生徒会室

唯「こんにちは~」

和「あら、唯じゃない」

唯「和ちゃーん」

律「知り合い?」

唯「うん、幼馴染の和ちゃん」

和「どうも」


和「うん、やっぱり軽音部は部活のリストにないわね」

和「部活申請用紙を提出してないんじゃないかしら」

律「忘れてた!」

澪「おい」

和「それに顧問はいるの?」

紬「顧問? ……いない、わよね」

和「そういうわけだから軽音部は学園祭には出られないわね」

律「そんな!」

唯「お願い和ちゃん! そこを何とか……」

和「そうね……唯、久しぶりに勝負しない?」

唯「……わかった。それに勝ったら何とかしてくれるんだね」

和「そういうこと。ただし顧問は自力で見つけてね」

澪「おい唯!?」

唯「大丈夫、みんなは顧問を探して!」

律「唯……わかった! 無理するなよ!」


タッタッタッタッ

律「唯の奴大丈夫かな?」

澪「あの二人って親友なんだろ? だったら……」

紬「でもあの眼鏡の子……どこかで見たことが……あ!」

紬「あの人は確か真鍋和! 全日本異種格闘技大会中学生の部で準優勝の経験が……」

澪「そんな……まずいかもしれないな」

律「……いや、ここは唯を信じよう」

澪「律……」

紬「りっちゃん……」

律「……ん? あの先生は?」


澪「音楽の山中さわ子先生か、とりあえず頼んでみよう」

律「すいませーん」

さわ子「はい?」

律「顧問になって下さい!」

さわ子「……はい?」

澪「実はかくかくしかじかなんです」

さわ子「私は吹奏楽部を受け持ってるからちょっと……」

紬「……」

律「そこを何とか!」

さわ子「そう言われてもねえ」

紬「先生」

紬「……屋上へ行きませんか?」


さわ子「こんなところへ連れて来てどういうつもりかしら」

紬「先生、私が先生を倒すことが出来たら軽音部の顧問になって下さい」

さわ子「いいわよ、どうせ無理だし」

澪「ちょっちょっとムギ!」

律「大丈夫か?」

紬「……りっちゃん澪ちゃん、ここは私に任せて」

さわ子「一人でやるつもり? 三人で来たほうがいいんじゃない?」

紬「烈風拳!!」

シュバッ

さわ子「烈風拳!」

シュバッ

澪「なっ!?」

律「ムギの技を使った!?」


紬「くっ」

さわ子「私はあらゆる格闘技をマスターした総合格闘術を使えるの」

澪「なんだって……!」

さわ子「あと趣味は格闘家を銅像にしてコレクションする事よ」

さわ子「せっかくだからあなた達もコレクションに加えちゃおうかしら」

紬「ダブル烈風拳!」

シュババッ

さわ子「ダークバリア!」

紬「きゃあ!」

澪「飛び道具を跳ね返した!?」

律「やばい……この人強いぞ……!」


澪「律」

律「わかってる、ムギに加勢するぞ」

紬「なんとか顧問にしないと……! 飛翔日輪斬!!」

澪「なにやってるんだムギ!? そんな残念な技出したら……!」

さわ子「ブッパほど見苦しいものはないわね、ジェノサイドカッター!!」

シャキーン

紬「うぐっ!」

さわ子「ゴッドプレス!!」

ゴシャーーーー

澪「まずい! あんな勢いでフェンスにぶつかったらフェンスが壊れて……!」

律「ここ屋上だぞ!? ムギー!!」

ガシャーン

紬「がっ……!」

澪「落ちるっ!」

律「間に合え!」

ダッ

律「ムギ!つかまれ!!」

はっし

紬「りっちゃん!」

律「よし、離すなよ!」

さわ子「……あら残念」

律「こいつ……!」

さわ子「それじゃあなたも一緒に落としちゃおうかしら」

澪「暫烈拳!!」

シュババババ

さわ子「おっと」

律「あんなに早い攻撃をかわしている……!」

澪「くそっ」

さわ子「ジェノサイドカッター!」

澪「ぐあっ!」

律「澪ー!」

さわ子「さて、じゃああなた達には落ちてもらうわ」

律(やばい……!)

澪「律達が危ない……飛燕疾風脚!!」

律「澪!? ぶっぱはやめろー!!」

さわ子「カイザーウェイブ!!」

バシュウウウ!

澪「がっ……!」

律「みおーーーー!!」


澪「」

律「ちくしょー……」

紬(このままじゃりっちゃんが……)

さわ子「ふふふ」

紬「りっちゃん……後はよろしくね!」

パッ

律「えっ」

律「ムギ!? 何で手を離すんだよ!?」

紬「負けないでりっちゃ……」

ヒュー……

律「ムギーーーー!!!!」

さわ子「自分から手を離すなんてお馬鹿ねえプスプス」

律「なっ!?」

律「うっお―――っ!! くっあ―――っ!! ざけんな―――っ!」


律「うおおおおーーーーー!!」

澪「……う、り、律?」

澪「あの構えはパワーウェイブ……だめだ、先生に飛び道具はきかない」

律「ああああーーーーっ!!」

さわ子「なに!?」

ドウッッ!

