律「あの、リーダー辞めさせられるとかそういう…?」

さわ子「ちがうちがう!急にそんなリーダー交替なんて、
イメージダウンしちゃうよ。ちがうから、大丈夫
ただまぁ、メインは唯ちゃんと澪ちゃんだから。
メインの子たちがリーダーも兼ねると負担かなぁって
これまで田井中さんにお願いしてたけど、やっぱり
そういうのってよくなかったんだね」


さわ子「やっぱり売れてるメンバーに対して苦々しく思う気持ちってさ。
どうしてもあったんだろうね」

律「ちがっ

さわ子「いいから!いいから。田井中さんが性格悪いとか心が醜いとか
そういう意味じゃないから。こっちの配置が不適切だっただけだから。
どうしても田井中さんをお笑い的なポジショニングでね。ごめんね。
田井中さんも女の子なんだし、こっちの配慮不足だったよ。
これからは大丈夫だから」


律「違うんです!これは…澪が…!」

さわ子「……」

律(そんな…蔑むような目で私を…!?)

律(くそっこれが格差社会か!!その2かこれが!!)

律(下位メンがメインを告発するなんて浅はかだったというのか…!)


律(これも全部澪が…!あいつがさわ子にチクれとか言うから…!)

律(平沢の奴も…あいつが天然キャラ作りで澪をイラつかせなかったら…!)

律(でもまぁ、元々私人気ないしな、まぁいいか…あーいいやもう楽になろう)

律「わかりました、もういいです」

さわ子「えっ」

律「家で。やってるネトゲ今イベント中なんで。私帰るんで。お疲れした」
ガチャッ

律(よーし帰りにお菓子買いまくって引き篭ってイベント張り切ろ!)

律(なんかもういいや!どうせ人気ないし!カロリーとか!バンドとか!
いつも一人で狩ってたけど、ネトゲでちゃんと友達作ろっと!
あーなんか楽しくなってきた!気楽っていいかも!)



澪「つながらない…」

唯「え?」

澪「律に電話つながんない。聞きたいことあったのになー(結果報告とか…)」

唯「そうなんだ~ 撮影一緒だったらよかったのにね!」

澪「今日のグラビアは、私と平沢さんと中野さんしか呼ばれてないからね」

唯「そうだね~なんでだろうね~ 全員揃った方が楽しいのに~」


唯「そういえば、澪ちゃんってさ~
 律さんと紬ちゃんは名前呼びなのに、
 私と梓ちゃんのこと名字呼びだよねー
 名前で統一した方がよくない?その方が仲いいっぽい響きだよ~」

梓(平沢先輩ぱねぇ…)

澪(このメンバーストレスたまる…あー律がいれば…)

澪「う、うん、まぁそれはおいおいということで…」

唯「澪ちゃんおもしろい~!私達何年も友達なのに~!」

梓(友…達…!?カメラ回ってないのに…!平沢先輩ぱねぇ…!)

澪「律どうしたんだろう…仮にもリーダーなのに
メンバーの電話取れないとかどう思う?
いや、私はいいんだけど」

唯「私もいいよ~」

梓(平ryぱねry)

澪(くそっこのメンバーじゃ駄目だ!律!助けて律!!)

梓(感じる…!今この空間で確実に紬先輩は忘れさられている…!)

澪「な、中野さん何か喋りなよ…今日ひとことも喋ってないよ…?」

梓「あ、すいませんお腹空いてたんで。今日家に何もなくて」

澪「ごはん食べてこなかったんだ?」

梓「あ、いや、醤油は舐めました。お寿司のパックについてるやつ
でも身体に悪いんで。3舐めぐらいでやっぱお腹たまんないすね」

澪(律…!りーーーーーーーーつ!!!!!!)


