高2の春・・・

唯「ねえねえみんなは兄弟いるの~?」

澪「私は一人っ子だよ」

紬「私も兄弟はいないわ」

律「私はいるっ!弟が1人ね!!」

唯「うわ~りっちゃんうらやましいな~」

律「別にそんなに良くないって。ところで唯はいるのか?」

唯「私もいないよ~。妹とか欲しいかな~」

律「唯の妹とか出来悪そうだな~」

唯「そ、そんなことないよ!私の妹はきっと出来た子だよ!」

澪「どうだか?」

唯「澪ちゃんまで!ムギちゃんは!?」

紬「ははは・・・」ニコ

唯「ムギちゃんまで・・・」

律「まあそんなことより、みんなバイトとかしないのか?」

紬「私興味あるの!いつかファーストフードでやりたいと思ってるの!」

律「お~!ムギがバイトか~!澪は?」

澪「ん~私は当分はいいかな。めんどくさいし」

律「だよな~私も。唯は?」

唯「ふふふ・・・実は今日この後バイトの面接があります!!!」

澪「どこでやるんだ?」

唯「隣町の駅前の喫茶店でやるんだ~!パンとか焼いたり接客したりするみたいなんだ~」

紬「まあ唯ちゃんうらやましい!」

唯「へへへ・・・じゃあ私そろそろ行くね!また明日!」

律「お~頑張れよ~また明日な~」


ガチャ

唯「ここか・・」

唯「あの・・・ごめんください」

憂「いらっしゃいませ~、お一人様ですか?」

唯「あ、はい!あ・・いや・・アルバイト募集してるって聞いて来たんですけど・・・」

憂「あ、アルバイト希望の方ですね!すいません、もう少しで閉店なんでそれまで待ってもらえますか?」

唯「あ、はい!」

憂「じゃああそこの席に座って待っていてください」

唯「はい!!!」

憂「あの、これ食べてください。あと紅茶もどうぞ。お金は私がだしときますから」

唯「お、おいしそ~・・・って悪いですよ!」

憂「いいんですよ」ニコッ (かわいいな~この人)

唯「ご、ごめんなさいいただきます!」

憂「ふふ・・あ、いらっしゃいませ~」

唯(かっこいいな~あの人・・すごいしっかりしてるし大人っぽい・・)

唯(これおいしい!!!)



閉店後

憂「すいませんおまたせしちゃって!」

唯「いえ!こちらこそおいしいお菓子いただいちゃって!」

憂「あ・・それ桜高の制服ですよね!?」

唯「あ、はい!桜高2年です!そういえばお姉さんも桜高の制服着てる・・・」

憂「お、お姉さんなんて・・!私桜高1年ですよ、今年入学したんです!」

唯(い、いちねん!?私より全然しっかりしてるのに!)

憂「あ、敬語じゃなくていいです!今父を呼んできます!」

唯「あ、お、お願いしm・・お願い!」

唯(あの子桜高なんだ・・・)

ガチャ

憂「お待たせしました!」

店長「どうもこんにちは。バイトの募集?」

唯「あ、こんにちは!そうですバイト募集です!」(う~怖いなこの人・・)

