澪「げ、元素の周期表を少々……」
梓「あちゃ~……」
唯「す、水兵リーベ……僕の船……ううっ(涙)」
律「この水兵さんはきっと途中で戦死したんだと思う……」
紬「なんだか悲しい歌になっちゃったわね……」
和「ごめんね澪、あなたに辛い思いをさせちゃって……」
澪「の、和までっ!?」
澪「私は別にお前たちが思ってるほど悲壮感は漂ってないつもりだぞ」
澪「覚えて損するなんてこともないだろうし……」
律「クラスの人の証言では元素記号をブツブツ呟く澪さんには
あまりにも近づきにくいオーラが出ていたと……」
澪「うっ……」
紬「澪ちゃん理系の学部目指してるの?」
澪「いや……そういう訳じゃないけど……」
律「だめじゃん」
澪「でも、いつかきっと役に立つ時が来るはずっ!!」
律「どうだか……」
梓「あの、すみません。ちょっとお手洗いに行ってきます」
唯「あ、じゃあ私も」
澪「!?」
紬「ん? どうしたの?澪ちゃん」
律「澪もトイレか?」
澪「い、いや……」
律「へんな奴だな……」
唯「じゃあ行こっか、あずにゃん」
澪「あ、あのっ……!!」
梓「はい?」
澪「原子番号39番」
唯梓「へっ?」
澪「イットリウム、、、二人でトイレに行っとリウム」
澪「な、なんちゃって……////」
ぽか~~~~~~~~ん・・・・・・
唯「えっ? 今なんて?」
紬「澪ちゃん……」
和「……」
和「ブフッwww」
和「あはははははははwwwwww!!」
律「の、和っ!?」
唯「なになに? 何がおかしいの!?」
和「イッwトwリwウwムwでwいっwトwイwレwwwwwww」
和「元素記号がYなだけにワイも一緒に連れションってかwwwwやかましいわwwww」
唯「和ちゃんしっかり!!」
梓「これはっ!? ある程度の頭がないと通じないと言われている学問ギャグではっ!?」
唯「あずにゃん! いったいそれはっ!?」
梓「唯先輩は元素の周期表どこまで言えますか?」
唯「えっと……水兵リーベ、だから……」
唯「そうかっ!! 最初は『水』だね!!」
梓「はい、よくわかりました!!」
唯「次は、兵……兵……HEY! いや、違うっ!!」
梓「もう結構です」
紬「つまり、私たちの理解の及ばないところのレベルで2人は共鳴しあっていると?」
梓「おそらく……」
律「な、なんなんだ……」
和「それじゃあwww私も唯と一緒にトイレにイッテルビウムwwwwwwww」
澪「和もやるな~」
唯「でも、和ちゃんがこんなに楽しそうに笑ってるの初めて見たかも」
唯「澪ちゃん!! 周期表覚えたの役に立ってるよ!!」
澪「そ、そうか!!」
唯「うん! 今まで澪ちゃんはりっちゃんにツッコんでばっかりだったけど」
唯「その気になればボケでも充分食べていけるよ!!」
唯「さまぁ~ずの三村みたいにツッコミもボケも両方いけるよ!!」
和「みwwむwwらww三村はむしろボケ9のツッコミ1でしょwwwwwwww」
唯「えへへ~」
澪「そっか……私もボケで食っていけるか……」
澪「それにこんなにウケるなんて。嬉しいもんだな////」
澪「なんだか原子番号52番だよ」
律「ま、また……」
澪「テルルな、、、照れるな……///」
和「やwwwwwwwめwwwwwwwろwwwwwwww」
和「それ以上やったら私の腹筋がウンウンビウムwwwwwwww」
律「なんだそれ……」
唯「和ちゃん楽しそ~♪」
帰り道
唯「じゃあ、また明日ね~」
和「フヒッwwwハヒッwwww」
律「和、大丈夫か……?」
唯「大丈夫だよ~」
澪「また79番日まで~」
和「またAu日までwwwwww高度wwwwこwれwはw高等テクニックwwwwww」
和「そのギャグにはAuだけに私から金メダルをさしあげたいwwwwwwwwww」
紬「あはは……」
梓(なにはともあれ澪先輩今日はいきいきしてたな。いいネタを見つけちゃった)
澪「和。明日もラジウム」
和「ラwwジwwウwwムwwキュリー夫妻が発見wwwwwww」
律「ほら、澪。早く帰るぞ……」
澪「ああ♪」
・ ・ ・ ・ ・
和「ラジウムwwww温泉wwwwwww」
和「……って!! あれっ!?」
和「ねぇ唯? さっきのどこがかかってたの!?」
唯「え? さ、さぁ~……」
和「って言うかさっきから私、何がそんなにおかしくて笑ってたのかしら……」
唯「ふふふっ。おかえり和ちゃん」
和「あっ、え、ええ。ただいま」
