今度は課題から目を離さずに言う彼女の声は、さっきより怒ったように聞こえる。
自分の知らぬところで笑われて気分を害したようだ


紬「何でもないわよ」

唯「……早く課題やっちゃいなよ」


りっちゃんが聞いたら、鋭いツッコミを入れられちゃうようなセリフを言った彼女の手も、
さっきから課題と睨めっこしてばかりで動いてない。

それは問題が難しいせいなのか、さっきの私の言葉が気になってなのか……
できれば後者であってほしいと思う。


紬「ねえ唯ちゃん」

唯「何?」

紬「キスしない?」


空気が固まるってこのことかしら?
聞こえていた風鈴の音や蝉の声も止んだような気がする

唯「……今課題してるからしない」

またまた怒ったみたいに彼女はボソッと言う

紬「そう……残念」

私は下を向いて課題の続きに取りかかる。
本当に残念……
この言葉に偽りはない、彼女のあんな可愛いところを見て我慢できるほど私は彼女の前で冷静になれない

けどすぐに諦めたのには違う理由がある。
私が下を見ながらでも分かるほど、彼女は落ち着きがなくなり、私の事をチラチラ見てくる。


自分で断ったのくせに……
私が怒ったと思っている?
それともいつもみたいに私が強引に来ないから寂しい?

嗜虐心がくすぐられる
何で彼女はこんなにも可愛いんだろう?


私は昔から心に鎧を着ることに慣れていた。それは私が私である前に寿吹家の長女であった為だろう。
本当は普通の子供みたいに泥だらけになって遊んでみたり、両親にもたくさんワガママを言ってみたかったけど
琴吹家に恥じない娘になりなさいと幼少のころから言われ育てられていた私は、親の前ですら鎧を着ることでそれを我慢していた。

けど、それをしょうがないものとして受け止めていた私でも、結局は家とは関係ない自分だけのものが欲しくなり、
高校では部活をやろうと思っていて、やればこの生活が――何より自分自身を変えられるんじゃないかと思っていた。

そして入部した軽音部で出会った1人の女の子。

彼女は、私がいつも着けていた、誰しもが着けているはずの鎧を一切身に着ていなかった。

それは私にはあまりにも眩しすぎて、
この状態に慣れてしまっている自分にはとうてい真似できない事だった。
それが最初彼女に惹かれた理由のひとつかもしれない。

そんな彼女が、今では私だけの為に必死に着慣れない鎧をつけているんだから不思議に思う

けど鎧を着けてもやっぱり彼女は彼女だった。
そんな可愛らしい鎧じゃ全然意味ないのに・・・

だからついつい虐めてその中の彼女の素顔を探す
だっていくら可愛い鎧でも、ない方が彼女はもっと可愛いから。


唯「……麦茶のおかわりもってくる」

彼女そう言って二人分のコップを持ち、立ち上がって部屋を出て行ってしまった。
一瞬見えたその横顔はいじけたような顔をしていて、私は少しいじめすぎたかもしれないと反省する。

ペンを置き、あたりを見渡す

私だけしかいない部屋、私のものじゃない部屋。

ここで彼女は私の事を思って、喜んだり、悩んだり、怒ったりしているのだろうか?