店長「そうか。私は店長の佐藤だ。とりあえず履歴書をもらえるかな」

唯「あ、はい!」

店長「じゃあ見ておくから明日また来てくれる?」

唯「はい!わかりました失礼します!」

憂「さようなら~」

唯「うんまたね~」



その夜

店長「おい実、ビール持ってきてくれ」

実「へい!」

店長「さて、履歴書でも見るか」

実「どうぞ兄貴」

店長「おお悪いな」

実「いえ!兄貴、憂ちゃんに聞いたんですが、バイト希望ついに来たみたいっすね!」

店長「ああ、今履歴書見てるんだ。え~・・平沢唯16歳」

店長「平沢・・・唯?」

実「平沢唯って・・・兄貴まさか・・・そのお嬢さんは・・・」

店長「・・・・」

店長「ああ・・・多分間違いねえ・・憂の実の姉だ・・・」

実「これはマズイことになったっすね・・・」

店長「ああ・・・」

実「どうするんですか兄貴・・・ここで働かすんですか・・?」

店長「いや・・・それはマズイ・・できねえ・・・」

ガチャ

憂「もう・・こんな遅くに何やってるの~お父さ~ん」

憂「実さんも」

実「あ・・・起こしちゃってすまねえな憂ちゃん」

店長「憂、今大事な話してるから寝てろ・・・」

憂「何の話?あ、バイトの人の話だ!なになに・・平沢唯・?」

憂「あの人唯さんって言うんだ~」

店長「あのな憂・・あの人はここでは働かs

憂「絶対合格だよね!?すっごいいい人なんだよ!私一緒に働きたい!」

憂「絶対だよ!?じゃあお休み」

実「兄貴・・・」


翌日

唯「ごめんくださ~い」

憂「あ、唯さん!」

唯「あ、どうも!って、なんで名前知ってるの!?」

憂「あ、履歴書チラっと見たんですすいません・・」

唯「あ、そうなんだ全然いいよ!」

憂い「あ、私佐藤憂っていいます!よろしくお願いします!」

唯「憂ちゃんっていうんだ~よろしくね~!」

ガチャ

店長「来たか・・・」

唯「あ、こんばんは」

店長「おい実!早く来ねえか!」

唯(ひぃ・・怖いな~)

憂「すいません・・びっくりさせてしまって・・」コソコソ

唯「ううん大丈夫だよ」コソコソ

実「すいません兄貴!トイレ行ってやした!」

店長「平沢・・唯って言うのか?」

唯「は、はい!!!」

店長(よく見ると憂そっくりじゃねえか・・やっぱり・・・)

実(憂ちゃんと瓜二つだ・・・)

店長「そうか・・今日からうちで働かせてやる」

唯「ご、合格ですか!?やったあああああ」

憂「よかった!唯さん!」ギュ

唯「い、痛いよ憂ちゃん・・」

憂「あ、ごめんなさい!」

唯「えへへ・・いいよ憂ちゃん!よろしくね!」

憂「はい!よろしくお願いします!」

店長「・・・」

店長「俺の名前は佐藤テツ。憂の父だ。そしてコイツは実だ」

実「住み込みで働いてる実っす!よ、よろしくおねげえします!」

唯(二人ともおっかない顔だな~・・)

唯「あ!平沢唯です!唯って呼んでくださいよろしくお願いします!」

唯「部活があるのであんまり来れないかもしれないんですけど・・」

唯「精一杯頑張りますのでよろしくお願いします!」

店長(そっちのが好都合だ・・)

