律「部活がないと物足りないなー」

澪「あぁ。日が落ちる前に帰るなんて・・・」

律「ちょっと落ち着かないよな」

澪「うん。どっか寄ってくか?」

律「うーん・・・」

澪「・・・」

律「いいや。気分乗んねー」

澪「誘っておいてなんだけど、私もだ」

律「それじゃ大人しく帰るか」

澪「そうだな」

律「んじゃな」




律の家!



ピンポン

律「聡ー出てー」

シーン

律「そういや聡はサッカーの試合だっけ?」

ピンポン

律「あーもう。出ますよ、出ればいいんだろー?」トントン

ピンポン

律「しつこいなぁ。今向かってるっつの」イライラ

ピンポン

律「あ゛ー!」ガチャ

律「はい?」

ふくよかなババア「今ちょっとお時間よろしいですか?」

律「よろしくないです。それじゃ」

ふくよかなババア「あぁん!待って!」ガッ

律「(こいつ、ドアの隙間に足を…)はぁ、なんですか?」

ふくよかなババア「あなたは今幸せですか?」

律「あなたが帰ってくれれば幸せですよ」イライラ

ふくよかなババア「あはは!面白い冗談!」

律(冗談じゃないし・・・)

ふくよかなババア「今日はあなただけにオススメさせてください」

律「はい?」

ふくよかなババア「幸せになれる黄色いハンケチーフを!」

律「ハンケチーフって・・・」

ふくよかなババア「どうですか?本当は3万円なんですが、あなただけ5000円でいいですわ!」

律「いや、いらないです」

ふくよかなババア「しかも2枚ついてくる!」

律「1枚もいらないです」

ふくよかなババア「お願いだから自分に素直になって?」

律「頼むから私の話を聞いてくれ」

ふくよかなババア「いいでしょう、聞きましょう」

律「そういう意味じゃなくて・・・」

ふくよかなババア「?」ニコニコ

律「はぁ・・・。さっきからいらないって言ってますよね?」

ふくよかなババア「聞こえてるよ?でもそれはあなたが強がって言ってるものだと私は思ってるんだ?」

律「」

律(なんでこいつ急にため口になったの?すげームカつく)イライラ

ふくよかなババア「わかるけどね。色々なもの信じて裏切られてきたんでしょう?
だからこのハンケチーフを信じるのも怖いんでしょう?」

律「帰れ」

ふくよかなババア「でも安心して。このハンケチーフだけはあなたを裏切らない。あなたを幸せにしてくれる」

律「・・・」

律「帰れっつってんだろぉがぁぁぁ!!!」

ゲシッ

ふくよかなババア「痛いっ」

バタンッ!!

ふくよかなババア「ドアに挟んでた足を蹴って扉を閉めるとは・・・なかなかやるわね」

律「・・・」

律「全く。鬱陶しいったらありゃしない」

律「こんなことなら澪とどっか遊びにいけばよかったぜ」

律「はぁ・・・」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

憂「はーい?」ガチャ

ふくよかなババア「あのぉ~☆」

憂(うわぁ・・・)

憂「はい?」

ふくよかなババア「黄色いハンカチってご存知ですかぁ?」

憂「知らないですし、興味もないので知りたくもありません。お引き取り下さい(主に息を)」

ふくよかなババア「お家の人は?」

憂「お引き取り下さい」

ふくよかなババア「パパとママはどうしてるのかなぁ?」

憂「通報しますね」

ふくよかなババア「さようなら~☆」

憂「…はぁ。私、ああいうの苦手だな」

憂「それにしても、あんなセールス未だにあるんだね」

憂「さてと、夕飯の支度でもしようかな」

唯「うーいー、今日のご飯はなになにー?」

憂「今日はねー・・・」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

梓「ふぅ・・・」

梓「ちょっと休憩・・・」ガタン

梓「もしかしたら部活の時よりもギター弾いてるかも…」

ピンポン

梓「ん?はーい?」

ピンポン

梓「(しつこいなぁ)ちょっと待って下さーい」

ガチャ

ふくよかなババア「どうも~☆」

バタン、ガチャ

梓「さ、ギターの練習しよ」

ふくよかなババア「あのチビ、鍵閉めやがった」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ピンポン

澪「・・・」シャカシャカ

ピンポン

澪「・・・」シャカシャカ

ピンポンピンピン

澪「・・・」シャカシャカ

ピンポンピンポンピンポン

澪「うーん、この公式がイマイチわからない・・・」シャカシャカ

ピンピンポポンピンピンピポンポン

澪「はぁ・・・」シャカシャカ

ピンポンピンポンピンポン

澪「あ!!わかった!」シャカシャカ

ふくよかなババア「居留守にも程があるわ・・・」ションボリ



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


紬「私、こういう普通の家に住むのが夢だったのー」ニコー

斉藤「ただし、少しの間だけですぞ」

紬「わかってるわよ」

斉藤「旦那様のご厚意でこうして庶民のマンションに住めるのですから。何事も穏便に過ごしましょうぞ」

紬「だからーわかってるってばぁ」

斉藤(何故、紬お嬢様は私の前ではこんなにわがままな振る舞いなんだろうか・・・)

斉藤「可愛いからいっか♪」

紬「初老の男性が『♪』ってのはさすがにちょっと・・・」

斉藤「」


ピンポーン


斉藤「誰でしょうか。ちょっと」

紬「待って」

斉藤「はい?」

紬「私が行く」

ピンポーン

斉藤「いや、しかし・・・」

紬「私が行きたいの」

斉藤「ですが、恐らくセールスか何かだと思うのですが」

紬「だからこそよ!!」

斉藤「・・・はい?」

紬「私、鬱陶しいセールスに『本当にいりませんから』って言うのが夢だったのー」キラキラ

ピンポーン

斉藤「なんですか、そのよくわからない憧れは」

紬「だって家に居ても使用人達が追い返しちゃうんだもの」

斉藤「いや、まぁ・・・」

ピンポーン

紬「それにこのインターホンを鳴らし続けるしつこさ!相当手強いわね!」

斉藤「嬉しそうですね」

紬「じゃあ、行ってくるわ!」

斉藤「私も後ろからついていきます」

紬「…?」キョトン

斉藤「安心してください、一切口出しはしません。万が一のため、ですよ」

紬「それならいいのよ!」

ピンポーン

紬「はーい!」ガチャ

NHK「すみません、NHKの集k」

紬(きたぁぁぁぁ!!!!)

紬「結構ですので」シレッ

斉藤「」

NHK「いや、結構とかじゃなくて・・・」

紬「うちでは間に合ってますので」

斉藤(ああぁぁぁ・・・!微妙に対応が間違ってる・・・!!)

NHK「払ってもらわないと困ります」

紬「しつこいわねぇ、そういうは結構ですっ」ツヤツヤ

NHK「・・・」

斉藤「・・・」


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最終更新:2010年04月13日 00:32