私は立ち上がり彼女のベッドに近づき枕をそっと触る

―――これがいつも彼女の頭を包んでるもの

嫌な痛みがはしる
少し嫉妬してしまった。枕に嫉妬するなんて自分で思う以上に独占欲が強いらしい

憂ちゃんは外に出てるみたいだから、今この家には彼女と私だけ……
意識すればするほど私には抗えない気持ちが蠢く。

扉の開く音がしたので振り向くと、お盆に麦茶のつがれたコップを持ち、
立ち上がってる私に少し驚いた顔で、こっちを見ている彼女の顔がのぞく。


唯「何してるの?」


何してるのだろ?自分でもよくわからない……
ただ自分が何をしたいのかだけははっきり分かっていた

紬「唯ちゃん」

窓を閉め、カーテンまで引き、彼女に近づいてお盆を奪い取りそのまま机に置く。


そしていつもより激しく彼女の唇の奪った。


唯「ん……」


すぐに舌を入れようとする私を、唯ちゃんの歯が侵入を防ぐように閉じられている。
私の思い通りになるのが不満らしい

そのまま彼女を抱きしめる

抵抗しても無駄、あなたの弱いとこは全て知ってるんだから。
私は腰を少しきつめに抱いて指で背中を一撫でする

唯「ふあ……ん……んッ」

声をあげた瞬間、私の舌は彼女の口内まで届く、そして彼女の口の中を丁寧にゆっくり舐め回した

唯「ん……んぁ……ん」


私がひとつ舐めれば彼女もひとつ喘ぐ
それが楽しくて、嬉しくて、私はこの時間が大好き。
抱きしめてる腕には唯ちゃんの震えが伝わってくる
薄目で伺うと、ギュッと目をつむり、必死に何かに耐えている彼女の顔がうつる

我慢なんかしないで、大声だして乱れちゃえばいいのに……

けど我慢している唯ちゃんをいじめるのはちょっと楽しいと思う私は、変態なのかもしれない。


唯「う、ん……は……ん……はあはあ」

一度口を離す、彼女の目はトロンととけて呼吸も荒い。

紬「ふふっエッチな顔」

唯「…はぁはぁ…し、知らない」


唯ちゃんの闘争本能はまだ死んでないようだ。今日はなかなか手強い。
私はグランドをベッドに移すために彼女を少しおすと、バランスを崩した彼女はそのまま自分のベッドにダイブした。


唯「うわ!!…ムギちゃん危ないよ!」

紬「唯ちゃん本当に可愛いわ」

私も唯ちゃんに覆い被さるように彼女の上にいく

唯「……ムギちゃんのエッチ」

紬「私がエッチになるのは唯ちゃんが悪いのよ」

唯「……悪くないもん」

顔を背け、子供っぽくいじける彼女

紬「じゃあ唯ちゃんはしたくない?」

唯「………」

無言を貫く彼女の真っ赤な耳をあまく噛む

唯「ふぁ」

甘くてちょっと柑橘系の香りが、私を誘われるように首筋から発せられていた。
匂いのするほうに自然と唇が動く

唯「いや……ん」

私は舌でピチャピチャした水音をワザとだし、唯ちゃんの香りをすくい取るように舐める。

唯「んぁ…あぁ…」

この声も、この匂いも私だけのもの
私は唇を押し当て強く吸う

唯「ふぁああ」

彼女は体をくねらせ、魚のようにビクビクと跳ねた



紬「チュ……跡残っちゃったわね」

口を離すと、彼女の首には赤く印が押されていた


唯「ん……もう…夏だから首隠せないじゃん」

紬「隠さなくてもいいじゃない」


赤くなったところを指でいじると、唯ちゃんはくすぐったそうに、体を曲げて逃げようとする
そんな様子が可愛いらしいから止められない

唯「やぁ……ムギちゃんくすぐったい!怒るよ」

紬「あらまだ怒ってなかったの?私といるとずっと怒ってるじゃない」

私の反撃にビックリしてまたまたそっぽを向く

唯「……怒ってないもん」


分かっている、自分で気持ちをコントロールできないのよね?
鎧を着てるのも、私からの攻撃を防ぐ為より、自分をおさえつけるために必要なのよね?
鎧じゃなくて、正確には拘束具なのだ。

