澪「…ごめん、私やっぱり帰る」

律「はぁ!?練習しようって言ったの澪だろ?なんだよそれー」

梓「先輩、どこか具合悪いんですか?」

澪「いや、そうじゃないけど…ごめん、それじゃ」

唯「澪ちゃん…」

律「なんだよ澪のヤツ…意味わかんねえ」

紬「……」

紬「りっちゃん、悪いんだけどこのペン澪ちゃんに渡してきてくれない?」

律「え?なんで私が…」

唯「あ、じゃ私がいくよ!」

梓「先輩、ちょっとは場の流れを読んでください!」

紬「お昼に借りて返すの忘れちゃってて…お願いしていい?」

律「…わかった」


律「おーい澪!」

澪「あ…律…!」

律「ムギがこのペン渡してくれって…澪、お前なんで泣いてるんだよ!?」

澪「な、なんでもない!」

律「なんでもなくって泣くか!さ、律さんに話してみんしゃい!」

澪「律…」

澪「…お前、小学生の頃からこうだった」

律「え?」

澪「私がクラスの子にちょっかい出されて泣いてると、こうやって理由聞いてきたよな」

律「そりゃそうだろ?お前は私の大切な親友だからな!」

澪「親友…か」

澪「私に今まで好きな男子ができなかった理由はな?」

律「な、なんだよいきなり」

澪「恥ずかしかったっていうのもあるけど…一番の理由は律がいたからなんだ」

律「え?私?」

澪「ああ、お前よりかっこいい男子なんていなかったからな」

律「そ、そうか?」

澪「ああ…だから私にとって律は…親友であって恋人でもあったのかもな」

律「澪…」

澪「律」

律「な、なんだ澪」

澪「唯には悪いけど…私と…」

唯「りっちゃーん!澪ちゃんまだいる?」

律「あ…唯!どうした?澪ならいるぞ?」

澪「……」

唯「お菓子持っていきなよ澪ちゃん!全然食べてなかったでしょ!」

澪「唯…ああ、ありがとう」

唯「ふう、じゃあ私行くね?」

澪「ああ…それじゃ」

澪(…やっぱ唯みたいなのが律には似合うのかな…)

律「あ、唯!」

唯「なあに?」

律「悪い、やっぱ恋人解散!別れてくれ!」

澪「り、律?」

唯「ガーン!私、振られちゃった…」

律「違う違う!唯はもちろん私の友達だぞ?大好きなのは変わらないから!」

唯「ホント…?」

律「ホントだって! 恋人ってくくりじゃ皆が唯と仲良く出来なくなるかもだろ?だから恋人解散!」


澪「そんなんで納得するわけ…」

唯「そうだね!わかったよ!」

澪「納得しちゃった…」

律「ふう…」

澪「いいのか?仲良くなってたのに」

律「いいんだよ、唯はやっぱり友達だ!それに」ギュッ

澪「きゃっ…」

律「あんま唯とばっか仲良くしてると澪が寂しがるからな~」

澪「り、律…」

律「さ、部室戻って練習しようぜ?」

澪「お、おう!」


翌日

梓「…昨日は澪先輩と律先輩、仲直りしてたみたいだけど…」

梓(私も恋愛…的なこと、してみたいかも…)

梓「こんにちはー」

唯「うぅ…ひっく…ちくしょー…」

梓「ゆ…唯先輩!?」

梓「ど、どうしたんですか?」

唯「りっちゃんによう…振られちまった…ちくしょー…」

梓「…なんで酔っぱらいみたいな口調なんですか?それカルピスじゃないですか」

唯「うぅ…昨日は納得したけど…寂しいよう…」

梓「……」

梓「そ、それなら…!」

梓「わ…私と…」

唯「え?」

梓「その…私も暇ですし…なんというか…」

唯「あずにゃん…私とお泊まりしてくれるの!?」

梓「え?」

唯「実はね?今日憂がお父さんの出張先に荷物届けるから帰ってこないの…ホントはりっちゃんに泊まってもらおうと思ってたんだけど…」

梓「え…え?」

唯「あずにゃんが泊まってくれるなんて…ありがとう!」

梓「わ、私…そ、そういうつもりじゃ…」

唯「え…ダメなの?」

梓「う…わ、わかり…ました…」

唯「やったー!今日は楽しくやろうね!」

梓(ど、どうしてこんなことに…)


部活終了後

梓「じゃあ私、親に話して着替えとか持ってくるんで…」

唯「うん!待ってるね?」

――――――

憂「あ、お姉ちゃん!」

唯「あ、ういーどしたの?」

憂「私今から出かけるけど…誰か泊まってくの?」

唯「うん!」

憂(ま、律さんなら大丈夫だよね…)

憂「じゃあ明日ね?なるべく早く帰るから!家のことはメモに書いてあるからね!」

唯「うん!気をつけてねー!」


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最終更新:2010年07月03日 04:45