~夜、平沢家


唯「……夢じゃないよね?」ツネッ

唯「痛っ!」

唯「……」

唯「よかった」

唯「夢じゃない」

唯「えへへ」

唯「実は今日」

唯「あずにゃんに告白しました!」

唯「……」

唯「ねぇギー太」

唯「返事はどうだったと思う?」

ギー太「……」


唯「なんと」

唯「……」

唯「……」

唯「……」

唯「……成功しました!」

ギー太「……」



唯「あずにゃんったら」

唯「こう言ってくれたんだよ」

唯「『私も唯先輩のことが好きです』」

唯「……」

唯「えへへ///」


唯「ねえギー太」

ギー太「……」

唯「これって明日から私とあずにゃんは恋人同士ってことだよね?」

ギー太「……」

唯「そうだよね!」

唯「ありがとうギー太!」

ギー太「……」


唯「恋人らしいことしないとね♪」

唯「例えば」

唯「特別な呼び名で呼ぶとか」

唯「抱きついたりとか」

唯「あーんしてあげたりとか」

唯「……」

唯「全部やったことあるね」


唯「ねえ」

唯「ギー太」

ギー太「……」

唯「何をすればいいのかな?」

ギー太「……」

唯「……」


唯「そうだよね」

唯「自分で考えないとね」

唯「……」

唯「でも」

唯「応援はしてねギー太」

ギー太「……」


唯「おやすみのメール送ろっか」

唯「……」

唯「文面どうしよう」

唯「ハートの絵文字は入れないとね」

唯「あとは」

唯「……」

唯「ギターの絵文字かな?」


唯「よし」

唯「できた」

唯「『あずにゃ~ん、また明日ね~ それじゃあおやすみっ!』」

唯「送信っと♪」

唯「……」

唯「……返事まだかな」


唯「……」

唯「……」

唯「あずにゃん寝ちゃってるのかな」

唯「……」

唯「……」


唯「練習しよっかな」

唯「出番だよ、ギー太」

ギー太「……」

唯「どの曲がいい?」

ギー太「……」

唯「んー」

唯「……」


唯「これにしよっか」

唯「ふわふわ時間」

唯「これはね」

唯「澪ちゃんが作詞したんだよ!」

唯「それにね」

唯「作曲はムギちゃんなんだよ!」

唯「……って」

唯「ギー太ももちろん知ってるよね」

ギー太「……」


唯「それじゃあ行くよ!」

唯「キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI」

ギー太「~~♪~~♪~~♪~~」

唯「揺れる思いはマシュマロみたいにふわ☆ふわ」

ギー太「~~♪~~♪~~♪~~」

ブーンブーン

唯「!」

唯「あずにゃんからだ!」バッ

ギー太「……」


唯「『おやすみなさい、明日は遅刻したらだめですよ?』」

唯「だって」

唯「えへへ~♪」

唯「それじゃあ遅刻しないように早く寝ないとね」

唯「おやすみギー太!」

ギー太「……」


唯「……」

ギー太「……」

唯「zzz」

ギー太「……」

ギー太「……」

ギー太「……」


憂「お姉ちゃん起きてー」

唯「んん……」

唯「あと五分……」

憂「もう三回目だよそれ」

憂「遅刻しちゃうよ」

唯「!」

唯「遅刻!」ガバッ


憂「おはようお姉ちゃん」

唯「おはよー」

憂「ほら」

憂「早く着替えてご飯食べちゃお?」

唯「りょーかーい」


唯「もう」

唯「朝は忙しいなぁ」

唯「着替えて」

唯「時間割の確認をして」

唯「身だしなみを整えて」

唯「ご飯食べて」

唯「……」

唯「ギー太が手伝ってくれたらいいのに」

ギー太「……」



~通学路

唯「うぅ~」

唯「今日も寒いねういー」

憂「そうだねお姉ちゃん」

憂「なんでも」

憂「この冬一番の寒さになるって」


唯「へー」

唯「……ってあれ?」

唯「一週間くらい前もそんなことニュースで言ってなかった?」

憂「そうだっけ?」

唯「そうだよ」

唯「……一番が何回もあるなんて変なの」

唯「あっ、あずにゃん」


梓「おはようございます唯先輩、憂」

憂「おはよう梓ちゃん」

唯「寒いよあずにゃ~ん」ギュー

梓「ちょ、ちょっと唯先輩!」

梓「こんな道端で……///」


唯「いいじゃんいいじゃん」

唯「だって私たちは恋人なんだよ~」ギュー

梓「そうですけど羞恥心と言うものが……」ゴニョゴニュ

憂「お似合いだね」

憂「ふふ」ニコニコ



~一ヶ月後

唯「今日は日曜日」

唯「……」

唯「先々々々週は一緒に映画見に行ったっけ」

唯「先々々週はブラブラと街を歩いたね」

唯「先々週はあずにゃんの家でゴロゴロして過ごした」

唯「でも……」

唯「先週は都合が悪いって言われた」

唯「そして……」

唯「今日も用事があるって断られた」

唯「……」


唯「でもしかたないよね」

唯「毎週毎週空いてるってほうが少ないよね」

唯「ね、ギー太?」

ギー太「……」

唯「ありがとうギー太、慰めてくれて」

ギー太「……」


唯「それに」

唯「来週はきっとだいじょうぶだよね」

唯「……」

唯「憂も今日は純ちゃんの家に遊びに行っているし暇だね……」

唯「テレビでも見よっかな」

唯「リビング行くよギー太」

ギー太「……」


唯「何見よっか」

唯「新聞はどこかなっと」

唯「あー……あんなところに」

唯「こたつから出るの嫌だな……」

唯「適当にチャンネル変えてみよっ」ピッ

唯「!」


唯「浮気特集なんてやってる」

唯「……」

唯「別のチャンネルにしよ」

唯「……」

唯「……」

唯「……」

唯「最後まで見ちゃった」


唯「でも私たちには関係ないよねギー太?」

ギー太「……」

唯「うんうんそうだよね」

ギー太「……」

唯「さてテレビテレビっと」ピッピッ

唯「……再放送しかやってないや」

唯「……」

唯「本屋でも行こ」

唯「お留守番しててねギー太」バタン

ギー太「……」


唯「うぅ寒い……」

唯「ぎゅーっとしたいよ」

唯「あずにゃんがいたらなぁ」

唯「憂がいたらなぁ」

唯「カイロがあったらなぁ」


唯「本は何を買おっかな」

唯「お菓子作ってあげようかな」

唯「手作りマフラー編んであげようかな」

唯「どれにしてもあずにゃん喜んでくれるよね」

唯「……ん?」

唯「あれは……あずにゃん?」


唯「誰かを待ってるみたい」

唯「私以外の……」

唯「誰かを……」

唯「待ってる……」

唯「……」


唯「声かけようかな」

唯「それとも」

唯「このままここからあずにゃんが誰と会うのか見てようかな」

唯「……」

唯「きっと家族とだよね」

唯「……」


唯「!」

唯「あれは……澪ちゃん?」

唯「あっ……あずにゃんに声をかけた」

唯「あずにゃんも嬉しそうにしてる……」

唯「移動するみたい……」

唯「そっか」

唯「あずにゃんが待ってたのは澪ちゃんだったんだ」

唯「……」


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最終更新:2010年04月23日 21:26