唯ちゃんはブレザーのボタンを外して、ブラウスをはだけさせた。
薄い生地を盛り上げる胸から、私は目を離せなくなる。これで薄暗くなかったら、間違いなく透けた下着が見えていただろう。
もしそうだったら、私は…

紬「な…なに言ってるの?こんなことダメに決まって…」

唯「…ムギちゃんだってさっき、触りたかったら触っていいって言ったじゃん」

紬「そ、それとこれとは話が…」

唯「触らないとわかんないよ…?ほら」

し、仕方ない…軽く、軽~く触れれば…

紬「じゃあ…ちょっとだけ…ね?」


私はそっと唯ちゃんの胸に手のひらを当てた。
下着やブラウス越しのはずなのに、それは驚くほどに柔らかかった。
ま、まるで、マシュマロとかおまんじゅうみたい…も、もっと強くしても大丈夫かな…大丈夫、だよね…?

モミュッ…

唯「っあ…!」

紬「ご…ごめんなさい!私、その…」

唯「…う、うん、平気…それで、どう?わかった…?」

紬「えっと…よく、わかんないかな…」

唯「じゃあ…耳当ててみたらどうかな」

紬「み、耳!?」

唯「ほら、こうやって…」

紬「!?」

唯ちゃんは私の頭を抱いて、胸に押し当てた。わ、私今、唯ちゃんの胸に…あ、なんかいい匂いが…うぅ……

唯「ムギちゃんどう?わかった?ドキドキしてる?」

紬「し…してる…ドキドキ…っていうか…っていうか唯ちゃん、なにか楽しんでない…?」

唯「えへへ…なんか楽しいんだもん♪ムギちゃんかわいくってー♪」

…さっきまであんなに照れてたのに、なんで急にこんな楽しそうなの!?
もう…唯ちゃんがわからない!!


唯「ふぅ、それじゃそろそろ帰ろうか」

紬「ちょ…待って!私まだ唯ちゃんの気持ち…」

唯「…大丈夫だよ。ムギちゃん」

紬「大丈夫って……!!」

唯ちゃんは私にキスをした。
それは一瞬のことだったけど…確かな感触が、唯ちゃんの唇が私のそれに押し付けられたことを物語っていた。

唯「大丈夫だよ…私、ムギちゃんのこと大好きだから」

紬「あ…え…?」

唯「だから…今度は私にも触らせてね♪おっぱい♪」

紬「…ゆ、ゆゆ……唯ちゃっ…もう!///////」



翌朝、私はたいそう浮かれていた――

紬「うふふふふ…♪昨日は唯ちゃんと…うふふふふふふ…♪」

唯ちゃんに好きって言われちゃった…♪おまけに、キ、キスまで…さらには、む、むむ…胸を…胸をも、ももも…

紬「んっ…はぁん♪」

澪「ムギ、どうした?そんなあえぐくらいいいことがあったのか?」

紬「うん、まぁ♪ところで昨日はどうだった?楽器屋」

澪「楽器…ひいぃっ!れ…レフ…レフティ!…あぐっ」

禁断症状を起こしかけた澪ちゃんを正気に戻したのはりっちゃん…もとい私のライバル!