澪「わ、わかったよ…空きっ腹なところ話しかけてごめんね…」

澪「でも最低限挨拶はしようね」

梓「了解すー」

その夜、音楽番組のトークで唯は、ふにゃふにゃした動きを突っ込まれ、
れんにゅう(苺にかけるチューブ)で飢えをしのいだから力が出ないと
語って笑いを誘ったという

澪(醤油から練乳にアレンジ…だと…!絶対天然じゃない!)
梓(平沢先輩ぱねぇっす)

澪(それにしても律…今日番組で静かすぎだったんだけど…)

澪(その分私が映るから別にいいけど…
でも律がお笑い担当で、あとリーダー的に平沢さんに突っ込み
入れてくれるからこっちが悪者になんなかったのにちょっと困る…
平沢さん天然キャラ装ってるし突っ込むとこっちが性格きつく見える…)

梓「お疲れした」

紬「平和に終わってよかったー!」


澪「さわ子さん、なんか律おかしいんですけど」

さわ子「え?あー、大丈夫だよ。肩の荷おりたんじゃない?」

澪「えっ」

さわ子「表面上リーダーだけど。実質はずれてもらったから」

澪「え、なんで…」

さわ子「ストレスたまってたんじゃないかな?なんか悩んでたみたいで
変なこと言われたんだよね、1ヶ月前。それで会議になって。
ではずれてもらった。田井中さんの為にもその方がよかったからね
田井中さん、きっと今まで無理してたんだろうね~あれが素なんじゃ?
でも別に問題ないよ。リーダーって言っても別に特に実際何かして
もらってたわけじゃないしさ。お笑い担当はしてもらってたけどw
でもあれも同じ刺激には視聴者すぐに飽きるし。田井中さんのツッコミも
そろそろ終わりでよかったでしょ。大丈夫、問題ないよ。梓ちゃんいるし」


澪「そんな…困ります…!」

さわ子「あー澪ちゃんは田井中さんと仲よかったもんね~
でも慣れてもらわないと。これ仕事なんだからさ」

澪(そんな…困る…)

澪(リーダーが言うこと聞いてくれる人じゃないと私やってけないよ…!)

澪「う…うう…っ」

さわ子「泣いちゃダメよ(ぽむぽむ)
田井中さんと仲よかったもんね~ 澪ちゃんは繊細だけど優しいんだね。
でも彼女、リーダーはずれるって言っても、別にHTT自体をやめるわけ
じゃないんだから。頑張ろ!ね?」

澪「はい…」

澪(どうしよう…)


澪(やっぱあれかな…)

澪(1ヶ月前ぐらいっていうと、やっぱ私が言ったあれのせいだよね…)

澪(はぁ…)


澪(…一体どんな言い方したんだよあいつ。馬鹿が。ほんと使えない…)




律(は~気楽っていいな~ 天国とはこのこと!)

律(メンヘラ澪の愚痴電話にもつきあわなくていいしさー)

律(着拒って素晴らしいね!もちろん言い逃れできるように
ガイダンス流すんじゃなくて話し中の音が聞こえる方の
設定だからね。いつも話中で澪ゴメンネ!(笑)

律「それにしてもネトゲでできた友達宝だわ」

梓「そ、そうすか…」

律「こっちの正体知らないのに優しいしさー。田井中律って知らないのに
優しくしてくれるとか、ほんとイイヤツだよね~」

梓「相手の性別、男?」

律「えっなんで?」

律「ってか別にそんなんじゃないし!ネットでやりとりするだけだし!」

梓「リーダーの性別が女ってのは相手知ってるすか?」

律「知ってると思うよー口調とかでわかるじゃん」

梓(女だからチヤホヤされてるだけじゃ…)

律「あとね、梓」

律「私もうリーダーじゃないよ」


梓「……」

律「リーダーじゃないからさ」

梓「…でも、私にとってはリーダーなんで」

律「困るなー。いや、でもまぁいいか。どうでもいいし」


梓(今更呼び方変えるとか正直なんて呼んだらいいかわからんって)

