♪律VS紬!

紬「じゃあ言葉は黒にしましょ」

律「ふんふん、黒ね」

紬「ゲームスタート――じゃあ私からの質問。ゴキブリの色は何でしょう?」

唯「何かムギちゃんじゃないみたいな質問だね。ていうか答えたら負けるしね
これは答えなきゃダメなのかな?」

梓「どうなんでしょうね」

律「甘い、甘すぎだムギ。スガキヤのソフトクリームより甘いぜ。
答えはブラックだ!」

紬「さすがりっちゃん……そのたとえは私には全くわからないけど。そもそも私、
ゴキブリを見たことがないからゴキブリを見るのが夢なんだけれど」

和「何その夢」

唯「何だか熱くなってまいりましたー」


紬「じゃあ、これはどうかしら……私の髪の色はなんでしょう?」

律「地味に難しいな。茶色ではないし……うーん」

憂「ふうースッキリした」

律「金っていうにはちょっと……」

紬「はい今りっちゃん『金』って言ったわね。私の勝ち」

律「な、なに言ってんだよっ?ムギが選んだ言葉は『黒』だろ!?」

唯「あっ、言っちゃった」

律「!!」

紬「私の勝ち、ね」

律「くっそー、やるなあムギー」

♪紬、勝利!




♪食後!

唯「お腹いっぱいだよ~」

律「ああ、お好み焼きだけじゃなく手羽先のコーラ煮にタコのおすいもの、ほうれん草
のおひたし
さらには、サケのムニエル!」

唯「いやあ、憂はSS内じゃハンバーグかカレーしか作れないと
思ってたのに……」

澪「空腹も手伝ってとっても美味しかったな」

和「空腹は最高のスパイスって言うものね」

梓「あ、今とっておきの名台詞が浮かびました」

唯「おお!なんですかいあずにゃん!?」

梓「『満腹は最高の贅沢』」

唯「あずにゃんカックイイいいぃっ!」

梓「苦しいです。そんなに抱き着かないで下さい」

唯「えへへへ」

和「でも今のは不覚にもにうまいと思ったわ」

唯「詩人だねあずにゃんは!」



♪帰宅!

和「まあ、あんまり長居するのも迷惑だろうしそろそろ帰るわね」

唯「そんなことないよっ。もうちょっとくらいいてもいいのに」

澪「唯。明日も学校があるってこと忘れてないか?」

梓「そうですよ、唯先輩」

唯「もちろん忘れてないよっ。あずにゃんっ。明日も部活楽しみだもん」

律「いやあ、憂ちゃんホントにありがとう、ごっつぁんです」

憂「そんなに頭を下げなくても……むしろこちらこそご迷惑をおかけしてしまって。
今日はありがとうございました。また、皆さんいつでもいらして下さいね」

紬「今度来る時には何か持ってくるわね」

唯「ムギちゃんもいつもありがとね」

紬「どういたしまして」

和「また雨が降り出してきそうだし、皆も寄り道せずに帰るのよ」

律「よし、じゃあ明日も学校へ元気に登校することを誓って、解散!」


唯「楽しかったね、憂」

皆が帰った後お姉ちゃんは本当に嬉しそうに言いました。

憂「うん、またみんなでご飯食べたいね」


この数日間でお姉ちゃんは少し、成長しました。それはあまりにも小さな成長で
注意深く見なければ、きっと誰も気づかないだらうし、案外私しか気づいていない
かもしれません。

けれども。確かにお姉ちゃんは確実に一歩ずつ進んで前に向かっています。

憂「今日はお洗濯に風呂洗いにご飯に色々とありがとね」

唯「ううん、憂はいつもいっぱいいっぱい家事をやってくれるんだから、こんなの
何でもないよ。わたしは憂のお姉ちゃんなんだから。それに……」

最後の言葉はお姉ちゃんが俯いたせいなのか、語尾が掠れたせいなのか聞き取れ
ませんでした。

どうしたの、と尋ねると、

唯「今日、わたしが米研ぎを失敗しちゃったせいで憂があんなことになっちゃって……
ごめんね」


憂「……ふふ」

唯「?」

私は自分の行動を思い出して、笑ってしまいました。
さっきまでなんであんなことをしてしまったのか頭を抱えそうになっていたのに。

憂「でもそれで今日、こんな楽しい時間を過ごせたなら決して悪くないとも思ったんだ」

唯「憂……」

憂「明日からも頑張ろうね、お姉ちゃん」

唯「まかせて!もうすぐ三年生になるし、勉強に家事に部活に全部ガンバるよ。
あっ、新曲の練習もしなきゃっ」



ああ神様。どうかこれからも、こんな素敵な日々が続いてくれますように。


唯「今日は久々に一緒に寝よっか?」

憂「うんっ」



♪おわり?



最終更新:2010年04月10日 23:47