律「そんなに間合い取らなくたって大丈夫だよ…ふふ、昨日はお楽しみだったみたいだな…私をほったらかして…裏切って!」

紬「ええまぁ…昨日は私たち、結ばれちゃったから」

律「なっ…?む、むす…結ばれ…?」

紬「うふふ…ふ…ブシュッ…ま、まぁさすがに一線は越えてないけど、その一歩手前には行ったかな…ブシュッ…うふふ…」

律「くっ…な、何をやったんだ…そんなに鼻血が飛び出るくらい、何をやったんだぁ!」

紬「うふふふふ…♪」

あぁ、本当に私、幸せ…


…が、そんな幸せは長くは続かなかったのです…

放課後

紬「唯ちゃん?こんにちは!」


紬「唯ちゃん?」

唯「…こんにちゃ……」

なんだか、唯ちゃんの様子が変です。
目は虚ろで、顔も真っ赤。まさか風邪?と思ったけど、熱はないみたいだし…

紬「…あら?唯ちゃん、タイが緩んでるわよ?ブラウスもくしゃくしゃだし…」

唯「…んー」

紬「あの、唯ちゃん…昨日のこと、覚えてるわよね?私と、その…色々したこと」

唯「…んー」

紬「その…だから、きょ、今日も…」

梓「唯先輩」

声に振り向くと、梓ちゃんが立っていた。
私を見るその目は、どこか冷ややかだった。

紬「あ、梓ちゃん?」

梓「ムギ先輩、来てたんですか?遅かったですね。…まぁ、私たちとしてはよかったですが」

紬「え…?」

梓ちゃんは唯ちゃんの前に立った。すると…

唯「あ…わ、あ、あずにゃん!?あ、うぅ……」

梓「ふふ…唯先輩、もう大丈夫ですか?今度からはちゃんと自分で服着なきゃダメですよ」

唯「う…うん」

な…何のことだろう。服って…?ま、まさか…ううん、そんなはずない。
唯ちゃんは昨日私のこと好きって言ったんだもん。そんなわけ…

梓「そうだ…聞きましたよムギ先輩。唯先輩と色々したみたいですね」

紬「え…?」

梓「私、嫉妬しちゃいました。だから…ふふ♪」

紬「な…なに…?」

梓「唯先輩と、しちゃいました」


紬「は…?し、したって…」

梓「ふふ…こういうことです」

唯「ぁ……」

梓ちゃんは唯ちゃんの膝の上にに跨がると、突然唇を重ねた。

唯「んっ…んぅ……ん、ん……」

唯ちゃんの口から、透明な唾液が一筋垂れた。その顔は、快感に悦んでいるような、そんな表情だった。

梓「ぷは……うふふ…どうですかムギ先輩?もっと見たいですか?」

紬「な…なん…で…?昨日、私のこと好きって…」

唯「言ったよ…?だけど…あずにゃんがいきなり私に…」

梓「だって、ムギ先輩はこういうことしなかったらしいじゃないですか。もっと気持ちよくしてあげればよかったのに」

紬「な…」

梓「…文句はありませんね?唯先輩は私のものですよ」

紬「……!」


紬「…あるよ。文句はある」

梓「え?今さら何を…」

紬「…唯ちゃん、昨日言ったわよね。私の胸、触らせてって」

唯「え…う、うん」

紬「だから…今、触っていいわよ。好きなだけ」

唯「うぇ…?」

そう、唯一残った私の切り札…それは私の胸!
これで唯ちゃんが私の胸に触れたら、それは私を選んだってことになる!

梓「な…ちょっと待ってください!唯先輩はさっき…」

紬「おだまり泥棒猫!」

梓「…な……」

紬「しょせん梓ちゃんもりっちゃんと同じ…私の二番煎じしかできないのよ!」

梓「う…そ、そんなことは…私は確かに唯先輩と…」

紬「唯ちゃんの着衣の乱れはただ単に梓ちゃんが胸を触ったりしただけ!服がどうのこうの言ってたのは私を惑わせるでまかせね!」

梓「ぎく…な、なんでいい切れるんですか!?」

紬「だって唯ちゃん、タイツが裏表逆なんだもの!真面目な梓ちゃんが履かせたらこんなことあり得ない!」

梓「く…しまった…」

唯「はう、ムギちゃんいつの間に確認したの!?」

紬「私は唯ちゃんの観察なら誰にも負けないわ!」

梓「で…でも、キスしたのは確かですよ!唯先輩も気持ちいいって…」

紬「ふ…それが?」

梓「えぇ!?」

紬「それは梓ちゃんからしたことじゃない!大事なのは唯ちゃんの意思なのよ!」

梓「う…うぬぬ…」

紬「さぁ、唯ちゃんはどっちを選ぶの?私の胸かしら?それとも梓ちゃんの唇?」

唯「えっと…私は…」

紬「……」プチプチ

私はブラウスのボタンを外して、下着をチラリと唯ちゃんに見せた。
ちなみに今日のブラはピンク…唯ちゃんが大好きなピンク!

唯「……」ジーッ

紬「うふふ…♪唯ちゃん、触っていいわよ?」

唯「はぁ、ふぅ…ムギ…ちゃん」

梓「ゆ、唯先輩!だめです!私と…」

紬「唯ちゃん♪」

唯「ムギちゃん…だいすきー」

唯ちゃんは私の胸に飛び込んだ。

勝負あり…唯ちゃんの舌が私の胸をペロリと舐めた時、私はそう確信したのだ!


紬「きゃんっ♪唯ちゃんだぁめ、そんなに舐めたら…いゃん♪」

唯「ペロペロ…」

梓「く…しょ、しょせん体で誘惑してるだけですよ!そんなの愛とはとても…」

紬「いいの!唯ちゃんは私を選んだんだもん!それは愛以外の何物でもないわ!」

梓「…うぅ…負けた……お、覚えてろー!」

梓ちゃんは尻尾を巻いて逃げ出した!
…悪いことしちゃったかしら。ううん、この世は弱肉強食なんだもの。仕方ないわよね…

唯「ム、ムギちゃん…」

紬「うふふ…唯ちゃん♪」

唯ちゃんは私の胸におそるおそる触れた。

唯「うぉ…なんか柔らかいね…」

紬「も、もっと強く触っていいわよ?昨日の私みたいに」

唯「うん…」

唯ちゃんは手にグッと力を込めた。下着を着けているのに、手のひらの感触がとても気持ちいい…

紬「ゆ…唯ちゃん?」

唯「ほぇ…?」

私は唯ちゃんを胸に抱きしめた。…とても、温かかった。


END?



最終更新:2010年04月04日 00:48