----○月×日 放課後 音楽室
律「みんな!これを見てみろ!」
梓「なんですか?このメモ」
澪「異次元への行き方?」
律「ネットで見つけたんだ」
紬「まあ」
唯「異次元ってなあに?」
律「異次元ってのは、まあ別の世界みたいなものだ」
唯「へえ~」
梓「どうしてこんなものを持ってきたんですか?」
律「ズバリ!これを試してみようと思う!」
澪「はあ?」
唯「おもしろそう!」
梓「また変なことを…」
律「みんなやるよな?」
澪「わ、私はいいよ」
律「とか言って~、ホントは怖いんだろ?」
澪「こ、怖くないぞ!」
律「ホントかな~?」
澪「い…とにかく私はやらないからな!」
唯「私はやるよ!」
律「よし!」
律「ムギは?」
紬「私は…遠慮しておくわ」
梓「私もいいです」
律「なんだよ…」
律「いいよ!唯と2人でやるから!」
唯「おー!」
律「よし!なら早速行動開始だ!」
唯「ところでどうやるの?」
律「このメモを読めばわかる」
唯「ふむふむ」
「 ①10階以上あるエレベーターに乗ります
②4階→2階→6階→2階→10階といきます
③10階に着いたら降りずに5階に行きます
④5階に着いたら若い女の人が乗ってきます
⑤女の人が乗ってきたら、1階を押します
⑥そして1階に着いたら降りずに10階へいきます
⑦10階で降りると、そこは… 」
唯「なんかややこしくてわかんないや…」
律「大丈夫。私に任しとけ」
唯「りっちゃん、頼りになる!」
澪「どうなっても知らないからな!」
律「大丈夫!ただの遊びだよ」
梓「練習しないで遊んでばっかじゃないですか」
紬「ウフフ」
律「たしか近所のマンションが10階以上だったよな…」
律「そこでやろうぜ!」
唯「うん!」
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-----マンション
律「ここか」
唯「なんかワクワクする~」
律「あ、一つ言い忘れてた」
唯「え?」
律「さっきメモに若い女の人が乗ってくるって書いてただろ?」
唯「そうだっけ?」
律「もう忘れたのかよ…」
律「まあ、若い女の人が乗ってきたら、その人には話しかけちゃだめだぞ?」
唯「どうして?」
律「その女の人に話かけるとな…大変なことになるんだ」ヒエー
唯「わ、わかったよ」
律「よし…やるぞ」
唯「うん…!」ゴクリ
律「まず4階…」ピッ
唯「…」ドキドキ
律「2階…」ピッ
唯「…」ドキドキ
律「6階…」ピッ
唯「…」ドキドキ
律「2階…」ピッ
唯「…」ドキドキ
律「10階…」ピッ
唯「…」ドキドキ
律「そして5階…」ピッ
唯「…」ドキドキ
唯律「!?」
女「…」
唯「りっちゃん!ホントにに乗ってきたよ!」コソコソ
律「しっ!喋るな!」コソコソ
唯(前身真っ白の服着てる…)
律(まさかホントに乗ってくるとは…)
女「…」
律「次は1階…」ピッ
唯「…」ドキドキ
女「…」
律「最後に10階…」ピッ
律「唯、次降りるぞ」コソコソ
唯「わかった」コソコソ
ガタン!
