いえーい!」

律「………(花火をバックにギターを弾く唯、…まるでスターだな。もし、私もプロになれたらあんな風に…)」


『バンドやろうよー!』

『えー?』

『もしプロになったらギャラは七三ね!』


律「……!!…なんだよ今の…」

唯「あれー?もう終わりー?」

和「もう花火は無いわよ。それより練習…」

唯「えーつまんなーい!」ぶーぶー

和「…私達って何しにここに来たか覚えてるわよね?」ギロリ

唯「う…、はい…」

紬「…それじゃ、今から練習しましょうか」

律「………」

唯「…りっちゃん?どうしたの俯いて」

律「…みんなに聞きたいことがある」

唯「ん?なーに?」

律「…私、みんなに軽音部に入部した理由って話したっけ?」

紬「そういえば…聞いてないわね」

唯「確かあの時はよく分からないとかって…」

律「…そういえばそうだったな。なら今からみんなに話すよ」

律「昔な、誰かと約束したんだ。一緒にバンドやろうって…」

唯「ふーん、誰と?」

律「…それは分からない。でもそいつと、もしプロになったらギャラは七三とか…それから…!」


『これだよこれ!私がやりたかったのは!一緒にバンドやろうよー!』

『えー?本気で言ってんのか?』

『もちろん!もしプロになったらギャラは七三ね!』

『…どっちが七だ?』

『もちろん私だよん☆』

『…楽器って高いなぁ…』

『ああ…ベースってこんなにするんだ…』

『…よし!お母さんに小遣い前借してみる!』

『そうだな。私も頼んでみるよ』


律「それから…!」ぐすっ


『やったー!やっとドラム買えたぞ!』

『私もベース買えたよ!』

『これから毎日練習しような!』

『ああ!そしてがんばってプロになろう!』

『でも、まずはその前にバンドを組まないとなー』

『…確かに。…律、約束しよう。高校にいったら必ず私とバンド組むって』

『…分かった。約束だ!必ずバンドを組もうぜ!』

『澪!』


律「…そうだ。そうだよ私…全部思い出した…」ぽろぽろ

唯「りっちゃんどうしたの!?」

紬「どこか調子が悪いの…?」

和「大丈夫…?」

律「ごめん…ごめん澪!ごめん…」ぽろぽろ

律「うわああああああん!みおおおお!!!」ぽろぽろ

和「澪…?」

唯「りっちゃん落ち着いて!大丈夫だから…ね?」ギュッ

律「ゆいい!わだじ…澪に酷いことしちゃったよぉ…!」ぽろぽろ

律「約束したのに…一緒に高校でバンド組もうって約束したのにぃ…!」ぽろぽろ

唯「よしよし…」ナデナテ

律「うわああああああん!!!」ぽろぽろ゙


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最終更新:2010年01月22日 16:49