だって私もそうだから……

あなたのせいで、あなたが好きすぎて、頭がおかしくなってしまうから

そっぽを向いたままの彼女の胸を触る


唯「あっ……」

油断してたのか今までで一番大きな声がでた

唯「む、ムギちゃ……んっ」

抗議しようとする口も、自分の口でおさえつけ、彼女の柔らかい胸を優しく撫でる

唯「ふぁ……んん…」

少しずつ抵抗していた力も抜けて大人しくなり、彼女の舌も積極的に私を求め始める。
ここまで頑張っていた鎧もそろそろ限界のようだ

紬「ん……はぁ唯ちゃん服脱がせるわね」

唯「あっ……はぁ…はぁ」

するすると彼女の着ていたTシャツやブラジャーを脱がす
何度見ても飽きない彼女の体は、相変わらずほのかな肉付きで可愛らしい体だった。


紬「ちょっと胸大きくなった?」

唯「分かんない」

紬「揉めば大きくなるそうよ」


唯「………」

紬「私が触ってるからかしら?」

唯「……ムギちゃんってやっぱり変態だよ、ッんんぁ」


彼女が言うように私は変態なんだろう、我慢できずに彼女のフカフカした胸に自分の口を押し付け、
そのまま舌でもう固くなっていた彼女の胸の先端部分を転がした

唯「ん……くっ……んん」

視線を上げると、彼女は手で口をおさえ必死に声がでないようにしていたので、私は一度口を離し、
両手で彼女の手を押さえてから続ける。だって彼女の声が聞こえないのは寂しいから

唯「いや……んあ…、こ、えが……ひやあ」


先ほどより強く彼女の胸を苛める。
それは父や母が教えてくれた優雅さや気品とはかけ離れた行為で、まるで犬のように彼女の胸を音をたてて舐めまわす。

唯「む、むぎ、んあちゃん……や……だ、めえ……」


彼女の泣きそうな声が耳をさし、それが少しだけ心地いい。
だって彼女の鎧はもうすぐ全部剥がれ落ちそうだから

私は責め立てていた口を少し離すと、同時に彼女の緊張が少しとれたようだったので、
また口を戻し強めに先端に噛みついてやった

唯「ひぁああああ」

ビクビク跳ねる彼女の体。すぐ油断するんだから……

荒い呼吸をしながら惚けた顔が可愛らしくこちらを見ている、口からはだらしなくよだれが垂れていた。
唾液が口の周りについた私の顔よりはマシだろうけど


紬「可愛い声たくさんでてたわね」

唯「ん……やめてって、言った、のに」

紬「本当に止めて欲しかったの?」

唯「…意地悪」


意地悪か……けどあなたが私だけに怒りをぶつけるように、私もあなただけに意地悪をするのよ。

額を汗が伝う。
部屋を閉め切ったせいで、夏の熱気が今更ながらおそってきた。
どうせなら唯ちゃんが持ってきた麦茶を飲んでからすれば良かったかもしれない

唯「…ムギちゃんも脱いでよ」

紬「いいの?課題できなくなるわよ」

唯「……自分で始めたくせに。そのままじゃ暑いでしょ?さっさと脱いじゃいなよ」


唯「それくらい自分でやりなよ……」

そう言いつつも私の後ろに回り、ワンピースのボタンに手をかける。
さっきも私が暑そうにしていたのに気づいたから、服を脱げと言ったのだろう。
そういう優しいところは、付き合う前も後も関係なく、彼女の愛すべきところだと思う

けどこの体勢では彼女の顔が見れないのが残念。こういう時の彼女は恥ずかしさ一杯のせいで、
眉間に皺を寄せてる顔をしているだろうから

唯「終わった」

振り向くと予想通りの可愛い顔がそこにはある。

紬「ありがとう」

そのまま肩から外し、するすると脱ぎ終えると、すぐ自分の胸に視線を感じた。

紬「な~に?」

唯「えっ……な、何でも…ない」

紬「大丈夫、唯ちゃんもすぐ大きくなるわよ」

驚き顔の彼女がこちらを見ている

唯「……ムギちゃんってさ、私の心読めるの?」

紬「ふふっ、ええ、そうよ。今は……私に抱きしめられながら、好きって言ってもらって、そのままキスしたいって思ってるわね」

唯「っ!!ムギちゃんのお馬鹿」


本当によく怒る子だ。
けどそれでも私は分かってしまう、だってそれは私があなたにやりたい事なんだから

私はそのまま唯ちゃんを優しく抱きしめると、怒っていた彼女も抵抗なく私に身をゆだねてくれた。
服と一緒にお互いの鎧も全部脱げたのかもしれない。


紬「唯ちゃん、好きよ」

抱いてる力を緩めて彼女と向かい合う。
可愛いクリクリとした目が私を見ていてそれをずっと見ていたかったけど、
すぐにそれは視界から消えてしまい、私達は今日初めて快楽とは遠いただのキスをした。