梓「あと、表面上はリーダーですよね?」

律「ねー めんどくさい」

律「澪がやればいいじゃん あいつ仕切りたがりだし」

律「一度リーダーの苦労を味わうがいい!」

梓「秋山先輩やらないでしょー… 悪者になるの大嫌いじゃないすかあの人」


律「なんかさー 結局リーダーとか不要だよね ただの雑用係だったし」

律「だから売れてるメンバーがやったら困るんだよね」

律「言い辛いことだけ言わされたりさー
それでこっちが嫌われもんになってさー 疲れた」

梓「お疲れ様した!」

律「お前はもうちょっと空気読もうな」


唯「澪ちゃん、そこ違くない?」

澪「えっ」

唯「そこ、間違ってる」

澪「あーごめん… 平沢さんはさすがだね~ 私なんて自分のことで
手一杯なのに、相手のミスとか気づけちゃうってすごいよね~」

唯「えーそんなことないよー!澪ちゃんのがすごいよー!」

紬「…じ、じゃあ、あの、みんなすごいねってことで!私以外!」

梓(リーダーが仕切らないと常時氷点下だなーここ…)


梓(しょうがねーなーもう…)

梓「さわ子さん!」

さわ子「梓ちゃん!梓ちゃんから話しかけてくれるとか珍しい!
何かあった?悩みとか?なんでも聞くよ?梓ちゃんはHTTの
大事なメンバーだからね!大丈夫?ご飯食べてる?調味料じゃない?」

梓(誰か醤油の件ちくったな…)
「いや、あのリーダーのことなんですけど…」


さわ子「リーダー?…あっ、田井中さん?
田井中さんのことをまだリーダーって呼んでるんだね…
梓ちゃんあんましゃべんないけどホントいい子だよね~」

梓「いや私のことはいいんで。話題じゃないんで。
でリーダーがリーダーじゃないとなんか困るんですけど色々」


さわ子「梓ちゃんって田井中さんと仲よかったっけ?」

梓「いや、別に仲はよくないです。
それはどうでもよくて、最近、秋山先輩がピリピリしてるんで」

さわ子「ああー田井中さんと仲いいもんねあの子」

梓「ってか、秋山先輩、平沢先輩のこと嫌いなんですよ」

さわ子「ええっ!?」


梓「平沢先輩は何考えてるかちょっとわかんないですけど。
少なくとも秋山先輩は、平沢先輩とのスキンシップが
苦手なみたいなんで、リーダー的な人がいないと
皆ストレス溜まって大変だと思います。てかめんどいです。
いや、平沢先輩は何考えてるかよくわかんないですけど。」

さわ子「そ、そうなんだ?えー、でもうーん。いやっでも
梓ちゃんが言うことなんだから、きっとそういう側面も
あるってことだよね。わかった。上に報告してみるよ」

梓「助かります。秋山先輩プロなんで、仕事中には態度出ないですけど
やっぱストレス溜まってると作詞にも影響出るしよくないすよ」

さわ子「そうだね!いやーやっぱ梓ちゃんは頼りになるなー
ほんとにありがとう!これからも気づいたことがあったら
逐一教えてね!」

梓(あーめんどくさかった…現世分の体力使い果たしたなまじで…寝る!)


さわ子「呼び出しちゃってごめんね~」

律「なんですか?早く帰りたいんですけど…」(そわそわ)
ポチポチポチポチポチ

さわ子「仕事の話する時に携帯いじるのはどうかなー…」

律「すいません仕舞います」(そわそわ…ちらちら…)


さわ子「以前、田井中さんすごく疲れてたみたいだから、一時的に
リーダーをはずれてもらうという対応を事務所側でさせてもらったわけだけど、
そろそろ元気になったみたいだから、どうかなぁと思って」

律「?どうかなぁって?」

さわ子「いや、だから、リーダー復帰とか、どうかなぁって」

律(どうかなぁって…だと…!?)