唯「あのね、和ちゃん。さっきまでの和ちゃんは今まで溜め込んだものが爆発した状態だったの」
唯「今まで頑張ってきた和ちゃんに澪ちゃんが空気穴を開けてくれたんだよ」
和「へっ?」
唯「自分では気付いてないかもしれないけど、和ちゃんは今まで頑張りすぎて破裂しそうだったの」
唯「勉強や生徒会、軽音部の申請が遅れたり、そして私も色々と迷惑かけちゃったりしたかもね」
唯「だからね、そんなプレッシャーから一度リセットされたんだよ」
和「そ、そういえばいつもより体が軽いかも……」
唯「うん。笑うってじつは大事なんだって志の輔さんも言ってたんだ」
和「そう……。私ったら気づかない内に溜め込んじゃってたのね」
唯「でも、悔しいな……。和ちゃんは私が癒したかったのに」
和「何言ってるのよ。私の異変にいち早く気付いてくれたのは唯でしょ?」
唯「うん。そうだけど、結局私何もできなかった……」
和「唯は私に足りない物を持ってくれているわ。だから今まで一緒にいたのよ?」
唯「そうかな……」
和「あなたの笑顔で今まで何度も癒されてきたわ」
唯「私は、和ちゃんがしっかりしてくれてたからそれに何回も助けられたよ」
唯「でも、だから和ちゃんがパンクしそうになったのかも……」
和「そんなことないわ。唯の助けになって私もうれしい」
和「私たちはお互いに足りない何かを出しあって結びついてるのよ。まるで共有結合みたいにね」
唯「よくわからないけど、私も和ちゃんの役にたってるの?」
和「もちろんよ。これからもよろしくね唯」
唯「うん。えへへ♪」
中野家 梓自室
梓「今日は澪先輩ネタが豊富でうれしいな~♪」
梓「……ちゃんと音声撮れてるかな?」
『イットリウム、、、二人でトイレに行っとリウム』
梓「よかった、ちゃんとICレコーダーで撮れてた」
梓「さて、それじゃあ早速澪ちゃんブログの更新をしなきゃ」
梓「『本日の澪ちゃん』っと」カタカタ……
梓「今日は今まで謎のヴェールに包まれていた澪ちゃんの過去に迫っていくぞ」
・ ・ ・ ・ ・
梓「────最後に今日の澪ちゃんの一言!『二人でトイレに行っとリウム』
これはいつものように着ボイスとしてアップするから要チェックだ!!」
梓「以上、澪ちゃんファンクラブ会員No.100 副会長
中野梓の報告でした」
梓「それじゃあミオミオ~♪」
梓「……ふぅ」
梓「澪先輩……、すみません」
梓「でも、世界中の澪ちゃんファンが待ち望んでいるんです」
梓「会員のみんなもこれ以上は望まないので、せめて卒業までは勘弁してください」
ピリリリッ!!
梓「ん? 誰からかな……」
梓「!? こ、これはっ!! 曽我部名誉会長!!」
梓「も、もしもし!? お久しぶりです!!」
恵『うふっ、頑張ってるようね。中野特別情報員』
恵『いえ、今は副会長だったかしら?』
梓「は、はい。……で、何か御用で?」
恵『ええ、今しがた更新された澪ちゃんブログを覗いたところだったから』
梓「は、はぁ(ついさっき更新したばっかりなのに……この時間帯に重くなるのは
名誉会長のリロードが原因だったのかな……)」
恵『今日は特に素晴らしかったからどうしてもあなたにお礼を言いたくってね』
梓「ありがとうございます」
恵『まるで私も秋山さんと同じ軽音部にいるかのような錯覚に陥った
それほど臨場感に富んだ記事だったわ!!』
梓「喜んでもらえて、私も嬉しいです」
恵『特に秋山さんが独りで地図帳を見ていたってくだり……』
恵『ああっ!! 私も幼い秋山さんが目でなぞった山脈伝いを行ってみたい
川を逆流してみたい 秋山さんと一緒に日本海で溺れてみたいっ!!』
恵『こんな妄想で今夜は眠れそうにないわ』
梓「そ、そうですか……(相変わらず、なんだか危ない人だなぁ……)」
恵『その地図帳の銘柄はわからないのかしら?』
梓「そこまではさすがに……」
恵『そう、残念ね……。できれば同じ物をって思ったんだけど……』
梓「あの、もう何もなければ……」
恵『ああ、そうね。じゃあ、今度の新勧ライブの映像楽しみにしてるわね』
梓「はい、お任せください」
恵『それじゃあ、お休みなさい』
梓「お休みなさい、失礼します」
翌日 放課後
澪「昨日は原子番号36番のCDを聴いててさ~」
紬「クラプトンね。私も理解できたら結構おもしろいんじゃないかって気づいちゃったわ♪」
律「ムギまで毒されてしまった……」
梓(澪先輩も今までの自分からチェンジ・ザ・ワールドですね!!)