さわ子「ぐぎゃあーー!!」

律「はあ……はあ……」

澪「な……なんだ今のは……パワーウェイブじゃなかった」

澪「まるで……力の間欠泉だ……」


さわ子「ま、まさかこんな……ぐふ」

澪「律!」

律「……澪」

澪「すごいじゃないか! こんな技が使えるなんて!」

律「いや、無我夢中だっただけだよ。それよりムギが……」

澪「あ……」

律「先生、顧問になってもらうからな」

さわ子「仕方ないわね……わかったわ」

律「やったぞ……ムギ」

ガチャ

紬「りっちゃん大丈夫!?」

律澪「え」


律「ムギ! 無事だったのか!」

紬「ええ、地面に向かって烈風拳をうったらなんとかなったわ。名づけて疾風拳ね」

澪「よかった~」

律「あとは唯だな」

ガチャ

唯「あ、みんなこんなところにいたんだ~」

唯「部活申請用紙は和ちゃんが何とかしてくれるって!」

律「おお!」

澪「唯! ボロボロだけど大丈夫か?」

唯「大丈夫だよ~。ていうかみんなもボロボロだね」

律「まあな、でもこっちもなんとかなったぞ」

唯「やったね!」




1年 秋

律「いや~学園祭もりあがったな!」

澪「うん、苦労した甲斐があったよ」

律「来年もやろうぜ! 題してK-On Festival'11!」

澪「そうだな」

律「じゃあまた明日な~」

澪「うん」

澪「……」

澪(唯は底知れない力を持っている)

澪(ムギだって経験と知識がある)

澪(律は……土壇場で身に付けたパワーゲイザーがある……)

澪「私は……」

澪「……修行するしかないな」

澪「私も欲しいなあ……」

?「……悩んでいるようじゃな」

澪「え?」

天狗のお面をつけた男「どうだ、わしの修行を受けてみるか?」

澪「あ、あなたは……!」



2年 春

律「澪だけ別のクラスだもんなぁ」

澪「うるさい」

唯「元気出してよ澪ちゃん」

澪「元気だよ。それより新入生来ないな」

紬「そうね……」

ガチャ

律「ん?」

梓「あの……」

律「入部希望!?」

梓「ええ、まあ」

律「やったーーーー!」

紬「やったねりっちゃん!」

梓「その前に」

律「へ?」

梓「平沢唯がここにいるって聞いたんですけど」

澪「唯? 唯ならここに……」

唯「ふも?」

梓「見つけた……平沢唯!」

律「え、知り合い?」

唯「え、知らない……と思う」

梓「私の名前は中野梓といいです」

唯「中野? う~ん……なかの……え? 中野!?」

梓「気付きましたか」

梓「じゃあ早速やりましょうか」

唯「あ、やっぱり? あー、今日はギックリ腰だからまた今度……」

梓「問答無用です」

澪「! 殺気が……!」

律「ちょっと待った! なんだか知らないけどちゃんとアポとってくれないと困るよ~」

梓「どいて下さい」

律「力づくでどうぞ」

澪「おい律!」

梓「そうですか」

梓「弐百拾弐式・琴月 陰! ごおおぁぁ! 死ね!」


ガッ ドォン!

律「ごは!」

唯「りっちゃん!!」

澪「青い炎……! ていうか死ねって言った!」

紬「は……はやい」

梓「……さて、と」


唯「どうしてもやるの?」

梓「今更命乞いですか?」

唯「……わかったよ」

唯「ケリをつけようか」

梓「貴女の死をもって!」


唯「まけました……」

澪「早っ!! ていうか殺されそうな雰囲気だぞ!」

紬「私が行くわ」

澪「ムギ!」

紬「邪影拳!」

梓「百式・鬼焼き! おおお!」

紬「きゃああ!」

澪「あれは唯の技……!」

紬「まさかこれほどとは……化け物ね……ガク」

澪「ムギーー!」

澪「くそ……」

梓「あなたも邪魔するんですか」

梓「まあいいです、あなたで最後ですから」

律「おっと、私もいるからな」

澪「律!」


澪「大丈夫か?」

律「なんとかな」

梓「めんどくさいので二人いっぺんに来てもらって構いませんよ」

律「生意気な後輩だな……」

澪「……ここはお言葉に甘えよう」

律「澪?」

澪「なあ律、少しの間時間を稼いでくれないか」

律「いいけど、なんで?」

澪「こんな時のために修行して新技を身に付けた」


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最終更新:2011年10月12日 02:28