律「え?」
唯「あれ?止まった…?」
パチンッ
律「うお!?」
唯「停電!?」
パチンッ
唯「ついた…」
律「なんだったんだ…?」
ガタンッ
唯「動いた…」
律「おい…唯…」
唯「え?」
律「女の人がいない…」
唯「ホントだ…」
律「なんか…」
チ―ン
唯「着いたよ…」
律「降りてみるか」
唯「…」
律「…」
唯「ここってもう異次元?」
律「なんか変な雰囲気だな…」
律「マンションの外にいってみよう」
唯「うん」
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----マンションの外
唯「りっちゃん…これは…」
律「空が…赤い…」
唯「わ、私達ホントに…」
律「異次元に来てしまったのか…!?」
唯「すごいよ!りっちゃん!」
律「ああ…まさかホントに…」
唯「探検してみよう!」
律「そうだな!」
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律「驚いたな…元の世界と変わらない…」
唯「でも空は赤いね」
律「そうだな…」
唯(ちょっと怖いかも…)
律「おい、唯」
唯「何?りっちゃん」
律「今まで歩いてて、人を見かけたか?」
唯「見てないよ?」
律「もしかして…」
唯「何?」
律「この世界には私と唯以外の人がいないんじゃないのか…?」
唯「え!?」
律「気配すらしない…」
唯「…」
唯「私ちょっと怖くなってっきたよ…」
律「…」
唯「帰ろうよ…」
律「そうするか…」
律「…」
唯「…」
唯「どうしたの?」
律「帰り方わかんない…」
唯「…え?」
律「ごめん…」
唯「そんな…」
律「…」
唯「…」
律「…そうだ!」
律「普通に考えて、あのエレベーターにまた乗ればいいんじゃないのか?」
唯「それだよ!りっちゃん!」
律「いくぞ!」
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------マンション
律「よし、押すぞ」
唯「やっちゃってくだせえ!」
律「…」パチッ
律「…」
唯「…あれ?」
律「も、もう一回」パチッ
唯「…」
律「エレベーターが…動かない…!?」
唯「そんな…」
律「…」
唯「…」
律「…別にこのエレベーターじゃなくてもいいのかな?」
唯「どういうこと?」
律「別の建物のエレベーターでもいいんじゃないのか?」
唯「…そうだね!」
律「他の建物のエレベーターを探してみよう」
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唯「…りっちゃん……」
律「…」
唯「エレベーターなかったね…」
律「ああ…町中探したのにな…」
唯「私達戻れないの…?」
律「…」
唯「うぅ…」ジワッ
唯「うええ~ん」ポロポロ
律「…」
律「とりあえず休める場所にいこう。歩き回って疲れたよ」
唯「うん…」グスッ
律「思うに、人がいないのと空が赤いの以外は何も変わらない」
律「だから、私達の家もあると思うんだ」
唯「…家にかえれる!?」
律「とにかく行ってみよう」
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律「…」テクテク
唯「…」テクテク
律「…」クルッ
唯「え?どこいくの?」
律「どこって…私の家はこっちだよ」
唯「私の家はこっちだよ」
律「…」
唯「…」
唯「べ、別々はやだよう…」
律「そうだな…」
唯「じゃあ、りっちゃんについていくよ」
律「じゃあ…まず私の家に行こう」
唯「うん」
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-----律の家
律「ただいま~…」
唯「おじゃましま~す」
律「お母さ~ん?聡~?」
唯「…」
律「やっぱり誰もいないな」
唯「そうだね…」
律「私の部屋に行こう」
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------律の部屋
律「ふう~、疲れた」
唯「ねえ、りっちゃん」
律「ん?」
唯「これからどうするの?」
律「そうだな…」
唯「…」
律「まず状況を整理しよう」
律「私達は学校の近くのマンションのエレベーターでここに来た」
唯「うん」
律「そしてこの世界は幾つかのことを除いて、元の世界と変わらない」
唯「空が真っ赤だね」
律「あと人もいないし、エレベーターもない」
唯「そうだね…」
律「エレベーターがないとすると、どうやって帰れば…」
唯「マンションにはエレベーターがあったよね?」
律「でも動かなかっただろ」
唯「そうだったね…」
律「…」
唯「…」グウ~
唯「お腹空いちゃった…」
律「こっちに来てからなにも食べてなかったな…」
唯「うん…」
律「近所のコンビニにでもいってみよう。食べ物があるかも」
唯「いこう!」
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-----コンビニ
律「よかった…食べ物置いてある」
唯「勝手にとっていいのかな?」
律「大丈夫だろ。誰もいないんだし」
唯「は…!てことは!」
律「ん?」
唯「アイスが食べ放題!?」キラキラ
律「この状況でそんなことを…」
唯「こうしちゃいられない!」
律「はあ…とりあえず持っていけるだけの食糧をもっていこう」
唯「アイス~♪」ガサガサ
最終更新:2010年04月12日 09:01