店長「じゃあ明日から来てくれ」

唯「ってことでバイト決まりました!」

律「お~!受かったんだ~よかったな~!」

澪「唯がバイトか。心配だな」

唯「も~澪ちゃんひど~い!私だってそれくらいできるよ~」

紬「でも唯ちゃんうらやましいわ」

唯「えへへ・・」

律「よ~し今度遊びに行くぞ~!唯の観察も含めて!」

澪「いいなそれ!」

紬「いかせて貰うわ唯ちゃん」

唯「え~冷やかしはやめてよ~」

律「違うってば~!ちゃんとお客としていくよ~!」

唯「ならいいけど・・・」

澪「でも部活もしっかり出ろよ!」

唯「うん!それは多分大丈夫!」

紬「それはよかったわ」


ガチャ

梓「あ、あの~・・・」

梓が入部し、部活は五人体制となった。
そして一ヶ月が経ち、唯もだんだんと仕事に慣れてきた。


憂「唯さんの疲れ様~!」

唯「うわ・・つかれた・・」

憂「でもだんだん仕事慣れてきましたね!最初は・・・」

唯「あ、あはは・・・」

憂「私唯さんと働くの楽しいです!」

唯「私もだよ!憂ちゃん!」

憂「あ、あの!憂って呼んでください!」

唯「え!いいの・・?一応バイトの先輩だし・・」

憂「いいんです!呼んで欲しいんです!」

唯「う・・・憂?」

憂「わあああ・・・お姉ちゃんが出来たみたい!私一人っ子だから・・」

唯「私も妹が欲しいな~って思ってたんだ」

憂「そうなんですか~!?私達姉妹だったらよかったのにな~」

唯「それいいね~!!!う~い~」ギュ

憂「唯さん痛いよ・・ふふふ」ニコ

実「・・・・・・・」



数日後

唯「いらっしゃいませ~・・ってみんな!」

律「お~っす来てやったぞ!」

澪「お、ちゃんとやってるな?」

紬「Pow・・・」

梓「ここ・・・憂の家だ・・・」

唯「まあまあ座って座って!!!」

律「じゃあとりあえずみんな紅茶とあんぱんで!」

唯「かしこまり~♪」

唯「おまたせ~!」

紬「まあおいしそう!」

憂「お待たせしました~」

梓「憂!」

憂「梓ちゃん!?」

律「なんだ梓知り合いか!?」

梓「はい、同じクラスの佐藤憂ちゃんです」

憂「あ、よろしくお願いします。じゃあこの方たちは軽音部の先輩?」

梓「うん。そうなんだ。」


憂「じゃあ唯さんも・・いつもギター持ってたけど・・」

唯「そうなんだ~!言ってなかったけど私軽音部なんだ~」

憂「凄い!ギター弾けるなんて!かっこいい!」

唯「そんなことないよ~///」

憂「あの・・・唯さんをよろしくおねがいします!」

唯「ちょっとやめてよ憂~」

律「ははは!ほんとの姉妹みたいだな!」

唯「へへへ///」

実(憂ちゃん・・・唯ちゃん・・・)


実「兄貴・・俺も見てられないっすよ!!」

店長「バカやろう実!」

実「でも・・・じゃあ何で兄貴は唯ちゃんを働かせたんすか!?」

実「こうなることは分かってたんじゃないんすか!」

店長「実・・・あの日のこと忘れたんじゃねえだろうな・・・」

実「・・・」

実「忘れるわけないっすよ・・・」




十数年前

「お~い誘拐犯だ~!!!!」

テツ「・・・おい実!」

実「へい、行きましょう兄貴!」


廃工場

稲垣「はあはあ・・・ここなら誰もこねえな・・・」

ギーッ

稲垣「・・・?」

テツ「おい、お兄さん・・そのガキ返してもらおうか」

稲垣「だ、誰だおまえ!?邪魔すんな!」

テツ「おまえ・・・須磨会の稲垣か・・・」

稲垣「お前ら・・・桜会のテツと実・・・」

テツ「須磨会も落ちぶれたな・・幼女誘拐なんてな」

稲垣「うるせえよ!邪魔する奴はぶっ殺してやんよ!!!」

シャキーン

テツ「おうおう随分危ないもん持ってんな稲垣」

稲垣「ぶっ殺してやる!おらああああああ!」

実「危ない兄貴!」

テツ「ふん!」

稲垣「クッ・・・おらあああ」

テツ「くそ・・・」

稲垣「あああああ」

もつれた次の瞬間だった

グサッ

稲垣「ぐ・・・」

バタ

稲垣「     」

テツ「はあはあ・・・」

実「兄貴・・・マズイっすよ・・・死んじまってますよ・・・」

テツ「マズイな・・・」

ウーウー

実「兄貴・・・警察が・・・」

テツ「逃げるぞ実」

赤ちゃん「うわ~ん!!!!」

テツ「・・・」


テツ「このガキ抱いて逃げんぞ!」

実「え!でもバレちまいますよ!」

テツ「バカやろう!ほっとけねえんだ・・・」

実「兄貴・・・わかりやした!逃げ道は俺に任せてくだせえ!」


・ ・・・・・・・・・・・・
テツ「ここまでくりゃ大丈夫か・・・」

実「そうっすね・・・兄貴、これからどうするって言うんですか・・・」

実「このガキ連れてきちまって・・・」

テツ「・・・・・・」

実「兄貴・・・」

テツ「このガキは俺が預かる・・・」

実「!!!!!!!!!!!」

実「兄貴・・・正気っすか!?」

テツ「今更どうしろって言うんだ・・・ノコノコ返しになんて行ったらブチ込まれんぞ」

実「そりゃそうですが兄貴・・・桜会はどうするっていうんですか。こんなことがばれたら・・・」


テツ「足洗う・・・」

実「兄貴・・・そこまで・・・」

テツ「なあ実・・このガキ可愛い顔してんぞ・・・」

実「はい・・・」

テツ「これも運命なんじゃないかって」

実「兄貴・・・」


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最終更新:2010年04月01日 22:16