律「いや、あの、聞いてないんですけど」

さわ子「うん?何が?」

律「いや、一時的にはずれた、とか。一時的?え、一時的って?」

さわ子「あれ?ごめんね。言ってなかったかな?じゃあ、当時の
田井中さんは、リーダーとして責任感が強すぎて、すごくストレス
溜まって疲れちゃってる状態だったから、もしかしたら、
一時的という表現を使うことで精神的な負担をかけちゃうかも
しれないと思って、言わなかったのかもしれないね」

律「しれない、っていうかほんと全然聞いてないんですけど…」

さわ子「そうなんだ~ じゃあ言ってなかったかもしれないね~
当時の田井中さんの精神面への配慮で、言わなかったかもしれないね~」

律「」


さわ子「で、どうかな?リーダーやってくれるよね?」

律「いや、あの、もう…やりたくないんですけど…」

さわ子「えっ!?どうして!?えっ怒ってる?」

律「いや、もう今更言われても…もう他に趣味とかあるんで…」

律「早く帰りたいっていうか…」(そわそわ)

さわ子「趣味って……ネトゲ?」

律「…!!」

さわ子「ネトゲって若い女の子がやるようなことかなぁ?
ネトゲって私よくわからないし、そりゃあ楽しくやってる人も
いるだろうけどさ。田井中さんほどの人が貴重な人生消費してまで
するようなっことなのかなぁ?それって自分磨きになるのかなぁ?
なんのステップアップになるのかなぁ?」

律「……っ」

律「…ひどい…」

律「私あの当時リーダーいきなりはずされてほんとヘコんでて…!」

律「ネトゲの友達が慰めてくれたからなんとか頑張れたのに…!」

律「さわ子さ…さわちゃんにネトゲの何がわかるっていうんですか!!!!!1」

律「とにかく!私リーダーやりませんから!やらない!」

律「ってかもうHTTとかどうでもいいし!」

律「何が放課後ティータイムだよ全員とっくに卒業してるっての!」

律「こんな人間関係最悪なバンドよりネトゲの友達の方がずっと優しいし
頼りになるしHTTとかネトゲ以下だから!
なんで、リーダーとかやらされるならHTTやめるんでまじで!帰るんで!」
ガチャッバターン!

さわ子「田井中さん…!」

さわ子「田井中さん…」

さわ子「HTTは高校は卒業したけどまだ大学在学中なのに…」

さわ子「仕事忙しくて休学続いてるから忘れちゃってるかー…」

さわ子「田井中さん…」


律(もうこんな時間だよ!はやくはやくはやくはやくはやく!)
ガチャッ バタン!!

弟(あーまたネトゲか…)


梓「え?どういうことですか?」

さわ子「だからー、なんか田井中さん、ネトゲ中毒に
なっちゃったみたいで、まともにリーダーとか
やれそうにないんだよね」

梓「それで、私がリーダーすか?」

さわ子「だって、唯ちゃんと澪ちゃんの架け橋になってくれそうな人って
梓ちゃんぐらいじゃない?」

梓(再び…!再び今この空間で紬先輩の存在が忘れ去られている…!?)

梓(やばい…めんどい…)

梓(リーダーやるとかありえない…死ぬし…)

梓(あーさわ子さん頼りになんないしもう直接掛け合うしか)

梓「リーダー!」

律「あっ梓!!」

梓「え、なんですかリーダー…」

律「だからもうリーダーじゃないって。よかった!
ちょうど聞きたいことあってさー
私ネトゲに友達いっぱいいるんだけど~」

梓「よ、よかったですねリーダー」

律「じゃなくて!これはネトゲ友達に聞けないからさー
同性の子じゃないと。よかったー1週間ぐらい悩んでて。
仕事中だとさわ子さんがうるさいからネトゲの話とか
できないし~」


梓「ネトゲの話は私もわからないすよ?」

律「いいんだって!聞いてくれるだけでいいから
迷ってるだけだから。」

律「なんかさー。こないだ言ってたネトゲ友達が、
あっこないだのね!優しくてイイヤツって言ってたじゃん!あれね!
すごい私のこと好きでなんか私に会いたいって言い出してー」

梓「は?」

律「いや、だから会いたいって言われて困っちゃって~」

梓「普通に断ったらいいんじゃ?」


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最終更新:2010年04月18日 20:17