澪「おい律、そんな25番なんて読んでないで早く練習するぞ」
律「へっ? この漫画のこと?」
澪「うん。マンガン」
紬「澪ちゃん上手い♪」
澪「えへへ///」
律「はぁ~……」
和「ちょっといい?」
唯「あ、和ちゃん」
和「新入生歓迎会の舞台発表順が決まったから。はいこれそのプリント」
律「おっ、サンキュー」
澪「やぁ和」
和「なんだか機嫌がよさそうね澪」
澪「まぁね。なんだか今までのモヤモヤが原子番号9番だよ」
和「?」
澪「フッ素んだ、、、吹っ飛んだ」
紬「ウフフ。もう、澪ちゃんったら」
澪(さぁ和! 今日も笑い転げてもらうぞっ!!)
和「ごめんなさい。こんなときどんな顔すればいいのかわからないの……」
澪「笑えばいいと思うよ」
和「……」
澪「あ、あれっ?」
律「ぶぁっはっはっはっはwwwwww」
律「おもいっきりスベってやんの澪wwwwwwwww!!」
澪「で、でも昨日はあんなに……」
和「昨日の私はどうかしてたのよ」
和「はっきり言って、それ、おもしろくもなんともないわよ」
澪「そ、そんな……」
澪「ムギは、ムギはわかってくれるよな?」
紬「私も……、よく考えてみたらそんなに……」
澪「ガ────ン!!」
梓(悲惨ですね……)
律「そういうことだ澪。お前のはただのオヤジギャグだ」
澪「ううっ……」
紬「で、でも澪ちゃんにはまだ地図帳ギャグが残ってるんじゃ……」
澪「もう、いいんだ……」
紬「えっ?」
澪「やっぱり私にはこんなことは似合わないって……、薄々気付いていたし」
紬「澪ちゃん……」
澪「結局、私は顔が良くってプロポーションも完璧なただのツッコミキャラなんだよ」
澪「元気しか取り柄のない律をツッコんでるのが分相応なんだ」
律「よかった、あまり落ち込んではないようだ」
澪「これからは今まで通りバカみたいに真面目に生きていくよ……」
和「なにか私いけないこと言っちゃったかしら……」
律「あ~気にしないでいいよ」
澪「私なんて……、どうせ私なんて……」
唯「澪ちゃん! 澪ちゃんにはまだそのベースがあるじゃない!!」
澪「ゆ、唯」
唯「澪ちゃんのベース、私は好きだよ!」
梓「そうですよ! 先輩の演奏を心待ちにしている人だっているんですよ!!」
澪「そっか……。うん、ありがとう!」
澪「私、舞台に自分の道を見出すよ!!」
そして数日後 新勧ライブ当日
澪「はぅ~~~~~っ……」
紬「澪ちゃん!? どうしたの!?」
澪「やっぱり恥ずかしいよ~~~~」
律「あの時の威勢のよさはどこ行った?」
澪「だって……」
唯「澪ちゃん掌に人って書いて飲み込めばいいよ!」
律「あ~ダメダメ。今朝登校してるときから何千人と飲み込んでるけど
もう全ッ然上がったままだから」
澪「き、今日はビデオも撮ってるんだろ……?」
梓「あ、ああ~……。そう言えばそうですね」
澪「もし、前みたいに転んだりなんかしたら……」
梓(はい、そうなったら私たちにはご褒美です)
律「じゃあ、ジャージで出たら?」
梓(!? よ、余計なことをっ!!)
最終更新:2010年04月09日 00:45