だけどやっぱりそれも最初だけで、すぐにお互いの弱点を探すようなキスに変わる

唯「んぁ……ん」

紬「はぁ、はぁ……ん」

唯ちゃんの手が私のブラジャーを外し、胸へと伸びてきている。
それと一緒に唇を離して、私の首にもっていき強く吸った

紬「んん…」

唯「プチュ……さっきの仕返し、これでムギちゃんも恥ずかしいでしょ」

私はむしろ嬉しいからこれは仕返しにはなってないわよと心の中だけで思う。
唯ちゃんはそのまま舌を使って、鎖骨の部分をペロペロ舐め始めた


紬「ひはぁ……ん…いッ」

唯ちゃんが鎖骨を噛む
これは彼女の癖で、私の中で固く噛みやすい部分はここだけだから、好きなんだと言っていた。

紬「ゆ、唯ちゃん……いた……い」

唯「チュ……ンプ……カプ」

紬「ん……はぁはぁ」

またまた先ほどの仕返しなのか、私の抗議を全然聞いてくれない唯ちゃんは、
いつもより強く噛みついたり、優しく舐めたりを繰り返す。

紬「はあ…ん」


もし彼女が本気で顎に力をくわえたら鎖骨くらい折れるかもしれない。
そんな彼女に支配されてる状況にドキドキしてしまう私は、やっぱりちょっと変なのかも。
そうなったら彼女はどうするんだろ……
ビックリして泣いてしまう?
それとも、意外に冷静な対処をとるのか?
どちらにしてもその代償として、こっからの行為が中断になるのは寂しい

彼女は鎖骨を舐めることに飽きたのか、そのまま口を私の胸にもっていく。


唯「はぁ……ハムッ」

紬「ん…あぁ……」


唯「チュウ………チュパ」


彼女は赤ちゃんみたいに私の胸を吸い始める。
それが本当に可愛らしくて、少しだけ気持ちよさを打ち消すほどだった。

紬「ん…はぁ……そんなに吸っても母乳はでないわよ」

減らず口をたたき、彼女の頭に手をおいて撫でてあげる

紬「私、唯ちゃんみたいな赤ちゃんなら欲しいかも。ママって言ってみて?」

彼女が目線を上にあげ、真っ赤な顔で睨んでくる

紬「んっ!」


先端にするどい刺激がはしった、どうやら怒った彼女が噛んだみたい。
冗談なのに……本当にこの子は私に子供扱いされるのを嫌う
他の子にされるのはいい癖に……困った恋人なんだから。

そして彼女は赤ちゃんのそれではなく、恋人にする愛撫のように吸うだけじゃなく、
時には甘く噛んで刺激してきた。


紬「ひッ………んあ……はぁ、」


だんだん気持ちよさに勝てなくなって、冷静な思考を失っていく。
彼女の空いた手がまたどんどん下に降りてきて、そのままパンツの中まで入ってきた


唯「チュ……ンチュパ……ん?……ムギちゃん気持ちいいの?もう濡れてるよ?」

三枚目の悪役みたいにニヤっと笑うけど、幼顔の彼女では全然さまになってない。
本当にこの子は……何でいちいちこんなに可愛いの

紬「ええ……悪くはないわよ」

だから私は偉そうに、上から目線で彼女に言ってしまう。だってそうしたら唯ちゃんはあの顔をしてくれるから

唯「むっ!……ムギちゃん変態のくせに」

奪うようにパンツを脱がされ、彼女はこちらに見えるよう指を二本たてる

紬「唯ちゃん、いきなりは……」

私の言葉を無視して、そのまま入れようとする、

紬「あぐ……んあ」

体が異物を拒否するように彼女の指を外に追い出そうとするが、彼女は押し広げるようにそれを入り口で動かす

紬「ああんん……唯ちゃん……ゆっくり…い」

唯「やだ」

そういうと今後は強引にねじ込むように指を入れようとする。本当あなたも…私もあまのじゃくなのよね。

紬「あッ……あッああん……」

肉を押しのけてズンズンと指が進んでいく。恥じらいもなしに私は声をあげてしまった


唯「全部ムギちゃんの中に入っちゃったよ」

紬「ふぁ……そ、うね……んん」

上手く言葉が話せない


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最終更新:2010年03月31日 23:39